11月5日

経済産業委員会  

○細野委員
 おはようございます。(発言する者あり)

○河上委員長
 与党の御出席の御手配をよろしくお願いいたします。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○河上委員長
 速記を起こしてください。
 細野豪志君。

○細野委員
 おはようございます。民主党の細野でございますが、よろしくお願いいたします。
 EPAの本題に入る前に、幾つか中川大臣にお伺いしたいことがございますので、よろしくお願いします。
 一昨日、私は、新潟の中越地震の現地に行ってまいりました。現地の様子というのは、テレビなどでも報道されていますし、皆さんごらんをいただいていると思いますけれども、いわゆる救助であるとか避難という段階から、これから復興支援へ徐々に全体として向かっていくなということを感じております。
 そこで、これから重要になってまいりますのは特に財政的な支援でございまして、そのことについて改めて中川大臣のお考えを聞きたいというふうに思っています。各委員会でそれぞれ補正予算について我々聞いておるんですが、その大臣の中では、実は一番前向きに答弁していただいているのは中川大臣でございまして、十月二十七日ですか、経済産業委員会で私どもの海江田委員に対して前向きにやりたいという御答弁がございました。
 実は、財政的な支援が今求められているのは中越地震だけではございませんで、私の地元の静岡県なんかも、台風二十二号、二十三号で大きな被害を受けました。そのときに、例えばごみの処理であるとか救援支援であるとか被災者支援であるとか、そういうものを一つ一つ役所の側といろいろと話をしたときに一つ必ず問題になるのは、これが基準に該当するかどうかという、基準が確かにこれはラインとしてあるんですね。これは当然だと思います。ただ、もう一つ必ず直接的にはおっしゃらないまでも出てくるのが、実は予算の制約というものでございまして、そこが制約要因になって、行政というのは当然さじかげんというものがありますので、そこでなかなか予算の支援ができないというようなことがもう現実に私は出てきているというふうに思っています。
 補正予算について、今国会でできるものであればそれにこしたことはない、そういう答弁をいただいているんですが、どうでしょうか、大臣、もう少し前向きに内閣の中でぜひこれに働きかけていただけないですか。現場で補助金であるとかいろんな支援法などを扱っている役場のそれぞれの担当の方からすると、予算の制約があるのか、それとももう既についているのかで、これは私は大きく違うというのを実感しています。ぜひ前向きな御答弁をいただきたいと思います。

○中川国務大臣
 ことしは、台風そして強風、大雨、そして新潟中越地方では、きのうもまたお一人亡くなられたということで、まだ災害が現在続いているというふうに私ども思っております。
 そういう中で、一刻も早い地震からの、今まさにまだ余震というには大きい地震が続発しているわけでありますし、それから、例の天然ダムというのですか、その危険性もあるわけであります。そしてまた、経済産業省の所管といたしましては、いわゆるライフライン、ガス、電気、道路もまだまだ復旧しておりません。それから、物資の提供あるいは中小企業等企業の復興対策、やれるものを万全を期してやっております。
 委員の御指摘の例えば激甚災害も、きょうの閣議でやっと台風十八号の激甚災害指定が行われたということで、これも時間がかかっているわけでありますが、それと財政的な措置、予算ということであります。
 以前も申し上げましたが、復旧のためにできるだけ早く万全の対策をとるというのは、これはもう財政当局、財務省であっても同じ考えだろうというふうに思っております。特に、あの地域は豪雪寒冷地帯でございますから、冬に向けて、生活活動、経済活動、大変だと思います。私のところも寒冷地帯でございますので、不自由な生活については実感としてわかるわけであります。また、私のところは十勝沖地震の頻発地帯でもございますので、一月に大地震に襲われたことも私自身体験をしております。
 ですから、政府としては、例えば、地方管轄の国道を国直轄で復旧するとか、あるいは天然ダムの危険防止対策を国が直轄でやるとか、それから概算払いでもってやれるものはどんどんやっていっていいですよというようなことも言っておりますが、補正予算についてできるだけ早く、たまたま今、国会中でありますから、今、財務大臣は補正予算を組みますと。組みますと言うこと自体、災害であるがゆえの財務大臣の御判断だろうと思いますけれども、通常国会のできるだけ早い時期にというふうに財務大臣はおっしゃっておりますが、私としては、作業に時間がかかるということは、私どものところの災害の対策を見ていても時間がかかることはわかるわけでありますので、それはそれとして、できるだけ早く作業を進めていただいて、そして予算としてできるだけ早く国会に提出をして御審議をいただいて、成立がされて施行されるということを多分被災地の皆さん方も切望しているんだろう、そしてまた国としてもそれが役割だろうと私は思っておりますので、できることならできるだけ早くということを申し上げているわけであります。事務的な作業、あるいはまたいろいろな要件、ルール、法律等々あると思いますから、それをできるだけ早くやってもらいたい。
 おまえの気持ちはどうなんだということだったので、来年の通常国会冒頭なんということではなくて、できることならできるだけ早く国会での御了解をいただいた対策をとっていきたいという私の希望といいましょうか、率直な気持ちを申し上げているところでございます。

