11月24日

経済産業委員会  

○細野委員
 それでは独禁法の質疑にいきたいというふうに思うんですが、まず冒頭、先ほど中西委員の方から、我が党の今までの経緯に対して、事実に全く反するものを引用して、事実無根の発言がございました。後ほど理事会の方で精査をして議論させていただきたいと思いますが、そのことにまず冒頭きちっと抗議をさせていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)ちょっと黙らせてください。

○河上委員長
 御静粛に願います。御静粛に願います。
 細野君、続行してください。

○細野委員
 では、気を取り直してやりたいと思います。
 担当大臣である官房長官が少しおくれられる、これからだということでございますので、まず冒頭、海洋権益の問題について二、三質問させていただいて、それから独禁法の質問に入りたいというふうに思います。
 逢沢副大臣に来ていただいていますので、まずお伺いをしたいんですけれども、先日、私が経済産業委員会の方で質問させていただいたときに、係争水域の問題については、中間線から西側についても主張するものの、実際に権益を主張するのは中間線からこちら側なんだという趣旨の発言がございました。よろしいですね。
 一つ、どうしても私、確認させていただきたいんですが、局長級協議において、係争水域を二百海里から向こう側まで外務省としては初めて主張されたわけですよね。それでは、その係争水域が西側まで広がっているということにおける何か効果はあるんですか。中間線からこっち側のことだけ言われるんだけれども、係争水域が向こうまで延びた、中間線ではなくて、西側まで延びたということに関して、では、どういう効果があるのか。主張をここまで延ばされたことに対する効果とは一体何なのか、何か変わったところがあるのかということをお伺いしたいと思います。

○逢沢副大臣
 効果というのは、どういうことを細野先生が頭の中で組み立てておられるのか、あるいは想定をしておられるのか、ちょっと直ちに理解をすることができないわけでありますが、旧来からこの問題については、我が国の政府としては、双方が領海から二百海里を主張し、そしてそれが重なり合う部分がつまり境界の画定を行うべき水域である、そしてその場合には、両国の領海基線から二百海里までが重なり合うわけでありますから、その中間線をとろう、こういう主張を繰り返し主張いたしております。それが我が国の基本的な物の考え方であります。
 それは国際法、あるいは幾つかの係争事案について、具体的な解決が図られました。多くの場合、あるいは大半と言ってもいいわけでございますけれども、中間線をベースにして、例えばマルタとリビアの場合、あるいは、少し私も調べてみたわけでございますけれども、オランダとドイツとデンマーク、ここにもかつていわゆる係争関係がありました。ちょっと複雑な経緯がたどられたようでありますけれども、基本的にはそれぞれの中間線、あるいはアイスランドとグリーンランドの関係等についても事例が報告をされているわけでありますが、そういうものをベースにいたしますと、やはりそれぞれが二百海里を主張し、境界画定を行うべき水域があるとすれば、それは中間線をとるということについて私どもは主張をいたしているわけであります。
 先般の北京におけます会議におきまして、いわゆる二百海里、そこまでが係争水域だと我が国が主張するという趣旨のことを、確かに薮中局長は主張をいたしたわけであります。
 厳密には、国際海洋法を調べてみましても、では何をもって係争水域とするか、それは国際海洋法の中に厳密な意味の定義は実は見つからないわけでございますが、つまり、主張がぶつかっている、主張が食い違っている、それが事実上、実態においてはその部分が係争水域、こういう現実ということになるんだろうというふうに思います。
 中国は、春暁の開発、これは我が国が主張する中間線の非常に近いところ、地下構造によっては我が国の権益が直接侵されている、そういう懸念を持たざるを得ない。したがって、情報の提供、こういうプロセスであるということは御承知のとおりでございますけれども、基本的には二百海里を我が国は主張し、中国もその土俵に乗ってくるとすれば、同じ土俵に立てるとすれば、それは中間線をとるということが非常に説得性を持ってくるわけでありまして、あくまで、日本といたしましては、その我が国の主張する土俵にやはり中国側を導いてくるといいますか、国際的にもそれがさまざまな事例からいたしましても常識ある解決方法であるという、幾つもの歴史が証明をしているわけでありまして、そういう意味で今回の主張をさせていただいたと御理解をいただきたいと思います。

