12月19日

イラク特別委員会  

○細野委員
 おはようございます。民主党の細野豪志でございます。きょうは、久しぶりにこの特別委員会で質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 民主党は、十二月初旬に、米国に前原代表を中心といたしまして訪米団を結成いたしまして、現地のさまざまな政府関係者さらには議会の関係者と懇談を行ってまいりました。
 米国の中でのイラク問題に対する認識というのが、とみにこのところ厳しくなっているというのは、訪米をしたときも非常に強く感じてきたところでございました。特に、共和党の中でも安全保障について非常に見識を持っておられるヘーゲル上院議員なども、イラクの情勢については非常に予断を許さないということで、撤退も含めて、このことについての言及があったということでございます。
 そういう動きを恐らく反映してということだと思うんですが、このところ、ブッシュ大統領が、イラク戦争に関する、さらにはイラクの駐留に関する演説を立て続けに四回、十一月から十二月の頭にかけて行っております。
 まず冒頭、官房長官にお伺いをしたいのは、四回目の演説です。この部分でこういう発言がブッシュ大統領からありました。諜報機関が行ってきた調査については間違いがあることが明らかになったということでございます。その上で、大統領としては、開戦を決断した、このことについては責任があるということに言及をされております。その上で、諜報機関がなぜ間違ったのかということについてはしっかりと調査をする必要がある、直していく必要があるという趣旨の発言をされております。
 これは、原文を私は見ましたけれども、相当踏み込んだ発言で、大量破壊兵器がなかったということについての、過去も調査結果としては出ておりましたけれども、この誤りを国の指導者が直接認め、それについて率直に国民に対して、責任は自分にあると、半ばこれは謝罪をしたということになるわけでございます。責任を認めたということになるわけでございますので、これは相当重い発言ではないかというふうに私は思うのですが、まず、日本政府として、このブッシュ大統領の演説に対する評価をお伺いしたいと思います。

○安倍国務大臣
 ただいま委員が述べられたとおり、ブッシュ米大統領は十四日の演説におきまして、サダム・フセイン元大統領が大量破壊兵器を保有していたとの情報の多くは誤りであることが判明したが、大統領としてイラクへの進攻を決定した責任は私にある、このように述べました。一方、大統領は、サダム・フセインの経歴や九・一一テロの教訓を踏まえれば、私のサダム・フセインを放逐するとの決断は正しかった、サダム・フセイン元大統領は脅威であり、米国と世界は、彼が権力を握っていないことによって、よりよい世界に住んでいるのであるとも述べた、このように承知をしております。
 大統領は、当時の情報機関がつかんできた情報に対する評価と本人の判断について述べたわけでありますが、一方、結果として、現在、イラクにおいて復興が進み、そして民主的なイラクの建設が進んでいるということに対する認識も述べている、このように思います。
 また、つけ加えますと、我が国がアメリカ等による対イラク武力行使を支持したのは、イラクが十二年間、一九九〇年から二〇〇二年にかけてでありますが、十二年間にわたって累次の安保理決議に違反し続けてきたという認識でございます。そして、イラクが、国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力にこたえようとしなかった認識に基づく武力行使であった、このように思うわけであります。

○細野委員
 国連決議に違反したので、それで武力攻撃についても支持をしたんだという趣旨の答弁だったわけでありますが、一応過去を振り返ってみたいというふうに思いまして、資料をつくってまいりましたので、それを大臣も官房長官もごらんいただけますでしょうか。
 まず、この大量破壊兵器の問題については、二〇〇三年の二月五日、パウエル当時の国務長官が、安保理で、その存在について証明する演説を行っております。具体的には、化学兵器を貯蔵している兵器施設の衛星写真を示したり、また、目撃者の証言をもとに、生物化学兵器の施設があって、そこで数千人は殺害できる、そんな情報があるんだということを開示した。それに対して次の日に、数時間後ということになるんでしょうか、時差がありますから、川口外務大臣が、大量破壊兵器の隠ぺい工作が提示をされた、さらにはイラクの大量破壊兵器に関する疑惑がさらに深まったんだということを具体的に表明されているわけですね。
 その後の戦争の支持のときも、小泉総理大臣は大量破壊兵器について何度も何度も言及し、こういう言い方をしています。私は、大量破壊兵器に対する脅威、これが大きく、日本国民のみならず、米国民のみならず、世界の多くの人々が大量破壊兵器に対する脅威を強く認識し出したと思います、こういう大量破壊兵器に対する脅威がどのように取り除かれるのかということが今までも国際社会の大きな課題であった、こう答弁しているわけですね。
 これは流れからすると、ずっと見ていくと明らかなんですが、大量破壊兵器が存在をするということが前提で、日本はこの間ずっと、まあ一応説明をしてきたわけですね。これを前提としてきた責任は、やはりこれだけ米国の大統領が、当事者ですから、戦争の決断をした当事者が責任を認めるというのは、これは相当覚悟が要ったと思います。
 日本政府としてはこの部分の責任をどう考えるのか、大量破壊兵器を前提としてきた責任をどう考えるのかということは、これはアメリカの大統領が認めた後でございますからしっかり答弁していただきたいと思うんですが、官房長官、いかがでしょうか。

