○細野委員
民主党の細野でございます。久しぶりの外務委員会の質問でございます。よろしくお願いいたします。
まず、在外公館の問題なんですが、先ほど丸谷委員そして前原委員から、私が考えていたのとかなり重なる質問がございましたので、視点を変えて一つだけ。
特に、安保理入りを考えると、アフリカに最大限の支援が必要であるという意味で、アフリカへの関与をできるだけ深めるというのは、これは確かに中国との 関係なんかも考えると大変重要だというふうに思います。ただ、それだけではちょっと余りに、若干浅ましいというか、票欲しさにと言われる部分もあろうかと 思いますし、私は、むしろそのことよりは、アフリカのことを考えると、やはり資源の問題をしっかり視野に入れるべきではないかというふうに思うんですね。
これは優先順位の問題になるんですが、例えば、今度新しく公館をつくると言っているマリなんかはウランの鉱山があって、そこを我が国がほぼ権益を独占し ているというふうに言われています。そのほかにも、ニジェールなんかもそういう国でありますし、ウラン以外にも希少な鉱物が埋まっている国というのはアフ リカにたくさんあるわけですよね。そういう国に対するアクセスをできる限り深めていくという視点から、在外公館をこれからふやしていくということでござい ますので、取り組んでいただきたいというふうに思うんですが、外務大臣、御見解はいかがでしょうか。
〔委員長退席、やまぎわ委員長代理着席〕
○麻生国務大臣
確かに、国連安保理のためだけなんというのは、ちょっと見え見えでさもしいというのはごもっとも、その種のことを言ったことは私ども役所 としてはないんですけれども、その種のものが見え見えに見られてはとてもじゃないけれどもこれはだめだと思います。ただ、資源だけに見え見えになったよう な中国もちょっとぐあい悪いかなと思ったりもしないでもありませんけれども。
いずれにいたしましても、この種の話というのは、TICADというのを来年日本で開くことにしておりますけれども、アフリカの中で、今、シエラレオネな んというところも、その隣のリベリアというところも、大使館がないところで、資源もダイヤモンドがばらばら出るぐらいのところなんですが、ここらのところ の大統領というのは、リベリアの大統領、初めて選挙で選ばれたアフリカ初の女性の大統領というのはこの人なんですけれども、しっかりした女性ですけれど も、この人たちの話を聞きましても、やはりアフリカにおける日本のいろいろ支援、貢献というのは、ちょっとヨーロッパの人たちのやり方とおよそ違いますも のですから、現地に入ってかなり一緒に現場で働くといういわゆる日本人独特の、現場で現地の人と同じ目線でしゃべるというようなところがあります。
今言われましたように、ニジェールにしてもナミビアにしてもモーリタニアにしても、いずれも資源が多い割には大使館がないというところですが、そういっ たところに入っていくに当たっても、民間の企業がそこで鉱山をやって、今コンゴなんというところは、昔は日本鉱業がありましたけれども、その日本鉱業は今 騒ぎになってコンゴから引き揚げてしまっておりますが、そういったところでも、治安がある程度回復しないと日本は支援しませんよ、ODAもだめですよ、日 本の技協もありませんよ、そういうので、まず治安の回復、そうすれば大使館も出られます、民間も行けます、ODAもいろいろやれますという話にしてやれ ば、ほかの国をごらんなさい、こんなうまくいくじゃありませんか、おたくよりもっと貧しい、資源のない国がうまくアフリカでいっているじゃないですかとい うような形にしてやるというところがいきますと回り始めるかなと思っておりますので、今言われましたところの御指摘も十分に踏まえてやってまいりたいと存 じます。
○細野委員
もう一つちょっと申し上げたいのは、予算の制約、そういう話なんですね。これは、当然予算は有限ですし、外務省としてもさまざまな施策がありますから、制約があるのはわかるんです。
実は、ちょっと調べてみたんですけれども、日本が在外公館を置いていない、兼ねているところですね、兼館をしているところで、一方でその国が日本に大使 館を置いている国が幾つあるか調べてみたら、全部で二十九置いていない国があるんですが、そのうち二十一は日本には在外公館を置いているんですね。これ は、どちらが経済的に豊かかといえば、どう考えてもアフリカ諸国の方が経済的に厳しい中で、苦労して日本に在外公館を置いているわけですね。そういう大使 館へ行くと、マンションの一室だったりビルの一室だったり、ここは家賃幾らかなと思うようなところに大使館があったりするわけですよね。
日本も同じようにしろとは言わないけれども、我々もよく海外に行ったときに大使館にお招きいただくし、そこでおいしいものもいただいて、私から見ると御 殿みたいなところへ行くわけですが、もちろん、そういう迎賓館的社交の位置づけが大使館にあるのは存じ上げていますけれども、もう少し、場合によっては、 小国においては小さいものにして、安全だけは確保して実質的な役割を出していくということも含めて検討していただきたいというふうに思います。これは御答 弁いただかなくて結構ですので、私の意見ということで御理解をください。
これから、ちょっと外交のいろいろな問題について、法案審議で恐縮ですが、私が関心を持っている分野についてお話を伺いたいと思っているんですが、まず外務大臣に、戦後レジームということについてどういうふうにお考えになるかというのをお伺いしたいと思います。
安倍総理が所信表明演説の中でこういうふうにおっしゃっているんですね。「行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交、安全保障などの基本 的枠組みの多くが、二十一世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」、「今こそ、これらの戦後レジームを原点にさかのぼって大胆に見直し、新た な船出をすべきときが来ています。」こういうふうに高らかに宣言をされました。私も印象深く拝聴いたしました。
外交、安全保障は外務大臣が所管をされるわけですが、では、我が国における戦後レジームというのは一体何なのか、外交、安全保障においてですよ。外務大臣はどのようにお考えになっているか、御意見を賜りたいと思います。
○麻生国務大臣
これは非常に大きな話だと存じますけれども、細野先生、基本的には日本というところは多分昭和十六年から変わっていないんだと思います が、昭和十六年、国民学校令というのができた。あれ以来、いわゆるフォルクスシューレをそのまま直訳して国民学校という名前に変えて、尋常小学校をやめて 国民学校に変えていった、あの昭和十六年から、基本的には官僚主導、業界協調、このやり方で間違いなく五、六十年やって成功したんだと私は思いますね。間 違いなく成功したから、これだけ豊かな国になったんだと思います。
傍ら、外交の方は、とにかく日本は戦争をやって負けたんだから、少なくとも負けた相手というのは、主にアメリカとやって負けたわけですから、そのアメリ カと日米安全保障条約で手を組む、そして国際連合というのに一九五一年、正確には一九五二年に日本が独立しておりますので、正式に加盟をしておりますの で、昭和二十七年ですけれども、五二年の四月二十八日に独立したのを境に、国連と関係をよくする。そして、三つ目は、アジアの諸国にいろいろあったので、 アジア諸国との友好関係を維持。この三つを基本として、日本は戦後というものをやってきたんだと思います。
対外的には、とにかくいろいろ迷惑をかけたんだから、先ほど使われましたように謙虚に、控え目にという態度でずうっとやってきたのがこれまでだと思って おります。その結果、どんな批判が出てくるかというと、何となく戦争に負けたアメリカ人には妙にぺこぺこしてみたりして、何か卑屈じゃないかとか言われて みたりするようなことになった、これはみんなそういう意識だったと思っております。
それが今どんなことになってきているかといえば、その裏返しで、ほかの国に対して妙に居丈高に威張ってみたりするという、何となく自然じゃない、普通に いかないというところが我々には多く感じられる。私、大分世代が違うので、僕は昭和十五年生まれですから、少なくとも戦争の前に生まれていますので、我々 の世代からいったら英語なんか敵国語でしゃべっちゃいかぬ言葉でしたから、そういった世代に育ってきている我々というのは大分感覚は違うと思いますが、細 野さんたちぐらい若くなってくると、何でそんなにというのが、いろいろ感覚的にも違ってきておられると思います。
また、その当時は二極構造で、冷戦構造でしたけれども、今はもう明らかに違いますので、そこらのところの構造も大きく変わりつつあるというのにあわせて、どうするかということが今の問題だと存じます。
民主党の細野でございます。久しぶりの外務委員会の質問でございます。よろしくお願いいたします。
まず、在外公館の問題なんですが、先ほど丸谷委員そして前原委員から、私が考えていたのとかなり重なる質問がございましたので、視点を変えて一つだけ。
特に、安保理入りを考えると、アフリカに最大限の支援が必要であるという意味で、アフリカへの関与をできるだけ深めるというのは、これは確かに中国との 関係なんかも考えると大変重要だというふうに思います。ただ、それだけではちょっと余りに、若干浅ましいというか、票欲しさにと言われる部分もあろうかと 思いますし、私は、むしろそのことよりは、アフリカのことを考えると、やはり資源の問題をしっかり視野に入れるべきではないかというふうに思うんですね。
