私の方も、農林中金の問題を中心に質問したいと思うんですが、その前に、きのう発表された経済対策について、ごく簡潔に幾つか聞きたいと思います。
まず、中川大臣に確認をしたいんですが、二兆円を財源として、一つの家庭で大体六万円ぐらいの給付金を出すということですが、これは一回こっきりで終わりですか。もしくは継続の可能性もあるんですか。
○中川国務大臣 これは臨時異例として、次ということは考えておりません。
○細野委員 総理自身も、全治三年とおっしゃっているわけですね。ことし給付金を出す。税金を出している人に関して言うと減税ということになるんでしょうか。出していない方については所得の増加ということになるわけですね。
では、その次の年は所得が減るということになりますね。これは、経済、消費に対してマイナスのインパクトにはなりませんか。
○中川国務大臣 経済の状況によってはそういうことになりますし、ならないかもしれません。
○細野委員 経済の状況によっては継続する可能性もあるということですか。
○中川国務大臣 二回目をやるということは考えておりません。
○細野委員 ということは、二年目以降は、経済が悪くなってもよくなってもできないわけですから、悪くなっていた場合には、さらなるマイナスのインパクトを経済に与える可能性がある。それはお認めになりますね。
○中川国務大臣 麻生総理も私も、こういう対策等々をとって、三年と言っておりますけれども、ことしよりは来年、来年よりは再来年で全治するというふうに思っておりますので、最初から悪くなるという前提でこの対策もとっておりませんし、また、悪くなるという前提でお答えをするというのは、半分の可能性ということでありまして、いい場合もあるということも、私どもはむしろ期待をしているわけでございます。
○細野委員 極めて希望的な観測を今おっしゃいました。
もう一点。この二兆円の財源は、巷間言われております財投特会から、いわゆる積立金、我々は埋蔵金と呼んでいるもの、ここから出すということでよろしいですか。
○中川国務大臣 財源については、例えば建設公債の部分で出せるものについては建設公債を出すことを考えておりますし、それ以外についてはほかの財源からということで、御指摘のとおり、多分この財投特会の中からの財源が原資になるだろうというふうに思っております。
○細野委員 大臣、給付金の話をしているんですよ。給付金の財源で建設国債を使えるんですか。
○中川国務大臣 だから、今回の予算五兆円の中で、建設国債で充てられるものについては建設国債ですが、それ以外はということです。
○細野委員 では、二兆円の財源については財投特会から出すという御答弁をされたわけですが、財投特会の積立金を取り崩して、そしてそれを財源とするには法律が必要ですね。この法律は年内にやるということ、給付金を出すということをおっしゃっているということは、年内に法改正も出す、そういうことでよろしいですね。
○中川国務大臣 生活支援定額給付金については年度内に実施する、できるだけ早くやりたいとは思いますけれども。そして、細野委員御指摘のとおり、これは法律を改正しないと整理基金からこちらの方に持ってくることができません。それに間に合うように法律改正をしていかなければいけないと思っております。
○細野委員 そうおっしゃるということになると、給付金もいつ出るか、これはよくわからないということになるわけですね。わかりました。
もう一つだけ。きのう、麻生総理の会見の中で、正直言いまして給付金についてはなんだなと思っておりますが、私が一つだけなるほどなと思ったことをおっしゃったので、それにつき聞きたいと思うんですが、証券化商品の情報が極めて不透明だという話をされました。その後、問題点を見過ごした監督体制は大いに反省すべきだということも、冒頭会見で御自身からおっしゃっています。
話を農林中金に移したいと思うんですが、二枚目、先にちょっと資料をごらんいただけますか、大臣。これは農協グループの資金の流れですが、一番右の列になっているのが農林中金の、下が入りです、上が出です。四十四・一兆円の有価証券、金銭の信託をやっていて、そのうち、ディスクロージャーの資料によりますと、いわゆる証券化商品と言われるものに、七・一兆円以上、七兆円以上の資金を出しています。大臣よろしいですか。