○細野委員
 非常に丁寧に御説明をいただきましたけれども、結論としては、係争水域が西側にも延びているんだということは確かに主張したけれども、それで何か日本の考え方が変わるわけでもないし、行動が変わるわけでもない、そういう御説明だったかというふうに思います。
 この間の委員会の質問の中でも、実は幾つか中川大臣の方から発言があったんですが、では、果たしてそういう前提というものがきちっと整えられているのか。つまり、中川大臣はこういう言い方をしているんですね。万一入ってきたら、我々としてはこれは大問題にしますと。逢沢副大臣も、あくまで沖縄トラフだといえばその前提は崩れてしまうということは主張されているわけですね。つまり、沖縄トラフまでで中国が行動することになれば、これは前提が崩れるということをおっしゃっています。これが本当に守られているのかどうかということを少し確認したいと思います。
 中川大臣の委員会での答弁の中で一つ気になることをおっしゃっているんですが、日本側のあるところに鉱区を設定したという情報がありますという答弁をこの間されています。これは、中間線より日本側に鉱区設定を中国がしたとすれば、この前提が崩れるという話に当然なる。中川大臣もうなずかれていますが、外務省としてはどういうふうにこれは認識をされているのか、簡潔に答弁をお願いします。

○逢沢副大臣
 御質問でございますけれども、中国はさまざまなことをいわゆる中間線の中国側で行っているわけであります。また、中国は、基本的には沖縄トラフまでを主張しているわけでありまして、幾つかの情報によれば、日本側が主張する中間線を越えたところで鉱区を設定されておるといったような情報には接しているわけでございますけれども、外務省として、それがどういうレベルのものか、どういう、政府が認定をしたものか、どのぐらいの信憑性があるものかということについては、現在では確認中ということでございます。

○細野委員
 確認中という御答弁でございましたが、そのほかにもちょっと幾つか指摘したいことがあります。
 日中間では、海洋の科学的な調査において、事前通告制度というのが設けられています。外務省からいただいた資料によりますと、海洋法に基づいて日中間で結んだ事前通告制度、それに基づいて運営がなされているかと思いきや、実はそれに違反した事例というのが、中国側は十六年で四件、十五年はないんですが、十四年に二件、十三年に四件あるわけですね。事前通告制度のない部分で海洋法違反の事例というのが、平成十六年で何と十六件。つまり、中間線よりこっち側、これは東シナ海だろうが東シナ海の外だろうが、一応通告制度はやっているんだけれども、特にこの通告制度以外の部分、東シナ海以外の部分において十六件も海洋法違反があるわけですよね。これは外務副大臣、よろしいですよね、事実として。
 これは明らかに、外務副大臣がおっしゃっている前提、中川大臣がおっしゃっている中に入ってきたらというふうに、これはもう入っているんじゃないですか。これについて、中川大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○中川国務大臣
 前回、細野委員の御質問に私がお答えし、また公のというか、国会が一番の公でございますが、ほかの場でも申し上げているのは、この春暁田以外に日本の中間線の内側、日本から見て内側に複数の鉱区設定をしたという情報を私は知っておりますということを申し上げておりまして、その根拠は、中国の石油開発あるいはガス開発会社のホームページに載っているのを確認したのが根拠であります。
 しかし、これはあくまでも民間企業のホームページでございますので、そういう情報があるという言い方をしているわけでございまして、それについて、十月二十五日の日中協議で日本側から問い合わせをしたということでございます。

○細野委員
 先日、中国の潜水艦が沖縄周辺に来たわけですが、中川大臣、こういうふうに記者会見でおっしゃっています。これは今までのいわゆる科学的調査、こういう部分について十分対応してこなかったのでああいう事例も出てきたんだと。そういう認識を持っていらっしゃるということでよろしいですね。これを確認させてください。

○中川国務大臣
 私は、軍事というか、もちろん潜水艦、専門ではございませんけれども、石垣島の、日本のもう一つの、慶良間島でしたっけ、先島群島のもう一つの島の間に潜水艦が入ってきた、しかも水深が百メートルよりも浅い地域に入ってきたというのは、潜水艦、ある方に聞きますと、相当の情報を持っていないとそういう浅い海域には入らない。だから、間違って入ってきたとしても、水深何メートルかは潜水艦は多分わかるんだろうと思いますから、相当のデータがないと、そこを航行して、しかも真ん中を通って行っちゃった、無事に行っちゃったということはやはり相当のデータを持っているのかなと、私は素人ながら推測せざるを得ないという認識を持っているわけであります。