これは優先順位の問題になるんですが、例えば、今度新しく公館をつくると言っているマリなんかはウランの鉱山があって、そこを我が国がほぼ権益を独占し ているというふうに言われています。そのほかにも、ニジェールなんかもそういう国でありますし、ウラン以外にも希少な鉱物が埋まっている国というのはアフ リカにたくさんあるわけですよね。そういう国に対するアクセスをできる限り深めていくという視点から、在外公館をこれからふやしていくということでござい ますので、取り組んでいただきたいというふうに思うんですが、外務大臣、御見解はいかがでしょうか。
〔委員長退席、やまぎわ委員長代理着席〕
○麻生国務大臣
確かに、国連安保理のためだけなんというのは、ちょっと見え見えでさもしいというのはごもっとも、その種のことを言ったことは私ども役所 としてはないんですけれども、その種のものが見え見えに見られてはとてもじゃないけれどもこれはだめだと思います。ただ、資源だけに見え見えになったよう な中国もちょっとぐあい悪いかなと思ったりもしないでもありませんけれども。
いずれにいたしましても、この種の話というのは、TICADというのを来年日本で開くことにしておりますけれども、アフリカの中で、今、シエラレオネな んというところも、その隣のリベリアというところも、大使館がないところで、資源もダイヤモンドがばらばら出るぐらいのところなんですが、ここらのところ の大統領というのは、リベリアの大統領、初めて選挙で選ばれたアフリカ初の女性の大統領というのはこの人なんですけれども、しっかりした女性ですけれど も、この人たちの話を聞きましても、やはりアフリカにおける日本のいろいろ支援、貢献というのは、ちょっとヨーロッパの人たちのやり方とおよそ違いますも のですから、現地に入ってかなり一緒に現場で働くといういわゆる日本人独特の、現場で現地の人と同じ目線でしゃべるというようなところがあります。
今言われましたように、ニジェールにしてもナミビアにしてもモーリタニアにしても、いずれも資源が多い割には大使館がないというところですが、そういっ たところに入っていくに当たっても、民間の企業がそこで鉱山をやって、今コンゴなんというところは、昔は日本鉱業がありましたけれども、その日本鉱業は今 騒ぎになってコンゴから引き揚げてしまっておりますが、そういったところでも、治安がある程度回復しないと日本は支援しませんよ、ODAもだめですよ、日 本の技協もありませんよ、そういうので、まず治安の回復、そうすれば大使館も出られます、民間も行けます、ODAもいろいろやれますという話にしてやれ ば、ほかの国をごらんなさい、こんなうまくいくじゃありませんか、おたくよりもっと貧しい、資源のない国がうまくアフリカでいっているじゃないですかとい うような形にしてやるというところがいきますと回り始めるかなと思っておりますので、今言われましたところの御指摘も十分に踏まえてやってまいりたいと存 じます。
○細野委員
もう一つちょっと申し上げたいのは、予算の制約、そういう話なんですね。これは、当然予算は有限ですし、外務省としてもさまざまな施策がありますから、制約があるのはわかるんです。
実は、ちょっと調べてみたんですけれども、日本が在外公館を置いていない、兼ねているところですね、兼館をしているところで、一方でその国が日本に大使 館を置いている国が幾つあるか調べてみたら、全部で二十九置いていない国があるんですが、そのうち二十一は日本には在外公館を置いているんですね。これ は、どちらが経済的に豊かかといえば、どう考えてもアフリカ諸国の方が経済的に厳しい中で、苦労して日本に在外公館を置いているわけですね。そういう大使 館へ行くと、マンションの一室だったりビルの一室だったり、ここは家賃幾らかなと思うようなところに大使館があったりするわけですよね。
日本も同じようにしろとは言わないけれども、我々もよく海外に行ったときに大使館にお招きいただくし、そこでおいしいものもいただいて、私から見ると御 殿みたいなところへ行くわけですが、もちろん、そういう迎賓館的社交の位置づけが大使館にあるのは存じ上げていますけれども、もう少し、場合によっては、 小国においては小さいものにして、安全だけは確保して実質的な役割を出していくということも含めて検討していただきたいというふうに思います。これは御答 弁いただかなくて結構ですので、私の意見ということで御理解をください。
これから、ちょっと外交のいろいろな問題について、法案審議で恐縮ですが、私が関心を持っている分野についてお話を伺いたいと思っているんですが、まず外務大臣に、戦後レジームということについてどういうふうにお考えになるかというのをお伺いしたいと思います。
安倍総理が所信表明演説の中でこういうふうにおっしゃっているんですね。「行政システム、教育、経済、雇用、国と地方の関係、外交、安全保障などの基本 的枠組みの多くが、二十一世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている」、「今こそ、これらの戦後レジームを原点にさかのぼって大胆に見直し、新た な船出をすべきときが来ています。」こういうふうに高らかに宣言をされました。私も印象深く拝聴いたしました。
外交、安全保障は外務大臣が所管をされるわけですが、では、我が国における戦後レジームというのは一体何なのか、外交、安全保障においてですよ。外務大臣はどのようにお考えになっているか、御意見を賜りたいと思います。
○麻生国務大臣
これは非常に大きな話だと存じますけれども、細野先生、基本的には日本というところは多分昭和十六年から変わっていないんだと思います が、昭和十六年、国民学校令というのができた。あれ以来、いわゆるフォルクスシューレをそのまま直訳して国民学校という名前に変えて、尋常小学校をやめて 国民学校に変えていった、あの昭和十六年から、基本的には官僚主導、業界協調、このやり方で間違いなく五、六十年やって成功したんだと私は思いますね。間 違いなく成功したから、これだけ豊かな国になったんだと思います。
傍ら、外交の方は、とにかく日本は戦争をやって負けたんだから、少なくとも負けた相手というのは、主にアメリカとやって負けたわけですから、そのアメリ カと日米安全保障条約で手を組む、そして国際連合というのに一九五一年、正確には一九五二年に日本が独立しておりますので、正式に加盟をしておりますの で、昭和二十七年ですけれども、五二年の四月二十八日に独立したのを境に、国連と関係をよくする。そして、三つ目は、アジアの諸国にいろいろあったので、 アジア諸国との友好関係を維持。この三つを基本として、日本は戦後というものをやってきたんだと思います。
対外的には、とにかくいろいろ迷惑をかけたんだから、先ほど使われましたように謙虚に、控え目にという態度でずうっとやってきたのがこれまでだと思って おります。その結果、どんな批判が出てくるかというと、何となく戦争に負けたアメリカ人には妙にぺこぺこしてみたりして、何か卑屈じゃないかとか言われて みたりするようなことになった、これはみんなそういう意識だったと思っております。
それが今どんなことになってきているかといえば、その裏返しで、ほかの国に対して妙に居丈高に威張ってみたりするという、何となく自然じゃない、普通に いかないというところが我々には多く感じられる。私、大分世代が違うので、僕は昭和十五年生まれですから、少なくとも戦争の前に生まれていますので、我々 の世代からいったら英語なんか敵国語でしゃべっちゃいかぬ言葉でしたから、そういった世代に育ってきている我々というのは大分感覚は違うと思いますが、細 野さんたちぐらい若くなってくると、何でそんなにというのが、いろいろ感覚的にも違ってきておられると思います。
また、その当時は二極構造で、冷戦構造でしたけれども、今はもう明らかに違いますので、そこらのところの構造も大きく変わりつつあるというのにあわせて、どうするかということが今の問題だと存じます。
○細野委員
ありがとうございました。
戦後レジームということに関して、私は麻生大臣と大分重なるなと思います。これは多分共通認識だと思うんですが、戦争に負けて国際社会に復帰するに当 たってはアメリカにはいろいろお世話になった、アジア諸国にも迷惑をかけたので、謝って回らなきゃならない、こういう中で戦後六十年来たわけですよね。
では、その戦後レジームを脱却するということを高らかに宣言した安倍政権が、そういう過去をどう考えて、それをどう脱却しようとしているのかという姿が 私には正直余り見えなくて、具体的にそろそろ、政権が誕生して半年たったわけですから、一つ一つアクションとして、戦後いろいろあったけれども今こういう スタートを切るんだというような国際交渉を始めていただきたい、そういう視点から幾つか質問したいと思います。
まず一つ、地位協定なんですが、麻生大臣もおっしゃったとおり、やはりアメリカに占領されて、一九五一年にサンフランシスコ平和条約が締結をされて、同 時に締結をしたのが日米安全保障条約ということですね。十年後、六〇年に改定をされていますが、基本的には、日本がアメリカに守ってもらうという構図は当 時から大きく変わったわけではない。そういう中で、一九六〇年に締結をされたのが地位協定というものです。
