4月22日

経済産業委員会  

○細野委員
 原子力関係の、特に電源特会に関する質問に入る前に、経産大臣の方に、東シナ海の問題について二つ、三つだけ先に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 先日、私も海上保安庁のガルフVという飛行機をお借りして、ちょうど中間線のあたりを見てまいりました。中国側が資源の開発をしている現場も空中から、かなり低空飛行をしまして見てまいりまして、改めて非常に危機感を持って帰ってきたところでございます。
 大臣の、ある意味での歴史的な政策の転換によって、試掘に向けて日本が一歩踏み出したことは、これは何度も申し上げていますが評価をするところでございますが、率直に言って、この試掘のあり方そのものについて我が国の法律が十分にできているのかということについては、非常に私は疑問を持っております。
 鉱業法の試掘手続になるんですが、具体的にどういう手続があるのかということを事前に伺いましたところ、審査の許可権者というのは、これは鉱業法によりますと、経済産業局長に許可を受けなければならない。経済産業局長とはだれかというと、それぞれの地域にいらっしゃるわけですね。今回の場合であれば、九州の経済産業局長に許可を受ける。さらに、鉱業権を与えるということになってまいりますと、これは都道府県の知事にも相談をかけなければならない。鉱業法というのは領土内における採掘を前提としておるものですから、こういう規定になっているというふうに理解をしておるんですが、果たして、これで国として試掘をするという体制になるのかということをまず一点、お伺いしたい。
 加えて言うと、最終的に着手ということになってまいりますと、政治的にもかなりリスクを伴いますし、私は現場を見てまいりましたが、率直に言って民間の調査船が行って試掘をできるような状況ではない。中国の旗を立てた船も相当動いておりましたし、すぐ先では中国側が試掘をしているわけでございますから、そういう環境にないというふうに思っておりまして、その着手の決定の主体ですね。経済産業局長がやるのか、それとも、民間があれするわけですから、鉱業権を与えたとして、経済産業局長が与えて、さあ、いざ掘るかどうかという判断は民間事業者がやれるのかどうか。そのあたりも含めて、大臣はどうお考えになっているか、まずお伺いしたいと思います。

○中川国務大臣
 今、物理探査、つまり船の上からケーブルを流して、それによって電波のやりとりで構造がわかった。構造の中には、中国側で開発が進んでいる地域と一帯である可能性が極めて高い地域もあります。実は我々が調査したのは、何も中間線にまたがっている、今話題になっております、問題になっております春暁とか断橋とか天外天とかだけではなくて、実はかなり広い水域をやっているわけでありまして、何もそこに当ててだけの調査ではなく、あの地域一帯の相当広い、三百五十万ヘクタールでしたか、かなり広い地域を調べたわけでありまして、その中で有望なところについて、既に鉱区設定を申請されている民間事業者の方々に対して試掘権を与える作業というものに今着手したということでございます。
 現時点においては、実際に、私やりたいと言って手を挙げている企業は今のところは正式にはないわけでございますけれども、しかし、そういう手を挙げることを前提に経済産業省として準備を進めているということでございます。実際に手を挙げられた企業がいらしたときには、これはまた、今御指摘のように、自治体との協議とかいろいろな作業がございまして、ちょっと一、二カ月時間がかかるということがございます。
 そして、試掘権を付与するかどうかということは、御指摘のように経済産業局長の決裁でございますけれども、先ほど確認しましたら、私の名前で試掘権を付与するということでございます。実務は経済産業局、この場合には九州経済産業局でありますが、そこがやることになりますけれども、最終的には経済産業大臣が試掘権を付与するということであります。
 さて、その次に、試掘をするかどうかということ、実際に穴を掘って試掘をするかどうかについては、現時点ではまだ、当該企業も、出てくるであろう企業も、あるいはまた経済産業省としても次の方針は決めておりません。
 ただ、この試掘の作業というのは、去年からやっております物理探査、つまり、実際に、極めて重要な石油天然ガスの資源が我が国のEEZの中にあるかどうか、あったらこれは確保すべきであるという前提の中の物理探査、そしてまた試掘権の付与、そして次のステップは試掘ということをするかしないか、そして試掘という一環の流れの中の作業であります。そこの判断をどうするかという前の段階で、今、試掘を申請している権者が、面的にやっておりますけれども、実際に手を挙げるのは、その中のどの地域に試掘をするかということを手を挙げてくるものだろうと予想しておりますので、そういう意味で、中間線のみならず、申請権者がどういう形で申請されるかを待っている状況でございます。
 ちなみに、御指摘のとおり、私も実際、飛んで上から見てまいりましたけれども、あの中間線の地域には、中国は着々と、平湖のように既に石油ガスを大陸に送っているところもございますし、間もなく操業開始と言われている地域もございますから、日本としては、万が一にも日本の排他的経済水域の中の貴重な資源が、国際法上、不法に吸い取られることのないようにしていくということも、日本の国益を守る観点から重要なことだという認識を持っております。