○細野委員
 私も同様の認識を持っていまして、もうそこの部分について中国は相当の取り組みを今までもしてきたし、これからもしていくつもりであるということを前提に、この前提は私はもう崩れていると思います。
 試掘の問題についてこの間も御答弁いただきましたので、私ども政策をつくっておりますが、外務省にも取り組んでいただきたいということを申し上げて、独禁法に入りたいというふうに思います。
 まず、委員長にお伺いしたいんですが、中小企業関係で、不公正な取引方法について、特に優越的な地位の乱用について、各委員から随分いろいろな質問がありました。公取さんの方でいろいろ調査もやっておられて、いろいろな業界団体であるとか地方からも、何とかこの優越的地位の乱用であるとか不当廉売であるとかそういうものを課徴金の対象にしてくれないかという話があったという記録を私も見ました。
 それでも今回見送ったという理由として、委員長は、構成要件の明確化という法制上の壁があるんだと再三再四答弁されていますよね。私、よくわからないんですよ。法制上の壁、構成要件としての法制上の壁というのは、もう少し具体的に、どういうものなのか。わかるようにもう一度説明いただけないですか。

○竹島政府特別補佐人
 カルテルや入札談合の場合には、そういう基本合意に基づいて価格カルテルであったり談合をするわけで、その場合には、業者がどちらが優越的だとか、それからそれが他の取引分野にどういう影響を与えるかということをそれぞれ個別に見ることもなく、当然にこれは違法であるという考え方が確立しているわけでございまして、したがって、カルテル、談合は即違法と簡単に申し上げればなるわけでございますが、優越的地位の乱用とか不当廉売というものは、これは一概に言い切れない面がございます。
 したがって、それは何ぞやということを定義するのが、優越的地位の乱用という言葉は簡単でございますが、それに該当するかどうかというのは個別に見なきゃいけないので、そういう意味で、法律にかくかくしかじかのものは罰するというふうに単純に書くのが難しい。それを明々白々なものに絞り込んでしまうと、逆にグレー部分がどうなるんだというような問題も出てまいりますので、現在の法律では、不公正な取引方法につきましては公正取引委員会が告示で定めるということになっていまして、時代が変わったり、競争環境が変わったり、取引形態が変わったりすると、それに応じて、違法の行為というものはこうですよということが、弾力的といいますか、迅速に対応できるような仕組みになっているわけでございます。したがって、法律にびしっと構成要件というものが書いていないということでございます。

○細野委員
 不公正な取引方法というのが課徴金の対象にならないということなんですが、では法的にこれが何らかの措置ができないのかといったら、そんなことないんですよね。
 具体的に言いますと、注意というのもあれば、勧告という法的な制度があるわけですよね。勧告に異議を申し立てた場合は、審査に入って審決を出すわけですよね。これはまさに、構成要件が固まらないと審決を出せないじゃないですか。これは明らかに逃げていると私は思いますよ。では、どうやって勧告の場合に、審決を出す場合に構成要件を固めているんですか。

○竹島政府特別補佐人
 その点はおっしゃるとおりですが、問題は、刑事罰とか課徴金の対象にし得るか。やめなさいという排除勧告を出すことはできますけれども、それが刑事罰の対象にまでできるかというところが問題になったわけでございます。
 それで、刑事罰の対象にするに当たっては、その違反行為がどういう社会的な問題を提起するのか等々、法律用語で法益侵害の程度と言うようでございますが、法益侵害の程度というものを見なきゃいかぬ。何でもかんでもに刑事罰を導入するわけにはいかない。その点からしますと、不公正な取引方法、不当廉売とか優越的地位の乱用は、カルテルや談合というものに比べると法益侵害の程度が小さいというふうにとらえられてきているわけでございます。
 そういうことで、まず刑事罰の対象にするにはそう簡単ではありませんよという問題がございまして、加えて、現行の課徴金というのは、刑事罰の対象になっているものを、刑事罰ではいろいろハードルが高いから行政処分として、刑事罰の対象になっているものを課徴金の対象として迅速に処分できるようにしましょう、こういうことでございまして、まず法益侵害の程度の大小という問題がこの問題にかかわってまいります。
 これは、さっき申し上げましたように、時代の変化、取引関係の変化等々によって弾力的に対応した方がいいんだという考え方をどうするか、硬直的に考えていいのかどうかという問題が二番目にございます。
 それからもう一つは、罰金にせよ課徴金にせよ同じでございますが、不当利得というものを優越的地位の乱用とか不当廉売の場合にどう観念したらいいのかという問題がございまして、これは割り切りだという考え方もあるかもしれませんが、そういう考え方ではとても法制度としてはなじまないという問題もございまして、どのぐらいの経済的な不利益を与えるべきかという合理的な算定方法というのがなかなか難しいという問題がございます。
 しかしながら、これはよってもって全部だめだめだめと申し上げているわけじゃなくて、そういうことで日本のいわば刑事司法なり行政の基本にかかわるような問題がございますものですから、この法律を通していただいた後、二年以内に見直すというあの規定の中で、今、不公正な取引方法について課徴金とか刑事罰の対象にならないかという問題も、もう一回根本に立ち返って議論をさせていただきたい、こういうことでございます。