○細野委員
 まず、当時の国際社会の認識としては、イラクが累次にわたる安保理決議を無視し続けてきた、そしてまた、イラク自体は、かつてイラン・イラク戦争の際に生物化学兵器を使用して多くの人たちを殺した、そして、自国民であるクルド人に対しても生物化学兵器を使って多くのクルド人、自国民を殺したという実績がある、国際社会の中でも極めて希有な国であると言ってもいい、こう思います。
 そのイラクが、サダム・フセインの独裁体制のもとに、残念ながら、長い間国際社会が証明しろと言ってきた大量破壊兵器をもう既に持っていないという証明を行わなかった、証明をしようと思えばできたにもかかわらず彼らはその証明を行わなかったという事実があるわけであります。
 その中で、しかし、情報機関が収集した情報においては、ブッシュ大統領がそういう認識を示された、こういうことでございますが、日本政府がイラクに対する武力行使を支持いたしましたのは、累次にわたる国連安保理諸決議及び国連査察団の報告に基づきまして日本として主体的に判断をしたものであって、その判断は誤ってはいない、こう考えております。

○細野委員
 官房長官、もう一度整理してお伺いしたいんですが、パウエル国務長官を初めとした米国政府が大量破壊兵器の存在について証明しようとしたわけですね。しようとして、それを国連の場でも説明して、それをもとに日本は支持を表明した。日本としては、大量破壊兵器の存在が、今はこれはないということが明らかになって、この米国の決断を支持したということを、大量破壊兵器の存在を前提として国際社会にも説明し、国民に対しても説明してきたわけですね。
 小泉総理は、答弁の中ではこういうふうにも一度答えられている。もう過去の答弁ですが、フセイン大統領が存在しないことをもってフセイン大統領がいないとは言わないだろう、大量破壊兵器はあると思うと国会でも答弁されているんですよ。この問題、こういうふうに今まで答弁してきたことについての国民に対する責任は、官房長官はこれはないというふうにお考えになるんでしょうか。

○細野委員
 国際社会が、そして我が国が、フセイン大統領そしてイラクが大量破壊兵器を当時所有しているというふうに考えるに至る合理的な理由は存在をした、このように思います。

○細野委員
 司法上の裁判をやっていて、どっちが賠償責任をとるかという話をしているんじゃないんですよ。それを証明する責任はもちろんイラクにもあったと思いますよ。それは私も認めます。ただ、調査をした側のアメリカが、これは誤ったことを認めたわけですね。その責任を認めたわけでしょう。それを、全部イラクに責任があるから、その問題を軸に支持した日本政府に責任がないんですというのは、政治というのはやはり最後は結果責任ですよ、明らかにこれは責任を放棄していると思います。
 アメリカの大統領がお認めになった、大量破壊兵器の存在がなかった、責任があるということについて、それを即支持を表明した日本政府に、官房長官、本当にこれは責任ないというふうに強弁されるんですか。

○細野委員
 ブッシュ大統領が認めたことは、イラクに対する武力行使が誤りであったということを認めたわけではないんです。イラクに対する武力行使自体は間違ってはいなかった、しかし情報収集には誤りがあったということを認めたのであって、我が国としては、先ほど申し上げましたように、累次にわたる国連決議を無視している、そして、調査団の報告書等々をかんがみ多国籍軍の武力行使を支持した、こういうことであります。

