4月18日

個人情報保護に関する特別委員会  

○細野委員
 残念ながら片山大臣が今参議院の方に行かれましたので、副大臣を中心にというふうに思っています。
 ただ、一点だけ、ちょっとこれは少なくとも確認しておいた方がいいと思いますので、先ほど答弁を聞かれていた松田局長に伺います。
 先ほど、後で議事録精査をしますが、片山大臣は、目的外利用については事前通知を課しているから問題ないんだという発言をされましたが、それは政府案に本当にありますか。

○松田政府参考人
 お答え申し上げます。
 現行法におきましてでございますが、個人情報ファイルが規制対象になっているわけでございますけれども、それにつきましては厳格な目的外利用・提供の禁止の法制が整備されておりまして、そのうち一部重要なものにつきまして事前通知の対象になっているということでございます。

○細野委員
 重要なものに関して事前通知の対象になっているというのは、何条のことをおっしゃっていますか。新法はどうですか。特に新法において今言われたような事前通知の義務は何条に課されていますか。

○松田政府参考人
 新しい法律におきましても、利用目的の変更が事前通知の対象になっているところでございます。

○細野委員
 利用目的の変更と目的外利用は違うでしょう。目的外利用についての事前通知なんかないでしょう。大臣さっき、物すごいいいかげんなことを言って帰られましたよ。どうなんですか、あるんですか。

○松田政府参考人
 大臣が先ほど答弁申し上げましたのは、個人情報ファイル、今、現行の規制につきまして、個人情報ファイルが規制の対象になっております。これにつきましては、利用目的、目的外利用・提供が厳しく制限されているわけでございますけれども、一部重要なものにつきまして、それは法律で列挙されておりますが、それにつきまして総務大臣への事前通知が行われることになっております。そこの中には経常的な提供先等を記載することになっておりまして、そういう意味で事前通知の対象になっているというふうに申し上げたところでございます。

○細野委員
 後でまた議事録を見ますが、大臣の答弁というのは、今度の新法について議論されたんだというふうに私は思いましたよ。その上で目的外利用を事前通知しますというような答弁をされて、こういう本当にいいかげんな答弁はやめていただきたい。これはきちっと野党案では設けていて、政府案にないんですから、そういう整理はやはりきちっとして答弁をしていただきたいというふうに思います。非常に重要な点なんですよ、ここは。
 ここはまた大臣とやりとりをする機会があればしたいと思うんですが、松田局長の答弁で、これは十五日のものですが、私、幾つか気になることがございます。まず、目的外利用については、現法において、九機関におきまして、ファイルについては約五十のファイルが目的外利用されておると。その五十のリストというのをいただきました。正確に勘定してみると五十八と、ちょっとサバ読んで言ってられるんですが、それは別に細かいことは言いませんが、こっちはまだ、これを見ると、どういう理屈で目的外利用しているかというのはある程度納得できるものがあるんですね。ファイルはやはり目的も書いてありますし、それを目的外に利用するということになるとそれなりの理屈が必要だというのは、これを見てもわかる。これは全く今の議論をしている新法においても同じ構造になっています。
 ただ、私が問題としたいのは、そうしたら、ファイルとして開示をされていないもの、これがどうなっているかということなんですよね。私が松田局長の答弁で問題としたいのは、散在情報については、目的外利用については多々あると。具体例として挙げられているのは、関係業務の個人情報を関係行政の企画立案に使う、統計に使う、行政を委託する側の個人情報を受託する側に利用させる。
 これは、ファイルに掲載をされていなかったら、これ三つ慌てて答えられたんですけれども、統計に利用するなんというのは、名前を消せば個人情報じゃないはずなんですよ、これは。こんないいかげんなことをやっているんですか。なぜこれが許されるのか、そしてどういうふうに利用されているのか、これをお答えください。