証券化商品の情報が不十分であり、かつ監督が不行き届きであるということの反省が必要であると。農林中金自身が七兆円、証券化商品に金を出している。ここには書いてないんですが、これはディスクロージャー資料で出ているんです。農林中金自身が認めているんです。これについて、監督責任、どういうふうにお考えになるか。総理自身がおっしゃっていますから、御答弁いただきたいと思います。
○中川国務大臣 農林中金がどのぐらいの証券化商品を持っているか、私、ちょっとわかりませんけれども、要するに、総理がきのう発表されたことというのは、生活対策の中で、国内の生活者、中小企業、地方、それからいろいろな方々あるいは対象に対していろいろなことをやりますということと、国際的にやるべきことがあるんだと。
それはまさに、今細野委員がおっしゃったように、証券化商品等が余りにも横暴になってといいましょうか、詐欺的な融資というお言葉をきのう使っておられましたけれども、そういう問題を何とかしなければいけない、だから証券化商品についてのルールづくりのようなものをやっていかなければいけない。あるいは、格付についてももう一度見直さなければいけない、時価会計等、会計の問題もどうあるべきかということをやっていかなければいけないということを、国際社会の中で自分がリーダーシップをとってやっていきたい。十五日のワシントンでもそのことをぜひ自分は言いたい、やっていきたいということを述べたわけでございます。
これと、日本の金融機関、世界の金融機関が現在持っておる証券化商品について、これをどうこうしろということとは、直接的には関係ないというふうに思います。
○細野委員 農林中金は日本国内で最大の投資家というふうに言われておるんですよね。この農林中金が、七兆円以上のいわゆる証券化商品、一番リスクがあると言われている商品を買っているんですね。
さらに私が深刻だと思いますのは、大臣、もう一回この表を見ていただきたいんですが、これはなかなか情報がすべて出てこないので、推測の域をある程度出ないんですけれども、証券化商品を買っているのは恐らく農中だけではないのではないか。例えば、右から二列目に出ております信農連、信連と言われるところですね、県に存在をする組織ですが、ここでも有価証券、金銭の信託に十六・九兆円。仮に約二割証券化商品を買っているとすると、ここでも四兆円ぐらいそこに金が流れているわけですね。さらにその下に行くと、市町村のJA段階ですね。これは有価証券等で四・二兆円。ここもかなり、数千億円、いわゆる証券化商品を買っている可能性がある。
ここ数日、この問題を大分やって、マーケット関係者と話をしていたんですが、大臣、この証券化商品というのはばば抜きみたいなものだと彼は言うんです。ある投資家は、証券関係者ですが、言うんですね。結局そこに何が入っているかわからないです。どんなリスクが入っているかわからない。例えばサブプライムローンでいえば、アメリカのある地域のある家庭の家のローンを、なぜか日本の高齢者が老後の資金で買わされていたりするわけですね、信託なんかに入っていて。そういう、やはり非常に、ばば抜きでいうと、どれがばばか判定できない人が多いわけですよ、プロであれば別として。そういう商品なんですよね。
ですから、国際社会で、それはそれで一つの規制のあり方を議論していただくのは結構だけれども、日本国内でも、やはり流通の規制なりリスク管理のあり方、これはもう早急に検討した方がいいと思いますよ。それについて、ちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
○中川国務大臣 一昔前までは、金融についても何についてもグローバル化だグローバル化だと言って、おくれているおくれているという話だった。ある意味では、私はそのツケの一つがこれだろうと思っております。
細野委員はばば抜きと言いましたけれども、私はもっとひどい表現なので、ここでは言いませんけれども、まさに細野委員がおっしゃっているばば抜きという意味は、私はよくわかります。言いたいんですけれども、言えないところがつらいところでありますけれども。