○細野委員
 一回、いろいろ見解の違いはありますが、イラク戦争の是非はおきましょう。
 では、前提として、アメリカのブッシュ政権が大量破壊兵器の存在を証明しようとした。それが誤っていたわけですね。それを安易に信じた日本政府の責任はないんですか。これを信じて国民に対して情報を出した責任はないんですか。小泉総理は、大量破壊兵器はあると思っていると答弁しているんですよ。これをきちっと答えていただきたいと思います。

○細野委員
 当時の状況においては、先ほど申し上げましたように、イラクという国は、サダム・フセインの独裁下にあって、かつて大量破壊兵器を持っていて、そしてそれを行使した。そういう実績がある中において、疑惑を彼らは晴らそうとしなかった、国際社会が与えたチャンスを彼らは生かそうとしなかったわけであって、当然、我々が、彼らが大量破壊兵器を持っているということを、そう判断するのは極めて合理的であった、このように考えています。
 他方、武力行使を日本として支持したのは、累次の国連決議、そして調査団の報告等、それによって我々は武力行使を支持した、こういうことでございます。

○細野委員
 アメリカの大統領の演説の中では、大量破壊兵器を持っているとアメリカ政府が考える合理的な理由があったとは、そういうふうには言いわけしていないですよ。それは誤りだった、自分たちの責任だったというふうに認めた上で、いや、イラクが安全になったからいいじゃないかと、イラク戦争についてはきちっとまた違う評価をしているわけですよ。(発言する者あり)
 日本政府が、大量破壊兵器を持っていると考える合理的な理由があったと言うのは、これはいかにも役所の人が後からつじつま合わせで考えたんでしょうけれども、この部分についてはきちっと責任を認めるべきですよ。やじで、ブッシュに言えという話がありましたけれども、日本はブッシュ大統領を支持したわけだから。国民に対しても説明し、国際社会に対してもそういうメッセージを出したわけですから。誤った情報を信じたことに対する日本政府の責任はあるかないか。これは、この時点ではあるんですよ、どう考えても、ブッシュ大統領が表明をしたんだから。
 もう一度答弁を求めたいと思います。

○細野委員
 当時の状況の中において、多国籍軍が、イラクの危険性において、そしてまた累次の国連決議に反したということにおいて、国連決議のもとに武力行使を行ったわけでありまして、日本を初め多くの国々がそれを支持した、こういうことでございます。
 当時、我々がそう判断するに足る十分の理由があった、このように考えております。

○細野委員
 でも、例えばパウエル国務長官が当時国連で説明をされた後、大量破壊兵器の隠ぺい工作があったというふうにコメントしているわけでしょう。大量破壊兵器がその時点で存在していないのに、隠ぺい工作はなかったわけじゃないですか。これは誤っているんでしょう、日本政府自体の判断も。こういう誤った認識をしたということに関しての責任はないんですか。

○細野委員
 先ほど来申し上げておりますように、日本が支持をしたのは安保理決議に反しているということをもって、安保理決議に反しているのは事実でありますから、その事実にのっとって日本が米国を初めとした多国籍軍の武力行使を支持した。
 私たちが支持をした根拠は、あくまでも、安保理決議にイラクが十二年間にわたって反してきた、この事実であります。この事実は現在も変わっておりません。

○細野委員
 では、一つスペシフィックな事項について聞きますが、大量破壊兵器の隠ぺい工作があったというふうにコメントしていることに関して、これは誤っているわけですから、これはどうなんですか。
 国連決議があったから戦争を支持したというのは説明としてわかりました。大量破壊兵器の隠ぺい工作があったということにしていることについての政府としての責任はいかがですか。

○細野委員
 先ほど来申し上げておりますように、ブッシュ大統領初め米国側は情報収集を行ってきた。そしてその中で、ブッシュ大統領がその中の一部の情報には誤りがあったということは認めているわけでありますが、日本が支持をした判断の根拠は安保理決議に反しているということでございまして、その安保理決議に反しているという事実についてはこれは厳然たる事実であって、その事実があるということについては今も変わりがない、こういうことではないかと思います。

