○細野委員
民主党・無所属クラブの細野豪志でございます。
鍵田議員に引き続きまして、時短促進法について御所見をお伺いいたします。
まず有給休暇の取得の問題、時短における有給休暇の取得の問題が極めて重要であるという認識が鍵田議員の方から示されて、それに対して厚生労働省の方から、もっともだという御発言をいただきました。
次にやはり考えるべきは、果たしてなぜ日本では有給休暇の取得が進まないのか、ここに問題があるような気がしてなりません。私も民間企業に勤めておりましたけれども、周りを見渡しても、有給休暇を取得している人間というのは非常に少なかったという記憶がございます。私、一年目に有給休暇を全部使って、年末、それを上司に、いやあよくとったねと、嫌みともお褒めともとれない発言をいただいたことまでございました。
厚生労働省としては、果たして有給休暇の取得が進まない原因がどこにあるとお考えなのか、それがわからないと対策というのはなかなか打てないと思いますので、まず、その部分での御所見をお伺いしたいと思います。
○増田副大臣
私の方からお答えを申し上げます。
欧米諸国において年次有給休暇の取得率が高いのは、年次有給休暇はすべて取得するのが当然という意識が一般的であると言われております。
これに対しまして、日本では、大体六九%の労働者の方々が年次有給休暇の取得にためらいを感じている。その理由としては、職場の同僚への気兼ねや職場の雰囲気が年次有給休暇を取得しづらいものであることが挙げられております。このほか、計画的付与を除き、労働者の要求する時期に与えることとなっていることも影響しているものと思われております。
○細野委員
ちょっと待ってください。私も多分同じ調査を持っているんですが、今お答えになった、職場の雰囲気で取得しづらいというのは三六・四%で、それより、みんなに迷惑がかかると感じる、これが五八・七%、後で多忙になるというのが四二・三%、そっちの方が高くなっていますよ。認識がちょっと違うんじゃないでしょうか。お答えください。
○増田副大臣
その資料は私の方も持っておりまして、同じでございます。殊さら私が強調したのは、この辺が直ってもらえればなという意味で今発言をしてきたんですが、一番の問題は、みんなに迷惑がかかると感じる、五八・七、さっきお答えした中にもあるとおりであります。それから、職場の雰囲気で取得しづらい、これが三六。二番目の間で、後で多忙になる、こういうふうにありますが、この三つが大きな柱だと思います。
そこで、迷惑がかかる、後で多忙になる、職場の雰囲気で取得しづらい、この三つがあると思いますが、先ほどのお答えの中で一つ外しておりましたので、おわびをして、さっき二つ言ったと思いますが、三つお答えさせていただきます。
○細野委員
この理由は全然性質が違うと思うんです。よく、有給休暇の取得は日本人の国民性で、要は、周りがとらないととりづらいから取得しないんだという議論がありますね。でも、このアンケート調査を見ると、実はそれは間違っていることがわかります。
というのは、みんなに迷惑がかかる、仕事上の迷惑がかかるというのが一番上位に来ているわけですね。二番目が、後で多忙になる、これも仕事上の理由ですね。日本人の気質で有給休暇がとれないのではなくて、要は、職場の環境が有給休暇をとると仕事が回らなくなる、そういうことを言っているということを意味すると考えますが、いかがでしょうか。
○増田副大臣
置きかえますと、その次の、職場の雰囲気で取得しづらいもあわせて、先生の御主張にも当然耳を傾けて、以後私もしっかりチェックして対応していきたい、このように思います。
○細野委員
チェックしていただくのは必要なんですが、もう一つ、この調査で深刻な数字が出ております。
有給休暇の取得が、日本の場合は大体五〇%ちょっとあたりで、むしろ停滞している、下がってきているという現状があるわけですね。その中で、では年次有給休暇の取得の促進をしているかどうかという問いがありまして、それに対する回答は、推進していないと答えた使用者が五四・一%、これは相当深刻な数字だというふうに私は考えます。
この有給休暇の取得の現状、そしてそれをめぐる、実際に職場でとることができない、とることができない職場を放置しているにもかかわらず使用者側としては努力もしていない、この現状に関して、坂口大臣、どのようにお考えでしょうか。
○坂口国務大臣
確かに、有給休暇をとるというのは、これはその人その人の考え方にもよりますが、職場の雰囲気にも大きく影響されるというふうに思います。これは年齢にもよると思いますけれども、私のような年齢でありますと、とらない者ほど偉いという考え方がございまして、どうしてもとらないということになるわけであります。