○細野委員
 試掘の決定、試掘権を与えるかどうかは、経済産業大臣が御自身で決めるんだというお話が今ございました。法律には書いていない事項でありますが、当然その決断は政治的に大臣にしていただきたいというふうに思います。
 そこで、実際に掘る場合のことを、もうそろそろ、先のことはわかりませんということではなくて、想定をして考えていかなければならない時期に私は来ていると思うんですね。その観点からこの間質問したのが、では、公船でやるべきではないかと。今、民間に対して試掘権を与えるかどうかという話をされましたが、公船でやるべきではないかという提起をこの間いたしました。それに対して、大臣は、今答弁があるんですが、きちっとした試掘のための船を確保すると。きちっとした試掘のための船というのは、公船のことを検討されるというふうに私は解釈をしたんですが、私は公船で掘るべきだと思っているんですよ。
 一つその前提として、外務省に確認をしておきたいんですが、国連海洋法上、公船とは一体何を意味するのか。海洋法の九十六条を見ると、「国が所有し又は運航する船舶」、これについては、船舶へのそれこそさまざまな妨害に対しては、管轄権が相手に行かない、こちらで確保できる、そういう法律構成になっているんですね。残念ながら、日本の場合は、国としては試掘をできるような船を持っていません。「所有し又は運航する船舶」というのは、国連海洋法上は、どこかから借りてくる、それで国がやるんだというときは該当するんでしょうか。外務省にこれをお伺いしたいと思います。

○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの公船のことでございますけれども、御案内のとおり、国連海洋法条約におきましては、公船という用語そのものは使われておりませんけれども、委員御指摘いただきましたとおりに、「国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるものは」「旗国以外のいずれの国の管轄権からも完全に免除される。」と規定されておるわけでございます。おっしゃったとおり九十六条でございます。したがって、こうした定義に当てはまる船舶であれば、免除を享受するものと考えられます。
 ある船が「国が所有し又は運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるもの」に該当するか否かについては、国と当該船舶との関係、当該船舶が従事する活動の目的……(細野委員「具体的に聞いているんだから具体的に答えて」と呼ぶ)はい、済みません。ちょっと前置きが長くなりますが、具体的に申し上げます。活動の目的等を勘案して、個別具体的な事例に即して判断する必要があるものと考えます。
 条約解釈上、これまで言われておりますところをまた申し上げさせていただきますと、例えば、民間の商船や漁船等は、「国が所有し又は」云々というものには該当せず……(細野委員「そんなこと聞いていないですよ」と呼ぶ)済みません。では、そこをちょっと飛ばさせていただきまして、条約上の話でございますけれども、この海洋法条約の第九十六条は、基本的には自国船舶の運航を想定しているので、外国船籍の運航の場合には、その国以外の外国からその船舶が免除を享受することについて疑義が提起される可能性もあり得ます。
 しかし、外国の民間会社が所有する船舶であっても、我が国が運航する船舶と条約上解釈する余地は排除されません。別の言い方を申し上げれば、仮に解釈論争が起きたと想定した場合に、これはあくまでも仮の話でございますけれども、外国の民間会社の船舶であることのみをもって、条約上の根拠を我が方がないと断定されるわけではございません。

○中川国務大臣
 訂正をさせていただきます。
 さっき、私の名前で出すと言ったのは、ちょっと間違いでございまして、細野委員御指摘のとおり、地方局長名で試掘権の許可を出す。ただし、私の下にいる人間でございますから、当然これは私も重大な関心を持っておりますので、私の判断が入るわけでございますけれども、規定上は細野委員が御指摘のとおりでございました。

○細野委員
 外務省の方の答弁は随分前置きが長かったですが、現実的には、外国の民間企業が持っている船を日本が借りてきて、日の丸を立てて試掘をした場合は公船と認定され得る、そういう解釈をされたわけですよね。そういうことでよろしいですか、再度確認させてください。

○石川政府参考人 これは論争は生じ得ます。論争は生じ得ますけれども、先ほど申しましたように、外国の民間会社の船舶であることのみをもって、条約上根拠を我が方が有さないと断定されるわけではない、こういうことでございます。