○細野委員
 では、違う観点からちょっと聞きたいと思います、この部分は答弁を変えられないようですから。
 もう一つ、この間、いろいろ注目すべき発言というのが元政府高官からアメリカで出ております。
 具体的に二点だけ指摘したいと思うんですが、二〇〇四年の二月三日にパウエル国務長官が、もしイラクが大量破壊兵器を持っていないという報告を受けていればイラク進攻を進めたかどうかわからないというふうに発言をされています。最近は、当時国防副長官であったウォルフォウィッツ氏が、これは二〇〇五年の十二月七日、イラクが大量破壊兵器を絶対に使わないという確証があれば、攻撃せずに反体制勢力を支援することも考えたかもしれないというふうに発言をしています。国務長官と国防副長官ですから、これは非常に重い発言だというふうに思うんですね。
 本当に率直にここはお伺いしたいんですが、多国籍軍の死者だけで二千名を超えているわけですね。先日、三回目のブッシュ大統領の演説ではイラク人の死者は三万人を超えているという発言も、公的にこれを認める発言がありました。これだけの犠牲者を出したことについての責任は、今復興支援していることとはまた別に、これは戦争そのものにあるわけですね。本当に大量破壊兵器があったならば、そこに差し迫った危機があって、では戦争を始めなければならなかった、先制攻撃をしなければならなかったという理屈は通るにしても、大量破壊兵器がなかったということになると、本当に差し迫った危機があったのかどうかというのは判断を迫られるわけですね。
 大量破壊兵器は存在をしなかった、その中で戦争が始まり、これだけの死者が出た。そのときに本当に差し迫った危機があったと判断したことについては、これは正しかったというふうに認識をされるんでしょうか。ウォルフォウィッツ氏が言っているように、他の手段はあり得なかったと。官房長官、戦争というのは最後の手段ですからね、他の手段はあり得なかったというふうに日本政府は言い切れるのかどうか、答弁を願いたいと思います。

○細野委員
 サダム・フセイン政権自体は、先ほど来申し上げておりますように、かつて大量破壊兵器を持っていて、そしてそれを実際にイラン・イラク戦争において使って大量の人たちを殺したわけであります。自国民に対しても使った。そして、国内で圧制をしいて多くの人たちを殺してきたのも厳然たる事実であります。そういう事実はまずしっかりと踏まえておかなければいけないんだろう、このように思うわけであります。
 そしてその中で、先ほど来申し上げておりますように、日本が多国籍軍の武力行使を支持したのは、累次にわたる国連決議に違反した、この点において我々は多国籍軍の武力行使を支持した、こういうことでございます。この点は現在も変わっていない、先ほど来申し上げているとおりでございます。

○細野委員
 当時この決定の責任者の一人であったパウエル氏とウォルフォウィッツ氏は、他の選択肢があったかもしれないというふうに今お答えになっているわけですね。日本政府としては、もう戦争しか手段がなかったんだということなんですか。他の手段はあり得たんではないか、大量破壊兵器がないということを今からトレースすれば。それについての判断を……(発言する者あり)それは当然、戦争というのは最終手段としてはあり得る、可能性を否定しませんよ。ただ、それはきちっと検証しないと、国際社会の中で。今、アメリカ政府の中でもそういう作業が進んでいるわけです。他の手段は日本はなかったというふうに言い切れるのかどうか、再度答弁を願いたいと思います。

○細野委員
 当時、サダム・フセインは、避けようと思えば避けられたんですね。それは、国連決議にしっかりと従って、なかったことを証明すればよかったんです。しかし、彼はそれを証明しなかったわけであって、そして国連決議に反したということであります。国連決議に十二年間にわたって、しかし十二年間、国際社会はサダム・フセインがしっかりと対応するということを忍耐強く、ある意味では待ってきたというふうに言ってもいいんだろう、このように思うわけであります。
 その十二年間待った結果、しかし最終的に彼らは、一四四一だったと思いますが、これはサダム・フセインに対して最終的なチャンスを与える、このチャンスをつかまなければ重大な審判になるという決議をした後も、サダム・フセインは残念ながら、イラクは、この国際社会の、国連の要求にこたえようとしなかったという事実があるわけであります。
 その中で多国籍軍が武力行使を行ったということについて、これは安保理において決議された安保理決議にのっとった行動であるということからもかんがみまして、また、累次の安保理決議に反しているという事実からして日本が判断をしたということは当時の判断であった。このことが間違いであったというふうには考えておりません。