みんなが買っているうちはいいんですよ。ばば抜きでも何でもないんですよ、みんながハッピーなんですよ。でも、そんなのあり得ないので、一たんおかしくなっちゃうと、みんながばばを持っちゃうんだろうと思うんですよね。でも、みんながハッピーでいるなんていうのはあり得ないということは、過去の歴史においても、あるいはちょっと考えればわかるわけでありまして、これはこの前、ワシントンで世界銀行のボブ・ゼーリックが私に、これはもう心理学の世界だと言っておりましたけれども、どういう形で規制するのか。
世界でやるなんてのんびりしたことを言っていないでとおっしゃいますけれども、これは世界で規制をしないと、日本だけ、こういう商品はこういうふうに規制するとか、ああいう商品はいいとか、こういうこともなかなか、このグローバル化してしまった、特に金融の世界では難しいかなと思いますけれども、お気持ちはわかります。
○細野委員 確かに、一つの幻想をみんなで抱いて、その幻想をみんなが抱いている間はよかったんだけれども、これが幻想であったということに気がついたときにばらばらと崩れている。方向として、もう一回この幻想をもう一つ大きくしてつくるのか、もしくは、幻想はあくまで幻想であったので現実を見ようというふうにするのか、道は二つあって、当然、日本としては後者を選択すべきだと私は思うんですね。大臣もそのことは、御自身が専門家でいらっしゃるので、よくわかっていらっしゃると思うので、やはり国内でもやれることがあるということを私は申し上げたかったんです。
こればかり話をしていると時間がなくなりますので、この法案の具体的な中身に入りたいと思うんですが、まず大臣、これは簡潔に御答弁いただきたいんです。
今回の法改正で、現行法では入っていなかった信連や単協、JAに対する公的資金を、農中を通じて間接的に入れるという仕組みが導入されますね。まずお伺いしたいのは、従来はなぜ農協や信連は抜けていたのか、今回新たにこれが入った理由は何なのか。なぜ抜けていて、今回新たに入ったのか。そのわけを教えてください。
○中川国務大臣 前半部分は私がお答えしますけれども、順番としては、なぜ前回抜けていたのかについては、ちょっと事務的に答えさせていいですか。
○細野委員 通告していませんので答えていただきたいんですが。質問自体は通告しています、質問自体は通告していますし、政府委員登録していませんので。これは事前に、大臣向けにということできちっと通告しているんです。なぜ前回抜けていて、今回新たに導入されたのかというのは、これは技術的な問題ではなくて、この法案の、改正案の大きな論点の一つですから、答えていただきたいと思います。
○中川国務大臣 失礼しました。いただいておりました。
従来の制度では、信連は国による資本参加の対象としていたものの、個別の農協等についてはその対象とはなっていなかった。これは、農協等が信用事業以外の事業も取り組むことから、信用事業に着目した収益性の数値目標を設定させ、これを国が継続的にモニターをするとの組み合わせになじまなかったことによるものだということでございます。
○細野委員 ありがとうございました。簡潔に御答弁いただきました。
要するに、信用事業以外もやっているから、そこが信金とか信組と違ったので、そこに公的資金を入れることについては、前回まではこれはやってこなかった。今回から入れるというんですね。
それで、今度私がここで問題にしたいのは、では、信用事業以外をやっている農協が、その事業に公的資金を流す可能性はないのかどうかということについて聞きたいんです。
表を出しておりますので、ごらんください。これは、二日前に古本委員もお使いになった資料ですが、農林水産省の方で把握をしている、一組合当たりのそれぞれの事業における平均的な収益ですね。
これは見ていただければ一目瞭然で、農協、これは単協ですが、信用事業と共済事業はもうかっているけれども、いわゆる経済事業と言われる農業関連はもうかっていなくて、生活その他、これは子会社も恐らく入っているんだと思うんですが、農協はいろいろやっていますね。ガソリンスタンドをやったりとか、セレモニーホールみたいなことをやっているところもありますし、いろいろなことをやっています。そういうものがマイナス、こういう状況なんですよ。ですから、これを見ると、単協の経営が悪化をしているのは、必ずしも信用事業で傷ついているわけではなくて、そのほかの事業で傷ついているところがむしろ多いんですね。