○細野委員
 財務大臣が、財務的な、財政規律という観点から、とにかくもう予算で措置できなくなったらそのときは補正だというのは、これはわからないではないんですね。
 ただ、ここはやはり政治の場所でございますし、中川大臣は内閣の中でも政治的な決断力がおありな方だと思いますので、補正予算というのは臨時で何か起こったときに組むのが補正予算であって、今までの組み方がおかしいので、こういうときこそやはり補正予算なんですよね。ですから、ぜひこれは前向きに内閣の中で働きかけていただきたいということを、前向きに御答弁いただきましたので信頼をしておりますが、お願いをしたいというふうに思います。
 次に、海洋権益について二、三質問をしたいと思います。
 これも同じく、二十七日のこの経済産業委員会の中で、中川大臣から日中の係争水域について御発言がございました。今まで日本の主張というのは、二百海里の線はあるんだけれども中間線からこっち側が一つの日本としてはエリアなんだというニュアンスに私は受け取っておったのが、経済産業大臣がおっしゃるには、係争水域というのは日本から二百海里、つまり中間線から西側に向けての部分も含めて、ここが係争水域なんだというお話をされました。そこを再確認したい。
 もう一つ、その中間線から西側、二百海里の部分、そこでもう既に中国側はかなりの開発をしている、これはもう周知の事実であります。そうしますと、係争中の水域においてそういう活動をしているという意味においては、まさに海洋法七十四条、八十三条に違反をした行為である、海洋法違反であるということをこれはとりもなおさずあらわすと思うんですが、この見解について改めて確認をしたいと思います。

○中川国務大臣
 私が前回、当委員会一般質疑で御答弁を申し上げたのは、そういう御趣旨でございます。
 日本が二百海里の中間線で主張しているというか認定しているラインというのは、前にも申し上げましたが、本来、日本から二百海里が排他的経済水域だということ、これがまず第一原則であって、他方、中国からも引くと当然重なり合うので、その重なり合った水域をお互いに半分ずつしましょうということで中間線にしているんだ。これは、中国の存在を、あるいは中国の海洋法条約に基づく主張を配慮して中間線にしているんだという前提がございます。
 他方、中国は、日本の二百海里というものをそもそも認めない、したがって中間線を認めない、自分たちは、自分の大陸から二百海里を黙って引いて、そして大陸棚を自然延長していくと沖縄のすぐ手前の沖縄トラフのところまで行くんだから、そもそも中間線を認めない、つまり日本の主張を認めない、ある意味では日本の物理的な存在というものを認めない。それじゃ話にならないでしょうと。
 したがって、中国側が、この前、二十五日の会議でも、では、日本側が文句をつけている中間線と我々の権利である沖縄トラフとの間を係争水域にしましょうと先方が言うものですから、いやいや、係争水域というのであれば、日本の主張している二百海里までのところが係争水域ですよということを、十月二十五日、薮中アジア局長、我が省の小平エネ庁長官から主張したわけであります。
 したがって、係争水域があるとするならば、日本としては二百海里まで、あるいは向こう側は沖縄トラフまで、こういうことになるわけであります。
 他方、海洋法条約の七十四条、八十三条では、お互いに意見が違うときにはとにかく最後まで話し合いなさいというとてもいい規定なんですけれども、では、話し合ってどうなんだというところが全然書いていないというのがちょっとこの条約の、我々としてはその先のルールが書いていないということになるわけでありますが、今おっしゃられたように、では、西側についてはどうなんだというと、中国は、他方、認めていないけれども日本側の中間線に配慮して前に出ていないんだ、こういう主張なんですね。したがいまして、春暁も前に出ていないんだ、あくまでも、日本が勝手に主張しているとはいえ、中間線の内側でやっているんだから日本には関係ないでしょうと。あるいは、私どもが言っております、丸々日本側にあるところに鉱区を設定したという情報がありますけれども、これもどうなんだと言ったら、いや、そんなところで作業はしておりません、したがって、認めていないけれども日本の中間線の中では作業をしておりません、こういう主張であります。
 だから、万が一、係争区域の議論は議論として、現実に日本の中間線の中で先方が資源開発なり資源探査なりをしているということがはっきりとわかれば、だから、そうじゃなければ情報をくれということを言っているんですけれども情報をくれないわけでありますが、そういうことでないという前提であれば、とりあえず向こう側のいろいろな平湖等の海洋開発についても、日本としては、七十四条、八十三条の係争水域だから話し合いをしましょう以前の問題として、日本側でもやっていないんだから係争水域にはならないでしょうという実際の行動と同じレベルとして、今の段階では、向こう側でやっているものについては問題にするレベルになっていない。
 これが、それでいいんだということでは決してございませんけれども、向こう側が日本の側でやっていないと言っている以上は、日本も向こう側について何らかの行動を起こすということには現段階ではなっていないというふうに理解をしております。

