○今野委員
実動部隊としてということはともかくとして、警察官がこの個人情報保護の管理について執行する、仕事をすることがあり得るということを今お認めになったわけですけれども、この三十六条と五十一条を合成しますと、警察権力強化法案なんですよ、これは。個人のプライバシー、市民生活を警察が簡単に掌握して介入できる社会がすぐそこにあるということでありまして、これは、市民を守る法律という体面の裏で、市民をコントロールする法案だということを指摘しておきたいと思います。
さて、時間がありませんから最後の質問をさせていただきますが、これまでの質問を振り返ってみても、実際に、大臣、これはやってみないといろいろなことがわからないという法案だと思うんですね。実際に権限の幅もわかりませんし、それから、経済行為もさまざまに多様化しておりまして、広がっていっております。
そこで、個人の情報をどのように守るかということは、実際にこの法案を採択して、そして世の中に出ていって、やってみないとわからないというところがあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう意味で、介護保険のようにこれは見直しをする期間というのを定める必要があるのではないかと思いますが、野党は個人については三年後に見直しをするということになっておりますが、これを大臣と野党法案担当者にそれぞれお伺いいたしたいと思います。
○細田国務大臣
社会保障の関係の法律の中には、確かに実際にそれを適用してみて、社会のさまざまな情勢に応じて、あるいは保険料その他の面でも適当であるかどうか、その他全体の仕組みが適当であるかどうかということが社会現象として起こってくる場合がございますので、はっきりとした見直し規定があるということが必要なケースもあると思います。
この法案の場合は、しっかりとした個人情報保護を、ここまで守るという、一応規定をはっきりして、明確にして、個人の権利義務等を定める法律であるわけでございますから、私どもとしては、見直しの年限といいますか、三年後に見直すとか五年後に見直すということを盛り込むことは適当でなく、むしろ、毎年度の法の施行状況を把握いたしまして、必要に応じまして、国民生活審議会において検討できる仕組みを整備しておりますので、そのようにお考えいただきたいと思います。
ただ、この法案自体が、運用してみて、わからないということは私は申しません。ただ、今後、IT化の状況や今後の状況によって大きく事情はまた変化をしてくるであろう。というのは、今までの不祥事が、七十件も八十件もこの八年半にありますけれども、それらは、非常に多くはうっかりミスのようなものもあるんですね、ソフトウエアミスとか。故意は、先ほどの平岡議員の質問にございましたが、中には非常に悪質な例もあるんですよ。
したがって、まずはこのうっかりミスやほんのちょっとしたことが起きないようにするということが非常に大事なことでございまして、そのためには行政庁が、今この法案がもしできた場合には、皆さんに注意を喚起する。だから、規制行政をどんどんやるというようなことじゃなくて注意喚起行政で、こんな例がありますよ、あんな例がありますよ、こんなソフトウエアでやらなきゃいけませんよというようなことをまずやりますと、一つのいい進歩ができてくるという意味で、まだ、これからどういうふうに対応したらいいかということが決まるという意味では、今野議員の御趣旨にも賛同するところがあるんですが、まだこれからの運用だという意味では。しかし、見直し規定を設けるということについては、最初に申し上げたように、適当でないと考えております。
○細野議員
野党案の方は、ただいま今野委員が御指摘のとおり、特に基本法制については、広く民間について個人情報の保護に関しルールを設ける、全く初めての法律でございますので、この変化の激しい時代ということを踏まえて、三年を目安にという形で見直し規定を設けております。三年という基準は設けてはおりますが、これは目安にということでございますので、変化に対応する場合にはその前にということも十分考えられるということでございます。
一方、行政機関の方は、現行法というものが十年施行されて、その施行実績を踏まえての修正ということになります。したがいまして、初めての法律ではないということで見直し規定は設けておりませんし、野党案ではかなりそういう意味では厳しい規定を設けておりますので、今の段階ではこれに尽きるというふうに考えておりますが、こちらについても、状況の変化によって見直しすることはもちろんやぶさかではないという思いを持っております。
以上です。
○今野委員
それでは質問を終わりますけれども、この質問を通して、この個人情報保護法、国民の皆さんにも概要が何となく、なかなかわかりにくい、難しいものだというふうにイメージをお持ちなんじゃないかと思いますが、この委員会を通して、個人情報については警察官が介入するのだということ、そして見直すことは必要がないという大変高姿勢であるということがわかりまして、確認をいたしまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○村井委員長