○細野委員
 いや、これはやはり認識の違いだと私は思うんですよね。
 確かに、談合は処罰しなきゃなりませんし、課徴金の対象にすべきだと思いますので、そこを重視するというのは結構です。ただ、経済状況を見ると、ではカルテルと不公正な取引方法、どっちが今深刻ですか。インフレの時代には、確かに、いかに値段を上げるかとみんな一生懸命頑張って、談合をしたりカルテルをしたりして価格を高くしたんでしょうけれども、今デフレの時代に入ったんですよね。デフレの時代に入ったときに、そこで中小企業も含めてどう適正な取引をしていくかということを考えるときに、そっちの方がはるかに実態は深刻なんですよ。
 そちらに公正取引委員会は目をつぶっておいて、構成要件とおっしゃったけれども、今私が指摘したように、裁決のときは、これは構成要件を確定して勧告をするんですから、裁決をするんですから、それは明らかに、公正取引委員長はずっと答弁されてきて、あれは逃げてきたんですよ。加罰性の部分での認識が、明らかに中小企業に対して、というよりは、取引先でいうと大企業に配慮をしてこれの導入を見送ったというのが実態じゃないですか。
 もう一つ伺いますが、きょう皆さんにお配りをした資料の中で、各国の課徴金であるとか罰則金、制裁金の関係の資料をおつけしました。
 不公正な取引方法にもいろいろありまして、再販価格の維持の制度、さらには優越的地位の乱用、不当廉売、不当表示と四つ代表的なものを、これは公正取引委員会につくっていただいて出させていただいていますが、一番進んでいるところでいえばフランス、それぞれ刑罰なり制裁金、これは制度をつくっています。再販維持制度に関して言うならば、これはもうEUも含めて各国でしっかりと何らかの措置を入れているわけですよね。
 こういう制度をこの見直しの間にきちっと研究をされて、我が国において、この不公正な取引方法のうち、どれが課徴金の対象になるかというのをきちっと精査されましたか。それをされずに十把一からげに全部だめですよというのは、私は公取の怠慢だと思いますよ。そういう精査をされたかどうかお答えください。

○竹島政府特別補佐人
 これは、今回の法律改正万般に及んでおります、その中の非常に大いに議論になった点でございまして、これは今の国会でもそうでございますが、国会にお出しする前の各方面との議論でも大変大きく取り上げたことでございます。私どももこれは真剣に、それからこの委員会でも、別な機会でございますが、同じようなことで課徴金の対象にすべきであるという御議論は何回もいただいておりますので、今回の法改正作業では、これは我々は本当に真剣に考えました。
 私も、率直に申し上げまして、課徴金の対象にできれば公取としてはその方がいいと実は思っております。しかしながら、法律制度としてそういうものが、さっきるる申し上げましたようないろいろな問題点がございまして、それに対して解決策が今回の改正では見出せなかったということでございまして、残念ながら、できたのが、一回やめなさいと言ったことを二度やった場合には罰金がありますので、これは今度は三億円に上げたということでやらせていただいていますけれども、これは逃げたりしたわけではなくて、相当議論して、残念ながら今回答えが出なかったということでございます。

○細野委員
 揚げ足を取るわけじゃありませんが、では再審判をして罰金を取ったことは今まであるんですか、公取が。最近あるんですか、ちょっとそれをお答えください。

○楢崎政府参考人
 お答えいたします。
 独占禁止法上の不公正取引として審決に違反したから告発をして刑事罰が科せられたという事案は、最近はございません。

○細野委員
 いや、そういう非現実的なものを取り出して、これで中小企業に配慮をしましたよというのは、それは逃げなんですよ。
 これは官房長官にぜひお伺いしたいんですが、これは私、表をお示ししましたけれども、できないのはうそです、やっている国はあるんですから。そのうちのこれとこれは少なくとも構成要件が該当するんじゃないか、デフレの時代で中小企業としてきちっとこれはやらなきゃならないんじゃないか。不公正な取引方法とか優越的地位の乱用とか漠然なことを言わずに、もう公取はガイドラインをつくっているんですから、一つ一つ検証して、構成要件をきちっと当てはめて、加罰性があるものについては制裁金の対象にする、課徴金の対象にする、これは官房長官、前向きに御答弁いただけないですか。