○細野委員
 国連決議の一四四一にもいろいろな解釈があったわけです。これについて、最後の機会という言葉の解釈については、アメリカ政府、日本政府の考え方と他の安保理の理事国の中にも違う考え方の国があったわけですね。その中で、あえて日本がこの先制攻撃についても支持を表明したという責任は重いと思います。
 その上で、もう一つお伺いしておきたいのは、今の官房長官の答弁を聞いていると、アメリカが説明したことについて、日本はそれを信じる合理的な理由があって、そしてアメリカ政府もそれを信じる合理的な理由があって、信じて、それを前提に議論してきたんだ、そして、国連決議に違反しているので支持をするんだということなんですけれども、これは少なくともアメリカ政府に対して、この情報が誤っていた、日本はその情報の提供を受けているわけですから、その部分についての遺憾の意の表明というのは政府はすべきじゃないですか。
 残念ながら間違った情報をアメリカ政府が出してきたわけだから、同盟国だというのは認めますよ、ただ、アメリカ政府内でもこれだけ反省の言葉が出てきている中で、日本政府としては、それについて何らかの意思というのをアメリカに表明する考えはおありになりませんか。

○細野委員
 先ほど来申し上げておりますように、米国がこの武力行使を行ったという判断が誤っていたということはブッシュ大統領は言っていないわけでありまして、情報の一部に誤りがあったということをブッシュ大統領は述べているわけであります。
 我々は、米国が間違っていなかったというその判断、武力行使をするという多国籍軍の判断、その判断に対しては、これは累次の安保理決議に反しているという状況、そして国連査察団に対する対応等々から我々は多国籍軍の武力行使を支持した、こういうことでございます。

○細野委員
 政府として、この事実が間違っていたかどうかということについて協議をしたことはあるんですか。大量破壊兵器の問題について、事後的に検証するような協議をしたことはあるんですか。

○細野委員
 この情報については、随時これは日本側にも伝えられているわけでございます。

○細野委員
 今の答弁を聞くと、非常に無力感があるわけですよ。日本は自分で情報がとれなくて、アメリカが出した情報をそのままうのみにして、それをもとにイラク戦争を支持した。復興支援をした云々ということではなくて、その部分の決断について我が国はやはりある程度反省して、何らか次に生かすことをしないと、政治にかかわっている人間としては非常に無力感が私にはあります。
 最後にもう一つ、官房長官にお伺いしたいんですが、先日、党首討論の中で民主党の前原代表の方から、この一連の国連決議に関する、大量破壊兵器の存在に対する情報のやりとりを引用して、日本はもっと情報を少なくとも独自にとれる努力をすべきではないかということについての質問をしました。それに対して小泉総理は、アメリカ並みに情報がとれるわけがないじゃないかというふうに開き直って、結局、それについては前向きな答弁はありませんでした。
 強調しておきますが、日本が今から諜報機関をつくってアメリカ並みに情報をとれるとは全く私も思っていません。そんなことをすべきでもないと思っています。ただ、少なくともこういう情報がきちっと検証できるぐらいの、アメリカが出してきた情報を検証できるぐらいの、情報を管理する能力、きちっとこれを見ていく能力というのを日本政府としては目指すべきではないか。
 外交の主体性と戦略性という言葉を我々は最近よく使っていますが、その面から、この反省に立ってそういう能力を持つべきではないか。(発言する者あり)正直言いまして、この面について自民党の議員の皆さんからなぜやじが出てくるのかわからないんですね。我々は、きちっと情報を得て、そして判断するという主権国家として当たり前のことを今の政府はやる気がないのかということを問うているんですが、この面について、我が国は反省して、新しい取り組みをしていくというお考えはありませんか。