我々民主党は、何度もこの地位協定の改定を言っておりまして、当然ですが、日本は独立国でありますから、独立国としてふさわしい地位協定のあり方というのはあるのではないか。
典型的な例でいうと、地位協定の三条でありますけれども、合衆国は、施設及び区域において、それらの設定、運営、警護及び管理のために必要なすべての措 置をとることができる、こうあるわけですね。日本側がこういう基地内のさまざまな取り組みについてどういう関与をできるのかということについては、日本の 地位協定は書いていません。
何度も我々は、この地位協定改定をしっかりテーブルにのっけるべきだということを言っておるんですが、外務大臣どうでしょうか。戦後レジームから脱却す る、外交、安全保障面においてはまさにそれが戦後レジームだとおっしゃったんですから、そういう交渉を安倍政権でそろそろ始めるというお考えがないかどう か、お伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣
この日米地位協定につきましては、細野先生、これはいろいろかなり前から御意見のあるところというのは、私どもも十分に承知をしておるん ですが、基本的には、これまで、運用の改善ということでいろいろ問題点を解決してきた。ほかのドイツやら韓国やらに比べても、我々の地位協定の中におい て、例えば刑事裁判の手続やら何やら、随分いいものをかち取ってきていると思っておりますので、そういった意味におきましては、改善例というのは、被告の 引き渡しやら何やら結構進んでおりますし、そういったものが私どもの今の立場としてはそうです。
もう一点は、これは集団自衛権とかいろいろなものに多分関係してくるんですよ、意識としては。だから、そこらのところまでずっと広がることまで考えて やっていかないかぬことになるのかなと思いますので、これは地位協定だけではなくて、その他もろもろ、日米関係全般にわたっての考え方というのは、戦後レ ジームという言葉で言えば、そこらの日米関係の中のものというのを全般にわたって考えていかないかぬ、その中の一つにこの地位協定というものもあるという 意識は私もあります。
○細野委員
もちろん、集団的自衛権の問題であるとか、日本の自衛隊の海外派遣の問題も、恒久法はありませんから、いろいろな限界があって、そういう意味 で、日本がアメリカに対してこの問題について意見しにくい、本当に平等な条約かというとどうかというところだと思うんですよね。
ただ、私、なぜこれほど改定をタブー視するのかよくわからないんですね。私もいろいろな話をしたことがあります。確かにアメリカ側はかたいなという印象 は持っているんですけれども、例えば韓国は一九九一年と二〇〇一年に改正していますよね。大臣は、運用でうまくやっているとおっしゃるけれども、例えば、 同じような基地内の管理権に関しては、韓国側に事前に協議すると書いてあるんです、米韓の地位協定には。ドイツは、ドイツの法律を守れと書いてある。ドイ ツも何回も改正をしています。
なぜ日本は改正をそれほどタブー視するのか、私、そこがちょっと正直言って理解できないんですが、外務大臣、なぜそこまでこだわるのか、かたいのかということについて、どういうふうにお感じになっているか、お伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣
これはいろいろ前例が幾つも幾つもあるんですが、刑事裁判手続というのが一番よく出てくるところですが、これは、一九九五年の刑事裁判手 続に関する日米合同委員会というのが必ず出てくるんだと思いますので、よく御存じのところだと思います。それで、起訴前の拘禁移転というのが一番出てくる ところでしょう。そこのところも、米軍が駐留してできているのは日本だけじゃありませんかという点は、事実として認めていただければと思っておるので。
環境問題というのもありまして、例の騒ぎになりました点におきましても、これは二〇〇〇年の九月だったと思いますが、環境原則に関する共同発表というの をやっておりますけれども、環境保護のために在日米軍というのは、日本と同じ、もしくは、おたくの法律の方が厳しいときはそっち、うちの方が厳しいときは こっち、その厳しい基準に合わせてやるのよという話やら何やらはそこそこやってきているんだと思いますので、これをつけると壮大な手続になるものですか ら、少なくとも現実的な一番のところは運用の例でかち取ってきているというのが実態なんだと思っております。
○細野委員
地位協定単独で私がここで力んでも、米軍再編もやっていますし、さまざまな問題があるのは承知をしておりますので、せんないことだと思いま す。ただ、地位協定の改定というのは、沖縄はもちろんですが、やはり基地問題を抱えている地域の悲願でもあり、我が国が本当に独立をして国家として運営し ていく中で、ここは、私はどこかで越えなきゃならない一線だというふうに思っていまして、そのことは強調しておきたいというふうに思います。またやりま す。
そのほかにも、日米関係をめぐりましてはいろいろ聞きたいことがあったんですが、きょうはひとつ領海の問題についてもお伺いしたいと思います。
これは通告をしてあるんですが、よく、米軍をめぐりましては、管制権の問題であるとか空域の問題をめぐりまして、日本は非常に、そういう意味では独立国 としてどうなのかという議論があります。ただ、領海の話というのは、実は今まで余り出ていなくて、この数年間、私、海洋上の法律の話をずっとやっていまし て、ようやく徐々に成果が出つつあるんですけれども、この領海の規定を見て、ああ、これは何とかせないかぬなというふうに思いましたので、大臣にお伺いを します。
領海法という法律が一九九六年に改正をされておりまして、どういう改正かというと、従来は領海というのは三海里にとどまっていたのが、国連海洋法条約が できて十二海里になったということで、その十二海里を国内法に規定したのが領海法の改正なんですね。確かに、一条に十二海里にしますというふうに書いてあ るんですが、附則がございまして、当分の間、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道及び大隅海峡については三海里にとどめます。各国が十二 海里に広げているのに、その部分については日本は三海里にとどめるという、本来は、領海というのは領土に準ずる我が国の領域ですから、当然拡大志向にいく べきところ、拡大志向というか、現状においてしっかり国際的に認められるのであれば、それを主張するのは当然だと思うんですが、これは三海里にとどめてい まして、当面の間となっているわけですね。
これは、いろいろな事情があってそうなったのは重々承知をしておりますが、大臣、この問題にそろそろ取り組むおつもりはないかどうか、お伺いをしたいと思います。
○麻生国務大臣
細目、小松局長の方から、これは経緯等々ありますので答弁をさせますけれども、この話は、この三海里になった経緯やら何やら、なかなか難 しいです。そういった意味で、これを今すぐこの段階で取り組む意欲があるかといえば、今この段階で直ちに取り組むという考えを持っているわけではありませ ん。
細目につきましては小松局長の方から答弁をさせます。
○小松政府参考人
お答え申し上げます。
我が国は海洋国家でございまして、しかも先進工業国でございますので、このような我が国にとって、国際交通の要衝である海峡において我が国の商船でござ いますとか大型タンカーなどのなるべく自由な航行を確保するということが、総合的国益の観点からぜひとも必要でございます。
このため、我が国自身も、諸外国が重要な海峡における自由な航行を維持または強化する政策をとることを促す必要があると考えておりまして、国際交通の要 衝として諸外国の船舶の航行の用に供せられていると考えられます特定海峡につきましては、外国船舶の自由な航行を保障することが適切だと考えております。
そこで、委員の御質問にもありました国連海洋法条約、我が国も、平成八年でございましたか、締結をいたしましたので、そこに通過通航制度ということが書 いてあるではないか、したがって、この通航制度でいいではないかという御趣旨かとも思いますけれども、この通過通航制度につきましては、どのような場合に いかなる範囲で適用されるのか、具体的にいかなる形態の通航が許容されるかについて、国連海洋法条約に詳しい規定もございませんし、国家実行の集積が十分 でないため、不確定な面があるということから、我が国の安全保障の観点からも慎重に対処をする必要があると当時考えた次第でございまして、ここのところの 判断というのは基本的に現時点においても変わっていないというところでございます。
○細野委員
私、ちょっとまだ全部は調べ切っていないんですが、今おっしゃった、国際海峡に当たるので三海里に制限しているみたいなところが世界じゅうど こにあるか、ちょっと調べかけたんですね。そうしますと、確かに、例えば韓国であれば、韓国海峡といいまして、朝鮮半島と我が国の対馬、その間が狭いの で、そこは十二海里を主張せずに狭めているわけです。これは他国との境界線ですから、当然、そういう配慮がないと公海がなくなっちゃいますから、通れない わけですから、こういう問題がある。
ただ、日本は島国ですから全部海峡になるわけですよ。要するに、北海道と本州の間も海峡ですから通ってください、対馬と本州の間もあけておきます、大隅 海峡というのは種子島と鹿児島ですから、ほとんど、島といっても、それこそ日本の離島ではなくて、本当に近接する島においてこういう規定を設けているんで すね。こんなに丁寧に全部あけている国というのは恐らく日本だけだろうというふうに思います。
