衆議院内閣委員会(答弁)

○衆議院議員(細野豪志君) お答えさせていただきます。
 先ほど野田議員の方からも御答弁がございましたとおり、本法では専守防衛の範囲内で我が国の安全保障に資する、そういう宇宙の利用開発が認められている わけでありますが、それに限定をされるものではないということでございます。具体的に法案として説明をさせていただきますと、国民生活の向上、安全で安心 して暮らせる社会の形成、災害、貧困その他の人間の生存及び生活に対する様々な脅威の除去にも資する、そういう宇宙開発利用を今後とも推進をしていくとい うことでございます。
 先ほど来、藤谷議員が再三指摘をしていただいておりますとおり、宇宙の開発利用に関しましては、現在作付けをかなり宇宙から探査をできるというような、 そういった食料品の様々な問題、さらには資源探査など様々な利活用がこれからできるという時代になってまいりました。我が国の安全保障、もちろんそのため に利用できるわけでございますけれども、これを幅広く世界にそうした技術を活用していく、広げていくという意味においてまさに御指摘のとおり日本のソフト パワーにも資するわけでございますし、我が国の総合安全保障の観点から利活用が可能になってきているというふうに考えているところでございます。

○藤谷光信君 総合安全保障という観点からその点を絞っていかなければいけないんじゃないかと思ったりもしております。
 防衛力か攻撃力というのは国の意図で決まるものでありますので、それを組織面、制度面できちんとシビリアンコントロールする強力な担保が必要でございます。
 自衛隊の宇宙利用は防衛のみに厳しく限定する担保として基本法が制定されたと理解しておりますが、基本法第二十九条で、内閣に宇宙戦略本部を設置し、首 相が本部長に就き担当大臣を置くとしていることは、宇宙開発戦略の一元化による宇宙利用について、従前以上の推進が可能となるとともに周辺諸国に安心感を 与えるものと思っておりますが、これだけでは少し不十分ではないかと思っております。
 発言の冒頭で、私は山口県岩国市出身だと申しましたが、この岩国基地が、米海兵隊の基地があるんですが、自衛隊も使っております、海上自衛隊でございま すが。この岩国基地への米軍艦載機移駐問題で、地元行政に対して、また同僚議員は私に対して、防衛省の方ともいろいろお話合いをしましたが、何かそこに話 合いの行き違いというものがすごく感じまして、なかなか納得できない答弁、回答などあった経験がございます。具体的な事例を今紹介するときではありません ので省きますけれども、当時の防衛事務次官の性格がこういうふうになったんだとも言われておりますけれども、防衛省には、自らの意図の実現のためには極端 に言いましたら詭弁を弄してもという組織体質があったと思うような節があるわけでございます。
 そういう意味で、今回の基本法では、平和憲法の下で防衛のために宇宙開発利用を行うことについて、しっかりとした透明性を確保する制度的な歯止めが必要であると思います。
 一つには、宇宙担当大臣の任命に関して、我が国の防衛のために宇宙開発利用を行うことについて、平和憲法の理念に基づき専守防衛の範囲でとの法的な歯止 めに加えて、宇宙担当大臣として防衛大臣は兼務することを禁じる更なるシビリアンコントロールの徹底が必要じゃないかと思っております。
 第二番目は、予算管理において、民生用費用と防衛目的の費用を明確に区分することが必要ではないかと思いますが、諸外国の防衛費の不透明さがあればこれ を問題視することは当然でございますが、我が国の防衛費についても従来以上に透明性を徹底していく必要があります。宇宙開発費用について防衛関連予算を明 確化し、シビリアンコントロールの最上位にある国会で、宇宙利用を自衛隊に認めるが、その実行段階で予算審議を通じ予算の面からきちんと審議、管理できる ようにする必要があります。
 それで、第三には、情報公開の問題です。
 防衛関係予算対象について、防衛機密扱いとする必要があるケースもあることは私も認めております。一方で、それ以外の民生関連情報については、情報公開 の原則を徹底すべきであると思います。民生用の宇宙利用技術に防衛機密をカバーさせることを一部の人たちが議論しているとも聞こえておりますが、これを容 認すれば、民生部門を防衛部門がコントロールしてしまうことが可能になりますし、民生用予算の中に防衛関連予算を入り込ませることが可能な仕組みになって しまいます。こうした懸念を完全に払拭させるためには、民生用の宇宙利用技術情報については防衛機密事項扱いにはできないことと明確にして、民生用の宇宙 に関する情報は公開を原則とする旨明確にしておく必要があると思うのでございます。
 ついせんだっても、これは新聞報道でしたが、アメリカのノースカロライナのNLPの訓練基地が住民の反対で取りやめになったという記事が載っています が、アメリカには情報公開というのが非常に大きな力を持っておりまして非常な透明性があるということが、これ新聞報道でございますが、つい二、三日前の新 聞でありまして、大事なことだなと思って見ました。
 それから、自衛隊に宇宙利用を認めるに当たり、専守防衛の原則を堅持するしっかりした担保を組み込むことが、国民及び近隣関係諸国に対して、我が国は従来どおり平和憲法を守り専守防衛に徹するという強いメッセージとなると思っております。
 以上、担当大臣の任命に当たり防衛大臣の兼務を禁止する、宇宙開発予算について防衛関連予算と民生用宇宙開発関連予算を明確に区分する、あるいはまた、 防衛機密は防衛関連予算に関連するものに限定して適用されるものとして、民生に関しては情報公開を原則とする、この三つの歯止めを設けるべきじゃないかと 思っておりますが、その件につきまして見解をお伺いいたします。