まず、農水省にお伺いします、副大臣に来ていただいていますので。それぞれの単協においてそれぞれの事業ごとの区分経理が認められているのは、私存じ上げています、区分経理が義務づけられているのはわかっています。ただし、事業間の内部での補てん、これで補てんをすることは認められていますね。逆に、認められていないと農協は存続し得ませんから。これを御答弁ください。
○石田副大臣 委員もお話をされましたように、経理は区分をされているわけです。しかし、農協というのは、一体として、信用事業、共済事業、または経済事業、生活関連といろいろなことをやっているわけです。総合的に実施をしているということで、これらの事業を通して農家組合員に最大の奉仕をする、こういうことが目的になっております。したがって、それぞれの事業が一定の規模を有して、かつ適正に行われていれば、事業間である程度の収支のやりとりが行われて、全体として単位の農協としての健全性が保たれる、これで目的が達成される、こういうふうに思っております。
しかしながら、農業者の協同組織である以上は、農業関係の購買、販売などの経済事業が健全かつ着実に行われているということは重要である。
以上です。
○細野委員 内部補てんが認められていると。
副大臣にお伺いをしたいのは、では、今回、特定の農協が公的資金を間接的に農中から提供を受ける場合に、信用事業以外のことに補てんをすることは、これはこの法律の趣旨からいって許されませんね。確認させてください。
○石田副大臣 今回の法律の目的は、中小規模の事業者の金融の円滑化、こういうことが大きな目的になっておりますので、単位農協としてしっかりとそういう趣旨、目的に沿った形になれば、それはそれで法の目的に合致している、私はこう思います。
○細野委員 副大臣、そこははっきり答えてください、税金を出すんですから。
信用事業以外に使うことは法律の趣旨に反していて違反ですねということを聞いているんです。望ましいとかそういうレベルの話じゃないんです。答弁してください。
○石田副大臣 これは、先ほど申し上げましたように、今回、中小規模の事業者に対する円滑化ということでやっているわけですから、これはその本来の目的が達成されるために、実際の融資をする場合はそれぞれ単位農協で動いているわけですね。ですから、そこのところで、単位農協での融資が行われなくなるということは、これは問題だと思いますけれども、それが直ちに法律違反だとか、委員のおっしゃることが法律に違反しているだとか、私はそうは言えないんじゃないかと思います。
○細野委員 今、副大臣、非常に重要な答弁ですよ。今副大臣がおっしゃったことは、今回農協に、単協に公的資金が導入をされたら、信用事業ではなくて、例えば農協が持っている子会社のスタンドやセレモニーホールの赤字まで補てんできる、そういう答弁ですよ。
これは、この法律の根本的な信用の問題、金融機能の強化ということと全く外れる答弁を今されたんですよ。副大臣、本当にそれでいいんですか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、農業協同組合は信用事業その他の事業を総合的に行っておるわけでございます。区分経理も実施しているわけでございますけれども、今回の新しいこの法律の枠組みにおきましては、農林中央金庫を中心といたします農協系統の資本支援機能について、これは先ほど金融庁の方からお答えがございましたけれども、この協同組織中央金融機関に対する支援システムは、その協同組織が持っております相互支援機能を使うということでございます。
ただし、この相互支援機能について、農協の場合には、既に法律によりまして、農林中央金庫及び特定農水産業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律、いわゆる再編強化法、こういったものを使いまして、農林中央金庫からではなく、農林中央金庫を通じて、支援法人、こういった既にあります法的な枠組みを通して、これも従来から信用事業の再編強化という形でやっております。したがって、委員御指摘のような事態が生じないような法的な枠組みを用意しておりまして、そこに今回の支援システムを注入するということで措置をすることにいたしております。