○細田国務大臣
 いわば公正取引委員会という専門家がいろいろ議論をしているわけではございますが、私は、日本の独禁法は何といっても英米法の流れをくんで導入され、大体は、この……(細野委員「英米でもやっているじゃないですか」と呼ぶ)いや、しかし、これを見ていただきますと、細野議員の資料の中でも……(細野委員「いや、これは公取のものです」と呼ぶ)どちらかというとフランス、ドイツ等でこういうことをやっておるということでございますが、私は法律上の考え方の問題だと思っております。
 それから、では公正取引委員会は本当に絶対やりたくないと言っているのかというと、まあそうでもないので、法律が国会で決めていただけるんなら、それも一つの考え方だと言っている人もいるんじゃないかと思います。
 私が思いますのは、細野議員、この間もお答えいたしましたけれども、排除をする、やめろと言ってすぐやめればそれでいいという考え方で長らく来たわけです。それでは社会悪というものが直らないんだ、不当廉売にしても、不公正な取引方法の中の優越的地位の乱用その他、直らないんだということが公に認識されて、これはどうしてもこういうことが必要だという立法論があれば、それは当然考えるべきことであって、それが立法府のお仕事でもあると思っております。

○細野委員
 いや、立法論の話は公取に任せておけばいいんですよ。これは社会悪として課徴金の対象にすべきかどうかという政治判断を聞いているんじゃないですか。
 官房長官がお答えにならないようであれば、経済産業大臣、どうですか、この問題。これは当然、中小企業にかかわってきます。どちらがより社会悪として大きいかということは、中川大臣もよくわかっていらっしゃいますよね。先ほどずっと説明をさせていただきましたが、中小企業も御担当をする経済産業大臣として、これは政府としてぜひ検討すべきである、公取にやらせるべきである。御答弁いただきたいと思います。

○中川国務大臣 この法律も、また今回の改正の御審議をいただいていることにつきましても、経済の発展のためにやっている法律でございますので、そういう観点からは、中小企業の重要性、あるいはまたそれに対する政策上の配慮というものが必要であるということは、私ども当然の認識を持っているところでございますし、そういう観点からこの法律の御審議をいただければというふうに思っております。

○細野委員
 では、改めて官房長官、もう一回だけ聞きますが、こういう過去の事例はあります。何もない世界に突入しろと言っているんじゃありません。各国で、こういう検討をしていて、きちっと罰則なり制裁金を科しているところはあるので、それを研究する、取り入れることを検討する。どうですか、お願いします。

○細田国務大臣
 私は、決してそう後ろ向きに答えているつもりはないんですよ。いろいろなことを挙げながら、そういう社会的な背景が変化してきた、そして、こういう悪い事例がどんどんふえている、デフレ時代に、昔の時代に考えられなかったような事態の方が社会悪をなしているという実態もあるということを申しながら、立法論というところもあるということを申し上げているんです。ただ、今後内閣府においていろいろ検討をする場がございますので、現行の我が国法制度の枠組みにかかわる問題も含めてここで議論されるということで、不公正な取引方法に対する制裁のあり方についても当然検討がなされるものと考えております。

○細野委員
員 竹島委員長は必ずしもこの問題に消極的な方だとは私も思っていません。むしろ前向きに取り組む意志を持っておられると思いますので、今るるいろんな方から御答弁をいただきましたが、政府としてできるだけ早い時期に、二年とか三年とか、期限もそれは区切らずに、できるだけ早い時点で出していただいて、この委員会でまた独禁法の審議をしたいな、私はそう思います。
 先ほど中西委員からも、実は実際にもう運用されているものも守られていないんじゃないかというような、随分甘っちょろい御質問がございましたが、私はもう少しきちっと詰めてお伺いをしたいと思います。
 まず、法益の侵害でアンケートをとっているとおっしゃっていたんですが、私が問題にしたいのは、このアンケート、中小企業の場合の回答率なんですね。納入業者と、あと小売業者にアンケートをとっているんですが、納入業者の方、つまり物を入れている方ですよね、優越的地位の乱用の問題でいうと。このアンケートの回収率を見ると、平成十六年のもので三三・五%、平成十四年のもので一九・七%。これは匿名も認められているにもかかわらず、回答率が三割とか二割を切っているんですよ。これは何でですか。どう思われていますか。公正取引委員会としてどういうふうに認識をされているか、お伺いしたいと思います。