○衆議院議員(細野豪志君) 三点それぞれについて答弁をさせていただきます。
 まず、宇宙開発担当大臣でございますけれども、この大臣につきましては、内閣総理大臣の命を受けて、宇宙開発利用に関し内閣総理大臣を助けることをその職務とする国務大臣とされておりまして、総理大臣が任命をするという形になっております。
 当然、総理大臣としては、内閣総理大臣が様々なこれまでの宇宙政策の弊害をしっかりと考えて一元化をできる大臣を任命をするということでございますけれ ども、様々な今、藤谷議員の方から御指摘がありましたような懸念を考えると、提出者としては、防衛大臣を宇宙開発担当大臣に任命することに関しては適切で はないというふうに考えておるところでございます。
 続きまして、宇宙開発利用の予算についての透明性について御質問をいただきました。
 本法案では、宇宙開発利用は我が国の安全保障に資するよう行うものと位置付けておりまして、憲法の平和主義の理念にのっとり、専守防衛の範囲内で防衛目 的での宇宙開発利用は行えるというのが提案の趣旨でございます。防衛目的での宇宙開発利用として何が可能かということに関しましては、科学技術の水準であ るとか国際情勢に照らしてその都度適切に判断をされるものというふうに考えております。
 また、本法案では、内閣総理大臣を本部長とする宇宙開発戦略本部を設置をすることになっておりまして、宇宙開発利用に関する施策の総合的かつ計画的な推 進を図るために宇宙基本計画を作成をすることになっております。また、この宇宙基本計画につきましては、作成をした段階で遅滞なくインターネット等を通じ て公開が義務付けられているところでございます。
 この宇宙基本計画でございますけれども、中身といたしましては、宇宙開発利用の推進に関する基本的な方針、宇宙開発利用に関し政府が総合的かつ計画的に 実施すべき施策などが定められることになっておりますが、今回、新たに安全保障についてということで防衛目的の宇宙開発利用が含まれるわけでございますけ れども、それもこの基本計画の中に定められることになっております。
 これまで、ともすればばらばらに予算計上され、計画もばらばらにされてきたものが、この宇宙基本計画の下に整合的に情報公開をされるということでございますので、むしろ、その面からは透明性が高まるものというふうに考えております。
 また、当然、この宇宙開発基本計画に基づいて予算というのは策定をされることになるわけでございますので、透明性の高い宇宙開発基本計画の下で予算が しっかり提示をされ、それが国会というまさに国民公開の場所で、徹底した情報公開の下で議論されることを提案者としては望むものでございます。
 続きまして、防衛関係の予算についての公開の問題について御質問をいただきました。
 本法案の第二十三条では、宇宙開発利用に関する情報の適切な管理のために必要な措置を講ずる旨規定しているところでございますけれども、これは宇宙開発 利用に関する情報を一切公開しないという趣旨ではございません。公開すべきものについては適切に公開するというのは当然前提としているところでございま す。
 宇宙に関しましては、軍事転用が可能な技術ございますし、高い付加価値を有する技術等ございますので、情報の公開を制限をする必要があるというのはこれ は御理解をいただけるというふうに思うんですけれども、宇宙にかかわる知識の集積が人類にとって極めて重要である、さらには研究開発の成果の活用を図るた めに重要であるということを考えれば、特に理学等の分野など、可能なものについては広く公開をしていくことが必要であるというふうに考えております。
 衆議院での委員会決議の中でもこの情報公開の問題については議論されてきた経緯がございますし、また参議院の方でも、今回、附帯決議の中でこの情報公開 について特段の決議をいただくというふうに承知をしておりますので、この決議を十分踏まえて今後運用されるように、我々としてもしっかりとチェックをして まいりたいというふうに考えております。