○細野委員
 再確認、しつこいようで恐縮なんですが、中川大臣は、中間線から西側の海域において、中国が春暁等の開発をしていることに関しては海洋法違反だという認識を持っておられるということでいいですね。海洋法違反かどうか、中国の行為についてお答えください。

○中川国務大臣
 日本が主張しているのは中間線ですから、中間線の向こう側で何をしようと御自由です。しかし、向こう側が日本の中間線より内側で権利を主張し、そして実際に何らかの行動を起こすのであれば、これは日本としても、日本の主張が崩れるわけでありますから、係争水域になりますね。
 その場合の係争水域というのは、向こうは中間線から沖縄トラフだと言っておりますけれども、そうじゃなくて、向こうが沖縄トラフと言うのであれば、日本は日本の主張する中間線、これはもう実は上海のぎりぎりまで行っちゃうんですけれども、そこまでが係争水域になりますというふうに私は頭の整理をしております。

○細野委員
 今の中川大臣の頭の整理によると、係争水域の中において開発をしている中国の行為は、これは海洋法違反で、やめてくれと言わないかぬですね。中間線を、日本側だけではなくて向こう側も係争区域なのであれば、まさにこの七十四条と八十三条に基づいて、そこの開発を、春暁を初め開発しているところを一たんストップしてくれとこれは言わないかぬですよね。
 そこで問題になるのは外務省の姿勢でございますが、先月二十五日、この協議が行われているんですが、私の知るところでは、外務省が、係争水域が二百海里同士のこの西側にも広がっているんだということをまともに初めて交渉したのが今回ではないかという印象を私は持っています。それは、違えば違うで結構なんですが、おっしゃっていただければ結構なんですが。
 では、ここが係争区域だということをおっしゃるのであれば、海洋法に基づいて、中国の行為が海洋法違反であるということ、まず一つ。その上で、中間線より向こう側の係争区域においても開発はストップしてくれ、これはきちっとおっしゃったのかどうか、そこまで言わないと整合性のある議論にならないんですね。これは、外務副大臣にお答えいただきたいと思います。

○逢沢副大臣
 二十五日に開催をされました東シナ海に関する日中協議についてでありますけれども、我が国は、境界の画定を考えるべき水域は両国の二百海里までの水域が重なり合う部分である、したがって、そのような水域において衡平な解決を達成するための境界画定は中間線によるべきであるという考え方を改めて示したわけであります。
 これに対して、中国側は、係争水域については、中間線以東から沖縄トラフの間の水域であるという従来からの主張を繰り返し、大陸棚に関する自然延長論をさらに展開したわけでありまして、日本が主張するいわゆる中間線による境界画定は認められないということを改めて表明したというふうに承知をいたしております。
 我が国の考え方としては、いわゆる中間線、この考え方は、関連規定、国際判例、リビア、マルタの例、その他幾つかあるわけでありますけれども、そういった例、また学説等を踏まえれば、中間線をもとに画定すべきであるという主張に自信を持っているわけでございます。
 では、日本が主張する中間線の西側、東側、つまり、西側は中国側、東側は日本側ということになるわけでございますけれども、もちろん、日本が中間線を主張している以上、仮にその中間線の東側、日本側で中国が何かをするということになれば、これは黙っていられないという立場に立つわけでございます。(細野委員「西側も」と呼ぶ)西側につきまして、旧来から申し上げているわけでありますが、平湖油田、これは中間線から西側に存在をしている、中間線から少し距離がある西側というのが物理的事実ということでございます。
 日本は中間線を主張しているわけでありますので、その主張にのっとって答弁をさせていただくとすれば、中間線の仮に東側において、我が国の主権的権利その他の権利を行使する立場が日本側にあるわけでありますから、そこに抵触をするとすれば発言をしなくてはならないわけでありますけれども、西側について中国側が行う調査あるいは開発、それは日本は中間線を主張している以上、とりわけ日本の立場に影響を与えるものではないというふうに整理をいたしております。