○細野委員
 外務省の方というのはどうしてもそういうふうになるのかもしれないんですが、海洋法というのは非常にグレーゾーンがあるわけですよ。それをある程度、国の、それぞれ国益に基づいて解釈をして行動してきているのが海洋法なんですよね。ですから、今の答弁というのは、いろいろやりとりをした中で初めてきちっと御答弁いただいたんですが、きちっとした形で借りてくれば公船になるということでございますので、大臣ぜひ、御答弁は求めませんが、公船による試掘を検討していただいて、鉱業権の取得という鉱業法の極めて限られた分野の話をするのではなくて、国として何ができるのかというのを外務省と話をしていただきたい、そう思います。これは私からの要望です。
 ここから少し電源特会のことに話を移していきたいんですが、まず、前の委員会の中で私がお願いをした資料、それを今回提示しておりますので、それをごらんいただきたいというふうに思います。
 今回、約二週間ほど時間がたっておるんですが、私が要求した資料に関しては、安達部長もいらしていますが、皆さんを中心に大変御苦労をいただいてきちっとした形で出していただいたということに関しては、心より敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。ただ、その上で、この中身については、私の方からいろいろやはり申し上げたいことがございますので、質疑の中で明らかにしていきたい、そう思います。
 まず、この膨大な資料なんですが、「原子力なんでも相談室」、一ページ目以下でございますが、これについてまず伺っていきたいというふうに思います。
 これはそれぞれ、大体年間五百件ぐらいの電話であるとかメールで相談を受けていて、それに平成十五年度でいえば約一億二千万ですか、予算がついていたという問題です。一体何に使っているのかということで、左に予算、そして平成十五年度の実績を示したのが、これが右の表になるわけですが、二つこの中で指摘をしなきゃならないことがあるというふうに思っています。
 一つは、そもそも予算の中に入っている事務室の賃料であるとか借料であるとか、(3)のところに書いていますが、資料の送付代であるとか出張説明旅費、外部研修費、それから運営検討会費、運営検討会をやると書いてあるんですが、これも行われていない。これは平成十五年度だけではなくて、十六年度も同じような資料が出てきています。さらに言うならば、今年度、平成十七年度の予算でも同じような予算がついているんですが、現実的にはそういうものは行われていないという予算と実績のずれ、そういう架空の予算を毎年組んできているという問題ですね。
 もう一つは、二ページ目のところに出ておるんですが、では何に使っているのかというと、実はデータベースをつくったり世論調査をしたり違うことに使っていて、合計すると一億二千万になりますという問題。この二点、何でこういうことになっているのか、まず政府参考人にお伺いしたいと思います。

○安達政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず最初に、事務室借料等の……(細野委員「個別のことは結構です」と呼ぶ)それぞれ経緯がございまして、実は借室料を払っていたときがあったんですけれども、途中で委託先が変わったときにそのまま積算に残っていたとか、そういうことがあるわけでございます。そういった経緯や当初の想定があったわけでございますけれども、結果的に、これらの経費について、複数年にわたり予算参考書の積算と実際の執行との間で乖離が生じてございまして、過去の予算執行結果が予算の積算に必ずしも十分フィードバックされていなかった面があったことは事実でございまして、適切ではなかったと考えてございます。
 したがって、今後、当省といたしましては、予算見積もり、現実の予算執行、執行結果の次の予算見積もりへのフィードバックといったプロセスが十分に機能するよう、十八年度予算要求までに、直近の決算結果を踏まえて、予算要求上の見積もりを変更する等の見直しを行ってまいりたいというふうに思ってございます。

○細野委員
 一つ一つ指摘していると切りがないんですが、これは予算参考書というのがあるんですけれども、それぞれの項目を見ていると、ほぼこれはもう建前の世界で、中身は違うんですよね。
 そのことは、この部分に関しては違うことに予算を使っていますというので、ある程度、ああ、そうなのかなという数字は一応出てきているんですが、大臣、「なんでも相談室」なんですが、私は原子力の情報公開は大事だと思うし、この事業自体は否定をしませんが、これをよく見ると、五百件のあれに答えるのに人件費が九百九十八・五人かかっていて、おまけにアルバイトの形で、臨時傭役費という、六番ですが、三百六十四・五人、単価が二万一千円。これは電力のOBの方を使っているということなんですが、毎日二人、三人張りつけて、一日に来る電話が二本です。電話回線を三本引いて、データベースを置いて、パソコンを二台置いて、これはいかにももったいない。予算消化のためにやっているとしか正直この予算は思えないし、実績も、これもよく見ても、私はそう思います。
 大臣、これは改める必要はありませんか。お答えいただきたいと思います。