○松田政府参考人
 先般の私の後藤先生に対する答弁は、現行法におきましては、個人情報ファイル、そのうち電算化処理された個人情報ファイル、それが規制の対象になっておりまして、それの目的外利用・提供の状況はどうなっているかという御質問でございましたので、私どもが行っております平成十三年度施行状況調査報告書に掲載されておりますものとして、先ほど先生御指摘の件数を御説明申し上げたところでございます。
 新しい法律におきましては、こういう電算処理された個人情報ファイルにとどまらず、紙の状態のままでの個人情報ファイルも対象になりますし、さらには個々の行政文書に記載されている個人情報も対象になるという非常に厳しい規制のもとに置かれることになるわけでございます。
 そういう個人情報というものは多々あるわけでございまして、もちろんそういう法令で定められた行政事務に使う、それから本人あるいは第三者の権利の侵害にならない、さらに相当の関連がある、そういう大原則の中で目的外利用・提供が行われることになるわけでございますが、それでも多々ありまして、事前の一々の審査にはなかなかなじみにくい、非現実的ではないのかという御説明を申し上げたところでございます。
 そういう例として、個人情報を統計に使う、あるいは関係行政の企画立案に使うということを申し上げたわけですが、例えば行政サービスの対象者の情報がございます。この情報につきまして、それを提供するサイドの、いろいろな制度を改善したり、あるいは見直したりする、企画立案を行うことが当然関連してあるわけでございます。そういうときに、この対象者の情報を統計化したり、あるいはそれを整理して企画立案に使うということはあるわけでございます。そういう意味で、所掌事務の範囲内でありますし、それから、権利を侵害するという可能性もない。
 そういう原則のもとで考えてみますとそういう可能性があるわけでございまして、対象者から改めて調査、報告をとるということも非効率、あるいは対象者自身に大変な負担がかかります。そういう意味で、目的外利用・提供の可能性というのはあるんではないかということを申し上げたわけでございます。
 もちろん、これらの統計あるいは企画立案ということに該当すれば必ず目的外利用が許容されるということでもなくて、個々の事案に応じて、法令の趣旨にのっとって適切に判断していく必要がある、こういうふうに考えております。

○細野委員
 今回の新しい法律で、電子上のものだけではなくて紙のものも入った、これは確かに拡大をしたという意味では前進だと思います。
 ただ、今私が何を言いたかったかというと、結局、個人情報ファイルに上がってきたものに関しては、確かに開示のときに目的を書くんですね。ですから、目的外利用というものに関しては行政としてもそれなりの合理性を求められて、しかも運用がなされるだろうという予測はできるんです。十分だとは思いませんよ。できると思うんです。ただ問題は、個人情報ファイルとして上がってこないような、この間、局長がくしくも答弁をされた散在している情報ですね、これがどういうふうに扱われるかというのは、これは全くわからないんですよね。
 私が今回問題にしたいのは、新法と旧法で、個人情報ファイルに開示をするしないの基準が全く同じだということなんです。発想としては、個人情報ファイルで、今上がってきていないで散在している情報は、これからはできるだけファイルとして整理をして、きちっとこれを並べて、国民からも見える形にしましょうと。それとは全く別次元で開示をするかしないかという基準はありますよ。ただ、少なくとも存在を明らかにして、散在をしないようにするのがこの法律の趣旨だと私は思うんですよ。
 片山総務大臣に聞きたかったんですが、きょう副大臣がいらしていますので伺いますが、この新法の十条の二項の例外規定、個人情報ファイルに掲げなくてもいいと書かれているこの例外規定、これは本当に合理的ですか。私どもは、一号と二号の、国の安全であるとか犯罪にかかわるもの、ここに特化をしました。これはなぜかというと、ファイルに掲げるということは、これは存在を国民に示すことなんですね。開示、不開示とは全く異なります。ここで適用除外にしなければならないのは、存在そのものを秘匿しなければならないようなものに限るはずなんですよ。そういう趣旨からいって、一年以内に消去とすることになる情報であるとか試験的な情報であるとか、非常に瑣末な例がたくさん挙がっているんですね。これが適切かどうかというのをぜひ副大臣に御答弁いただきたい。
 特に一番問題になるのが九号のところだと思うんですが、本人の数が政令で定める数に満たない個人情報ファイルは開示をされないことになっています。これは現行千件だと聞いていますが、これをどう考えるのか。まずそれを簡潔に御答弁いただいて、ほかの号ですね、これが適切だと思われるかどうか、それをお伺いしたいと思います。

○若松副大臣
 まずこの十条の、いわゆる行政機関が保有する個人情報、これは原則、基本的には、主務大臣である総務大臣に通知する、こういう制度でありますが、その例外として、今特に細野委員がおっしゃった三号から十一号という、この考え方がどうかというお尋ねだと思うんですが、私どもといたしましては、この三号から十一号、これにつきましては、これらはいわゆる一過性のものまたは小規模のものということが一つの共通的なものではないか、そういうことでありまして、その結果、個人の権利利益を侵害するおそれが少ない、そういうふうに理解した個人情報ファイルでございます。
 これらにつきましても事前通知を義務づけるということになりますと、御存じのように、もうある意味で、何でもかんでも通知しなければいけない、こういうことになりますと、これも過大な負担もあるでしょうし、かえってそれが実効性でさまざまな混乱ももたらすであろう、そういうことから、やはりバランスを考えて、この三号―十一号をこういう形で適用除外にした次第でございます。