○山木政府参考人
 下請取引の書面調査につきまして、下請事業者からの調査回答率が、御指摘のように三〇%、三分の一程度ということは事実でございますけれども、下請取引と申しますのは、親事業者はたくさんの下請事業者と取引をしておりまして、そういうカバレッジの中でも相当のものが私どもとして事実として報告がございますので、そういうものを端緒といたしまして、精密な調査をさせていただいているということでございます。そういうことで、相当の効果があるということを申し上げたわけでございます。
 それから、この書面調査にいたしましてもその他の調査にいたしましても、だれがどういうことを申し立てているかということについてはわからないような形で実施いたしておりますので、そういう面でも、下請事業者が訴えることができやすいという形で調査をしているところでございます。

○細野委員
 ちょっとこれは事前に伺っても答えていただけなかったんですが、回答している二割とか三割、下請法の方も同じようなアンケートがありますが、そのうち匿名で答えている企業というのは何割ぐらいなんですか。半分を超えているのか、わずかなのか。大体で結構です、数は精査していないということですから。教えてください。

○山木政府参考人
 精密な分析をしているわけではございませんので、概括的な話でございますけれども、回答のありました中で約一割程度が匿名、九割程度が実名といった形でございます。

○細野委員
 もう一つお伺いしますが、では、答えなかった七割、八割の中小企業に対してはどういうふうにしているんですか。ここからはもう上がってこない、上がってこないということは違反がないという判断をされているのか。むしろそっちの方が深刻な可能性はありますよね。それについて何らかの措置をされているのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

○山木政府参考人
 親事業者の方については、カバレッジ一〇〇%ではありませんので、きちっと報告をしていただきたいということで、督促等の作業をいたしております。
 下請事業者につきましては、特にそういう作業をやっておりませんけれども、そういう報告をされてこなかった人たちの分、約三分の一程度でございますので、そちらの調査の中で、親事業者は下請事業者に、例えば十社と取引があっても十社の中の一社に対して特定の行為をやっているということよりも、親事業者は、十社の下請事業者がございましたら同じような行為をその十社の中でやっている可能性が事実として多いわけでありますので、約三割程度の回収をいたしました事実をもとに、私どものマンパワーを使って調査をさせていただいているということでございます。

○細野委員
 私も、独禁法の審議が始まってから、地元、うちは割にメーカーが多いものですから、下請法の関係のアンケートを実際にしているような企業に、かなりいろいろ話を聞いてみました。
 小売法関係の優越的地位の乱用の問題についても、いろんな話を聞けばそこへ行って直接担当者から話を聞きましたが、やはりそこから出てくる声というのは、このアンケートになかなか答えられないというんですよね。匿名であっても、どこの企業が答えたかという、親会社なり取引先からそれを突きつけられたときにどういう回答をするか、それがやはり怖いわけですよね。そこにこの回答率の七割というのが隠れていて、なかなか回答しても本当の回答が出てきているかどうかということも含めて、非常にこれは危ういところがあるということをぜひ認識していただいて、このアンケートをとっていただきたいというふうに思います。
 そこで、もう一つ問題にしたいのは、一つは、アンケートに答えないというので、最終的には課徴金の対象であるとか刑罰の対象になる可能性は極めて低くて、いわゆる罰則がきちっと科される、制裁があるということになっていないものですから、しょせん、やってもしようがないだろうという思いが一つあるんですね。
 もう一つは、これはある担当者の方が言っていて、なるほどなと思ったんですが、実際に公取の方が一番、例えば不当廉売なんかで何らかの違反があった場合にやられる行為というのは、注意ですよね。企業に注意をする。注意をするというのが、これは不当廉売だけで平成十五年度に六百五十三件あるんですが、その担当者が言っていたのが、注意なんかされたらたまらないというわけですよ。公表されるわけでもない、親会社に注意をして、じゃ、どこの企業がやったんだと犯人捜しが始まる、こんなことをやられたらたまらないのでアンケートは答えないんです、そういう話が現場で出ていますよ。そういう声をきちっと聞いていられますか。
 三割しか答えない、二割しか答えないのであれば、少なくともサンプル的にでもこの七割とか六割の企業に、どういうことなんだという調査を私はかけるべきだと思いますよ、何にもやっていないとおっしゃったけれども。これは公取の委員長に聞きたいと思います。どうですか。