○中川国務大臣
 改めます。
 実は、私からちょっと短時間お時間をいただいて、この電源特会の原子力の広報事業についての見直しというものを、きょう、まず当委員会に御報告をした上で、作業に入らせていただきたいと思います。
 まず、電源特会の広報予算総額の圧縮、それから見積もりと実態との乖離の是正、それから競争原理の全面的導入、外注比率の適正化、それから有識者から成るアドバイザリーチームへの照会手続の整備。それから、電源特会そのものの果たすべき役割、あり方についても、外部有識者の方々から御意見を聞き、きちんと基本から見直すということで、この「なんでも相談室」の人件費なんというのはその象徴だと思いますので、これを前回、そして今回の細野委員を初めとする当委員会の皆様方の御指摘、基本的にもっともだと思いますので、それを踏まえて抜本的に見直していきたいと思っております。

○細野委員
 まあ、改革をしようという意思はよくわかりました。
 ただ、ちょっと私がお話を聞いていてどうかなと思うのは、外部の有識者を呼んできてやりますということなんですが、これは外部の有識者に見てもらうとかいう以前の問題だと思うんですよね。いかに税金を大事に使うか、これを資源エネルギー庁の中でもやらなきゃならないし、会計検査院も財務省もいるのに、一体何をやっておったんだという問題だと私は思うんですよ。
 一つ、私が一番、この出てきた資料を見ていて、やはりどう考えてもおかしいなと思うのは、実はホームページなんですね。その資料をちょっと説明して、それについて財務省の見解もぜひ伺いたいと思います。
 この原子力について、八ページ以降になっているんですが、これも予算と確定額を見ていると、調査が行われていなかったり、検討会があると言っていてこれがなかったり、連絡協議会があると書いてあるけれどもなかったり、そんな話ばかりであります。それを一つ一つもう改めて指摘しませんが、平成十五年度に三億四千万で予算が組まれていて、そして決算額が二億ちょっと。さらに平成十六年度に行くと、これは予算額が三億五千万に上がっているんですね。三億五千万に上がっているにもかかわらず、実績額が一億三千万。
 これは私、率直に資源エネルギー庁に聞きたいのは、随契でやっているわけですよね、随契で。社会経済生産性本部に対して随契でやっていて、契約というのはもう平成十六年の夏ごろには行われているわけですね。実際の改修も、十七年には、もう行われていて、三億とか二億というお金はかかりようがないんですよ、毎年随契でやっているんだから。前の年に随契で一億三千万で投げておいて、平成十七年度、ことしに関しても、これは二億九千万ですよ。三億で出している。
 もう絶対かからないにもかかわらず、わかり切っていることに関してこうやって予算を出すことは、私は、これはもう本当に重大な予算執行上の問題だと思いますが、資源エネルギー庁、これはどうなっているんですか。
 ちなみに、先日、予算は立てるんだけれども実績で異なることがありますというような答弁を参議院の方でもされていますが、これは違いますよね。随契で毎年出しているところに大体決まった予算で出しているんだけれども、予算では三億立てているわけだから。その乖離をどう説明するか、お答えいただきたいと思います。

○安達政府参考人
 お答え申し上げます。
 このホームページの運営に当たっては、社経生に委託しているわけでございますが、そこから先に入札を行う場合には競争入札なんかを行って、その結果、予算の執行額が、見積額が小さかったわけでございます。
 ただ、そういう……(細野委員「見積額じゃないでしょう」と呼ぶ)それで、その執行額が次の年の予算の見積額にフィードバックされていなかったというのは、先生御指摘のとおり、適切でなかった点があるというふうに考えてございます。

○細野委員
 いや、部長、おかしいですよ。見積もりなんて出させていないでしょう。これはもう投げているんですよ、随契で。実績が反映されていなかったじゃなくて、経済産業省とそして社会生産性本部の間のその年の契約をして、もう固まっているわけですよね、平成十六年度に関しては。それと同様の作業をするのに三億予算で立てるというのは、おかしいじゃないですか。

○安達政府参考人
 実際は支出したものだけ確定で支出してございますので、予算の額が社経生に流れているということはございません。

○細野委員
 一億三千万で投げていて、一億三千万以上の請求を生産性本部からしてくることはあり得ないですよね。わずかながら下回ることがあっても、それが上限ですよ。
 部長、いいですか。それよりも、もうそれが確定しているのに、次の年にさらに二倍以上の予算を出すというのは、明らかに、初めから使わないとわかっているのに予算を立てている、そのものじゃないですか。