○細野委員
 手短で結構ですので、九号の「政令で定める数」というのは、これは何件を予定されていますか。

○若松副大臣
 九号につきましては、今後、具体的に新法の世界におきましてはいわゆる政令等で議論するわけでありますが、いずれにしても、現行法の施行令第五条、これは御存じだと思うんですけれども、ここでは本人の数を千人ということでありますので、やはりこれが今後の検討の一つの基準になるかと思っております。

○細野委員
 いいですか、副大臣。千件以内はファイルで開示しなくていいんですよね。千件ですよ。千件といったら、私から見たらかなり膨大なデータだと思います。それが例外としてあるにもかかわらず、さらに、一年以内に消去とするものに関しては、これ、上げなくていいんですよ。千件を超えるデータを一年以内で持っているということが、これが本当にファイルとして開示をしない理由に当たると思いますか。
 もう一つ言うと、試験的にと言うんだけれども、四号ですね、千件以上の個人データが入っていて、試験的にそれを何かパソコンで使いますからということで、国民から見えないところでこの情報を放置しておいていいと本当に思いますか。
 これは本当に大事な問題なんですよ。個人情報ファイルとして掲げられなければ、開示請求をしようにも、そのファイルがあるかないかわからないんですね、国民から一切。目的が明確にならない。ファイルとして目的がこうですと書いていないから、これ、わからないわけですよね。
 おまけに、今回、罰則を新しく設けましたが、個人情報ファイルの乱用については罰則がかかっているけれども、個人情報ファイルに掲げられないアングラのものについては罰則もかからないんですよ。すなわち、ここの十条の部分ですり抜けられるものに関しては全く今までと変わらない。変わらないだけでなく、どこでどう扱われようが、国民から、少なくとも議会からも含めて一切わからない仕組みになっているんです。副大臣、ここは責任持って答弁してくださいよ、大臣いらっしゃらないんで。

○若松副大臣
 それは考え方の相違というか、やはりすべてをこの個人情報ファイルとしてしっかり事前通告させるかどうか、それとも、実務のいろいろな運営状況とのバランスも考えて、やはりある程度の適用除外というものも必要ではないか、私はやはりその考え方だと思います。
 私どもは、すべてを事前通告することがかえってマイナス面が大きい、そのように判断させていただいた結果、三号から十一号というものを設けさせていただきました。

○細野委員
 では、特化して聞きますが、千件以上のデータで、試験的だからといってファイルとして開示をしない、これは合理的だと思いますか。これは副大臣、御答弁ください。

○若松副大臣
 これもやはり内容次第だと思いますね。試験的というのがかなりの、例えば何百万とかそういうものですとまた別の問題でありましょうし、その試験的な目的がどういうためのものなのか、それは事例ごとに検討させていただきたいと考えております。

○細野委員
 ここからはもう大臣に聞かなきゃしようがないなと思うんですが、十号にこういうのもあるんですね。「第三号から前号までに掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして政令で定める個人情報ファイル」、これも開示しなくていいんですよ。例外をこれだけ設けておいて、さらに政令で定めてふやすことができる。ここは法律の一つの思想をあらわしていると私は思います。
 今散在している個人情報を国民からきちっと見える形で適切に守るというためにつくった法案なのか、それとも、今散在をして、どこに何があるかわからない、プライバシーが侵害されてもわからない、その状況をそのまま追認する法律なのかということなんですよ。私は、この行政機関の方の法律の一番根本的な欠陥はここにあると思っています。ここを本当に変える気があるのか。
 言っておきますけれども、大臣は盛んに、よくなったんです、よくなったんですと言うんだけれども、アングラの部分で、ファイル以外のところに置いておく情報の例外規定は一切変わっていないんですよ。これで本当にいいんですか。大臣、これは責任を持って、この部分に関してはきちっともう一回再検討するおつもりはありませんか。
 これは大臣に聞かなきゃならないので、副大臣として御答弁難しいと思うんですが、せっかくですので聞いておきます。

○若松副大臣
 せっかくのお尋ねでございますので、答えさせていただきます。
 大臣の答弁のとおり、今回のこの法律改正によりまして、紙情報等もしっかりとなったということはやはり改善でありますし、大きな改善という認識は、全く、大臣、副大臣、一切一致しております。
 補足はいいですか。

○細野委員
 いや、結構です。後でゆっくり聞きますから。
 委員長及び与党の皆さんにもぜひこの部分は認識していただきたいんですが、やはり、こういう部分できちっと国民から見える形にするのがこの法律の趣旨なんですね。私は、旧法とずっとにらんで見ましたけれども、基本的に、行政機関にとって散在している情報をどう扱うかということがこの法案のやはり一つのかぎであり、そこの部分について前進がない法案というのは非常に残念だなという思いを私自身持っているということを申し上げて、あとは大臣にいつか機会があれば。局長、また聞きますから。
 以上で終わります。