衆議院文部科学委員会

○細野委員 民主党の細野豪志でございます。
 文部科学委員会で質問の機会をいただきましたこと、まず、委員長を初め理事の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
 私、ことしの五月に博物館の調達の問題について質問をさせていただきました。その後、ちょっといろいろと私も追加で調査をしたんですが、大臣もかわりましたので、やはりもう一度きちっとやった方がいいだろうと思いまして、きょうはその質問を、十五分という限られた時間でございますけれども、させていただきたいと思います。
 まず、大臣は余り詳しく多分御存じないと思いますので、簡単に、博物館ですから展示品ですね、どういう形で展示品が購入されるかを簡単に説明します。大臣、後で配りました、一つだけ離れている資料七をごらんいただけますでしょうか。
 これは九州博物館の例ですが、九州博物館が陳列品を買う場合には、これはこういう博物館の特殊な性格をまさにあらわしているんですが、まず、持っている方からの売り渡しの申し出があります。一番上に書いてあります。これはほかのものではありません。大体買う側が求めて初めにスタートするわけですから、そういう意味ではこれは特殊。そこから二つ飛ばしまして、買取協議会というのが開かれて、そこでその物を購入するか購入しないかを決めるというプロセスになっています。
 私が問題にしているのは、その二つ下の買い取りの評価、その物を幾らで買うのかというこの評価がどういうふうになされているのかということをこれまで問題にしてまいりました。
 といいますのは、博物館で展示をされるものというのは、とにかく古いもの、何百年前、場合によっては千年前というものを展示するわけですから、それがどれぐらいの価値があるかは非常にわかりにくい。ですから、素人である私なんかに例えばこれが一億円と言ったら、一億かいな、一千万と言われれば一千万かなと言わざるを得ないような、言うならば、素人にはわからない価格の大きな判断の難しさ、ある場合でいうと判断が分かれるケースもあるかもしれない。そういうものなんですね。
 具体的な事例として一つ御紹介をしますので、もう一つの資料をごらんいただけますでしょうか。これはことしの五月の委員会の場所で私が指摘したものなんですが、九州博物館が平成十七年に入手をした飾り布というものです。私の手元にはカラーのものがあるんですが、カラーコピーができませんので、印刷で皆さんの手元には配らせていただいています。一枚目が清朝のもの、二枚目が明朝のもの、両方合わせて、何人かの専門家の方に聞きましたら、高くても一千数百万ではないかという評価を多くの皆さんがされていましたが、結果どうなったか、三枚目をごらんください。評価委員会では五人の方が評価をしていまして、一番高くつけた方が二億二千万円、二番目がBで二億円、三番目も二億円、Dで四番目の方が一億七千万円、そしてEの方が、何と八百万円。
 私はこの八百万円の方から話を聞いて、ほかの方らかも何人か御意見を伺ったんですが、どういうふうに価格を決めているかというと、AとEの方は、これは上と下で離れ過ぎているので切って、残りの三人の方を平均すると一億九千万円になる。これが不思議なんですが、買い取り希望額、一番初めにこれを売りたいと言った方の買い取り希望額、幾らで売りたいという価格が一億八千五百万円なんです。
 ですから、何と、五人でやって、上と下を除いて間三人とったら、この買い取り希望額のわずか五百万円上で価格が決まって、評価額より買い取り希望額の方が低かったものですから、一億八千五百万円で結局九州博物館は買ったということなんですね。
 まず大臣にお伺いしますが、渡海大臣が、この買い取りのやり方、評価員の公表については、これは問題があるので見直しを検討したいという答弁をされました。大臣がかわりましたので初めて聞く話かと思いますが、文部科学省の方から経緯は聞いておられると思いますので、この制度と、あと、できれば評価員を公表した方がいいと私は思っているんですが、それについてどういう御見解か、お伺いしたいと思います。

○塩谷国務大臣 私もこの問題については初めて今回接するわけでございまして、それだけの知識の判断でなかなか難しいところがありますが、こういった、古い、大変価値があるものの評価というのは、先ほど細野委員がおっしゃったように、だれかが幾らと言うとそれが値段になっちゃうようなところがあるんだと。評価員はそれなりの人だと思いますので、値段がそれでもこれだけ違うということ、それで結果的に買い取り価格に近いということ、これは偶然なのかどうなのか、ちょっと私もこの件だけを聞いてはっきり判断できませんので。
 ただ、今後、より公平性といいますか公明性も高めるためには、メンバーの公表とかそういうことも場合によっては検討しなければならないかなという印象でございまして、私も、まだ詳しい実態を把握していない中では、何とも今はっきりは申し上げられない状況でございます。