○安達政府参考人
 お答えいたします。
 予算額で契約しているという実態はございません。この確定額で最終的に契約してございます。
 それがフィードバックされなかったというのは適切ではなかったというふうに考えてございます。これはちゃんとフィードバックして、次の年度の予算の見積もりにきちっと反映させるべきものだというふうに考えてございます。

○細野委員
 では、時間も大分短くなってきたので財務省に聞きたいんですが、特会のチェックというのはどうなっているんですか。この予算書、本当に参考書は財務省として見ているんですか。これは本当に、現場の方に聞きましたら、やっています、やっていますとおっしゃるんだけれども、省としてはどういうふうに取り組んでいるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

○杉本政府参考人
 先生御指摘の予算参考書の積算とその執行の実態が乖離しているという点でございますが、予算の執行は執行官庁の責任のもとで効率的、効果的に執行を行っていただくというのが基本だと考えておりますが、問題とされております事業のように、支出実績がない費目を特段の理由なく積算に含めるということは適当でないと考えております。
 予算のチェックにつきましては、財務省におきましては、予算編成過程におきまして、要求官庁から提出される予算要求につきまして、必要に応じてヒアリングを行って査定作業を行っているところでございます。今般の電特の広報事業についても、こうした執行実態が明らかとなり、今後執行官庁において実態を踏まえた要求としていただく必要があると考えておりますが、私ども財務省におきましても、執行状況にさらに注意を払っていきまして、執行と要求が大きく異なっていくということであれば、予算査定に適切に反映していくことが必要であると考えております。
 プラン・ドゥー・チェックという観点を近時予算の方に非常に重要だという観点から考えておりまして、そういった観点から予算のチェックも引き続きやっていきたいと思っておりますが、そうした観点で要求官庁の要求をしっかりと見ていきたいと思っております。

○細野委員
 この資料を出してもらうときに、実は二週間時間がかかったんですね。ただ、これは細目を出してもらったので時間がかかったというところは理解をしますが、そもそも、それぞれの事業についてどういうふうに使っているかというのが照合できる形になっていれば、もっと早く出てきたはずなんですよ。そういうチェックの体制になっていないから、これをつくるのにも物すごく膨大な時間がかかった。反映されていない何よりの証拠だと私は思っています。
 では、財務省に確認をしますが、今までそういうふうに経済産業省はやってきた、資源エネルギー庁がやってきて、それに対して財務省はチェックをしてきたと言っているけれども、これは、今まで適切にチェックをしてきた結果、こういうふうになっていたということなのか、チェックが甘かったという話なのか、そこをどう考えるんですか。

○杉本政府参考人
 予算編成作業におきましては、要求官庁の方から要求書に基づいて説明を受けているところでございますが、今回問題とされている項目については、必ずしも説明の聴取を受けていなかったというところであると思います。
 いずれにせよ、予算編成作業、限られた時間で、限られた資源といいますか限られた人材ではございますが、できる限りのことはしなきゃいけないと思っておりまして、そこは要求官庁と適切にタイアップしながら、信頼関係を持ちながらやっていくべきことだと考えております。

○細野委員
 今、財務省の方からとエネ庁の方から、大臣の方からもそれぞれ答弁があったので、ここでちょっと話を大きな話に移していきたいと思うんです。
 実は電源特会の予算というのは、私が主にやっているのは立地勘定の方なんですが、全体の予算の中で毎年余剰金が一千億出ているんですね。最近整備資金という新しい資金をつくって、そこに一千億をつけていますが、それでも、これを除いても予算の執行率というのは大体六割なんですよ。四割余っている実情なんですね。四割余っているにもかかわらず、さらにこれだけむだ遣いがあって、今財務省の方もエネ庁の方も節約をしますということになると、さらに余るんですよね、今の構図だと。
 これはどうしますか。財務省も余らせちゃいけませんよと言いながら、一方で節約をしなさいと言っていると、この乖離がますます広くなるわけですよね。
 私は、解決策は二つしかないと思っていまして、一つは、もうこの特会のあり方そのものを大きく変えて、使う先を大きく転換する。石特とエネルギーの別の特会もありますが、それも含めて、我が国は何にお金を使っていくのかというのを抜本的に見直す。この中で解決するのは無理だと私は思います。今のジレンマは解決できません。
 これが本来の姿ですが、それがすぐにできないのであれば、とりあえずこれだけ余っているんだから減税するというのが、私は納税者に対する責任だと思います。大臣がどうお考えになるか、お聞かせいただきたいと思います。