ですから、先ほど来申し上げておりますように、農業協同組合等に対して、信用事業を中心にしてやっているということでございます。
○細野委員 全然答えていないんです。局長、もう一回だけ聞きます。簡潔に答えてください。
このスキームでは、信用事業以外の農協がやっている業務に対して公的資金が導入をされることは法的に許されているのか許されていないのか、この法律でどうなんだということを聞いているんです。内部補てんは認められているというのは副大臣がさっきおっしゃったんだから、この法律に関して聞いています。
○高橋政府参考人 この法律におきましては、基本的に、信用事業の再編及び強化ということが目的で、最終的には地域金融のいわゆる中小規模の事業者に対する信用供与ということでございますけれども、そこに着目をいたしますのは農協の信用事業ということでございます。(発言する者あり)
もう一度お答えさせていただきますけれども、今回のこの法律、農協の場合には、別途、先ほど申し上げております再編強化法という法律がございます。その再編強化法、これは信用事業に着目して農協の支援を行うということでございます。これは信用事業でございます。したがって、そのスキームに今回の法律によります資金を供給するということですから、信用事業に対して出ていく、既にあります法的スキームに今回の法律によって公的資金を注入する、そのスキームに注入するということで、信用事業に行くということでございます。基本的に、ほかには行かないということでございます。
○細野委員 ちょっとよくわからないんですが、では、再編強化法の何条何項でそこに行った資金というのが信用事業以外に行かないということが担保されているのか、御説明ください。
○高橋政府参考人 まず、この信用事業再編強化法の目的でございますけれども、基本的スキームが信用事業の強化を図るための措置ということでございます。そして、そういうシステムに今回この新しい法律で資金を投入するわけでございますけれども、当然のことながら、そこに入れるのは、信用事業に着目した形で入れるわけでございまして、信用事業の強化措置に対して、今回の法律の目的である信用事業に着目した資金を投入するということで、他の事業には行かないという形になるわけでございます。
○細野委員 条文を答えられないんですね。しっかりここを整理してきてください、これは重大なところですから。(発言する者あり)
では、一回とめてください。
○田中委員長 農水省、答えられるでしょう、高橋局長。(細野委員「さっきから同じことを聞いているから、一回とめてください」と呼ぶ)
では、ちょっととめましょう。
〔速記中止〕
○田中委員長 速記を起こしてください。
細野豪志君。
○細野委員 では、どうやって信用事業に限定をするのか。信用事業以外に補てんをした場合に法律違反になるという根拠を簡潔に答弁してください。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
今回の改正法におけます新たな第三十四条の三で、第一項でございますけれども、協同組織中央金融機関等が注入の申し込みをする場合は、機構を通じまして、次に掲げる事項であって金融機能の発揮に係るものを記載した協同組織金融機能強化方針、これを定めるということでございます。
したがって、金融機能の発揮に係るということでございますので、当然のことながら、他事業の欠損の補てんに当たるものはこの方針には掲げることができない。したがって、先ほど以来委員がおっしゃられているような他事業の穴に充てることはできないということでございます。
○細野委員 三十四条の三は私も読みましたが、大臣、これは大事なところなので申し上げますが、これは中央機関、すなわち農中がこういうふうにしますよという方針を書くということを書いているのであって、それ以外のことに使いませんということを担保する条文ではないんです。
私も事前に何度も確認しましたが、農水省の基本的な認識は、ほかに補てんをすることも農協の機能を考えれば仕方がないですというのがもともとの考えなんです。今再編強化法の話をされましたが、今のは後からとった理屈であって、この法律とは関係ない話なんです。大臣、いいですか。