○細野委員
 今、明らかに経済産業大臣と外務省の答弁が違うんですよね。七十四条の中で係争水域に当たるわけですよね。係争水域において、具体的に井戸を掘っているわけですよね。「最終的な合意への到達を危うくし又は妨げないためにあらゆる努力を払う。」これの規定に中国は反していないと。外務省、それで本当にいいんですか。係争水域と言っている意味がないですよ。これは条約の解釈なので、外務省にちょっともう一度お答えいただきたいと思います。反していないということでよろしいんですか、中間線から西側ですね。

○逢沢副大臣
 春暁の開発につきましては、大変な問題意識を持っております。
 それは、つまり中間線に隣接をしている地域でありまして、中川大臣初め我が国の責任ある立場の方々も、中間線を地下構造においてまたがっている危険性、可能性、そのことが蓋然的には十分受け取れる、こういうことであります。したがって、十分な調査結果を示しなさいということをたび重ねて中国側に申し上げてきているわけでありますが、残念ながら、それが実現をしていないという状況が続いているわけであります。

○細野委員
 短目にお願いします。

○中川国務大臣
 短く申し上げますが、要するに、事の発端は、東シナ海、特に春暁がここ一年ぐらい大きな問題になりましたが、やはり境界画定をしないとこの問題がはっきりしない。春暁というのは、今副大臣おっしゃったように、どうも我々の判断、状況、いろいろな証拠を見ると日本の中に入っている、したがって、排他的権利を侵害している、だからきちっとデータをよこしなさい、こう言い続けているわけですが、この議論はひょっとすると向こう側の理屈に乗った議論になりかねやすいんですよ。
 日本の中間線は認めていない、沖縄トラフまでだ、でも、おれたちは中間線は越えていないんだから文句はないだろうというのが向こうの理屈なんです。いや、春暁は違うよ、こういう話で、そして、いや、日本は沖縄トラフを認めないよと言ったら、では、係争水域はトラフと中間線の間なんだなと向こうが言うから、いやいや、係争水域を言うのであれば、トラフから日本の二百海里までだと。こういう議論になりますから、段階が違うわけで、今は、中間線を日本が主張し、中間線の内側に入ってきていない以上は、日本としても、向こう側で何をしようと、今外務副大臣が言うように、中間線の向こう側、つまり日本の主張の向こう側だから文句言う必要ありませんね。
 万が一入ってきたら、我々としてはこれは大問題にします、それは。向こう側は、いやいや、中間線は認めていないんだ、でも入ってきていないから文句ないでしょう、こういう理屈で、若干やりとりが、次の段階の話と今我々が問題にしている話と区別して考えないと、まさに中国側の主張に乗ってしまいますので、その辺、御理解いただきたいと思います。

○細野委員
 何か日本と中国の交渉を見ていますと、私の例えがいいかどうかは別にして、ちょっと聞いていただきたいのですが、子供二人が何かお菓子の取り合いをしていて、お菓子が十個ある、中国は、十個全部よこせと言っているわけですよね。日本は、半分半分がいいかなと思って、五個だけくれと言ったら、いや五個もやるかと言われて、二個も三個もまたとられて、今、その五個がとれるかとれないか、これはぎりぎりの線に来ている、そんな状況に私には見えるんですね。
 日本として主張すべきところはきちっと主張する、そういう意味において、係争水域がこの中間線全体なんだということを言ったのは、私は大きな意味があると思います。それに基づいて外務省がきちっと整合性のある主張をしていただければ、これからの日本の交渉というのは変わってくるはずなんですね。
 ちょっとしつこいようなんですけれども確認したいんですが、係争水域と言っているのは、海洋法の七十四条上の係争水域、争っている水域という理解でいいんですね、外務副大臣。よろしいわけですね。(逢沢副大臣「はい」と呼ぶ)では、その係争水域の中において中国が井戸を掘ったのは、ここに言う「最終的な合意への到達を危うくし又は妨げないためにあらゆる努力を払う。」行為に違反をしていると本当に思わないんですか。係争水域で開発しているんですよ、解決を危うくしていませんか。
 これは解釈をきちっと、大臣言われるとおり、今までの中間線の議論なら向こう側でやっているということでいいという話なんですよ。ただ、中間線ではなくて係争水域を両サイドに広げるのであれば、そこでやった行為に関してもこれは違反なんだという主張をきちっとしないと、整合性がないんですよ。
 逢沢副大臣にちょっとお答えいただきたいんですが、七十四条の係争水域が中間線を越えて西側に広がるのであれば、そこの行為も含めて問題にする、そういう必要性は本当にないのか、お答えをいただきたいと思います。