ちなみに、大臣、ぜひこれから研究していただきたいんですけれども、こういう規定があるんですね。
これは三十八条の一項なんですが、海峡が海峡沿岸国の島及び本土から構成されている場合において、その島の海側、つまり、例えば種子島であれば種子島の 外側ですね、海側に航行上及び水路上の特性において同様に便利な公海または排他的経済水域の航路が存在する場合には、通過通航権は適用されない。そこは外 で通ってくださいということを言えば、これは、そこにそれこそ領海を設定して、通過通航権を設定しませんよと言っても大丈夫だという規定があるんです。
さらにさかのぼれば、国際海峡というのは何ぞやというのは、これはどこかルールで決めるわけじゃないんですね。国際海峡にしてしまうとそれこそそこをあ けなきゃならないという話になりますから、各国はむしろ、これは国際海峡ではなくて、我が国はそういうふうには解釈していませんと十二海里をとっているわ けです。日本だけが全部国際海峡と設定をしてあけているわけですね。これは私、主権の放棄だと思います。ですから、海洋法条約をしっかり検討していただい て、領海法にはきちっと「当分の間、」と書いてあります、当時の議論からするとそのことがわかっている。本当に我が国についてこういう議論がいいのかどう かということを研究していただきたい。
私の危惧は、中国を含めて潜水艦はどんどん日本の周りを回っているわけです。領海に設定されていれば、無害通航ですから、上がって、旗を上げて通らなけ ればだめなんですね。ただ、十二海里を三海里にしてあけておくことによって、それこそ日本の周りは、北海道と九州の、津軽海峡もそうですし、本州の周りを ぐるっと簡単に回れるわけですよ。こんなことを許している理由は何なのか。
かつては、米軍に守ってもらって、北を警備してもらわなきゃならないとか、そういういろいろな問題があったでしょう。ただ、もう時代は変わってきている ので、戦後レジームとおっしゃるのであれば、我が国は主権をしっかり主張して、言うべきことは言う、法律も変えていく、これぐらい麻生大臣だからこそぜひ やっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。(拍手)
○麻生国務大臣
今のは、御意見としては、これまでの経緯やら何やらありますし、今、時代が変わってきたので、少しは考え方も変えないかぬところもあるの かもしれませんけれども、ちょっとこれは、細野さん、今までの長い経緯があるから、拍手ぐらいに乗せられてすぐ変えるなんというものでないので、それほど 軽々しくもないので、検討させていただきます。
○細野委員
確認ですが、御検討いただけるという答弁でよろしいですね。
○麻生国務大臣
すぐ結論が出せるわけではないと思いますけれども、この経緯を知らないわけではありませんので、検討させていただきます。
○細野委員
今、安保の戦後レジームについて話をしたんですが、もう一つ、経済的なレジームというのが幾つかありまして、それについても一つだけ質問したいと思います。
日本は、安全保障をある種アメリカに頼ってきて、経済的に成長してきて、一九七〇年、八〇年と一気に駆け上がって、そして一九九〇年前後には日本脅威論 というようなことが言われるようになりました。その典型が経済摩擦だというふうに思っています。そのときに出てきた負の遺産ともいうべきものに、日本の宇 宙開発における、アメリカの三〇一条に基づいて出てきた調達の自由化の話があると私は思っているんです。大臣、これは御存じですよね。
日本は非研究開発衛星については調達を自由化していまして、ほとんどアメリカの技術を使って上げています。受託を許しています。これはいろいろ理屈はあ るんですが、出てきている文書というのが、きょういただいたんですが、通信の調達を自主的措置として、非研究開発衛星の調達手続、こういう文書がありまし て、これは行政通達ですかといったら行政通達でもないんですね、国際約束ですかといったら国際約束でもないわけです。そういうことにしておきましょうとい う、この衛星の分野に限定をして、ここは自由化をして、自由なので海外の人も入ってくださいという変な文書がありまして、この法的な位置づけも含めて、こ れもぜひ明確に、もう一回検討していただきたいと思うんです。済みません、時間もないので舌足らずですが、御理解いただけますよね。
要するに、今衛星の分野というのは、これはそれこそ情報通信衛星ですということで、政府調達で限定をされるので日本でやりますとか、これは研究衛星で す、ですからこれは日本でやっていいですということになっているわけですね。一方で、実用衛星については、調達自由なのでアメリカから全部輸入してきてく ださいという話になっているんです。
衛星の分野は完全ボーダーレス化していまして、情報通信衛星もある種そういう偵察的な役割も担うけれども、通信衛星も一部担う。研究開発と銘打っている けれども、そこに安全保障上の措置が入ったりもするわけですよ。実用衛星だけ海外から持ってきますというのは、全体の衛星のいろいろな運営を考えたら不合 理です、一つは。
もう一つは、結局、日本は一年間に数基しか衛星を打ち上げないわけですよ。この技術において、実用衛星の部分を海外に開放しているというのは、我が国の 宇宙の競争力においては、やはりこの十年間、十数年間の停滞というのは目に余ります。それをもう一度考えていく意味でも、この衛星の分野については、国内 調達を各国やっていますから。日本は、そういう技術を持っている企業もあります。
ですから、このわけわからぬ文書をちょっと一回見直していただいて、本当に諸外国と比較してどうなのか、我が国もこれから衛星をどんどんやって宇宙の開 発をやっていくとおっしゃっているわけだから、そういうことについてぜひ前向きに取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○岩屋副大臣
先生は非常にこの分野にお詳しい方でいらっしゃいますから、もう多くは申し上げませんが、御指摘のように、非研究開発衛星の調達手続というのは、平成二年に我が国の自主的措置として政府全体で策定をしたものでございます。
そこに至った経緯というのは、これも先生も御承知だと思います、米国においてスーパー三〇一条に基づくいろいろな動きがあり、同盟国米国と我が方もいろ いろと協議をする必要があったということもその背景にはあったわけでございますが、先生御指摘のように、これから宇宙開発についても、しっかりと基本法を つくってやろうという流れの中にあるわけでございますから、この分野につきましても、先ほど大臣のお話にもありましたように、新しい状況にどう対応するか ということも含めて、これから検討をさせていただきたいと思っております。
○細野委員
大臣、厳密に言うと、これはアメリカだけに決して該当している項目ではないので、国内措置なんですね。通達でも何でもありませんから、それこそやろうと思えばきょうにでもできます、別に閣議決定も何も要りませんから。
ただ一方で、やはり経緯からいうと、アメリカとの関係で、こういう分野において日本がある種一歩引いて、自動車を守る一方で衛星を捨てたと言われていたんです、当時は。そのときのことをしっかり踏まえると、やはりこれはアメリカにもきちっと言わないかぬ。
日本は衛星技術をアメリカに頼ることによって、ある意味、経済上のメリットを与えると同時に、安全保障上アメリカに依存するということが、日本にとって もアメリカにとっても心地よかった。ただ、中国が衛星破壊もやるようになって、アメリカだけで宇宙開発をやっていけるのかといえば、むしろ、日本が独自の 技術を持って、独自の構想を持ってやっていった方が相互補完的ですよという議論をそろそろアメリカに対してもすべきなんですよ。これなんかまさに過去の遺 産ですからね。
こういうこと一つ一つを整理することを、あえて安倍政権に存在意義があるとすれば、戦後レジームとおっしゃるのであれば、大事であるということを申し上げているということを御理解いただきたいと思います。
岩屋副大臣も大変この分野にお詳しいので、期待をしておりますので、最後にお願いをしておきます。
時間がなくなってきましたので、日中の問題について話を移したいと思います。
日米の戦後レジームという観点から三つ聞きましたが、私、日中間でもやはりさまざまな意味のレジームがあると思っていまして、私の基本的な認識は、先ほ ど前原委員がおっしゃったものと極めて重なります。つまり、日本は中国を侵略したことは間違いないし、その意味で謙虚であるべきだし、歴史認識のようなと ころではそれなりの礼節は当然持つべきだけれども、一方で、事国益に直接かかわることについて中国に物を言わない、こういう戦後のあり方については大いに 疑問を持っています。
ですから、そこの部分をしっかり分けて、国益にかかわることについてはどんどん、しっかり発言をしていくということを日本はやるべきだというふうに思っ ていまして、その観点から、一番典型的にこれから問題になってくるのが海洋権益の問題ではないかというふうに思っています。
幾つかちょっと事実関係を指摘しますが、地図を配っておりますので、ちょっとごらんをいただけますでしょうか。大臣、よろしいですか。