それでは、この条文をよく読んでください。ほかに使えないということを、はっきり限定してそれを特定するものではありません。また、仮に百歩譲って、ここで投入をされる公的資金がそれに使われるとしても、大臣、いいですか、ここで事前に内部補てんが認められているんだから、事前もしくは事後に、信用事業には補てんをしてもらえるから今ほかの、例えば農業関係とか子会社で穴があいているから埋めておいて、こういう財務状況ですよというのを農協がやれるんですよ。
これは、金融担当の大臣としてこんなことを許していいんですか。これを国民に対して、いや、公的資金は金融にきちっと使われていますよという、大臣、ここできちっと説明できないと、このスキーム自体破綻していますよ。大臣に答弁願います。
○中川国務大臣 私は、一番最初に出てくる四条の中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化云々、随分そういうのが出てまいります。それから三十四条も今読みましたけれども、今何か農協の方の法律が出てきてしまったので非常に混乱しましたけれども、そもそもこれは公的資金を中小事業者に対して供給するための法律でございますから、だから、農協はいろいろな事業をやっていても、それが信用事業に行かずに何か購買事業へ行ってしまったり、生活事業へ行ってしまったりということは、これは国民の税金を使うという大変な目的から見ると絶対にあってはならないことでございます。
したがって、仮にそういうことにならないようにチェックもしますし、それから半年に一遍のいろいろな検査であるとか、何か届け出を出してもらってチェックをするとか、そういうこと等々を含めて、絶対にそういうことがあってはならないようにしていかなければいけないと思います。
○細野委員 大臣、精神論をおっしゃいましたが、では、個別の農協を金融庁は監査できますか、検査できますか。そういう権限は与えられていますか。
○中川国務大臣 個別の農協は都道府県です。
○細野委員 できないんじゃないですか。今、大臣、その前に検査しますとおっしゃったけれども、できないじゃないですか。
そうなると、内部で補てんをすることを金融庁は防げない、そういう答弁ですよ、今のは。
○中川国務大臣 だから、さっき申し上げたように、相互支援制度を活用し、しかも、お金を出す方の中央機関がもっと厳しくこういう体制の中でやっていくことが必要だということをさっき申し上げたわけであります。それを金融庁が監督するということであります。
○細野委員 時間がなくなりましたからこれはきょうはやりませんが、大臣自身が、これは石破大臣が答弁されて、同じ認識だと思うんですが、農中自身は民間の金融機関だとはっきりおっしゃっているんですよ、民間だと。私は違うと思いますが、大臣は少なくともそういうふうにおっしゃっているんです。民間の金融機関が税金を預かって、そういうふうにやってくれることを期待しますなんというのは、法律論としてあり得ないし、政治的にもそんなことは国民には全く説明になっていませんよ。
委員長にまずお願いしますが、少なくとも、どうやって内部の補てんを防ぐのか、法律的にどうやるのか、実務的にどういうふうに検査でチェックをするのか、これは共通見解を出していただかないと、とてもじゃないけれどもこんな法案は私は通せないと思います。きちっと見解を出していただきたいと思いますので、御回答をお願いします。
○田中委員長 後刻、理事会等で十分協議をいたします。
ただ、行政の方からも重ねて答弁していただければと思います。どうぞ。
○中川国務大臣 おっしゃっている意味はわかりますので、政府としてきちっと考え方をもう一度整理してお答えしたいと思います。
○細野委員 時間も少なくなってきましたので、では、もう少し民間だということについて。
まず確認ですが、大臣、石破大臣の方から本会議で、農中は民間の金融機関なので、天下りの人の給料も、これも公表しませんという話がありました。私はこれは話にならない答弁だと思うんですが、まず確認しますが、民間だというふうに答弁をされる根拠は、私が資料の三枚目で示した臨調の第五次答申に書いてある三つの条件、すなわち、国が出資をしていないこと、役員の選任が自主的に行われていること、運営が国等の補助金に依存していないこと、この三つの条件だという理解でよろしいですね。イエス、ノーでお答えください、農水省。