○ 藤谷光信君 これまでの我が国の宇宙開発については、その成果を国民に広く理解してもらう必要があると思います。つまり、我が国は国際宇宙ステーションの 共同開発国でありますし、アメリカやロシア、ヨーロッパ、カナダ、日本の四か国一集団のメンバーの一人でもありますし、国民の税金を使わせていただいては いますが、周回遅れでスタートしたことを思いますと、これまで宇宙開発に携わってこられた方々の並々ならぬ御努力に対しては敬意を表するとともに、基礎研 究を含めた宇宙研究開発予算について、今後ともきちんと確保されるべきものと思っております。
 これと関連しまして、これまでの宇宙開発の実行部隊であるJAXAについて、基本法制定に伴い、その位置付け、改編を含め、どのような方針、取り進めを予定されておりますか、お伺いいたします。

○ 衆議院議員(野田佳彦君) これまでいただいた御質問の中で、すべて基本的には、枠組みとしては共通するものは、やっぱり我が国における宇宙開発利用は、 それを総合的、計画的に推進するために宇宙開発戦略本部をつくり、そしてその本部が定める宇宙基本計画にのっとって実施をされるということが、これすべて のベースでございます。
 その本法案の趣旨と、そして宇宙基本計画に照らして、我が国の宇宙開発利用の実施を担う機関、どのようなものがふさわしいかということは、委員が御指摘 をされました独立行政法人のJAXAを始めとして宇宙開発利用に関する機関について、その目的、機能、業務の範囲、組織形態の在り方、当該機関を所管する 行政機関等について検討を加え、見直しを行う旨、附則の第三条に規定をさせていただいております。
 この附則の第三条は、むしろどちらかというと私ども野党側から強く要求をして入れさせたところがございますので、もう一度ちょっと正確に読まさせていた だきたいと思いますけれども、「政府は、この法律の施行後一年を目途として、独立行政法人宇宙航空研究開発機構その他の宇宙開発利用に関する機関につい て、その目的、機能、業務の範囲、組織形態の在り方、当該機関を所管する行政機関等について検討を加え、見直しを行うものとする。」と。一年がめどという ことで見直しがされるということでございまして、当初この法案、与党案のときは必要に応じて見直しということだったんですが、一年をめどに必ずこれは見直 しを行うということになっているということを付け加えさせていただきたいと思いますが。
 特に、お尋ねのJAXAですが、これまで大変な実績を上げてきたことも事実でございまして、月の表側と裏側とで地殻の厚さや海の分布に明らかな非対称が あること、これ月の二分性というらしいんですが、その発見をした「かぐや」であるとか、あるいは小惑星イトカワに着陸し、人類史上初めての地球圏外からの 試料採取を試みている小惑星探査機「はやぶさ」など、その宇宙科学における世界的な成果というのはこれはきちっと正当に評価をすべきだと思います。その成 果を踏まえつつ、先ほど申し上げたように、宇宙開発戦略本部において十分な検討が行われて、宇宙開発利用の総合的かつ計画的な推進という本法案の趣旨に 沿った見直しが行われるものと考えております。
 以上でございます。