私も、かつて医療機関に何年か勤めたことがございましたけれども、ただの一日もとったことはございませんでした。何かそれが偉いような気分になっていたわけでございますが、今、こうしてこの時短でございますとか有給休暇の審議をさせていただいておりますと、自分の過去のその考え方が間違っていたなというふうに思っている次第でございまして、やはり、時々はとるということが常識であるというふうにならないといけないんだというふうに思います。自分自身がその後、仕事がふえるというのは、自分で片づけるのでまだいいわけでございますが、それよりも、自分が休むことによって周囲の他の人たちに迷惑をかけるという思いが私は強いのではないかという気がいたします。
それはお互いさまでございますから、お互いにそれをとり合いっこしながら、お互いにそこはみんなでカバーし合っていくものだという認識を持てば、それはそれで済む話でございますから、そのところまでまだ至っていない職場というのもあるんだというふうに思います。ですから、その辺の意識改革というものを行いながら、経営者と働く皆さん方との間の話し合いも進めていかないといけないというふうに思っております。
最近ではかなり変わってきているというふうに聞いておりますし、私が勤めましたようなところでも、最近では、二十日ぐらいまとめてとって、そして外国旅行をする人がふえてきているというふうに聞いておりますから、かなり変わってきているんだろうというふうに思います。ですから、その辺のやはり意識改革をしていく。だから、若い人たちの改革はちゃんとできているんだと思うんですが、やはり取り仕切る側の、どちらかといえば年齢の高い側の意識改革がまず必要ではないか、そう思っております。
○細野委員
現状が徐々によくなっているというお話がございましたけれども、確かに、個々人で見ると、海外にバカンスで出かけたり、私も新婚旅行に二週間行きましたけれども、そういうことができるようになっている雰囲気はあります。ただ、マクロで見ると、数字は明らかに取得率が下がってきているわけですね。
今の厚生労働省の施策を見ますと、有給休暇の完全取得というのはよくうたわれるんですが、ではどうするんですかという話になると、これは労使の努力に任せましょう、そういう話になっているわけですね。果たして厚生労働省としては、完全取得とは言っていますけれども、有給休暇の取得率というのを何%ぐらいを目標に持たれているのか、また、その取得率を上昇させるために具体的に何をやったらいいのか、どういう政策を考えられているのか。この二点について、これは中心的な政策ですので大臣にお答えいただけますでしょうか。
○坂口国務大臣
具体的なことをまた後から答えさせていただきたいというふうに思いますが、やはり、与えられた期間というのは全部とれるようにしていく、それが目標だと思います。
現在のところ、勤務年限が長くなればなるほどこれはふえていくわけでありまして、今、六年ぐらいで二十日ぐらいになるんでしょうか、だんだんとふえていくことになっていく。しかし、年限がふえればどんどんとふえていくというより、ある程度上限をつくって、ある年限を勤めればそこからは大体幾日ぐらいになるという方が僕個人は望ましいのではないかというふうに思っておりますけれども、与えられた有給休暇をとっていく、それが目標だというふうに思います。ただしかし、それがとれていない。
先ほどからいろいろなことを言いましたけれども、もう一つは、みんな、自分が例えば病気をしたときにはそれを有給休暇にしたいとか、あるいは家族でだれかが病気になったときには休みをとりたいからそれをとっておきたいとかというような思いもある。そして、結果としてはそういう必要がなかったということになる人もいるんだろう、そういうこともある。お勤めになっている人も、そういう人も私は多いというふうに思っています。
これをどういうふうにしてとっていただくようにしていくかという、その具体的なことというのは、ちょっと事務局の方に答えさせてよろしゅうございますか。
○増田副大臣
具体的に幾つかお答え申し上げますが、年次有給休暇の取得促進のために、厚生労働省では、計画年休制度の導入に取り組む中小企業事業主に対する研修や、それから相談の援助、コンサルタントの活用に対する助成を行うこととしているほか、シンポジウムの開催等による長期休暇制度の普及啓発や、先行して取り組みを行うモデル中小企業等に対し支援を行うこととしております。
そこで、十三年度事業といたしまして、長期休暇制度の早期導入への取り組み、こう銘打ちまして、年次有給休暇と週休日等と組み合わせにより二週間程度連続する長期休暇、この普及に向けてシンポジウム開催等あるいは普及啓発、先行して取り組みを行うモデル企業には、事業主団体を対象とした助成等もしていきたい。
