7月15日

経済産業委員会  

○細野委員
 この問題について、時間が限られておりますので論点を絞って聞いていきたいと思うんですが、まず初めに人事院の方にお伺いをしたいんですが、今回、中富氏に対して下された諭旨免職というこの決定なんですが、諭旨免職というのは、私が知る限り、国家公務員法上の懲戒の処分には入っていないということなんですね。いわゆる依願退職、希望退職と諭旨免職の制度的な違いはどこにあるのかということを人事院から教えていただきたいと思います。

○藤野政府参考人
 ただいま御指摘ございました諭旨免職というのは、一般に、重大な非違行為を行った職員を諭して、当該職員に辞職の申し出を求め、これを承認するという一連の行為をいうものと承知しておりますが、国家公務員法及び人事院規則に規定されている用語ではございませんで、国家公務員制度におきましては、いわゆる依願退職を意味する辞職、すなわち職員の意による退職というものに分類されるということでございます。

○細野委員
 基本的に、自分でやめた場合と法的には全く同じだということなんですね。
 では、もう一つお伺いしますが、全省庁の中で今まで諭旨免職が何件あったのか、それがどういう事由に基づくものなのかということを人事院として把握されているかどうか。さらにもう一つ、諭旨免職をした場合に、その公表はだれが判断をし、どういう義務が課されるのか。これについてお答えいただきたいと思います。

○藤野政府参考人
 一般職の国家公務員の辞職の件数でございますけれども、地方自治体等との人事交流による辞職等もございますので、これをちょっと除きまして退職者の数を申し上げますと、平成十五年度は約三万二千件、平成十四年度は約二万七千件でございます。
 先ほど申し上げましたように、諭旨免職という形の分類での統計は把握しておりませんので、そのうち諭旨免職何件ということについては、私どもとしては把握をしておりません。また、それらの辞職のうちで、個々の案件について各省においてどういう形で公表されているかについても、私どもとしては把握しておりません。

○細野委員
 要するに、諭旨免職というのは依願退職と制度としては変わらないわけですね、大臣。しかも、これは公表が義務づけられていないわけですよね。そういう制度で、この中富さんという方がおやめになりました。
 そこで、経済産業省の官房長の方にお伺いしますが、六月六日に中富さんが退職をしたときに、これは課長として退職をされていますから、当然、後任人事があるわけですね。そのとき、六月六日の時点で大臣のところに説明に行っていますね。このとき、どういう御説明をされたんですか。

○鈴木政府参考人
 お答え申し上げます。
 大臣に対しましては、中富前室長から辞職をしたいという申し出がありましたという御説明をしております。

○細野委員
 要するに、六月六日にそのことは、辞職を報告して新しい人事も大臣に報告したんだけれども、この諭旨免職をしたということは言っていないわけですね。しかも、そのままやり過ごして、二十三日に朝日の新聞が出るということが明らかになった二十二日になって、大慌てで報告をしている。
 このタイム差に大きな問題があるわけですが、さっき櫻田委員の質問に対して、限られた情報であったので報告をしなかったということなんですが、これは事務次官も知っていて、官房長も知っていて、そこで今回は限られた情報なので、じゃ、情報が集まってから情報は大臣にお伝えをしましょうということで、相談をして決めたということでいいんですか。

○鈴木政府参考人
 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、大臣にはある程度の事実関係を把握してから御説明しようと思っていましたところ、捜査当局とのいろいろな問題がございまして、調査に時間がかかり、ようやく二十二日に至り、ある程度の全体像の把握ができ、また、北畑経済産業政策局長の処分案も策定できたことから大臣に説明をし、当該処分案について了承を得ました。
 その後、中富前官房企画室長及び北畑経済産業政策局長の処分を公表する必要があって、捜査当局の間で公表の仕方について調整を進めて、調整が終了した二十三日に公表をした次第であります。(細野委員「事務次官と相談したのかと聞いている」と呼ぶ)はい。事務次官とはすべて相談して行っております。