これは、役所がよく配っている資料ですので、皆さん多分おなじみだと思うんですが、左側の線が日本が主張する二百海里、排他的経済水域ですね。右側の線 が沖縄トラフという、点々でかいていますが、これが中国が主張する排他的経済水域です。これが重なり合っているもので、真ん中のガス田をどうするかこうす るかということが大変議論になる。
一つだけ、私が極めて憤りを持った例として御紹介をすると、この真ん中のガス田の中に平湖のガス田というのが左上の方にありますけれども、このガス田 に、一九九六年、これは外務省の設定をしている係争水域、つまり中国の排他的経済水域なのか日本の排他的経済水域なのか争いがあるこの平湖のガス田におい て、実は、中国側が採掘を始めたときに、日本は輸銀がパイプラインの融資までしています。要するに、争っているところにおいて、そこで採掘をされたことに 対して融資をしたのが当時の日本なんですね。当時の経緯は、こっちは聞いていなかったとかあれの責任だとかいろいろあったようですが、そういう歴史があ る。
もう一つは鉱業権の問題ですが、一九六〇年代に鉱業権の設定、日本側で開発をしたいという要望があったにもかかわらず、一昨年、二〇〇五年までこの鉱業 権の設定についても放棄をしてきました。ようやく二〇〇五年、これは中川大臣のときですが、日本も大分変化が出てきまして、日本側も現地を見に行ったり、 さまざまなそういうことについての主張をするようになって、大分雰囲気が変わってきたんですが、安倍政権になってどうなのかということについて、まず、外 務大臣が基本的にこの問題についてどう認識をされていて、どういう方向性を持っておられるか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○麻生国務大臣
この東シナ海の資源の開発については、たしか過去六回、協議を中国との間にしてきたというのがこれまでの経緯だと思っております。中川大 臣、二階大臣、甘利大臣、それをずっとやってきているんだと思いますが、昨年の安倍訪中までの間は、これはもう極めて険悪な雰囲気でずっと終始をしており ます。私ら外務大臣とやるときもほぼ同じような雰囲気でありました。
それが、中国訪問がなされた後、とにかくこんなところで争っているのは大体余り意味がない、おたくらも商売を考えたら、こんなところ、共同開発をやらなければ、一国でやったって全然採算は合いませんよという話やら何やらは、結構いろいろなところで出ております。
そういった意味で、これは、主権はちゃんと確保しながら双方で共同開発をした方がよっぽど採算的にもいいし、プロフィット、利益のことを考えてもいいん じゃないかということで話をして、この間でしたか、李肇星という中国の外交部長が日本に来たときも、この問題で日中の局長会議をやろうということで、この ことに関しては三月中にもということで話をしております。
共同開発をやった方がこっち側も都合がいいし、たしか帝国石油だと思いましたけれども、双方でやった方がいいんじゃないかという話で、何もとんがり合っ てやるような話ではないでしょうがという話で、要は石油の話なんだからという話でこの話をさせていただいているというのが今のところです。
○細野委員
大臣、私も最終的には共同開発だと思いますよ。ただ、現状認識はちょっと甘いんじゃないかと正直思いました、今のお話を聞いて。
というのは、日本は、共同開発は大分前から視野に入れているんですね。ただ、話し合いにも応じてこなかったんです。あの六回の協議が始まったのは、中川 大臣が、尖閣諸島を見に行って、排他的経済水域を見に行って、これはおかしいと言ったから協議は始まったんです。停滞をする前に若干動き出したときという のは、鉱業権を設定したときに協議がまともに動き出したんです。要するに、日本側がアクションを起こしたときに協議は動くんです、中国側との交渉は。
そのことをわかった上で、違法なことをやったときはきっちり取り締まる、日本側もやることはやる選択肢を持っているよというカードを持っておかないと、話はうまくいかないと私は思っていまして、そのことは強調しておきたいと思います。
その上で、日中口上書についてちょっとお聞きをしたいのです。二枚目です。
この日中の口上書というのは、日本と中国との間で、その海域の開発をする場合にお互いに守りましょうという協定で、外務省が、極めてこれは中国側にとっ ても日本側にとっても大事で、これを韓国とも結びましょうみたいな話をしているそういう口上書なんですが、私は、この口上書には大きな問題が幾つかあると いうふうに思っていまして、それを指摘したいと思います。
まず一点ですが、二枚目のところですが、これは中国側が日本側に対して通告するペーパーなんですね。二のところですが、日本側が関心を有する水域である 日本国の近海云々において調査をする場合は、中国側が日本側の調査をする場合においては、二カ月前までに口上書による通報を行うと書いてあるんですね。こ れは、実は国連海洋法上も相手国の排他的経済水域において科学的調査をすることは認められてはいるんですが、その海洋法上は、六カ月前に通報しなければな らないという規定があるんです。それを中国側には二カ月に短縮をしています。
もう一つ大きな問題は、国連海洋法条約には、条約はきょうは持ってきませんでしたけれども、そういう調査をして、それが違法な調査になる可能性があると きは同乗者を乗せるという規定があるんですね。日本側が、中国が違法なことをしないように同乗者を乗せろということを主張できる根拠規定が海洋法にはある んです。
もう大臣御存じのように、何度も何度も中国は違法な科学的調査をやっています。日本はそれを許してきました、わかっているものだけでもですよ。もちろん それに対して、違法だから日本が同乗させろというようなことは口上書に書いてありませんから、言ったことはありません。そういう意味で、国連海洋法という 国際的なルールと比較をしても、中国に極めて優しいルールになっているということを認識していただきたいということが一つ。
もう一つ重大な問題があるので、もう一枚めくっていただきたいんです。
大臣、こちらは、今度は日本側が中国側の排他的経済水域の調査をする場合の口上書です。日本はほとんどやっていないんですけれどもね。ですから、この口上書をほとんど利用していないんですが、一応こういうのがある。
ここで私が指摘をしたいのは、同様の文章なんですが、一番初めの口上書の文章ですね。「日本国大使館は、中華人民共和国外交部に敬意を表するとともに、 東海海域」と書いてあるんですね。東海ですよ。東シナ海と国際的にもきちっと命名されていて、日本も主張している東シナ海という名前を捨てて、ここでは外 交文書として東海という言葉が残っているんです。本当は中国側にも東シナ海と書くべしと主張すべきですが、あえて中国側は東海と書く。もう一枚前の口上書 において東海と書いているのは百歩譲っていいとしても、日本側の文章に東海と残っているのはいかがなものか。この部分だけでも改定を主張すべきではない か。
中国に対していろいろそれは悪いことをしたかもしれないけれども、我が国は、国益と主権に基づいて言うことは言う。当たり前のことで、例えばこのあたりでも一つアクションを起こしていただきたい、そう思うんですが、いかがでしょうか。
〔やまぎわ委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣
この東海はちょっと知らなかったので、ちょっと調べます。
それから......(細野委員「これは有名な話です」と呼ぶ)いや、あなたには有名なんでしょうけれども、私には余り有名じゃなかったので、正直、この話は今初めて見ましたので、調べます。
それから、今のこの話の口上書に関しましては、今御指摘のありました二カ月、六カ月、これは事実です。確かに、六カ月ということになっております。それ は私も知っているんですが、少なくとも、この口上書の内容をいわゆる資源調査に当てはめてやっていることだけはない。今、中国との間に資源調査に関しては やっていないでしょう。というのが私どもの考え方であります。
細目は岩屋副大臣から。
○岩屋副大臣
済みません。今先生御指摘の件、ちょっと調べたのでございますが、なぜ東海と言ったかということでございますけれども、東海及び東シナ海は 同一の水域を指すために用いられる呼称であり、慣用上、双方が用いられてきております。我が国には特に地名に関して法令のごときものがあるわけではござい ませんが、東海という呼称は、東シナ海と並んで我が国においても従来海図等において用いられていた。
したがって、外務省においても、慣用に従いまして東海及び東シナ海を同一の水域を指す呼称として双方ともに用いてきている。したがって、本口上書においては東海というものを使用した、こういう経緯であったということでございます。
○細野委員
時間が来ていますけれども、副大臣、今のは大変な答弁ですよ。東海という呼称を日本は外務省として正式に認めるんですか、それもいいですと。 それが国際的な呼称で、この口上書の中で東海と書いているということは、日本側も東シナ海よりは東海の方が流通をしていると認めることになりますよ。本当 にいいんですか。
○岩屋副大臣
今お答え申し上げましたように、我が国においても従来海図等において用いられていたということでございますので、何も向こう側の言い分に従ったということではないと御理解をいただきたいと思います。
○細野委員
これは、もう時間もないので......