○藤谷光信君 どうもありがとうございました。
 いろいろと問題点を細かく分析しながら基本法に取り組んでおるということがよく分かったわけでございます。
 時間の問題もありますので、今日はそういう防衛問題との関連についてのみを特化した質問になりましたんですが、科学技術の進展、あるいはいろんな素材の 研究とか、人間の研究、訓練とかあるいは電波の利用とか、いろいろ大きな政治的な問題もたくさんあると思うのでございますが、またほかの議員さんも質問さ れるでありましょうし、他の機会にも今後とも質問させていただきたいと思っておりますが、最後に私のちょっと意見を申し上げますと、昭和二十年の終戦から もう六十二年たっておりまして、戦争を経験されておる人がもうだんだん、この中にも何人か戦争体験者、まあ戦地に行ったという人はほとんどないんじゃない かと思いますが、私はちょうど八歳のときが終戦でございましたので、東京大空襲というのを盛んに言われますが、私は山口県岩国市の爆撃を経験をしておりま して、八月の十四日、八月には毎日日本中が爆撃を受けたわけでございますが、八月十四日、もう日本がポツダム宣言受諾した後でございますが、岩国市の岩国 駅に爆弾がたくさん落とされました。五百人余りが一挙に、民間人が死んだわけでございますが、列車が、客車が、上り下りが岩国駅に入ったわけです。逃げた わけです。そこへ爆弾が落ちました。
 それから、広島の爆心地から私のところは四十キロでございますが、四十キロといいますと、今ごろ車で行けばわずか三十分で行きますが、昔は、以前は列車 で一時間半ぐらい掛かっていたところでございますが、原爆が落ちましたときに、私は朝八時十五分にそれを経験しておりまして、原爆というのは四十キロ離れ ておりましても、ピカドンと言うんですが、落ちましたら、授業中でしたが、視野が全部ピンク色になるんです。四十キロ離れておるんですよ。全部ピンク色 に、人の顔も、見えておるものが全部ピンク一色のモノトーンになるんです。それで、あら、何事だろうかと思ったら、二分ぐらいしましたら、今の大地震のよ うにどうっと揺れてきました。四十キロ離れておるんです。
 ですから、もちろん広島市は一瞬のうちに壊滅したわけでございます。その光とか音とかあるいは爆風とか、そういうものを私は、いわゆる被爆者じゃござい ませんけれども、経験をした一人として、こういうことはどうしてもいろいろの機会があるたびに申し上げたいと思っておるわけでございます。国会議員の先生 の中にも過酷な厳しい経験あるいは戦後のつらいときを経験された方もありますが、私はその一人として申し上げておるわけでございます。
 また、地元の岩国の米軍基地がありますが、日米地位協定がありまして治外法権になっておるということもよく知っておりますが、一方では住民は非常に厳しい立ち退きとかなんとかいうのを経験しました。苦しいときもありましたが、また共存もしております。
 私は陸上自衛隊の開隊記念日にはいつも行きまして、自衛隊員を激励もしております。自衛隊入隊のときの入隊者の激励会がございますが、これにも必ず私は 行きまして、皆さんに激励をし、海上自衛隊の開隊式にも、米軍のあれは騎兵隊というんですが、騎兵隊の二百七十何周年と今年ありましたが、今年もそれに行 きました。決して敵対するのではなくて、正しく自衛隊が育っていくといいますか、機能を発揮するというふうに私は努力をしておるわけでございますけれど も、この宇宙基本法の制定に当たりまして、こうして私がトップバッターとして質問に立たせてもらいましたというのも何かの御縁かなと思っております。
 時間の関係がございますので余り多く申し上げられませんが、宇宙基本法制定に、すべての全国の社説は、自衛隊が宇宙利用できる法案が今国会で承認される と紹介をしております。その論調は、これは当たり前だという論調と、社説と、危惧する論調と、二つに分かれております。しかしながら、国会議員の皆さんも 私も、国民のほとんどがその共有する考え方というのは、二度と我が国は戦争をしないこと、将来にわたって他国に侵略又は占領されないことのこの二点である と思います。ですから、国を守るという崇高な任務に就いておられる自衛隊の方々は、国の防衛に関して想定されるあらゆる危機に対して、その回避を、あるい はそれについての検討をされることが当然の任務であると思っております。