○逢沢副大臣 あくまで我が国といたしましては、国連海洋法条約七十四条また八十三条にのっとって、そして関連の規定、また幾つかの判例が示されている経緯もございます、また学説もある、そういうものを総合的に判断して、いわゆる衡平に解決をする。そういうことからすれば、やはり中間線だ、その主張に自信を持って今までもやってまいりましたし、これからもその主張を徹底的に展開をするわけであります。
 しかし、先ほど中川経産大臣がおっしゃられたように、中国はもうそれを絶対認めない、話にならないんだ、あくまで沖縄トラフだということを言えばその前提は崩れてしまうといえば、確かにそれはそのとおりであります。しかし、我が国の主張はやはり衡平な解決、それは中間線、そういう立場に立って今までもやってきたし、これからもやっていく。そして成果を出していかなくてはならないというふうに考えているわけでありまして、そういう意味では、中間線の東側に中国が何か具体的な調査を行う、あるいはまた仮に開発等ということがあれば、明らかにこれは国連海洋法条約違反、つまり、中間線を主張している日本の立場からすればそのことは明らかになってくるということを改めて申し上げておきたいと思います。

○細野委員
 やはり交渉というのは条件を同じにしないとなかなかうまくいかないと思うんですよね。日本の場合は、例えば海上保安庁の行動も中間線まで、海洋調査も中間線より向こうへは行っていません。それと比較をすると、中国側はもう井戸を中間線より西側で掘っている上に、東側にもさまざまな調査をしているわけですよね。ですから、整合性のある議論をするのであれば、中間線より西側に向かっても日本は何らかのアクションを起こすか、もしくは、そこがもう実際に掘られて手をつけられないのであれば、東側で試掘をするか、どっちかなんですよ。少なくともどっちかのアクションをとらない限り、交渉が平等な条件でなされない。ここの部分に関してはまずアクションが求められると私は思いますよ。経済産業大臣にお伺いします。

○中川国務大臣
 私もおっしゃるとおりだと思います。したがいまして、ですから、中国の理屈のとおりに言うと、現在日本は、御承知のとおり、中間線の内側で資源探査、物理探査をやっておりますし、数十年前から民間企業が鉱区設定の申請をしております。中国側の主張が本気であれば、それについて文句を言うべきなんです。おれたちの排他的大陸棚及び経済水域だろうと。おれたちは沖縄トラフまで持っているのに、日本が資源探査をやったり鉱区設定をするのは中国の権利を侵害しているだろうと文句をつけるべきなのに、つけていない。そして、現実に、向こうの主張によると、中間線の内側に入ってきていませんと、認めていないけれども、入ってきていないだろう、だから文句はないだろうと。これが向こうの理屈なんですね。言っていることが、私は、若干おかしいんだろうと。矛盾しているというか、私には理解できないことを向こうは言っているわけであります。
 したがいまして、特にこの春暁という日本にまたがっているという蓋然性が高いものについてはっきりするためにも、おっしゃったように交渉ですから、スタートラインを同じにしなければいけませんから、七月から物理探査もやっておりますし、鉱区設定がもう三十数年間ほったらかしにされている状況ですから、そういうことも頭に入れていろいろなことをこれからやっていかなければ日本の国益は損なわれてしまうというふうに考えておりますので、今後、いろいろな判断がこれから必要になってくると思います。(発言する者あり)

○細野委員
 今いろいろな声がこっちからも上がっていますが、やはり今までにこだわることは必ずしも私はいい結果をもたらさないと思います。中間線の主張にこだわって結局押されてきたという現実もそうですし、事前通告制度自体もそうだと思うんですよね。ですから、もうきょうはEPAの話があるのでこれぐらいにしますけれども、ぜひ外務省の方には、今までの主張とこれからの主張というのをある部分で分けて考えて、ではこれから日本としてはどういう主張をしていってどういうアクションを起こすのかということを、立派な大臣もいらっしゃるので、相談をしながら決めていただきたいなというふうに思います。
 それでは、こればかりをやっているとちょっと皆さんに怒られてしまいますので、EPAの議論に入りたいと思います。
 メキシコとのEPAですが、先ほど経済産業大臣の方からは、なぜ日本とメキシコで結んだのかということについて、非常に熱意を持った、そういう御説明がございました。外務省の方も何度もそのことについて説明をしていただいてはいるんですが、ちょっと私の中でまだ頭が整理ができていないんですね。なぜ日本が、いろいろな国がある中でメキシコとEPAを結んだのか、メキシコと関係を結んだのかということについて、簡潔に外務省の見解を副大臣にお伺いしたいと思います。