○竹島政府特別補佐人
 下請法違反の場合には、例えば一方的に減額したら、我々としては、課徴金の対象ではございませんけれども、その減額は戻しなさい、値引きしたものはもとに戻せということの指摘は、原状回復というか、本来あるべき姿に戻すということも下請法によってできることになっておりますので、そういうこともやっておるということをちょっと一つ申し上げます。
 そのほかに、今御質問のもっと調査をしたらいいじゃないかと。それは考えさせていただきますけれども、私も、生に中小企業の、下請の方々から聞きました。委員おっしゃるとおり、そんなことを公取に言えるか、後のことが怖いんだという声は、もう異口同音と申し上げてもいいぐらいに伺いました。
 ですから、いわばその心の壁があるために言ってこられない。いろいろ我々はその情報が漏れないようにしているんですけれども、漏れるに違いないとまた思い込んでおられる。そこは私どもも、関係機関もございます、商工会議所もございますので、そういうところと、十一月なんかは一生懸命周知徹底をやっているんですけれども、やはりそれぞれの商店街なり組合なり、いろいろなところがあるので、これはもっと元気を出して、勇気を持ってこういうものにはつき合っていただきたいし、我々もそういう情報には最大限取り組んでいきたい。
 ですから、サンプル調査が有効であるかもしれませんから、そういうものは工夫していきたいと思っております。

○細野委員
 委員長、ここは精神論の世界じゃないので、具体的な成果をまた次に御報告いただきたいと思います。
 最後に一つ、この件に関して指摘しておきたいのは、うちは静岡でいうと東部なんですね。三島であるとか富士というところが選挙区なんですが、そこは公取の管轄でいくと地方事務所の中部担当なんですね。中部というのは名古屋にあるものですから、三島とかいうところは一番遠いわけですよ、神奈川との県境だから。それで、こういう公取の関係、いわゆる独禁法違反とか下請法で、そういうものというのはないんですかと言うと、いっぱいあると言うものですから、じゃ、公取の人がいろいろそういう調査に来たりとか、顔を見たことはありますかと相当聞いて回ったけれども、だれ一人としてそんな人は見たことがない、担当者は見たことがないと皆さんおっしゃるんですね。
 それで、皆さんから、公取さんの方から担当者の数を聞いてさもありなんと思いました。中部地方で下請法の担当をしているのはわずか四名、四名ですよ。中部地方といえば東海道ベルト地帯で、それこそメーカーの数でいうと物すごい数あるわけですよ。中小企業の数でいえば一番それは集中、まあ東京も、大田区もそれは立派だと思いますが、東海地方といったら相当あるわけですよね。四名ですよ。それで独禁法の担当者も十七名。これは本当にいかんともしがたいですよね。
 中央の方でやっていただくのはそれは結構ですけれども、実際に審判に上がってきたり裁判になるようなものの方が極めてこれはまれです。むしろ事件が発生をしているのは現場で、地方ですから、この四名というのは何とかなりませんか。委員長にお答えいただきたいと思います。

○竹島政府特別補佐人
 そういう実態にございますので、私どもは、大変厳しい行財政の中ではございますけれども、毎年増員をお願いしておる。今はようやく約六百七十名、これは全部でございますが、そのうち四百名以上は本局におりますので、地方はどうしてもそうなってしまう。
 ですから、人だけふやせばいいというものではもちろんないわけでございますけれども、本局の方に言っていただいてもきちんと対応するようなことになっておりますけれども、増員についても今後ともぜひ応援をしていただきたいと思います。

○細野委員
 先ほど私がずっと言ってきたことというのは、これは本当に一連の流れにあるんですよね。中小企業にとっては、しょせん公取に言ったって課徴金は課されないんだろう、言ったってしょせん調べに来てくれないんだろう、泣き寝入りというのがこれは実態なんですよ。
 今、公取委員長、我々に応援してくれという話がありましたが、それはもう官房長官、内閣全体を統括されているわけで、今回こういう形で本当に実効化するためには、やはり本当に中央の人数を減らしてでも地方にきちっと張りつけるべきだと私は思いますよ。官房長官にぜひ前向きに御答弁いただきたいと思います。

○細田国務大臣
 この法律改正に伴って検討の場をいろいろ設けなきゃなりませんが、これは内閣府において積極的に取り組んでまいりたいと思います。先ほど来おっしゃったようないろいろな事象は、本当にもう与党、野党を問わず、地元では本当に中小企業の皆さんが困って、特にこのデフレ時代にどうしたらいいんだということで、私自身も自民党独禁調で何十遍それを発言したかわかりません。差別的対価の問題にしても下請の問題にしても、これがなかなか法律論になると難しい面があったんですが、いよいよ皆様方からも強い要請が出て、しかも大多数の方がそれはもう新しい法的な観点からやるべしということが盛り上がれば、これは内閣府の検討の中でまた積極的な検討が行われる可能性がふえていくのではないか。ただし、法律的な問題は詰めていかなきゃいけませんよ。それは法律的なバランス論というのがあって、どうしても壁がこれまであることも事実でございますが。