 しかしながら、防衛力というのは一方では攻撃力ともなり得ることでございますので、世界平和の強い思いから、軍事力の保有は望ましくないとか言いなが ら、これを否定する立場の主張もありますので、争い事が全くない理想の世界というものは将来ともこれを実現することは残念ながら見出せないかも分かりませ ん。他国からの侵略の脅威に対しても、やはりそれなりの防衛というのも、防衛の科学技術というのも大変大事になってくるんじゃないかと思っております。
 私は、先ほど野田先生から話がありましたように、今、浄土真宗の僧侶でございますので、世の中安穏なれというのが私のテーマでございますので、これから も必要な防衛力というものは当然備えていきますが、その防衛力を攻撃力として使用したり他国と戦争することは将来にわたって我が国は絶対しない、させない 仕組みづくりというこの軸を、微動だにしないという絶対的な基本理念を持って、こういう考えをきっちりと反映させていただけるものと確信をしております。
 私の質問を終わります。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○谷岡郁子君 民主党の谷岡郁子でございます。
 本日は、お時間をいただきまして本当に感謝申し上げます。ただし、時間は二十分と短うございますので、できるだけ簡潔にお答えをいただきたいと思っております。
 かつて私の大学へ公安関係の方がいらっしゃって、学生の写真を示してこの学生の学籍簿を見せろと言われたことがございます。たまたま観光旅行をしてい て、広島に旅をしていて、そして広島で原水協の大会と突き当たり、そこで無断で写真を撮られたという学生でございました。もちろん学籍簿を見せるというこ とは断りました。
 私が今心配をしておりますのは、宇宙技術の推進とその利用ということによって安全保障のための防衛の偵察ということが海外に向けて行われるということは 大変有効だという反面、解像度の高い衛星写真を使ってデモ、集会等に参加する国民の写真を無断で撮影し、国民を監視するということに利用されるということ がないだろうかということでございます。
 これについて、そのようなことはないのだということを是非御確認いただきたいと思います。また、こういう形で国民の思想や表現の自由を侵害しないということを今後の実施法等の中で是非書き込んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○衆議院議員(細野豪志君) 谷岡委員におかれましては、民主党の宇宙基本法PTにおきまして度々御示唆をいただいておりまして、まず心より感謝申し上げたいというふうに思います。また、非常に重要な御質問をいただいたというふうに承知をしております。
 まず、我が国の保有する情報収集衛星でございますけれども、外交、防衛などの安全保障及び大規模の災害等への対応ということで、危機管理のための情報収 集を主な目的とするものでございまして、国民の監視そのものを目的とするということはございませんし、将来的にもそのような構想はないというふうにまず承 知をしているということを申し上げたいと思います。
 その上で、現在のこの情報収集衛星の能力でございますけれども、その精度であるとか運用など、これを見てまいりますと、解像度が個人を特定をし、更に個 人の行動を監視をできるレベルではございませんで、観測頻度につきましても地球上の任意の箇所について一日一回程度をモニタリングできるという程度のもの でございまして、現段階においては御懸念のようなことはないのではないかというふうに考えております。
 ただし、今後の宇宙開発利用の推進に当たりまして、技術面からもまた監視の範囲におきましても、個人の行動を監視をし得るような技術を持ち得ることにつ いては否定をできるものではございませんので、今後の個人情報保護の在り方、目的を限定をし、そして目的外利用を制限をすることも含めて、プライバシーの 保護について必要な検討が行われることは十分これからやっていかなければならないことなのではないかというふうに考えているところでございます。