○逢沢副大臣
 外務省の見解をということでありますが、これはもう政府全体の見解であり判断というふうに御理解をぜひいただきたいと思います。中川大臣を初め関係閣僚から累次お話を申し上げているとおりでありまして、メキシコは、御承知のようにGDP第十位、大きな経済を有する国でありまして、私も大変不勉強でございましたが、その経済規模はASEAN十カ国の規模にほぼ匹敵をする。ああ、そんなにメキシコというのは大きな国だったのかなと改めて認識をいたしたわけでありますが、そのメキシコとEPAを結ぶということが我が国の国益に十二分に資するということは簡単に御理解がいただけるというふうに思いますし、メキシコはNAFTA、そしてEUとの協定、また中南米諸国を初め多くの国と経済連携協定を持っているわけであります。米州市場等々を念頭に大きな橋頭堡を築くことができるということも、大変大きなメリットというふうに申し上げたいと思います。
 そして、恐らくこの委員会でもさんざん議論をいただいたと思いますけれども、ここ五年あるいは十年、日本からメキシコへの輸出が目に見えて減少してきた、そういう事実がございます。その背景には、NAFTAの存在、そしてメキシコが幾つかの国とEPA等々を結んできた。つまり、日本が本来得ることのできるメリットが、目に見える形で失われてきたということに十二分に着目をしてまいったわけでございます。日本企業は、さまざまな面で、メキシコがEPA、FTAを結んでいる欧米企業等に比べて、明らかに競争上不利な立場に置かれてきた、それを何としても解消していかなくてはならない、それもメキシコとEPAを結んだ大きな理由の一つであるということも改めて申し上げておきたいと思います。

○細野委員
 主に三点御説明いただいたのかなというふうに思います。最後の点、企業の中から、メキシコと結んでほしい、今、日本が簡単に言うと損をしているので、ちゃんとそこの枠組みに入って貿易をさせてくれ、取引をさせてくれという要望が多かった部分についてはよくわかります。
 ただ、前の二つ、例えば経済規模が大きいということでいえば、中国という巨大な市場もあり、例えばアメリカ自身なんていうのは世界最大の市場でもあるわけですよね。そういう国々との関係をどう考えるのか。また、いろいろな答弁の中で、米州市場への橋げたという表現がありますが、確かにNAFTAというのは大きな市場ではあるけれども、例えばEU、そこも市場統合しているわけですよね。では、そこの橋げたは本当に要らないのか。
 これからこのFTAを考えるときに、例えばEUとのFTAというのはどう考えるのか、米州市場の本体ともいうべきアメリカとのFTAをどう考えるのか。中国とは既にいろいろ連携を始めているようですが、この辺の展望、これは非常に難しい判断だと思うんですが、見解をお伺いしたいと思います。

○逢沢副大臣
 恐らく、今、世界にはさまざまな形のEPAあるいはFTAが二百ばかり存在をしている、あるいはできたという状況であります。
 日本は、シンガポール、そしてこのたびのメキシコ、EPAの世界では後発組と言ってもいいかもしれません。そして現状は、御承知のように、タイ、マレーシア、フィリピン等々、あるいは韓国もそうでありますけれども、協議を進めているという状況で、これは、いわゆる東アジア経済圏、アジア・コミュニティー、そのことを念頭に置いたFTA交渉、そして、ASEAN全体ともその交渉はいずれ視野に入ってくるということも申し上げておきたいと思います。
 さあ、そこで、では、世界第一位の経済大国アメリカとやったらどうだ、あるいは、アメリカの経済規模に匹敵する、あるいは場合によってはそれ以上大きくなるでしょうか、EUと直接やればどうか、そういった議論も確かにあるのは承知をいたしております。
 ただ、日米を考えてみますと、アメリカは世界第一位の経済大国、そして日本は第二位。恐らく、その経済規模を合算いたしますと、世界全体のGDPの約四五、六%ぐらいになってくるんでしょう。あるいは、EUも入れれば、本当に七割あるいは八割以上、こういう規模になってくる。では、WTOとのいわゆる整合性というものは一体どういうふうに考えるのか。
 あるいは、日米が仮にそういうことを結んだとして、その他の地域あるいは国、途上国との関係、そういうものを総合的に考えるバランス感覚というものはやはり必要であろうかと思いますし、また、日米間の経済の活性化、あるいは共通の利益をいかに拡大していくか、確保していくか、さまざまなチャンネルが既にワークをしている。とりわけ農業の問題を念頭に置けば、必ずしも易しいという問題ではないという現実にも着目をする必要があろうかというふうに思います。
 シンガポールでまず経験を積み、そして農林水産の難しい問題を抱えるメキシコとの間で、私は、ちょっと実感を申し上げさせていただくとすれば、よくこれができ上がったなという思いを持つわけでありますが、大変貴重な経験をこの交渉の過程においても我が国は得ることができた、それをさらに第三弾、四弾に生かしてまいりたい、そのように承知をしております。