○中川国務大臣
 特会というのは、御承知のとおり、一つの大きな政策目標のために、いわゆる別勘定として立てているわけでありますから、目的そのものが重要でないとか、もう使命は終わったということであれば、それは話は別でございますけれども、この電源特会は、いろいろ問題点は、先ほどから御指摘のとおり、そしてまた私が指示したように、問題点があったことも事実でございますけれども、目的そのもの、その使命というものは、現時点においても、将来に向かってもまだまだ大きいものがあるというふうに判断をしております。
 ただ、もちろん、だからむだ遣いをしていいということでは毛頭ございませんし、節約に努めるということは、これはもう基本であります。ただ、余っているからどういうふうにするかということは、ほかに足りないところもあるから振り分けたらいいじゃないかとか、そこは法律上の観点もございますけれども、やはりこの電源特会は、いろいろな意味で、突発的なことも含めて必要な財源でございますので、きちっとした性格、かつ、もちろん乱用は避ける。
 先ほど報告をいたしましたが、冒頭に申し上げなければいけませんでしたけれども、いわゆる会計法上の不正はなかったわけでありますけれども、しかし不適切なものがあったことは、もう細野委員の御指摘のとおりでございます。そういうことで、これは余っているというよりも、必要な財源をこれからの特会の目的のために有用に使うようにしていくことが、この特会の使命を果たすことだと思っております。

○細野委員
 むだな支出があるので、それは節約するんですという話ですよね。
 特会の問題点は、入ってくる税収はほぼ一緒なんですよ、電力需要が大きく下がるとか上がることはありませんから。入ってくるお金が一緒なんだけれども、節約をすれば必ずお金が余るんです。それは、大臣がイニシアチブをとって、これからすぐ予算の策定作業にも入られるんでしょうから、何をつくるかというアイデアがないと、これは全然改革にならないんですよ。では、何に使うんですか、余ったお金を。今余っている、そしてこれからさらに余ってくるお金を、では特会の中で何に使うんですか。

○中川国務大臣
 まさにいい御指摘でございまして、いいアイデア、この特会の目的のためにいいアイデアをどんどん、いいアイデアというか、こういうことが必要だという政策的なニーズというものがあれば、それに大いにこの特会の資金あるいはまた機能を活用していきたいというふうに思います。また、そういうアイデアを、使うために生み出すのではなくて、政策上必要であるからアイデアが生まれ、そのための、政策遂行のためにこの特会のお金を使うということによって目的達成をするということも十分必要だと考えております。

○細野委員
 担当大臣にしては随分のんびりした答弁だと思いますよ。一般会計は火の車であって、毎年四十兆赤字が出ていると大騒ぎになっていて、国として七百兆だ八百兆だと言っているときに、使い方は決まっていませんが、皆さん、アイデアをくださいみたいな話は、この特会の現状を考えれば通用しませんよ。ここで答えを出せとは言いませんが、もともと矛盾を抱えています。抱えていますから、本気でこの改革、また特会で集中審議もやれそうですので、そのときに御答弁をいただきたいというふうに思います。
 きょう、実は一番やりたかったのはもう一つの方なんですが、時間もなくなってまいりましたので、あと十分ほど時間をかけて、電源特会の使っている先、ではどこにどういうお金が流れているのかということについて少し話を移していきたいというふうに思います。
 同じく経済産業省に出していただいた資料、A3のものとA4のもの、二つ持ってきましたが、このA3の方をごらんいただきたいんです。これは電源特会の中の広報関係費、平成十五年でいえば九十五億円ですね。その中で、財団法人なんかで上位のものをずっと並べたのがこの表です。ごめんなさい。A4の方がその金額ですね。社会経済生産性本部がトップに来て、日本立地センターが二番。そこからずっと電源関係の財団が並んでいるわけですが、聞くところによると、上位の五つが大変この分野でよく名前が挙がってくるというふうに私は聞いてまいりまして、それで、ではどれぐらいの人員で何をやっているところなのかを調べる材料としてA3の資料を出していただきました。
 それぞれ予算の相当の受け口になっているので、それは後ほどやりたいと思うんですが、特にまず経済産業省にお伺いしたいのが、経済産業省が所管をしている二番目の日本立地センター、そして電源地域振興センター。例えば二番目の立地センターに関していうと、職員が大体、足元でいえば平成十六年で二十七人、役員が二十九人もいるんですね。職員より役員の方が多いんですよ。これは一体どうなっているのか。
 ちなみに、公益法人の設立許可及び指導監督基準というのが平成八年に閣議決定されているんですが、そこにはこういうふうに書いてある。「理事の定数は、法人の事業規模、事業内容等法人の実態からみて適正な数とし、上限と下限の幅が大きすぎない」ようにすることと書いてあるんですね。これは明らかに閣議決定違反じゃないですか。
 これは担当の役所としてどう考えるのか、お答えいただきたいと思います。