次に、武正公一君。
○武正委員
民主党の武正公一でございます。
きょうは、政府そしてまた衆法提出者それぞれに御質問をさせていただきます。
まず政府案について、個人情報収集でございますが、収集方法や収集範囲などを制限する規定がなく、官僚にフリーハンドを与える内容になっており、個人情報保護の観点から見て極めて問題が多い、大きいと考えるわけでございます。また、個人情報の目的外利用の要件が緩やかで、行政の裁量幅が大きく、本人の知らない間に個人情報が流用されたりするおそれがあるということでございますが、個人情報取り扱いに際し、行政機関に裁量の余地を与え過ぎない方がよいと私は考えるのでございますが、この点について、まず政府、そして衆法提出者、それぞれ御所見を伺います。片山大臣になりますね。
○片山国務大臣
個人情報の収集につきましては、これは法令に基づいて、法令の範囲でやるということでございますから、殊さら規定を置いておりませんけれども、それは憲法なり国家公務員法にその種の規定がございますので、行政機関や公務員というものは法令を守るんだ、誠実にやるんだ、こういうことでございます。
また、目的外利用につきましては、これは個人情報の利用目的を具体的に明確にする、その上で、行政機関による利用目的の達成に必要のない個人情報の収集や目的外利用・提供を厳しく制限する。
具体的に、どういう場合に目的外利用や提供ができるかということでありますが、法令の定める事務の遂行に必要な限度である場合、また個人の権利利益を不当に損なうおそれが認められない場合で、しかも相当な理由が要る、こういうわけでございまして、この相当な理由につきましては、既にこの委員会でも何度も御説明しておりますように、原則禁止のものを例外的に認めるわけでありますから、だれでもが納得ができるような客観性が要る。したがって、個別事案に応じて、厳格にそれは考える、判断する、決して行政機関の裁量で自由にできるようなものではない、こういうことでございます。
そういう意味では、もしそれについて不服がある場合には、審査会等に申し出てそれの是正ができる、こういう仕組みをとっているわけであります。
○細野議員
武正委員御指摘のように、政府案に関して、やはり行政の裁量を余りに広く求め過ぎていると私どもも考えております。
ただいま総務大臣が目的外利用を例に御説明をされましたので、フェーズを合わせるためでそちらの条文について申し上げますと、政府案の八条、これは目的外利用が書かれているわけですが、私ども、十条で規定をしておりまして、その三項では、目的以外のために個人情報を利用・提供する場合には、「情報公開・個人情報保護審査会の意見を聴かなければならない。」と規定をいたしました。さらに、目的外利用をした場合には、十条五項で、その理由とその他の事項を「記録しておかなければならない。」という規定を設けております。
すなわち、こういうことでやるんだということではなくて、一方でそれを客観的に審査をするように、そういう組織をきちっと活用することによって、適切に目的外利用・提供がなされることを担保するということでございます。
これについては、行政実務上、非常に事務が繁雑になるんじゃないかという御指摘があるわけですけれども、やはりこの程度のきちっとした制度は設けておかなければ、今の行政機関の状況というのを考えたときに、状況が改善されるということにはならないんではないかというのが私どもの考え方でございます。
○武正委員
そういったことで、衆法の方は、いわゆる三条委員会というような形も含めて、独立した委員会というようなことを掲げているわけでございます。
これはまず一般論として細田大臣にお伺いをするんですが、既に、行革に逆行するとか、あるいは二重行政であるとか、あるいは十五日の答弁を拝見いたしますと、三条は、これは大変強固なものである、あるいは独立機関はどんどんと自己的に進んでいってしまうというようなことを非常に懸念をされておられます。そうはいっても、主務官庁が担当大臣としてそれをチェックするといったことについては、やはり甘くなってしまうとか癒着だとか、あるいは相談に乗ってくれないとか、そういった両極端をきちっと押さえる必要があるというような御答弁をされているわけでございます。一般論として、戦後二十二あった三条委員会が現在八つということについては、民主党は既に、証券取引等監視委員会や原子力安全委員会も含めて、この三条委員会の設置を強く求めておりますが、政府とはいつもこの点で意見を異にしてきております。
一般論ということで伺いたいんですが、八条委員会をこういった三条委員会にするということは、これもやはり行革に反するというふうに考えるものでしょうか。
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