○細野委員
 逢沢副大臣がおっしゃるとおり、日米また日・EUでFTAを結べば、実質的にWTOというのは空洞化して、果たしてそんなものが必要なのかという議論にもなりかねないので、そこは私も懸念をします。
 ただ、シンガポールと結んで、メキシコと結んで、ここまでは一番結びやすいところ、そしてビジネス上の要請の大きいところ、この二つはある程度、それなりに整合性のある議論ができたんだろうと思うんですね。ただ、これから、では、WTOで何をやるのか、FTAはどこと結ぶのか、どういう基準でFTAの締結国を選んでいくのかということについては、そろそろ日本としての方向性を出した方が、基準を出した方がいいと思うんですよね。
 その考え方をぜひ外務副大臣の方から、どういうことを目的に、何を基準にFTAの締結国、EPAの締結国を選ぶのかということを御答弁いただきたいと思います。

○逢沢副大臣
 細野先生に御指摘をいただいた点は、まことに重要な、大切な点であると思います。つまり、どういう理念あるいは考え方、将来構想、ビジョンを持ってFTA、EPAを考え、推進をしていくのか、国策上大変重要な課題であるというふうに私も認識をいたしております。
 そこで、では、これからどういう考え方が大切なのかということでありますが、先ほど申し上げましたように、今、タイでありますとかフィリピン、マレーシア等々とFTA、EPAをぜひ結ぼう。FTAという関税に着目をした狭い範囲というよりも、もっと質的に、投資も観光も人の移動も、あるいは教育も、そういう包括的な、総合的な質の高い経済連携というものが、少し時間はかかろうともやはり意味がある。また、お互いのウイン・ウインの関係をより大きく拡大ができる、確保できる、そういう意味では、少し時間がかかっても、手間がかかっても、包括的なEPA、これを推進する必要があるのではないか、私はそういう立場に立っているわけであります。
 東アジア諸国との経済連携、このアジアのコミュニティー、とりわけ東アジアの経済コミュニティーを確立していく。しかし、これはNAFTAに対抗する、あるいはEUに対抗する閉鎖的なものであってはならない。やはりそこは透明性が求められるし、質の高いFTAが東アジアで縦横無尽に結ばれる、そして、それが全体としてアジアの所得の向上やあるいは技術力を増していく、そういうことに資する。それに日本は、やはりアジアの一員として、またアジアのリーダー国として、ある種のリーダーシップを発揮する。そのことを前提に、去年の年末、いわゆるASEAN特別首脳会合というのを東京で開きました。ASEANの首脳が全員域外で集まったのは、恐らく初めての経験であったと思いますが、そういうことを念頭に置きながら、アジアを大切にしていく、アジアを念頭に置いたEPAを積極的に推進をしてまいりたいと考えておりますので、ぜひ御理解と御支援を賜りますようにお願いも申し上げたいと思います。

○細野委員
 時間もちょっと少なくなってきたものですから、私の考え方を簡単に申し上げますと、FTAとEPAというのはやはり違うものだと認識した方がいいと思うんですね。
 アジアというのは、確かに一つのキーワードだと思います。そのときに大切なことは、日本はいろいろな制度、すぐれた制度を持っているわけですよね。今回、独禁法も改正をしますが、競争政策なんかもこれからより先進的なものにしていきたいと思っていますし、いろいろな標準化政策というものでいえば、日本のJISなんかも結構すぐれた制度だと思うんですね。検疫であるとか原産地表示みたいなものも割としっかりやっておる。こういうものも含めて、日本の制度を海外にきちっと伝えることができる、ハーモナイズするのに、日本の制度を前向きに出すことができる分野においては、大いにこのEPAというのは可能性があるというふうに私は思うんですね。
 これをまず一つの基準にして、もう一つは、今、逢沢副大臣がおっしゃったとおり、WTO全体に資する形でのこのEPAというのを結んでいただきたいな、そんなふうに思っておりますので、見解をお伺いしてよかったなというふうに思っています。
 時間があと十分ほどでございますので、ちょっと気になることを一つ確認をしたいと思います。
 これも、済みません、外務副大臣になって恐縮なんですが、メキシコの原産地証明、これが条約上の義務になっているんですが、一番私どもが懸念をしておりますのは、第三国からの迂回輸入のようなものが入ってこないかということを一番懸念をしておるんです。
 原産地証明はメキシコ政府が出すと聞いています。ただ、原産地証明というのは数が結構多くて、日墨だけでも数万件あるそうですね。これを、本当にメキシコはきちっと原産地証明をとってくれるのかどうか、迂回輸入がされないのかどうかということについて、外務省としては自信を持ってこれは大丈夫ということを言えるかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。