○薦田政府参考人
 お答えいたします。
 今御指摘のように、日本立地センター、役員数、総数は二十九名となっておりますけれども、この大半は、実は、この日本立地センターというのはまさに工業立地等をやってきたものですから、全国的に展開をするということもございまして、各県の知事であるとかあるいはいろいろな業界の幹部の方、こういう方が非常勤の役員として入っておられるということでございまして、ここにございますように、実際の常勤の役員等、これは理事と監事を含めたものでございますが、これについては六名ということになっておるところでございます。
 そういうことで、監督基準には合致をしているというふうに考えております。

○細野委員
 監督基準には合致をしているという話なんですが、そうすると、もう一つ実はこの閣議決定に反するんですね。
 というのは、確かに立地センターの場合は、二十九人役員がいて、常勤が六人、理事でいえば二十四人と五人なんですが、この五人のうち、経済産業省から天下っている人が三人いるんですね。この閣議決定の同じ項目に、理事のうち、所管する官庁の出身者が占める割合は、理事全体の三分の一以下にすることになっている。これは六割ですよね。では、これはこっちに反しているじゃないですか。どうなんですか。

○薦田政府参考人
 お答えいたします。
 私どもといたしましては、この指導基準というのは、全体の意思決定にかかわる、これに対するある一部の者が大きな力を持たないようにということでできているものでございます。そういうことで、基準につきましては、全体の理事数、そして、先ほどでありますと役員総数二十九名になりますが、そのうちの三分の一を超えないというふうに我々は解しているところでございます。

○細野委員
 今のは矛盾しているんです。
 いいですか。適正な理事の数を確保しなさいと言ったら、非常勤だから数に入れませんと答弁したんでしょう。そう言っておいて、では三分の一を超えているじゃないかと言ったら、全部入れるんですと言う。それは矛盾しているじゃないですか。

○薦田政府参考人
 お答えいたします。
 当然、法人としての経営にかかわります意思決定というのは、総数、まさに、理事でありますと二十六名によってなされるというふうに理解をしておりまして、こういうことから、この中で、先ほど申し上げましたような、三分の一を超えないということが適用されているというふうに理解しております。
 ただ、まさに職員の数とのバランスにおいてどうかと言われたときには、やはり実際に常にそこに座っておられる方ということが重要であろうということで、先ほど申し上げましたように、常勤は理事数として五名になっているということをお答え申し上げたところでございます。

○細野委員
 全く矛盾しているんですよね。
 三分の一以下にするためには、理事をたくさん並べて名義を貸せばいいんですよ。それで一定の役割を担っている方もいるかもしれないけれども、どう考えても、理事として影響力を行使させないためにちゃんと雇っている、お金を払っているというのであれば、職員数二十七に対して二十九というのは多過ぎるじゃないですか。どっちかですよ。
 さらに言うと、もう余り時間もないんですけれども、この立地センター、電源地域振興センターの二つというのは、それぞれトップが資源エネルギー庁のOBの方、経済産業省のOBの方が、細かいことは言いませんが、二千万ぐらいの給料をもって理事長をやっているんですね。それぞれで、例えば電源地域振興センターであれば、仕事を受けて、それを外注という形で立地センターに流しているようなものもあるんですよ。これは明らかにお手盛りじゃないかというふうに言われてもしようがない。
 全体に、金額は実は限られたように書かれていますが、振興センターのホームページを見まして、収支を見たら、振興センターの収支、固まっているのが十五年ですが、全体の収入額が二百八十四億円、そのうち補助金等の収入が二百七十二億円、そのうち二百九億円は原子力関係の予算だというふうに書いてあります。これは割合でいうと九六%、ほとんどの収入が補助金で成り立っていて運営をされている、そういう財団なんですよね。私は、これも実は閣議決定に違反をしているというふうに思っていまして、補助金の収入が三分の二以上を占める公益法人に関しては、その補助金の依存体質の解消を図るというふうに書かれている。これも閣議決定違反ですよ。
 もう一つ言うと、この振興センターの予算というのは、受けられて、それをまた外注しているものも結構あって、これは経済産業省のホームページでも、きょう朝、発見をしましたが、五〇%を超えて外部委託をしているものは結構あります。いわゆる丸投げというものですね。一回受けて、違う団体に投げている。そういう事業が一番多いのも、この電源地域振興センター。
 これ、今まできちっと監督をしてきて、閣議決定は守ってきているんですか、経済産業省として。これは担当者に御答弁いただきたいと思います。