○高橋政府参考人 おっしゃられるとおりでございます。
○細野委員 もう一枚めくっていただきたいんですが、まず、二つ目の役員の選任です。歴代の農林中金の理事長はすべて農水の事務次官です。これは全部自主的に本当に決めたんですか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
農林中央金庫につきましての役員の選任につきましては、これまで変遷があるわけでございますけれども、昭和三十六年以降につきましては主務大臣の関与というものはございません。基本的に、会員であります農協、漁協等から直接選ばれた、あるいは総代で選ばれた経営委員によります決議によって決められるということでございます。
○細野委員 今の上野理事長、きょう午前中来られていましたが、この方は、農林中金の理事長になる前に農林漁業信用基金の理事長をやられています。大臣、よろしいですか。農水省をやめた後に農林漁業信用基金の理事長に就任をして、ここで一年ウエーティングポストについてから理事長になっているんですね。
その前の角道謙一理事長、この方も、農中の理事長になられる前に同じ農林漁業信用基金の理事長をウエーティングポストで経験をされています。
これは偶然ですか。このお二人がこの漁業の基金のところにたまたま行かれて、その後たまたま請われて農中の理事長をやられたと。これは役員を本当に自主的に決めていると大臣、思われますか。
○中川国務大臣 たしか、残念ながら、私、十年前と二年前に農水大臣をやりましたけれども、直接そのときの人事ではないと思いますので、何ともコメントは控えたいというふうに思います。
○細野委員 どこもそうなんですけれども、大臣、トップが天下りで来ることが決まっている組織というのは、中の職員の、本当にこの組織を何とかしていこうという、最後に社長になれないわけだから、これはやる気をそぐんですよね。私は、こういう部分は中川大臣はかなり危機意識を持っておられて、こういう問題には厳しくこれまで対応してこられたと思います。だから、わかっていらっしゃると思う。この組織は民間の機関ではありません。はっきり農水省が、基本的な監督権限のもとに、大物次官を送り込んで十年間仕事をやらせる、そういう機関なんですよ。
もう一つ。民間法人の要件として、三つ目、運営が国の補助金等に依存しないことというふうに書かれていますが、これも農水省に確認をしますが、農中の傘下にある農協、信連はさまざまな補助金を毎年のように受け取っていませんか。農水関係の予算はその配下にある単協であるとか信連を通じて出ている。これを確認させてください。
○高橋政府参考人 農協、漁協等は、農林中央金庫とは別法人の立場でそれぞれの事業の補助金を受けているということでございます。
○細野委員 午前中も上野理事長が盛んに、農中というのは単独の組織ではないんです、JAグループとして一体としてやっているんですとさんざん強調されましたよ。そして、単位農協と信連で集めたお金をここで運用しているんでしょう。組織として補助金を受け取っているじゃないですか。これは否定できますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
午前中に理事長が御答弁いたしましたのは、信用事業について、農林中央金庫、信用農業協同組合連合会、そしてそれぞれの単位農協が一体的な事業運営を実施しているということでございます。信用事業の関係につきましては、国からの補助金というものは出ておりません。
先ほど来委員御指摘のものは、総合事業として経済事業等で出ているものでございます。
○細野委員 局長はわかっておっしゃっているんだと思うんですが、なぜ農協にこんなにお金が集まるのか、理由があるんですよね。農協が農水関係の補助金の受け皿であり、農家にとって欠かせないものだから、そこにお金が集まるんですよ。組織として補助金に依存していて、そこでお金を集めて、それを運用しているのが農中じゃないですか。一体としてやっているからここにお金が集まるんでしょう。これは否定できますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