○山口委員長
時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○細野委員
はい、わかりました。継続でちょっとやりたいと思いますが、副大臣、そういう問題についてはお詳しく、関心を持っていらして問題意識を持っていらっしゃる方だと思いますので、ぜひこの問題はもう一回外務省の中でしっかり検討していただきたいと思います。
○麻生国務大臣
細野先生、日本海を東海と言う韓国に対して、とんでもないということを言っていることは間違いありませんが、東シナ海を東海と言う例はこれまでもあった、これは私の記憶ですけれども、そうなっておると思います。調べますけれども。
○細野委員
少なくとも、我が国において併用されていた、過去の歴史文書においてそういう例が一回か二回あったかどうかは、それは知りません。そういうの はあったんでしょう、私も調べてちょっと読んだことがありますが。ただ、我が国のさまざまな地図において東シナ海と書いているわけですよね。国際的にもそ ちらが適切であると我が国は言ってきたわけですよね。その見解をひっくり返すのだとすれば、それは大問題だと私は思います。
これは継続してやりたいと思いますので、時間が来ましたのでこれで終わりますが、大臣、最後に、デブリの問題、資料だけ配っておきました。
ちょっと御認識が甘いと思いますので、衛星破壊によってどんな状態になっているのか写真で載っていますから、問題意識をもう少し持っていただいて、これ は宇宙開発の大きな問題ですから。中国に情報公開を求めるのではなくて、衛星破壊なんてとんでもないと。アメリカはもう宇宙に関しての協力を破棄していま すからね。この部分についての外務省のメッセージは非常に弱いというふうに思っていまして、資料だけお渡ししておきますから、その認識をぜひ持っていただ きたい。最後にそのことをお願いして、終わりたいと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
戦後レジームということに関して、私は麻生大臣と大分重なるなと思います。これは多分共通認識だと思うんですが、戦争に負けて国際社会に復帰するに当 たってはアメリカにはいろいろお世話になった、アジア諸国にも迷惑をかけたので、謝って回らなきゃならない、こういう中で戦後六十年来たわけですよね。
では、その戦後レジームを脱却するということを高らかに宣言した安倍政権が、そういう過去をどう考えて、それをどう脱却しようとしているのかという姿が 私には正直余り見えなくて、具体的にそろそろ、政権が誕生して半年たったわけですから、一つ一つアクションとして、戦後いろいろあったけれども今こういう スタートを切るんだというような国際交渉を始めていただきたい、そういう視点から幾つか質問したいと思います。
まず一つ、地位協定なんですが、麻生大臣もおっしゃったとおり、やはりアメリカに占領されて、一九五一年にサンフランシスコ平和条約が締結をされて、同 時に締結をしたのが日米安全保障条約ということですね。十年後、六〇年に改定をされていますが、基本的には、日本がアメリカに守ってもらうという構図は当 時から大きく変わったわけではない。そういう中で、一九六〇年に締結をされたのが地位協定というものです。
我々民主党は、何度もこの地位協定の改定を言っておりまして、当然ですが、日本は独立国でありますから、独立国としてふさわしい地位協定のあり方というのはあるのではないか。
典型的な例でいうと、地位協定の三条でありますけれども、合衆国は、施設及び区域において、それらの設定、運営、警護及び管理のために必要なすべての措 置をとることができる、こうあるわけですね。日本側がこういう基地内のさまざまな取り組みについてどういう関与をできるのかということについては、日本の 地位協定は書いていません。
何度も我々は、この地位協定改定をしっかりテーブルにのっけるべきだということを言っておるんですが、外務大臣どうでしょうか。戦後レジームから脱却す る、外交、安全保障面においてはまさにそれが戦後レジームだとおっしゃったんですから、そういう交渉を安倍政権でそろそろ始めるというお考えがないかどう か、お伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣
この日米地位協定につきましては、細野先生、これはいろいろかなり前から御意見のあるところというのは、私どもも十分に承知をしておるん ですが、基本的には、これまで、運用の改善ということでいろいろ問題点を解決してきた。ほかのドイツやら韓国やらに比べても、我々の地位協定の中におい て、例えば刑事裁判の手続やら何やら、随分いいものをかち取ってきていると思っておりますので、そういった意味におきましては、改善例というのは、被告の 引き渡しやら何やら結構進んでおりますし、そういったものが私どもの今の立場としてはそうです。
もう一点は、これは集団自衛権とかいろいろなものに多分関係してくるんですよ、意識としては。だから、そこらのところまでずっと広がることまで考えて やっていかないかぬことになるのかなと思いますので、これは地位協定だけではなくて、その他もろもろ、日米関係全般にわたっての考え方というのは、戦後レ ジームという言葉で言えば、そこらの日米関係の中のものというのを全般にわたって考えていかないかぬ、その中の一つにこの地位協定というものもあるという 意識は私もあります。
○細野委員
もちろん、集団的自衛権の問題であるとか、日本の自衛隊の海外派遣の問題も、恒久法はありませんから、いろいろな限界があって、そういう意味 で、日本がアメリカに対してこの問題について意見しにくい、本当に平等な条約かというとどうかというところだと思うんですよね。
ただ、私、なぜこれほど改定をタブー視するのかよくわからないんですね。私もいろいろな話をしたことがあります。確かにアメリカ側はかたいなという印象 は持っているんですけれども、例えば韓国は一九九一年と二〇〇一年に改正していますよね。大臣は、運用でうまくやっているとおっしゃるけれども、例えば、 同じような基地内の管理権に関しては、韓国側に事前に協議すると書いてあるんです、米韓の地位協定には。ドイツは、ドイツの法律を守れと書いてある。ドイ ツも何回も改正をしています。
なぜ日本は改正をそれほどタブー視するのか、私、そこがちょっと正直言って理解できないんですが、外務大臣、なぜそこまでこだわるのか、かたいのかということについて、どういうふうにお感じになっているか、お伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣
これはいろいろ前例が幾つも幾つもあるんですが、刑事裁判手続というのが一番よく出てくるところですが、これは、一九九五年の刑事裁判手 続に関する日米合同委員会というのが必ず出てくるんだと思いますので、よく御存じのところだと思います。それで、起訴前の拘禁移転というのが一番出てくる ところでしょう。そこのところも、米軍が駐留してできているのは日本だけじゃありませんかという点は、事実として認めていただければと思っておるので。
環境問題というのもありまして、例の騒ぎになりました点におきましても、これは二〇〇〇年の九月だったと思いますが、環境原則に関する共同発表というの をやっておりますけれども、環境保護のために在日米軍というのは、日本と同じ、もしくは、おたくの法律の方が厳しいときはそっち、うちの方が厳しいときは こっち、その厳しい基準に合わせてやるのよという話やら何やらはそこそこやってきているんだと思いますので、これをつけると壮大な手続になるものですか ら、少なくとも現実的な一番のところは運用の例でかち取ってきているというのが実態なんだと思っております。
○細野委員
地位協定単独で私がここで力んでも、米軍再編もやっていますし、さまざまな問題があるのは承知をしておりますので、せんないことだと思いま す。ただ、地位協定の改定というのは、沖縄はもちろんですが、やはり基地問題を抱えている地域の悲願でもあり、我が国が本当に独立をして国家として運営し ていく中で、ここは、私はどこかで越えなきゃならない一線だというふうに思っていまして、そのことは強調しておきたいというふうに思います。またやりま す。
そのほかにも、日米関係をめぐりましてはいろいろ聞きたいことがあったんですが、きょうはひとつ領海の問題についてもお伺いしたいと思います。
これは通告をしてあるんですが、よく、米軍をめぐりましては、管制権の問題であるとか空域の問題をめぐりまして、日本は非常に、そういう意味では独立国 としてどうなのかという議論があります。ただ、領海の話というのは、実は今まで余り出ていなくて、この数年間、私、海洋上の法律の話をずっとやっていまし て、ようやく徐々に成果が出つつあるんですけれども、この領海の規定を見て、ああ、これは何とかせないかぬなというふうに思いましたので、大臣にお伺いを します。
領海法という法律が一九九六年に改正をされておりまして、どういう改正かというと、従来は領海というのは三海里にとどまっていたのが、国連海洋法条約が できて十二海里になったということで、その十二海里を国内法に規定したのが領海法の改正なんですね。確かに、一条に十二海里にしますというふうに書いてあ るんですが、附則がございまして、当分の間、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道及び大隅海峡については三海里にとどめます。各国が十二 海里に広げているのに、その部分については日本は三海里にとどめるという、本来は、領海というのは領土に準ずる我が国の領域ですから、当然拡大志向にいく べきところ、拡大志向というか、現状においてしっかり国際的に認められるのであれば、それを主張するのは当然だと思うんですが、これは三海里にとどめてい まして、当面の間となっているわけですね。
これは、いろいろな事情があってそうなったのは重々承知をしておりますが、大臣、この問題にそろそろ取り組むおつもりはないかどうか、お伺いをしたいと思います。
○麻生国務大臣
細目、小松局長の方から、これは経緯等々ありますので答弁をさせますけれども、この話は、この三海里になった経緯やら何やら、なかなか難 しいです。そういった意味で、これを今すぐこの段階で取り組む意欲があるかといえば、今この段階で直ちに取り組むという考えを持っているわけではありませ ん。
細目につきましては小松局長の方から答弁をさせます。
○小松政府参考人
お答え申し上げます。
我が国は海洋国家でございまして、しかも先進工業国でございますので、このような我が国にとって、国際交通の要衝である海峡において我が国の商船でござ いますとか大型タンカーなどのなるべく自由な航行を確保するということが、総合的国益の観点からぜひとも必要でございます。
このため、我が国自身も、諸外国が重要な海峡における自由な航行を維持または強化する政策をとることを促す必要があると考えておりまして、国際交通の要 衝として諸外国の船舶の航行の用に供せられていると考えられます特定海峡につきましては、外国船舶の自由な航行を保障することが適切だと考えております。