○谷岡郁子君 ありがとうございます。
 次に、本法案に係る宇宙開発利用が動き出した場合、年間予算の規模がどの程度になるというふうに推測されておりますでしょうか。

○ 衆議院議員(野田佳彦君) 平成二十年度予算における宇宙関係予算というのが約三千二百八十六億円と、今までよりは少し増えてきたというふうに承知をして おりますが、本法案の成立後はこれは内閣に設置される宇宙開発戦略本部において宇宙基本計画を定め、それに基づいて宇宙開発利用を総合的、計画的に推進を すると、そのための必要な予算をつくるということでございますので、まだ戦略本部もつくられている状況ではないので、予想される予算額と言われてもちょっ と法案担当者としてはお答えはできかねるところでございますが、いずれにしても、無駄を省きつつということは必要だろうというふうに思っております。
 加えて、やっぱりもし御懸念があるとすると、宇宙開発の予算を確保するために、例えば文科省とか国土交通省や総務省とか経産省とかそれぞれ予算がござい ましたよね。それぞれの関連省庁の予算を削って宇宙関連の予算をつくっていくという考え方を取るということではないと思っていまして、あくまで戦略本部で 総合的、計画的に考えると。
 個人的な意見を言えば、例えば国土交通省の宇宙関連の予算がありますが、狭い国土に道路ばっかり造るよりはもうちょっと宇宙にということを個人的には思 いますけれども、こんなことを言うとちょっと法案担当者のチームワークが乱れますから言いません。例えば、文科省だと宇宙関連の予算を確保するために高等 教育の予算を削るとか、そういう特定省庁の特定の予算を削るために宇宙の開発の予算を確保するという考え方は取っておりません。

○ 谷岡郁子君 私が調べましたところ、米国はNASAと防衛省を合わせまして宇宙予算は大体年間四兆円弱、そして欧州は全体としてやっておりますけれども、 五千億程度だというふうに聞いております。そして、これを支える米国のGDPは約千四百兆円、また欧州のそれは二千兆円弱ということでございます。これに 対して我が国のGDPは五百兆円足らずで、日本の体力で、つまり三分の一から四分の一しかGDPがないわけですけれども、本当に互角に競争ができるんだろ うかと。これが、老人医療を取り上げる、あるいは収入のない学生に年金を払わせているようなこの状況の中で、本当に競争力のあるような状況でやっていける のだろうかということが私の心配でございます。
 例えば、宇宙開発に利用すべき理由の一つとして防災が挙げられております。しかし、我が国の小学校では今も四割近くが耐震工事を待っている。一割近くは 検査もされていません。これは予算が不足しているからであります。四川省の地震のような悪夢を防止するということから、宇宙開発利用よりも予算としての優 先順位が私は高いんではないかと思うんですが、これに賛成していただけますでしょうか。
 また、科学技術の基盤は産業育成である以上に高等教育であるというふうに私は考えます。しかし、我が国の学生は十年前から仕送りが毎月三万円減少してお ります。そして、二十歳になったら収入がなくとも年金を一万四千円払う状況で、バイト漬けになっています。勉強時間は取れず、お昼御飯を抜くことが常態化 しております。これは国の高等教育負担が圧倒的に小さいということに起因しております。日本の競争力を向上させるために、宇宙予算は果たして高等教育予算 以上に大事なものなんでありましょうか。
 また、本法案の目的には環境問題への寄与ということが挙げられております。しかし、現在、我が国の環境省の年間総予算は二千二百億円足らずでございま す。地球温暖化対策推進費は十六億二千万円、これが環境サミットをやろうという我が国の平成二十年度の予算であります。
 このような予算不足を早急に解消するということは、宇宙開発利用の成果からの遠い将来の間接的な効果を見込んでいくよりも、そしてそこに多大の投資をす るよりも重要ではないかということで、国としての財布が一つしかない以上、これが、このまま歯止めが掛けられないで予算が増大していくということを私は大 変心配しております。そういうことについては大丈夫なんでしょうか。