○細野委員 ちなみに、この四年間で、九州博物館が一番新しいので一番たくさん品を買っているんですが、四つの博物館で全部で百一件買っておりまして、その中で買い取り希望額を下回ってしまって不調に終わったのは、百一件申し込みがあって、わずか二件なんです。九十九件は成立をしているんです。
 それで、私は何人かの関係者から話を聞きましたが、この評価員の中には美術商の方がたくさん含まれます。つまり、売りたい人が入っているわけです。ですから、これはもう非常に常識的にこの世界で言われていることのようでありますが、評価員が事前に学芸員の方から、売り渡し希望額は幾らなんです、この辺に入れてくださいと聞いているというんですよ。だから百一件中九十九件が成立をし、そして、こういうぴったりの価格になっているものも少なくないということなんです。
 文化庁に聞いてもそのことは答えないと思うのでちょっと聞きたいんですが、仮に評価員がそういうことをした場合に、責任はだれにあって、その評価員はどういうことになるのか、それは文化庁としてはどういうふうに考えられているんでしょうか。

○高塩政府参考人 文化財の評価員につきましては、それぞれ独立して館長から委嘱を受けまして、それぞれの個人の識見に基づきまして価格評価を行いまして、その鑑定結果を館長に報告し、その結果を集計して評価額が決定されるというふうに伺っているところでございます。
 本件につきましても、先生からの御依頼を受けまして九州国立博物館から事情聴取をいたしましたところ、博物館内部でそういった事実はないということでございます。
 仮にですけれども、そういう場合には、博物館の倫理規程がございますので、そういったことがあればという仮の質問というのはお答えしにくいんですけれども、その学芸員については、倫理法上の問題が出るというふうに考えております。

○細野委員 今答弁があったように、学芸員についてはそういう何らかの倫理規程で処分される可能性はあるけれども、評価員自体は、それこそそれで処罰をされるということはないわけですよね。
 ところが大臣、今おわかりのように、評価員が価格を決めるんですね。この飾り布であれば、一億八千五百万円という、これは税金ですから、税金で幾らで買うのかということを評価員が全部決められる形になっているわけですよ。この仕組みが果たして本当に適切なのかどうかというのは、相当私は吟味が必要だと思います。
 時間があとちょっとしかなくなりましたので、もう一件、最近九州博物館で......(発言する者あり)これを飾り布と一般的に言っておりまして......(発言する者あり)ああ失礼しました、わかりました。