○細野委員
 情報収集につきましては、与えられた条件の中で今までも努力をしてきたわけでありますし、また委員御指摘のとおり、情報というのは、国際社会の中において、安全保障上また外交上も極めて重要なツールであるというのは認識をしていたわけでありまして、情報収集の充実についてはこれからも努力をしていかなければいけない、こう考えています。
 しかし、情報収集またその分析の難しさにおいては、今回、ブッシュ大統領が情報に一部誤りがあったということをお認めになったわけでありますが、それについては、国際社会の中でも最もすぐれた情報収集能力を持っている米国においてすらそうであった、また英国についてもそうであったわけでありまして、他の多くの情報機関もそうであったという事実もあるということは踏まえておかなければならないんだろう、こう思っております。

○細野委員
 アメリカが最も情報収集能力があることは認めますよ。それはこれからも恐らく変わらないでしょう。ただ、それはそれとして、きちっとアメリカ政府からの情報提供を受ける努力をするとして、情報というのは、これは当たり前の話ですが、お互いに情報を持っていて初めてやりとりできるわけですから、日本としてきちっと情報を収集していく、それを政府一体としてやっていくということに関しては、何か野党はだめなんじゃないかというようなことをおっしゃっていた方もいらっしゃいましたが、我々はそんなことはありませんから、きちっとやっていただきたいというふうに思います。これは強く要望しておきます。
 最後、もう五分を切っていますので、もう一つ、これは防衛庁長官にお伺いしたいと思います。
 撤退の問題なんですが、防衛庁長官、この間、参議院の委員会の中で、十二月十二日、英豪軍がいない中で、現地の治安部隊と陸上自衛隊だけでしっかりと従来のような復興支援活動ができていくことに自信があるかというと、そこまでは言えない、我々の立場から言えないというふうに思っておりますと答弁をされているんですね。英豪軍がいなくなっちゃうと、安全が確保できるかどうか、長官として責任を持てませんということをもう答弁されてしまっているわけですね。
 当然これは、実はうちの地元の部隊が出る可能性が今回ありまして、本当に頑張っていただきたいと思いますよ。ただ、安全に帰ってきていただかないとだめなので、絶対にこれは確保していただきたいのです。
 この答弁をされている以上、少なくともイギリス、オーストラリア軍が撤退を完了する前に自衛隊としては完了する、これはきちっと答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○額賀国務大臣
 お答えをいたします。
 この前私がお話をいたしましたのは、英豪軍が撤退したときに陸上自衛隊の活動はどうしますかということでございました。陸上自衛隊は、みずからの安全を確保するために、まず主体的に自分の宿営地内の安全を確保しています、あるいはまた、部族社会でありますから、部族社会の幹部の皆さん方と緊密な連絡をとり合いながら情報収集しております。と同時に、英豪軍の幹部の皆さん方と、連絡員等々を置きながら緊密なる情報収集を行っておる。そういう全体の中で安全確保を図りながら人道復興支援を行っているということでございます。
 その中で、我々は、英豪軍と緊密な連絡をとり合いながらみずからの安全を確保しつつあって、この二年間、だれも重大な支障がないまま人道復興支援活動をしてこられたわけであります。
 だから、現段階のような状況を、きちっと続いていくことであれば問題はないけれども、これが突然状況の変化が起こったときにどうするかということについては、その状況をよく見きわめていかなければならないという意味で私はお答えをしたわけでございます。
 例えば現状のような段階であれば、ほかの地域と比べればムサンナ県サマワ地域は比較的治安が安定をしているということでございます。仮に英豪軍が撤退をしたときに、その治安の状況は、例えば自衛隊でなくても、NGOでも民間の人たちでも人道復興支援の活動ができるのかできないのか、そういう状況を見きわめていかなければならないということが当然あります。
 それからまた、もっと治安状況が悪くなっていくような状況であれば、これもきっちりと見きわめた上で自衛隊の活動を考えていかなければならないということを申し上げたわけでありまして、英豪軍が撤退すれば、その状況について、そのときの現場の状況がどうなのであるのか、イラク自身の治安部隊の当事者能力がどういうことになっているのか、あるいはイラク全体の治安状況がどうなっているのか、今度選挙が行われた後の本格政府の統治状況がどうなっていくのか、そういうことをよく見きわめていかなければいけないという意味でお話を申し上げたわけであります。

○細野委員
員 時間が来ましたので、終わります。