○衆議院議員(野田佳彦君) いかなる政策分野にどうやって予算を付けていくかということは、まさにこれは政治の役割の一番そのものであって、まさに資源配分で政策の優先順位を付けるというのが政治の役割だと思うんです。
 今委員から御指摘があった何を重視すべきか、それはそれぞれいろいろ御意見があると思いますが、やっぱり時の政権によってしっかりと戦略的に資源配分を するということに尽きると思っておりまして、ただこれが、宇宙基本法が作られたから野方図に宇宙開発予算が増えていくのかということではなくて、先ほども 申し上げましたとおり、これまでばらばらでやってきたことを戦略的に、統一的に推進するわけですから、無駄を省きながら必要な宇宙開発予算を確保していく ということであって、あとは医療と高等教育とか、いろいろ比べながらいろいろなお話はあるかもしれませんが、これはやっぱり時の政権の政策判断と国会のあ と意思、チェックによるだろうと思います。

○ 谷岡郁子君 次にお聞きしたいことは、先ほどの藤谷委員ともちょっと関連するんですけれども、宇宙開発利用の安全保障分野というものが軍需産業の育成とい うことになり、日本が産軍複合国家への道を歩む突破口になることがあるのではないかということが懸念されるわけでございますが、これについての法整備とい うものが、今後、実施法等について行われていくのだろうかということの懸念でございます。
 二〇〇六年の提言で経団連は、民間企業のリスクの軽減のために国が重要な顧客として継続的に有力なユーザーとなることが重要であるというふうにしており ますが、この提言というものを受けてこの法案があるということではないのだということでよろしゅうございますね。一方で国民には自己責任を求め、企業は保 護するというような矛盾ということがないようにしたいと思います。
 また一方で、本法案にはなぜ企業等民間事業者の義務や責任が書き込まれていないのか、これに疑問を持っております。マンションから食品の数々の偽装、コ ムスンやNOVAを考えれば、企業が利潤追求のために国民の利益や安全を犠牲にすることがあるということは明らかでございます。これは、今後の法整備の中 で解決されるというふうに約束していただけますでしょうか。

○ 衆議院議員(細野豪志君) 藤谷委員に対する答弁でもお答え申し上げましたけれども、本法案では宇宙開発利用を我が国の安全保障に資するよう行うものとい うふうに位置付けてはおりますけれども、これはあくまで憲法の平和主義の理念にのっとったものでございまして、専守防衛の範囲内で防衛目的に利用するとい うことであるということをまず確認をさせていただきたいと思います。
 その上で、経団連の御提案についても言及をいただきましたけれども、私どもは、この目的の範囲において民間企業が様々な開発を行うことについては、これ はもちろん是とするものでございます。ただし、今回、法案制定の過程で、私ども民主党はもちろんでございますけれども、法案提出者として、経団連から後押 しを受けたからやったということでは当然ございませんで、様々な意見の中の一つの声として経団連からの意見を聴かせていただいたということでございます。
 したがいまして、これをもって、それこそ、先ほど野田提出者の方からも御答弁申し上げましたけれども、宇宙開発予算が莫大なものとなり、また軍需産業を 振興するというようなことになることは、これはあり得ないし、私どもの望むところではないというところは是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 後段の部分については、野田議員の方からお答えをさせていただきます。

○ 衆議院議員(野田佳彦君) 民間事業者の義務と責任について今後の国内法で整備をしていくのかという後段のお尋ねでございますが、我が国、宇宙関連条約に 批准、加盟をしておりましたが、全般的にやっぱり国内法が未整備であって、ロケットの打ち上げ等の実施機関であるJAXAなどの関連法はありますけれど も、今委員から御指摘があった民間事業者の問題を含めて、国内法でこれから対応していかなければならないものがたくさんあるかと思います。
 御指摘いただいた民間事業者の責任の在り方等については、今後、国内法できちっと整備をしていくものと承知をしております。