○細野委員
 よくわからないんですが、人員の増を検討されるのか、それは今のままでいいという御判断なのか、どうなんですか。お答えください。

○細田国務大臣
 私は、もっともっと被害者から、積極的に例外なく苦情を申し立ててほしいと思います。私は、それが一番いいんですよ。行政需要がふえるということが初めて定数増につながるんです、交番の問題でも、どうしてもこれをやれということになればなるんですから。私は、四人がだめで八人ならいいというようなことはとても今申せませんけれども、もちろん行革の流れの中ではありますが、行政需要を見て検討をしていかなきゃならないと思っております。

○細野委員
 中小企業の側から言ってこれないので、それを見つける体制をつくってくださいと言っているんですよ。上がってくるのがいいなんというのはとんでもない答弁ですよ。きちっと見つける体制を整えて取り締まる体制がなければ、幾ら言ったって泣き寝入りで、これはだめだって言っているんじゃないですか。今の答弁はないと思いますよ。

<
○細田国務大臣
 いや、私もその議論を何遍もやってきましたが、これは、苦情を申し立てることができないからそれを発掘しろ、それは何人の定員があれば発掘できるはずだ、調査をしろ、注文を聞いて回れというような発想では、もはや非常に難しい面があるんです。したがって、すべての関係企業が堂々と公正取引委員会に対してこれはおかしいと、不当廉売があれば、もう直ちに酒屋さんや電気屋さんが皆おかしい、下請企業がおかしいと言っていただきたいし、そのことがやはり私は本旨でなかろうかと思います。

○細野委員
 やはりこういう問題は一罰百戒なんですよ。やったときは、それは黙っていて泣き寝入りになりそうになってもたまにはきちっと公取がやるというのがあれば、みんな震え上がるんじゃないですか。そんな全国の何万という中小企業を全部取り締まれなんて言っていませんよ。そういう一罰百戒できちっと取り締まれる体制を少なくとも公取はとるべきじゃないですかと今申し上げています。
 官房長官には今の御答弁だと期待できなさそうですので、竹島委員長、ぜひ頑張っていただいて、これはもう全体のバランスの問題で、やはり地方にきちっと人を張りつけるということをお願いしたいと思います。
 時間もなくなりましたけれども、最後に一点だけ、価格の同調的値上げのところですが、これは条文がなくなりました。全体の供給額が六百億円以上、上位三社で七〇%、三カ月以内に値上げをした場合、今までは報告をしなければならなかったのが、しなくてよくなったんですよね。
 これは実は過去のを見たんですが、例えばビールなんかで値上げがなされて、これは報告がなされているんですが、上位の各社を見ていると、例えば、アサヒ、サントリー、サッポロはそれぞれ、キリンのを見て、いや、これは参考にして値上げしましたといって報告が上がっているんですよね。全体ではカルテルというのは少なくなっていると思いますし、むしろデフレの方が深刻なので不公正な取引方法の方が重要だと思いますが、こういう独占的な分野においては、私は、報告には残しておいた方がいいんじゃないかと個人的には思うんですね。
 これをあえて、もう取り下げるということなので、それについては今やめてくださいとは申し上げませんが、じゃ、どうやってこういうのを取り締まっていくのか、本当にこれで大丈夫なのかということについて最後に委員長にお伺いして、質問を終わりたいと思います。

○竹島政府特別補佐人
 同調的値上げをこれから先は見過ごすという意味じゃ毛頭ございません。
 現在のこの規定というのは、実態とも離れていますし、かつて狂乱物価等々で、管理物価、寡占市場における管理価格というようなことが問題にされた状況とは大きく変わっているということも事実でございますが、一言で申し上げますと、これは行政上のコストも企業側のコストも考えて、これからは違法行為を見つけてそれを摘発するに十分な証拠も得られないし、コストはかかるけれども効果において問題があるというのが率直な理由でございまして、しかしながら、こういった行為は、これからリーニエンシーでありますとか、それから犯則調査権限でありますとか、当然同調値上げが行われるというのは我々もわかりますので、それで仮にカルテルや談合があった場合にはきちっと摘発するという姿勢は、より強めることはあっても弱めることはございません。

○細野委員
 ありがとうございました。終わります。