○細野委員
 では、ちょっと聞きたいんですが、官房長、六月の六日に諭旨免職をしているわけですよね。こういう悪いことをしたので、あなたはやめるべきだと諭しているわけでしょう。限られた情報で何が事実かもわからない、大臣にも報告できないのに、何で諭して、そこでやめさせることができるんですか。こんな無責任な話はないじゃないですか。

○鈴木政府参考人
 お答え申し上げます。
 それは、中富前企画室長が捜査当局からかなりいろいろなことを言われておりまして、私どもは、中富前企画室長から話を聞いただけで、そのとき、どういう資金を使ったのかとか、要するにどういうプロジェクトであったのか、そういう背景事情は全くわかりませんでしたが、中富前企画室長は捜査当局からかなりいろいろ詰められておりまして、彼自身としてはそういうことを自分の非を自覚しておりましたので、私どもの方からどういう責任をとるんだと言ったら、彼はそれに気づいてやめたいと言ったということでございます。

○細野委員
 私は、諭旨免職という制度自体がこれが非常に、公開も義務づけられていないし、内部の処分なんですよ。実際何か、聞きましたら、経済産業省の中で諭旨免職というのは今までやったことがほとんどないらしいですね。そういう制度なんですね。
 そして、六月の六日に大臣に、報告に行く義務がなくて報告していないなら遅くなるというのは、これはわからないではないですよ。そのときに報告をしていて、しかもその話をしていない。事務次官とも、大臣、相談をされているわけですよね。私は、周辺状況を総合して考えれば、これは間違いなく報告するつもりはなかったと思います。
 もう一つ言うと、大臣、先ほど、公務員法の倫理規程があって、懲戒についてはいろいろ、本指針があってそれに基づいてというふうに書いていますが、これによると、確かにそういう基準は個別に書いてありますが、処分の量定を決定するに当たっての参考に供することを目的としているというふうに書いてあるんですね。加えて、標準例に掲げる量定以外とすることもあり得るというふうに書いてあるんですね。
 私は、後からやりますが、これは間違いなく横領だと思うんですよ。公金の横領なんです。そうでしょう。競輪の金が回ってきて、そしてそれを私的にわざわざ口座からおろして株に使っているんですから、横領なんですよ。
 なぜ、今、法務省が横領ということで取り締まりがきちっとできないかというと、これは、それこそ日自振とか産研が横領された金を、持っていかれた側が告訴していないからなんですよ。
 何で告訴しないんですかということを、これを我々は推察するに、これは日自振も産研も天下り団体になっていて、経済産業省がトップで、常任の理事は全部経済産業省OBですよ。だから、これは告訴していなくて、今のところ横領になっていないんですよ。これは、私は大臣のリーダーシップを発揮するべきだと思いますよ。明らかに横領ですから、今後そういう展開になる可能性もあると思いますが。
 大臣、今の話を総合して、この諭旨免職という決定が妥当なものかどうか、お答えをいただきたいと思います。

○中川国務大臣
 今、細野委員が御質問をされた大半は、私は、六月二十二日の午前中、次官、官房長から報告を受けて、同じような質問を次官、官房長にいたしました。いずれにいたしましても、できるだけ早くこれは公表した方がいい、しかし捜査当局との関係もあるのでということで、とにかくそういうことの問題点が解決されたらできるだけ早くこれは公表した方がいいと。当省職員の身分に関することですから、しかも決していいことでやめたわけではないわけですから。やめる場合にはやめる理由、例えば選挙に出るとか民間で活躍するとか家業を引き継ぐとか、いろいろな理由があるわけでありますけれども、こういう事由であったということは二十二日になってということであったわけであります。
 そういう意味で、今御質問の御趣旨は、私自身も政治家として、常識として私も十分御理解のできる御質問でありますし、現在、諭旨免職でやめた、その後退職金を返した、だから本人を含めてこの件は一件落着ではない。むしろ徹底究明をしなければいけないので、内部調査に加えて外部調査、あるいはまた当委員会での御審議をしているところでございますから、本人も含めて、現職、OB含めて、身分あるいは処分についてはまだまだ最終ではない、現在進行形であってとりあえずという認識で私自身はおります。

○細野委員
 残りはちょっと法案質疑の中でもやらせていただきたいと思いますので、これで初めの質問は終わります。