○岩屋委員長 私語は慎んでいただきたいと思います。

○細野委員 資料は後ほど訂正をいたします。御指摘ありがとうございます。政治家にとって極めて大事な漢字の読み方の問題でございますので、ありがとうございます。
 大臣、もう一つつけ加えますと、なぜ私が今回九州博物館をもう一回問題にしようと思ったかというと、実は、この九州博物館で十二月の半ばに日中韓の首脳会談をやるということが、これは決まりそうだという話なんですね。なぜ九州博物館でやるかというと、これは、九州がそれこそ韓国であるとか中国と近いということもあるんですが、もう一つは、麻生総理がこの九州博物館を議連をつくって呼び込まれたというのも、これも紛れもない事実でございまして、正直、若干我田引水の感もあるなと思うんですが、そこで行われていることなので、より問題は大きいなと思ってこの事例を挙げさせていただいています。
 もう一点きょう私が問題にしたいのが、もう一枚めくっていただいて四枚目、事前に許可をいただいていませんので、私の手元に写真があるということだけ申し上げておきますが、これはちょっと見てもわかりにくいと思うんですが、矢筒、矢を入れる袋だそうです。これが平成十八年度に同じく九州博物館で買い取りをされておりまして、実は、六枚目で資料でつけておりますが、同じような価格の決め方で、最終的には三千二百万円で購入をされています。
 私は写真を見ているんですが、素人が見ても、どう考えても三千二百万の代物ではない。専門家に言わすと、本物かどうかも怪しいので、せいぜい数百万ではないかという話が一般的であります。ところが評価としては、これも一番高い方は、何と五千万もつけているんですね。では、実際に何を根拠にこういう価格がついたのかというのを九州博物館に文化庁を通じて確認をさせましたが、そうしたら鑑定書が出てまいりました。五枚目をごらんください。
 これは、この矢筒の鑑定をしたスイスの鑑定機関のペーパーなんですが、これをぱっと見たところでは何が書いてあるのかおわかりにならないかもしれませんが、真ん中辺の数字が出ているところの、AD四六四から五〇一とか、AD五二九から六五四とか、この辺が大事でございまして、この年代にできた布であるということを証明する記録になっているんです。これを根拠に、極めて価値があるというふうに判断をしたということでございました。
 私は直接この機関に連絡をとってみました。ようやく連絡がとれまして、どういうふうに評価をしたのかというのを答えていただきました。もう一枚おめくりください。一枚前ですね、失礼しました。
 この写真がその機関から送られてきた資料なんですが、答えはこうでありました。我々が鑑定をしたのはこの一番左の三角の切れ端だ。本体は承知をしていないので価格はわからない。しかも、鑑定を依頼した人はバンコクから依頼をされていて、日本とは全く関係ない人が二〇〇四年に鑑定をしている。この結果をもとにこの価格が決まっているんです。そもそも、果たしてこの切れ端がこの矢筒から出ているものか、これは全くわかりません。こういう評価でこの物の値段が三千数百万円に決まっているんです。
 本来的に、美術品を買う場合は、買う側はきちっと鑑定をします。もしくは、売る側が少なくとも確実な鑑定を持ってきます。ですから、もう時間がないので大臣にお願いをしたいのは、まずは鑑定をもう一回し直してください。いいサンプルです。今、九州博物館がこういうとんでもないものを買ったということで随分話題になっています。本当にこれがこの年代のものなのかを、再検査を少なくとも九州博物館にさせてください。これが一つ。
 もう一つは、果たしてこの評価が適切かどうかという判断をする大きな判断材料は、私は評価員だと思います。評価員はみんな仲間ですから、簡単には口を割りません。そのうちの何人かが今口を開きかけていますが、ほとんどの評価員にとっては、自分のこれからの商売がありますから、そういう意味では、これはなかなかこういう事実があるということを言えないんですね。唯一の解決策は、責任を持って評価をするという意味でも、評価員の名前の公表だと思います。
 これをサンプルにまず再調査と、あとは評価員の公表、これを求めたいと思いますが、大臣、最後に御答弁をいただきたいと思います。

○塩谷国務大臣 大変専門的な話でございまして、今の鑑定の話それから評価員の話等、改めて私自身しっかり自分で把握する中で、必要があればそういうこともしていきたいと思っておりますが、今ここで、今の委員の話だけではっきりお約束することはできませんので、しっかり私自身把握をさせていただきたいと思っています。

○細野委員 大臣、繰り返しで恐縮ですが、これは売った側が鑑定を依頼したわけでもないんですね。バンコクに住んでいる外国人の方がした四年前のものを根拠に、これで三千万円で買っているんですよ。おかしいと思いませんか。本物を鑑定したかどうかもわからない、だれが鑑定したものかわからない、それを根拠に三千万以上の税金を出すのはおかしいと思いませんか。おかしいと思うなら調査してください。もう一度答弁を。

○岩屋委員長 時間が過ぎておりますので簡潔に、文化庁高塩次長。(細野委員「いや、最後は大臣に」と呼ぶ)では先に。

○高塩政府参考人 鑑定というのは必ずしも必要条件ではございませんで、外国作品の場合には鑑定がございますし、先生から御指摘のあったカーボン14による年代測定というのは、資料の一部を採取して炭素化させるという、文化財を壊すものであるということから、私どもとしては、新たなカーボン鑑定というのは難しいというふうに考えております。

○塩谷国務大臣 少なくとも、この九州博物館の買い取るルールに基づいて多分やっていると思うんです。ですから、評議員等、かなり専門家が入っていると思いますので、私自身、おかしいと思いませんかといって、おかしいと簡単には答えられないということは御理解いただきたいと思います。

○細野委員 終わります。