そこで、委員の御質問にもありました国連海洋法条約、我が国も、平成八年でございましたか、締結をいたしましたので、そこに通過通航制度ということが書 いてあるではないか、したがって、この通航制度でいいではないかという御趣旨かとも思いますけれども、この通過通航制度につきましては、どのような場合に いかなる範囲で適用されるのか、具体的にいかなる形態の通航が許容されるかについて、国連海洋法条約に詳しい規定もございませんし、国家実行の集積が十分 でないため、不確定な面があるということから、我が国の安全保障の観点からも慎重に対処をする必要があると当時考えた次第でございまして、ここのところの 判断というのは基本的に現時点においても変わっていないというところでございます。
○細野委員
私、ちょっとまだ全部は調べ切っていないんですが、今おっしゃった、国際海峡に当たるので三海里に制限しているみたいなところが世界じゅうど こにあるか、ちょっと調べかけたんですね。そうしますと、確かに、例えば韓国であれば、韓国海峡といいまして、朝鮮半島と我が国の対馬、その間が狭いの で、そこは十二海里を主張せずに狭めているわけです。これは他国との境界線ですから、当然、そういう配慮がないと公海がなくなっちゃいますから、通れない わけですから、こういう問題がある。
ただ、日本は島国ですから全部海峡になるわけですよ。要するに、北海道と本州の間も海峡ですから通ってください、対馬と本州の間もあけておきます、大隅 海峡というのは種子島と鹿児島ですから、ほとんど、島といっても、それこそ日本の離島ではなくて、本当に近接する島においてこういう規定を設けているんで すね。こんなに丁寧に全部あけている国というのは恐らく日本だけだろうというふうに思います。
ちなみに、大臣、ぜひこれから研究していただきたいんですけれども、こういう規定があるんですね。
これは三十八条の一項なんですが、海峡が海峡沿岸国の島及び本土から構成されている場合において、その島の海側、つまり、例えば種子島であれば種子島の 外側ですね、海側に航行上及び水路上の特性において同様に便利な公海または排他的経済水域の航路が存在する場合には、通過通航権は適用されない。そこは外 で通ってくださいということを言えば、これは、そこにそれこそ領海を設定して、通過通航権を設定しませんよと言っても大丈夫だという規定があるんです。
さらにさかのぼれば、国際海峡というのは何ぞやというのは、これはどこかルールで決めるわけじゃないんですね。国際海峡にしてしまうとそれこそそこをあ けなきゃならないという話になりますから、各国はむしろ、これは国際海峡ではなくて、我が国はそういうふうには解釈していませんと十二海里をとっているわ けです。日本だけが全部国際海峡と設定をしてあけているわけですね。これは私、主権の放棄だと思います。ですから、海洋法条約をしっかり検討していただい て、領海法にはきちっと「当分の間、」と書いてあります、当時の議論からするとそのことがわかっている。本当に我が国についてこういう議論がいいのかどう かということを研究していただきたい。
私の危惧は、中国を含めて潜水艦はどんどん日本の周りを回っているわけです。領海に設定されていれば、無害通航ですから、上がって、旗を上げて通らなけ ればだめなんですね。ただ、十二海里を三海里にしてあけておくことによって、それこそ日本の周りは、北海道と九州の、津軽海峡もそうですし、本州の周りを ぐるっと簡単に回れるわけですよ。こんなことを許している理由は何なのか。
かつては、米軍に守ってもらって、北を警備してもらわなきゃならないとか、そういういろいろな問題があったでしょう。ただ、もう時代は変わってきている ので、戦後レジームとおっしゃるのであれば、我が国は主権をしっかり主張して、言うべきことは言う、法律も変えていく、これぐらい麻生大臣だからこそぜひ やっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。(拍手)
○麻生国務大臣
今のは、御意見としては、これまでの経緯やら何やらありますし、今、時代が変わってきたので、少しは考え方も変えないかぬところもあるの かもしれませんけれども、ちょっとこれは、細野さん、今までの長い経緯があるから、拍手ぐらいに乗せられてすぐ変えるなんというものでないので、それほど 軽々しくもないので、検討させていただきます。
○細野委員
確認ですが、御検討いただけるという答弁でよろしいですね。
○麻生国務大臣
すぐ結論が出せるわけではないと思いますけれども、この経緯を知らないわけではありませんので、検討させていただきます。
○細野委員
今、安保の戦後レジームについて話をしたんですが、もう一つ、経済的なレジームというのが幾つかありまして、それについても一つだけ質問したいと思います。
日本は、安全保障をある種アメリカに頼ってきて、経済的に成長してきて、一九七〇年、八〇年と一気に駆け上がって、そして一九九〇年前後には日本脅威論 というようなことが言われるようになりました。その典型が経済摩擦だというふうに思っています。そのときに出てきた負の遺産ともいうべきものに、日本の宇 宙開発における、アメリカの三〇一条に基づいて出てきた調達の自由化の話があると私は思っているんです。大臣、これは御存じですよね。
日本は非研究開発衛星については調達を自由化していまして、ほとんどアメリカの技術を使って上げています。受託を許しています。これはいろいろ理屈はあ るんですが、出てきている文書というのが、きょういただいたんですが、通信の調達を自主的措置として、非研究開発衛星の調達手続、こういう文書がありまし て、これは行政通達ですかといったら行政通達でもないんですね、国際約束ですかといったら国際約束でもないわけです。そういうことにしておきましょうとい う、この衛星の分野に限定をして、ここは自由化をして、自由なので海外の人も入ってくださいという変な文書がありまして、この法的な位置づけも含めて、こ れもぜひ明確に、もう一回検討していただきたいと思うんです。済みません、時間もないので舌足らずですが、御理解いただけますよね。
要するに、今衛星の分野というのは、これはそれこそ情報通信衛星ですということで、政府調達で限定をされるので日本でやりますとか、これは研究衛星で す、ですからこれは日本でやっていいですということになっているわけですね。一方で、実用衛星については、調達自由なのでアメリカから全部輸入してきてく ださいという話になっているんです。
衛星の分野は完全ボーダーレス化していまして、情報通信衛星もある種そういう偵察的な役割も担うけれども、通信衛星も一部担う。研究開発と銘打っている けれども、そこに安全保障上の措置が入ったりもするわけですよ。実用衛星だけ海外から持ってきますというのは、全体の衛星のいろいろな運営を考えたら不合 理です、一つは。
もう一つは、結局、日本は一年間に数基しか衛星を打ち上げないわけですよ。この技術において、実用衛星の部分を海外に開放しているというのは、我が国の 宇宙の競争力においては、やはりこの十年間、十数年間の停滞というのは目に余ります。それをもう一度考えていく意味でも、この衛星の分野については、国内 調達を各国やっていますから。日本は、そういう技術を持っている企業もあります。
ですから、このわけわからぬ文書をちょっと一回見直していただいて、本当に諸外国と比較してどうなのか、我が国もこれから衛星をどんどんやって宇宙の開 発をやっていくとおっしゃっているわけだから、そういうことについてぜひ前向きに取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○岩屋副大臣
先生は非常にこの分野にお詳しい方でいらっしゃいますから、もう多くは申し上げませんが、御指摘のように、非研究開発衛星の調達手続というのは、平成二年に我が国の自主的措置として政府全体で策定をしたものでございます。
そこに至った経緯というのは、これも先生も御承知だと思います、米国においてスーパー三〇一条に基づくいろいろな動きがあり、同盟国米国と我が方もいろ いろと協議をする必要があったということもその背景にはあったわけでございますが、先生御指摘のように、これから宇宙開発についても、しっかりと基本法を つくってやろうという流れの中にあるわけでございますから、この分野につきましても、先ほど大臣のお話にもありましたように、新しい状況にどう対応するか ということも含めて、これから検討をさせていただきたいと思っております。
○細野委員
大臣、厳密に言うと、これはアメリカだけに決して該当している項目ではないので、国内措置なんですね。通達でも何でもありませんから、それこそやろうと思えばきょうにでもできます、別に閣議決定も何も要りませんから。
ただ一方で、やはり経緯からいうと、アメリカとの関係で、こういう分野において日本がある種一歩引いて、自動車を守る一方で衛星を捨てたと言われていたんです、当時は。そのときのことをしっかり踏まえると、やはりこれはアメリカにもきちっと言わないかぬ。
日本は衛星技術をアメリカに頼ることによって、ある意味、経済上のメリットを与えると同時に、安全保障上アメリカに依存するということが、日本にとって もアメリカにとっても心地よかった。ただ、中国が衛星破壊もやるようになって、アメリカだけで宇宙開発をやっていけるのかといえば、むしろ、日本が独自の 技術を持って、独自の構想を持ってやっていった方が相互補完的ですよという議論をそろそろアメリカに対してもすべきなんですよ。これなんかまさに過去の遺 産ですからね。
こういうこと一つ一つを整理することを、あえて安倍政権に存在意義があるとすれば、戦後レジームとおっしゃるのであれば、大事であるということを申し上げているということを御理解いただきたいと思います。
岩屋副大臣も大変この分野にお詳しいので、期待をしておりますので、最後にお願いをしておきます。
時間がなくなってきましたので、日中の問題について話を移したいと思います。
日米の戦後レジームという観点から三つ聞きましたが、私、日中間でもやはりさまざまな意味のレジームがあると思っていまして、私の基本的な認識は、先ほ ど前原委員がおっしゃったものと極めて重なります。つまり、日本は中国を侵略したことは間違いないし、その意味で謙虚であるべきだし、歴史認識のようなと ころではそれなりの礼節は当然持つべきだけれども、一方で、事国益に直接かかわることについて中国に物を言わない、こういう戦後のあり方については大いに 疑問を持っています。
ですから、そこの部分をしっかり分けて、国益にかかわることについてはどんどん、しっかり発言をしていくということを日本はやるべきだというふうに思っ ていまして、その観点から、一番典型的にこれから問題になってくるのが海洋権益の問題ではないかというふうに思っています。
幾つかちょっと事実関係を指摘しますが、地図を配っておりますので、ちょっとごらんをいただけますでしょうか。大臣、よろしいですか。
これは、役所がよく配っている資料ですので、皆さん多分おなじみだと思うんですが、左側の線が日本が主張する二百海里、排他的経済水域ですね。右側の線 が沖縄トラフという、点々でかいていますが、これが中国が主張する排他的経済水域です。これが重なり合っているもので、真ん中のガス田をどうするかこうす るかということが大変議論になる。