○谷岡郁子君 ありがとうございました。大変心強い御答弁をいただいたというふうに思っております。
 先ほど野田先生の方から触れていただきましたことの中に、フォローアップの議連を設けて今後ちゃんと監視をしていくんだということがございました。私の いま一つありました懸念ということの中には、なぜ議員立法でありながら今後の法整備については内閣官房に任されるのであろうか、行政府に丸投げされるので あろうかということがございました。宇宙開発戦略本部が安全保障上の機密を盾に国会への報告を拒むというようなことは絶対にあってはならないと思います し、また、国会は、議員立法である以上、当然それ以上の責任を持って本当に監視をしていくということでございますけれども、これについては改めて念押しを させていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 そしてまた、議連というふうに先ほどおっしゃったわけでございますが、これには、様々な懸念を持ついろいろな議員たちがみんな希望に応じて十分な審議を尽くせるような形を取っていただけるというようなことでございましょうか。

○ 衆議院議員(細野豪志君) 情報公開でございますけれども、これも先ほど答弁をさせていただきましたけれども、いわゆる宇宙機密にどうしてもかかわるよう なところについての情報の管理については書かせていただいておりますけれども、様々な民生利用が可能な部分についてできるだけ公開をしていくということは 当然行われるべきだというふうに考えておりますし、当然予算が付いたものが一体どういうものなのかということについては、国会という場所は基本的に公開に 基づいて議論される場所でございますので、それを最大限生かす形で、これからも私どもとしてもチェックをしてまいりたいというふうに思っております。

○谷岡郁子君 私は、これから議論されるであろうことでございますけれども、有識者のチェックと、あるいは研究成果に対する公開ということはこれまでも強く主張をさせていただきました。先ほど藤谷議員の方からもその旨の質問がございまして大分解けたかなと思っております。
 ただ、その一方、書かれておりますことは、その開発利用等、かかわる有識者の意見を反映するということであって、もっと広い、例えば、憲法の見地からと か、あるいは安全保障上の分野の方であるとか、あるいは国民の歴史というようなことにかかわる見地からというような様々な、あるいは行政改革等ですね、私 は様々な分野の識者の実は意見を聴くことが大事だと思っておりまして、ともすればその関連分野の方々の意見を聴くということになりますと国民の広い意見と いうものが反映できない嫌いがあるのではないかというふうに思っておりますが、今後、有識者等に参考に聴いていくということになりますときに、そういう分 野に限らない、広い分野のところから聴いていただけるというふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。

○ 衆議院議員(細野豪志君) 本法案に基づいて定められます宇宙基本計画でございますけれども、この計画そのものに関しましては、国家戦略として宇宙開発を どう進めていくかということについての基本的な考え方ということでございますので、若干機微な情報も取り扱うということで、これは宇宙開発戦略本部の閣僚 で構成する開発本部で策定をするということになっております。
 その一方で、宇宙開発利用については、専門性の高い分野であること、また民間事業者による宇宙開発利用を促進をすることも重要であるということから、有 識者や産業界の知見を活用するため、三十四条で、政令において、有識者等を加えた専門調査会を設置できる形になっておりますし、それを私どもとしても望む ところでございます。
 衆議院の内閣委員会における決議においても、宇宙科学の振興にかかわる有識者の意見を十分に取り入れ、施策に反映をするよう努めることというふうにされているところでございます。
 御指摘の、特に人文や社会科学系の、いわゆる宇宙開発そのものの専門家ではないけれども、様々な法律的、さらには宇宙利用の方の観点から、様々な御意見 をいただけるような専門家の方についても、こうした専門家の中の一つの専門分野として、十分入っていただいて議論をする価値はあるのではないかというふう に考えます。
 特に、付け加えますと、これから宇宙の利用に関しましては、様々な、これから我々が予想し得ないような拡大が考え得るところでございまして、特に専門家 については、本当に宇宙のコアの部分だけに特定しないような、そこの配慮はなされるよう、私どもとしてもしっかり見てまいりたいというふうに考えるところ でございます。