モデルでありますが、そういうことで、具体的には長期休暇制度の普及と定着に関するシンポジウムの開催、それから長期休暇制度の企業経営に対する影響等に関する調査研究、それから中小企業長期休暇制度モデル企業助成金、それから四番目として、長期休暇制度基盤整備助成金、こういうようなことを行いまして、何としても促進を図っていきたい、特に中小企業の関係、上がっていきませんとという考え方もありますので、努力をしていきたいと思います。
○細野委員 私の方でちょっと伺いたかったのは、長期休暇の話以前の問題として、取得率全体の話だったのですが、そこについても私の所見をちょっと述べさせていただきますと、確かに取得率というのは一〇〇%にするのは難しいというのはわかります。病欠もある、慶弔に備える人も非常に多い、あとはポカ休というのがあるそうですけれども、寝坊したりいろいろな理由で休む場合もある。そういうものに備えて、それは備える人がいてもいいでしょう。ただ、それが職場によって全然格差があるものだとは私は考えないのです。人間だれしも生活パターンがあって、当然複数の人がいれば有給休暇に関する考え方もさまざまなわけですね。ですから、明らかに有給休暇の取得率の低いところはそういう取り組みがされていなくて、高いところではされている、そういう個別の議論では済まない事情というのもあると私は考えるのです。
私自身の、これは個人的な思いとしては、恐らく有給休暇の取得率というのは、日本では少なくとも七割から八割あたりにはならないと、どうしても備えるということには恐らく当たらないんだろうというふうに思うのです。今お答えいただいたような、助成金であるとか、ほかにシンポジウムをやるとか、そういう情報発信なども、それはやっていただいて結構なんで、重要だとは思うのですが、もう少し先に行って、実際に取得率全体を上げていくような取り組みというのは、私はそろそろ始めるべきじゃないかというふうに考えております。
具体的な提案としては、例えば、労働基準監督署に各事業所が今有給休暇の取得率が何%ぐらいになっているか毎年報告する、それを例えばその企業に入りたい人であるとか、その企業に、労働環境を知りたいという人は請求すれば情報の開示を求めることができる。こういう制度をつくるだけでも、いわゆる企業を外からきちっとチェックしていく、そういう形が発揮し得るのではないかというふうに思うのですが、何かそういう取得率を上げていく具体的な取り組みを考えられているのでしょうか、また私の提案に対してどのような御所見をお持ちか、お答えください。
○増田副大臣
私見も多少入りますが、年次有給休暇の取得率を向上させることは、啓蒙あるいは事業等によって徹底して上げていこう、この努力はお答え申し上げたとおり引き続いて頑張っていきたいと思います。かといって、とらなくてはだめだ、強制的にというような考え方は適当ではないんじゃないかというふうに実は考えておりまして、まだ行政ベースで一生懸命努力していく段階だろう、こういうとらえ方であります。
御理解をいただきたいと思います。
○細野委員 私は強制しろとは申しません。ただ、いろいろ確かにやってこられたけれども、現状、日本の有給休暇の取得率がまだ五割なんだ、その状況をしっかり認識した上で、しかもその状況がほとんど改善されていないんだというあたりを考えたときに、ちょっと厚生労働省の今の姿勢というので本当にいいのかなという気がしてなりません。
余り時間もありませんので、ちょっと長期休暇の方にも話を移したいのですが、長期休暇に関しても二週間程度のL休暇をみんなでとろうということで、審議会のペーパーも私は拝見しました。しかし、それを見ても、みんなでそういう環境を整えていきましょうという労使の自主的な努力に任せるということになっているのですね。
今回、時短促進法がこうして議論をされて、その中で私どもとしては附帯決議の中で、長期休暇の取得を実現する実効性のある施策をできるだけやっていこうということを書かせていただきたいなというふうなことで今努力をしております。お認めいただけるものというふうに考えておるのですが、もう少し長期休暇に関しても実効性のある施策を打つべきではないか。この点に関しまして、強制ではなく、いかに周辺から実効性ある施策を打つのかというあたりに関しての意気込みを、できましたら具体的な政策を含めて御答弁いただけないでしょうか。
○増田副大臣
長期休暇は、ゆとりある生活の実現など、さまざまな効用が期待されるものであります。その普及を図っていくべきという考え方をまず持っています。昨年七月に取りまとめられました長期休暇に関する国民会議報告書をもとに、長期休暇の普及啓発を行っているところであります。
来年度においては、長期休暇の導入に取り組むモデル中小企業に対する支援や、年休の連続取得促進等について傘下事業場に指導を行う事業主団体に対する支援の事業も予定しているところであります。