一つだけ、私が極めて憤りを持った例として御紹介をすると、この真ん中のガス田の中に平湖のガス田というのが左上の方にありますけれども、このガス田 に、一九九六年、これは外務省の設定をしている係争水域、つまり中国の排他的経済水域なのか日本の排他的経済水域なのか争いがあるこの平湖のガス田におい て、実は、中国側が採掘を始めたときに、日本は輸銀がパイプラインの融資までしています。要するに、争っているところにおいて、そこで採掘をされたことに 対して融資をしたのが当時の日本なんですね。当時の経緯は、こっちは聞いていなかったとかあれの責任だとかいろいろあったようですが、そういう歴史があ る。
もう一つは鉱業権の問題ですが、一九六〇年代に鉱業権の設定、日本側で開発をしたいという要望があったにもかかわらず、一昨年、二〇〇五年までこの鉱業 権の設定についても放棄をしてきました。ようやく二〇〇五年、これは中川大臣のときですが、日本も大分変化が出てきまして、日本側も現地を見に行ったり、 さまざまなそういうことについての主張をするようになって、大分雰囲気が変わってきたんですが、安倍政権になってどうなのかということについて、まず、外 務大臣が基本的にこの問題についてどう認識をされていて、どういう方向性を持っておられるか、簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○麻生国務大臣
この東シナ海の資源の開発については、たしか過去六回、協議を中国との間にしてきたというのがこれまでの経緯だと思っております。中川大 臣、二階大臣、甘利大臣、それをずっとやってきているんだと思いますが、昨年の安倍訪中までの間は、これはもう極めて険悪な雰囲気でずっと終始をしており ます。私ら外務大臣とやるときもほぼ同じような雰囲気でありました。
それが、中国訪問がなされた後、とにかくこんなところで争っているのは大体余り意味がない、おたくらも商売を考えたら、こんなところ、共同開発をやらなければ、一国でやったって全然採算は合いませんよという話やら何やらは、結構いろいろなところで出ております。
そういった意味で、これは、主権はちゃんと確保しながら双方で共同開発をした方がよっぽど採算的にもいいし、プロフィット、利益のことを考えてもいいん じゃないかということで話をして、この間でしたか、李肇星という中国の外交部長が日本に来たときも、この問題で日中の局長会議をやろうということで、この ことに関しては三月中にもということで話をしております。
共同開発をやった方がこっち側も都合がいいし、たしか帝国石油だと思いましたけれども、双方でやった方がいいんじゃないかという話で、何もとんがり合っ てやるような話ではないでしょうがという話で、要は石油の話なんだからという話でこの話をさせていただいているというのが今のところです。
○細野委員
大臣、私も最終的には共同開発だと思いますよ。ただ、現状認識はちょっと甘いんじゃないかと正直思いました、今のお話を聞いて。
というのは、日本は、共同開発は大分前から視野に入れているんですね。ただ、話し合いにも応じてこなかったんです。あの六回の協議が始まったのは、中川 大臣が、尖閣諸島を見に行って、排他的経済水域を見に行って、これはおかしいと言ったから協議は始まったんです。停滞をする前に若干動き出したときという のは、鉱業権を設定したときに協議がまともに動き出したんです。要するに、日本側がアクションを起こしたときに協議は動くんです、中国側との交渉は。
そのことをわかった上で、違法なことをやったときはきっちり取り締まる、日本側もやることはやる選択肢を持っているよというカードを持っておかないと、話はうまくいかないと私は思っていまして、そのことは強調しておきたいと思います。
その上で、日中口上書についてちょっとお聞きをしたいのです。二枚目です。
この日中の口上書というのは、日本と中国との間で、その海域の開発をする場合にお互いに守りましょうという協定で、外務省が、極めてこれは中国側にとっ ても日本側にとっても大事で、これを韓国とも結びましょうみたいな話をしているそういう口上書なんですが、私は、この口上書には大きな問題が幾つかあると いうふうに思っていまして、それを指摘したいと思います。
まず一点ですが、二枚目のところですが、これは中国側が日本側に対して通告するペーパーなんですね。二のところですが、日本側が関心を有する水域である 日本国の近海云々において調査をする場合は、中国側が日本側の調査をする場合においては、二カ月前までに口上書による通報を行うと書いてあるんですね。こ れは、実は国連海洋法上も相手国の排他的経済水域において科学的調査をすることは認められてはいるんですが、その海洋法上は、六カ月前に通報しなければな らないという規定があるんです。それを中国側には二カ月に短縮をしています。
もう一つ大きな問題は、国連海洋法条約には、条約はきょうは持ってきませんでしたけれども、そういう調査をして、それが違法な調査になる可能性があると きは同乗者を乗せるという規定があるんですね。日本側が、中国が違法なことをしないように同乗者を乗せろということを主張できる根拠規定が海洋法にはある んです。
もう大臣御存じのように、何度も何度も中国は違法な科学的調査をやっています。日本はそれを許してきました、わかっているものだけでもですよ。もちろん それに対して、違法だから日本が同乗させろというようなことは口上書に書いてありませんから、言ったことはありません。そういう意味で、国連海洋法という 国際的なルールと比較をしても、中国に極めて優しいルールになっているということを認識していただきたいということが一つ。
もう一つ重大な問題があるので、もう一枚めくっていただきたいんです。
大臣、こちらは、今度は日本側が中国側の排他的経済水域の調査をする場合の口上書です。日本はほとんどやっていないんですけれどもね。ですから、この口上書をほとんど利用していないんですが、一応こういうのがある。
ここで私が指摘をしたいのは、同様の文章なんですが、一番初めの口上書の文章ですね。「日本国大使館は、中華人民共和国外交部に敬意を表するとともに、 東海海域」と書いてあるんですね。東海ですよ。東シナ海と国際的にもきちっと命名されていて、日本も主張している東シナ海という名前を捨てて、ここでは外 交文書として東海という言葉が残っているんです。本当は中国側にも東シナ海と書くべしと主張すべきですが、あえて中国側は東海と書く。もう一枚前の口上書 において東海と書いているのは百歩譲っていいとしても、日本側の文章に東海と残っているのはいかがなものか。この部分だけでも改定を主張すべきではない か。
中国に対していろいろそれは悪いことをしたかもしれないけれども、我が国は、国益と主権に基づいて言うことは言う。当たり前のことで、例えばこのあたりでも一つアクションを起こしていただきたい、そう思うんですが、いかがでしょうか。
〔やまぎわ委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣
この東海はちょっと知らなかったので、ちょっと調べます。
それから......(細野委員「これは有名な話です」と呼ぶ)いや、あなたには有名なんでしょうけれども、私には余り有名じゃなかったので、正直、この話は今初めて見ましたので、調べます。
それから、今のこの話の口上書に関しましては、今御指摘のありました二カ月、六カ月、これは事実です。確かに、六カ月ということになっております。それ は私も知っているんですが、少なくとも、この口上書の内容をいわゆる資源調査に当てはめてやっていることだけはない。今、中国との間に資源調査に関しては やっていないでしょう。というのが私どもの考え方であります。
細目は岩屋副大臣から。
○岩屋副大臣
済みません。今先生御指摘の件、ちょっと調べたのでございますが、なぜ東海と言ったかということでございますけれども、東海及び東シナ海は 同一の水域を指すために用いられる呼称であり、慣用上、双方が用いられてきております。我が国には特に地名に関して法令のごときものがあるわけではござい ませんが、東海という呼称は、東シナ海と並んで我が国においても従来海図等において用いられていた。
したがって、外務省においても、慣用に従いまして東海及び東シナ海を同一の水域を指す呼称として双方ともに用いてきている。したがって、本口上書においては東海というものを使用した、こういう経緯であったということでございます。
○細野委員
時間が来ていますけれども、副大臣、今のは大変な答弁ですよ。東海という呼称を日本は外務省として正式に認めるんですか、それもいいですと。 それが国際的な呼称で、この口上書の中で東海と書いているということは、日本側も東シナ海よりは東海の方が流通をしていると認めることになりますよ。本当 にいいんですか。
○岩屋副大臣
今お答え申し上げましたように、我が国においても従来海図等において用いられていたということでございますので、何も向こう側の言い分に従ったということではないと御理解をいただきたいと思います。
○細野委員
これは、もう時間もないので......
○山口委員長
時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○細野委員
はい、わかりました。継続でちょっとやりたいと思いますが、副大臣、そういう問題についてはお詳しく、関心を持っていらして問題意識を持っていらっしゃる方だと思いますので、ぜひこの問題はもう一回外務省の中でしっかり検討していただきたいと思います。
○麻生国務大臣
細野先生、日本海を東海と言う韓国に対して、とんでもないということを言っていることは間違いありませんが、東シナ海を東海と言う例はこれまでもあった、これは私の記憶ですけれども、そうなっておると思います。調べますけれども。
○細野委員
少なくとも、我が国において併用されていた、過去の歴史文書においてそういう例が一回か二回あったかどうかは、それは知りません。そういうの はあったんでしょう、私も調べてちょっと読んだことがありますが。ただ、我が国のさまざまな地図において東シナ海と書いているわけですよね。国際的にもそ ちらが適切であると我が国は言ってきたわけですよね。その見解をひっくり返すのだとすれば、それは大問題だと私は思います。
これは継続してやりたいと思いますので、時間が来ましたのでこれで終わりますが、大臣、最後に、デブリの問題、資料だけ配っておきました。
ちょっと御認識が甘いと思いますので、衛星破壊によってどんな状態になっているのか写真で載っていますから、問題意識をもう少し持っていただいて、これ は宇宙開発の大きな問題ですから。中国に情報公開を求めるのではなくて、衛星破壊なんてとんでもないと。アメリカはもう宇宙に関しての協力を破棄していま すからね。この部分についての外務省のメッセージは非常に弱いというふうに思っていまして、資料だけお渡ししておきますから、その認識をぜひ持っていただ きたい。最後にそのことをお願いして、終わりたいと思います。
ありがとうございました。