○小平政府参考人
 お答え申し上げます。
 電源地域振興センターの収入に占めます補助金の割合につきましてのお尋ねでございますけれども、これは、国からの直接の補助金の比率をこの閣議決定においては規定をしているところでございまして、平成十五年度決算ベースで見ますと電源地域振興センターにつきましては一六%ということになっておりまして、私どもといたしましては、この閣議決定の趣旨にのっとって運営をされているというふうに考えているところでございます。

○細野委員
 それはへ理屈でして、電源特会の予算というのは、国に一回入りますが、国ももちろん支出をしますが、交付金という形で地方に流れるわけですよね。それを受けて、この事業者は九九%とか九五%でやっているんですよ。この閣議決定は何と書いてあるかというと、補助金依存体質の公益法人の解消を図るというふうに書いてあるんですね。この趣旨からすると、九五%や九八%というのは明らかに補助金どっぷりで、これだけでやっているということじゃないですか。これはどうなんですか。長官にもう一度御答弁いただきたいと思います。

○小平政府参考人
 お答え申し上げます。
 今、先生御指摘ございましたように、県等からの委託費によります電源地域振興センターの収入、このセンターにおきましては相当な比率になっていることは事実でございます。
 他方、地方公共団体からの委託につきましては、交付金を財源といたしております場合も、あくまでもこれは地方自治体の判断によりましてこのセンターに委託をしているということでございまして、県によりましては、このセンターに委託せずにほかのところに委託する、あるいはみずから使っているというケースもあるわけでございますので、そういう意味では、国からの直接の補助金と地方自治体からの受託収入というものを全く同等に扱って補助金の比率が高いというふうに判断するということは、この閣議決定の趣旨、補助金に対する依存度の低減ということに照らしましても、私どもといたしましては問題はないものというふうに考えております。

○細野委員
 細かい議論はここではやめようと思いますが、大臣に最後にお伺いしたいと思います。
 これだけむだ遣いがあって、そして、電源特会は問題だという議論を今しているんですね。これは本当に金額でいえばわずか、広報費全体の中で言えば百億弱ですから、全体の中でいえばもう何十分の一ですよ。この金額についてこれだけあって、しかも、それぞれの財団を見てみれば、実際に働いている理事の六割とか七割が経済産業省から天下っています。そこで電源特会の予算を受けて、さらに関係の団体に投げたりしている。丸投げをしているケースもある。人件費だけ削って丸投げをしているケースもある。
 これは本気で正さないと、さっきの大臣のような悠長な答弁でこの構図を直せると思いますか。大臣、ぜひ御答弁をいただきたいと思います。

○中川国務大臣
臣 今我々が見ている資料は、経済産業省が細野委員の御指摘に基づいてつくった資料でありますけれども、財団法人、法人として、職員数よりも役員数の方が多いというのはちょっと私も考えられない。幾ら常勤、非常勤の区別があるとしても、じゃ、例えば二十九人と二十七人の財団で二十人以上の非常勤の方がいらっしゃるとすれば、何人かの常勤を追加して雇えば非常勤は要らないぐらいの仕事量をこなせるんじゃないかとか、いろいろなことを今この資料を見ながら思いました。
 そういう意味で、閣議決定云々、違反か違反じゃないかとか、あるいはまた天下り云々という話以前に、この財団の組織としての人的構成がちょっと、こういう法人というのはかなり普通ではないような感じがしますので、これも含めてちょっと私も内部で検討をしてみたいと思います。

○細野委員
 経済産業省には改めてお願いをしてあるんですが、独立行政法人、特殊法人、そしてこういった公益法人に相当の金額が特会から流れています。実はそれぞれについていろいろな問題が背景にあって、それを解決しない限りこの問題の本質は解決できないというふうに私は思っております。財団にもいろいろあるんですよ、民間の人がやっている財団もあります。ただ、お手盛り財団があるんですよね。それをしっかり見ていただいて、実は私のところには、こういう質問をしていると、いろいろなところからいろいろな情報が来ます。経済産業省はリベートをもらっていないと言ったけれども、ある企業が、電源特会を受けている財団からもらっているのをリベートを要求されましたみたいな内部情報はいっぱい来ます。
 電源特会の予算はおいしい、普通の予算よりも少し、少しじゃないですね、大幅に優遇されていて、そこに実はのり代があって、それを食い物にしているという構図が間違いなくあるというふうに私は考えています。その部分については、まあ予算の全体のむだ遣いは明らかになったわけでありますが、本当に特殊法人のお金の使い方とか法人のあり方そのものについては引き続きやっていきたいというふうに思っていますので、まず経済産業省の方には引き続きまして調査をお願いして、質問を終わりたいと思います。
 以上です。