○逢沢副大臣
 原産地証明をきちんと確保する、そしてその実行体制を確認する、非常に大事なことであると思います。
 今、細野先生御指摘のように、メキシコ国内の原産地証明書の発給におきましては、これはメキシコの経済省が実施をするという取り決めにさせていただいております。御承知のように、メキシコはこれまで複数の国々と自由貿易協定を締結してまいりました。これらの締結の実施のために、御指摘の原産地証明書の発給手続を整備してきた実績をメキシコ政府当局は持っておられます。メキシコ国内の原産地証明書の発給の方法につきましても、原産地証明書が円滑に発給されるよう、現在、所要の国内手続等の整備をメキシコ側として鋭意進めておられるというふうに理解をいたしております。
 確かに、いろいろな、例えば迂回輸入の可能性、心配、そういうものも指摘がされているわけでありますけれども、例えば、メキシコの原産地証明書に疑問、疑義がある場合、メキシコの政府や輸出者、生産者に情報提供を求めたり、我が国の、日本の税関当局がメキシコ生産施設の確認に立ち会う等、比較の上におきましても、シンガポールとの間でさきに結びましたEPAの原産地証明確認よりもさらに厳格な、しっかりとした二国間約束をさせていただいているということもあわせて御報告申し上げておきます。

○細野委員
 今副大臣がおっしゃったのは四十四条の一の(c)で、疑いがある場合はメキシコまで行って調べられるという規定が確かにあるんですよね。ただ、そんなことは今まで日本は一回もやったことが恐らくないと思うんですよ。これは本当に税関ができますか。そういう体制が整えられているのかどうか、これは確認をしたいと思います、政府委員で結構ですが、副大臣が答えていただけるのであれば。

○逢沢副大臣
 実務的なことですので、私どもの方からお答えいたします。
 お話しのとおり、四十四条二項で、疑義があった場合は、NAFTAの場合は相手国の輸出業者、そこへ直接税関が行くようになっておりますが、私どもの方の規定は、まずは政府が相手方に情報提供を求める、その次のステップとして、それが事実かどうかを今度は相手の業者に確かめる、そして、その次のスリーステップとして、相手の、我々のカウンターパートに一緒に立ち会ってもらって入っていく、こういうような仕組みになっておりますので、協議の事項、そこまで至らないということだと思うんですよね。完全に政府の担保に近い形でこれらの問題が起きないようなシステムになっていると考えております。

○細野委員
 確かに、条約なんで相手を信頼するというのは前提なんですけれども、食の安全に関しては私は性善説に立っちゃいかぬと思いますよ。
 例えば、私が懸念をしていますのは、これは太いのを私なりに一生懸命読んでみたんですが、例えば原産地というのは難しいんですよね。例えば、うちの地元なんかはウナギの産地なんですが、実はずっとウナギを育てているわけじゃなくて、稚魚は中国で育てて、それを稚魚のままどんぶらこどんぶらこと運んできて、日本に送ってきて、三島で育てれば、三島の水がきれいなんで三島産ということになっているんですが、これは原産地証明はどうなんだという問題があるんですね。
 具体的に、今回のEPAでも、例えば種は海外から入ってきて、そして国内で植える場合は原産地で、メキシコでいいと。そこまでは何となくわかるんですが、例えば苗を日本に持ってきて育てて日本に輸出した場合に、これも原産地でいいという形になっているんですよね。それも含めて相当これは問題がある。
 税関として、これは農水省のマターだそうですが、そこまできちっとチェックをする体制をぜひ整えていただきたい、性善説に立たずに。これをぜひお願いしたいと思います。御答弁をお願いします。

○逢沢副大臣
 細かいことは農水の方からお答えいただきますが、お話しのとおりでございます。農産品、非常に難しいところがある。しかし、比率等につきましては、農産品はなかなか、確かに、我々が食べているマグロがボストン沖かメキシコ湾かわからないのと同じでございまして、なかなか迂回で来た場合はわかりにくい。
 しかし、問題は、工業品なんかで見られますように、現実に税関が相手の国の業者のところへ行って確認するというようなシステムになっていますから、そこまでやりますと、例えば日本のメーカーなどは、入ってこられたら、えらい迷惑で、スパイ行為と疑われることがあるわけですから、お互いにそこは協定をしながらやっていく。省令に近い直接的な協定を今検討しているところでございます。

○細野委員
 私は、そこの分野は国際的な枠組みをつくった方がいいと思います。どういうものが原産地としてきちっとした形で認められるのか。それをぜひ、これからも多分EPAを結ぶときはこういう原産地証明を求めるんでしょうから、それは一つ一つ積み重ねていくとして、そういう国際的な枠組みをぜひつくることに経済産業大臣としても交渉の前提に立っていただきたいと思いますし、特に外務省にそのことをお願いして、私ども、これは賛成でございますので、今後の取り組みとしてお願いして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。