ちょっと手元に詳しい資料がございませんけれども、農業協同組合に対する補助金につきましては、大きく分けて二つございます。一つは、農家あるいは漁家等に最終的には帰属するものについて農協という組織を経由していくものと、もう一つは、例えば、先ほども御指摘がございましたけれども、農業の共同利用施設、農家のための共同利用施設を農協等が設置をする、それに対して補助金を助成するということでございまして、先ほど来申し上げておりますように、そういう農業生産に係るものを通じて農家組合員が生産をする、その生産物の販売等によります販売金額についてが預貯金等として回ってくるものでございます。
○細野委員 大臣に確認をしたいんですが、私、民間であるということを考えるときに、もう一つ臨調のにあえてつけ加えるとすれば、参入が自由化されているということがあると思うんですよ。民間であれば、例えば新たな参入機会が認められていて競争環境にあるところは、これはまさに民間ですね。農中の場合、それもないですね。農協から集まるお金に関してはすべて自動的に農中に集まる形になっている、そういう法律構成になっていますから。
このことも含めて大臣にこれは確認の答弁をしていただきたいんですが、この臨調による条件、そして実質的なもの、役員の問題、補助金漬けの問題、参入機会がないということ、本当に農中は民間金融機関だとこの実情を見て大臣は思われますか。中川大臣に伺います。
○中川国務大臣 逆に細野委員に、では民間の定義とは何ですかとお聞きしたくなるぐらい議論を聞いていましたけれども、私は、単協はもちろん民間ですし、信連も民間ですし、農中もそういう意味では民間だ、そして、お金の流れの中で、農中が下から上がってきたお金を運用しているということだと思います。
ただし、以前は、農中というのは、特に農業関係者のお金を預かっているということもあり、農林水産省とやはり非常に近い。今でももちろんいい意味で近いというふうには私は思っておりますけれども、過去においていろいろな、全体の行革だとか民営化だとか、いろいろな議論の中で、私は農中が民間としてきちっとやっていかなければいけないと思いますけれども、過去においては相当農林省が農中に対して影響力を及ぼすということも、ほかの例も多々あったと思いますけれども、ひょっとしたら農中においてもあったのかもしれません。
○細野委員 最後に、もう時間が来ましたので、お許しをいただいて一問だけ。
大臣、私は、農中という組織は官の関与の極めて強い、公的の色彩の強い組織だというふうに思います。そこに公的資金を導入する可能性というのがそんなに遠くない将来に来る可能性もあるというふうに見ています。
最後にお伺いをしたいのは責任問題なんですが、実は住専のときも同じような議論があったんだけれども、さっき鈴木克昌委員が質問された、実は農中を初めとした農協系統のものについて公的資金が導入をされた。ところが、改めて驚くんですが、公的資金が導入をされて、税金が投入をされたんだけれども、理事長さんはそのまま居座っておられますね。やはりこの政治力、それも含めて、それは農中というのはすごい力を持っているんですよ。
少なくとも公的資金が導入をされたときには当然理事長は責任をとるべきである、その責任は少なくとも免れないと私は思いますが、大臣、そこを御答弁いただきたいと思います。
○中川国務大臣 この法案の審議の中で、責任の議論が随分ございました。前回は、もう少し具体的になるようにルールを決めてお示ししたいということを申し上げました。
したがいまして、一般論としては、経営責任というものは一律に問われるものではないというのがこの法律の規定でございます。
○細野委員 住専のときも、結局、母体行なんかは責任があるからといって、それでおやめになった方が多いですよね。そのときも農中は、いや、住専のことに関しては責任を持っていませんからと逃げ切ったんですよ。今回も、午前中の上野理事長の答弁を聞いていると、いや、世界的な金融危機ですからそのときはしようがありませんみたいな答弁がありましたね。
また、これだけ投機にそれこそ突っ込んだ農中が、結局、そういう外的な要因でそうなったんだということを言いわけにして逃げ切る可能性があるな、今率直に大臣の答弁を聞いてそう感じました。我々は、そういうことは絶対許さないということをはっきり申し上げておきたいと思います。
以上で終わります。