そこで、L休暇というお話でございましたが、そのことに対して、経済新生対策に基づきまして開催されました長期休暇制度と家庭生活の在り方に関する国民会議、この会議の結果をもとにいたしまして四つのポイントを実はしっかりと把握いたしまして、一週間程度を最低単位として二週間程度の休暇が労使の負担を著しくふやすことなくとれるように、それからポイント二として、特定の時期への集中が避けられるように、ポイント三として、職場のだれもが公平に休暇がとれるように、ポイント四として、労使関係者の十分な話し合いにより実情に即したルールがつくられるように、ということで取り組んでいこうということで取り組みをいたしております。
○細野委員
もうそろそろ時間がなくなってまいりましたので、そろそろ最後の質問に入りたいと思うのですが、私は、もうそろそろ日本は、この有給休暇に関してもう少し実効性のある政策をつくるために法改正が必要であるというふうに考えております。私の所見としまして考えておりますところをちょっと申し述べますと、日本の有給休暇は、とにかくまず会社に入って半年間はたたないともらえない制度になっております。しかも、八割出勤しないと、これは有給休暇がもらえないわけですね。その間に大きな病気をしてしまったりすれば、有給休暇はもらえないという制度があります。もう一つ特徴的なのは、入った年は十日間、最低付与日数ですが、そこからだんだん年功序列で休暇の付与日数もふえていくという制度になっております。
こういう制度全体を客観的に眺めると、これは働く者の権利であるという認識よりは、むしろ、使用者から長く勤めた人に対して恩典的に与えられているものなんだ、そういう制度になっているような気がしてならないんですね。特に後者の部分、有給休暇が徐々に年功序列でふえていくという部分に関しては、今これだけ雇用も流動化していて、産業構造の転換もある程度求められているときに、長く勤めることは、もちろん、それはそれで個人の権利としてそういう方がいてもいいんですけれども、一方で、転職する人が不利になるような社会であってはならない。私は、その部分でもやはり法改正が必要であるというふうに考えます。
済みません、時間もないのでまとめて聞きますが、あともう一つつけ加えるならば、Lホリデー、重要だとおっしゃいました。しかし、最低付与日数十日間であれば、実際Lホリデーをとるためには、週休二日だとしても、それこそ五日、五日全部とらないと、これはとれないわけですね。Lホリデー、どんなに一生懸命厚生労働省さんがうたっても、これは実際は取得することができない労働法制を我が国はまだ残しているという実情もあります。
この部分も含めて言うと、やはり意識の面でも、そして具体的なLホリデーという政策、この部分に特化しても、これは法改正に踏み込むべきではないかというふうに私は考えるのですが、厚生労働省の御所見はいかがでしょうか。
○坂口国務大臣
二つのことを主として御指摘になったというふうに思います。
最初の方の、有給休暇の日数のことにつきましては、先ほど私の個人的見解を申し上げましたが、やはり一遍検討してもいい時期に来ているのではないかと私個人は考えております。
それからもう一つの、ロングの有給休暇をどうとるかというのは、これは二日や三日の有給休暇もなかなか進まない状況でありますから、もう一つまた難しい話になってくるんだというふうに思いますが、やはり私は、一定期間、そういう期間を通じてリフレッシュをする、心身ともにリフレッシュをするという期間を持つとか、ただ、家族に対するサービスというのもあるでしょうけれども、次の働くエネルギーを養うための一つのステップにするといったようなことが、もう少し全体に定着してこなければならないのではないかというふうに思います。
委員が前回、予算委員会でございましたか、温泉との関係で御指摘になったように記憶をいたしておりますが、やはりドイツなどにありますクア療法でございますとか、ああいったような形で、お互いがひとつリフレッシュをしていくといったようなことをこれから取り入れていく必要があるのではないか、私は個人的にそう思っております。
○細野委員
時間が参りましたので、以上で終わりますが、本当に休暇の取得というのは、個人のリフレッシュ、経済の活性化、いろいろなプラスの面が期待できるんだ。経済にとって必ずしもマイナスではないんだ、むしろプラスなんだということで、私個人としては、また民主党としても法制化へ向けて取り組んでいきたいというふうに思いますので、ぜひとも厚生労働省の方としても御検討いただきたいということを最後に申し上げたいと思います。ありがとうございました。
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