○細野委員
厚生労働省、来ていただいていますでしょうか。済みません、ありがとうございます。
早速ですが、二十七日にキヤノンが、偽装請負の問題に端を発して、千人を正社員にするということを発表しました。
まず、この問題に対する厚生労働省の見解をお伺いします。
○松野大臣政務官
若年層を中心といたしました非正規雇用の増加、その固定化については、将来の格差の拡大につながりましたり、また少子化等の問題につながることもありますことから十分な注意が必要であり、政府といたしましても、フリーター二十五万人常用雇用化プラン等、各般の政策を打っているところでありますけれども、こういう中にありまして、各企業において取り組みがなされて、正社員を望む人に正社員化の機会が拡大されることは望ましいことであると考えております。
○細野委員
この後、法案に入りますので、経済産業大臣にも、このことに対する御見解をお伺いします。
○甘利国務大臣
それまで派遣や請負で働いておられた方々三千五百人を正社員及び期間社員として採用する計画というふうに聞いております。
個別企業の点に関してというよりも一般論としてお答えさせていただきますが、正規雇用を希望する方が正規雇用に進む道が開けるということは歓迎すべきことだというふうに思っております。それは、先ほど来質問が出ておりますが、技術の継承という点でも大事でありますし、働く人のモチベーションを上げていくという点でも大事なことだと思っております。
○細野委員
以前、経済財政諮問会議で、大臣は、派遣・請負制度は現状に合っていないのではないかという趣旨の発言を一度されているやに私も見ましたけれども、そういう考え方ではなくて、むしろ正社員化が望ましい、そういうお考えということでよろしいでしょうか。
○甘利国務大臣
私の意図が正確に伝わっていないのかもしれませんが、あのときのやりとりは、派遣はともかく、請負は指揮監督権が受けている側にない、そうすると、労働安全上問題があると思っても手が出せないという話で、だから、労働者の安全のために現行のままでいいんだろうかという問題提起があったわけです。
そのときに、私は、それは確かにそうです、労働安全ということを考えれば、こうした方がいいと思っていながら手が出せないというのは、労働者の労働安全衛生にとってよくないことだ、だけれども、仮にそうおっしゃるんだったら、いいとこ取りじゃなくて責任も全部来ますからね、全部一括して引き受けるという前提が必要ですよということを申し上げたのであります。
○細野委員
わかりました。
この問題は、去年からずっと問題になっておりまして、うちの地元も非常にメーカーが多くて、派遣、請負が多いんですね。いろいろ話を聞いてみました。
私がちょうど団塊ジュニアの世代になるものですから、私の世代がちょうど派遣、請負は多いんですね。そうなりますと、例えば結婚の問題であるとか出産の問題にもかかわってくるという問題もありまして、いろいろ、会社の側も派遣をされている側も請負で働いている側も、幾つか聞いてみたんですが、私が思っていた以上にかなりこの動きは広がってきていて、深刻だなというふうに私は感じています。
といいますのも、最近、請負といいましても、地場の請負産業があって、そこが地元で人を集めて出しているのではなくて、例えば東京とか大阪の派遣会社が、それこそ東北の方で仕事がないところから大量に若者を採用して、寮をつくって、請け負って人を出していたりするわけですね。そして、そこの若者は、地縁もないですし知り合いもいないので、非常に孤独感にさいなまれながら安い給料で働いている、場合によっては、年金の保険料を払えなかったり医療の保険料を払えなかったりということも珍しくないという、こんな現状があります。
もう一つ、私が問題だなと感じるのは、外からやってくる大手の請負会社の、まさにキヤノンの例なんかはそうなんですが、その子会社かなんかが持ってくる請負の仕事によって、相当程度もともと入っていた中小企業が排除されているんですね。
そういうことも含めて、産業政策の面からも、請負の問題はもう少しきちっと取り組まれた方がいいと思います。
一つ、ちょっと指摘をしたいのは、今回、このキヤノンの問題は、厚生労働省の中から出てきて、行政指導でこうなったのではないんですね。これはあくまで行政指導でやっていて、私も、労働者派遣法、余り詳しくなかったものですから調べたんですが、恐らくは、キヤノンに対しては是正指導が出ていたんだろうと。ただ、これは公表対象になっていませんから、キヤノンがそのたびに、直しましたよということで、それでとどまっていた。何度か行政指導を受けていた、是正勧告を受けていたという報道があります。
今回、これが明らかになったのは、メディアの側にそれが出てきて、それを予算委員会で枝野委員を中心に取り上げて、しかもそれが経団連の会長だということで、それで大変大きな騒ぎになって、年が明けて、経団連の会長として、ある意味、方針を変えたということだと私は理解をしています。
中小企業の問題と、あとは、私はパート労働法の改正も必要であると思いますが、労働者派遣法も改正が必要だと思います。少なくとも、是正指導のところで公表は難しいかもしれないけれども、勧告をしたときには公表する、それぐらいなことはやらないとこの問題は根を絶てないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣
私の所管でありませんので、閣僚としての発言は控えさせていただきますが、とにかく、法令があってそれを守らないということは、それは許されることじゃありません。より守れるようにどうあるべきかということは日々検討していかなければならないと思っておりますし、当然、この間の問題提起は、厚生労働委員会でも、ここ以上になされていると思います。
よりよき労働行政に関して、大臣を中心に労働省で取り組んでいてくれると思いますし、我々の方でも、経団連に対して、このことだけではなくて、特に中小企業との関係の問題も含めて、法令遵守、そして積極的にベストプラクティスをつくってくれということの要請はいたしているところであります。
○細野委員
経団連に対して、中小企業の問題も含めて要請をするというのは、これは大変結構であります。
繰り返しになりますが、キヤノンはあちこちの工場で何度かやっているんですね。それは公表されていませんから、何件なのか、残念ながら厚生労働省から資料をいただくことはできません。なぜ今回是正をされて正社員にしたのかということを考えると、これは、図らずも内部からいろいろな声が出て世間に明らかになったから直したんですね。これは法の不備だと思いませんか。公表をもう少し進めるべきであると、法改正の必要性を、元労働大臣というお立場もありますが、それも含めて、今回の事態を見てお感じになりませんかということをお伺いしています。
○甘利国務大臣
現行の法制下でも、もちろん違反があれば厚生労働省がきちんと勧告をし、それに従わない場合には次なる処分が打たれるということになっていると思います。
より迅速に法の効果をあらしめるためにどういう改善点があるかということは、私どもの方でももちろん考えますが、主体的に厚生労働省でしっかり考えてもらいたいというふうに思っております。
○細野委員
かかわるのは経済産業と厚生労働だけではないと思うんですね。ただ、主にはその二つの省庁だと思いますので、我が党も労働法制について新しい法案を出す予定をしておりますが、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
政務官、結構ですので。ありがとうございます。
質問にはしませんが、私はこのキヤノンの例を見ていて、これが公開をされたことで経団連の会長の会社がこれだけ大きな転換をしたという意味はすごく大きいと思っていまして、同じようなことがもしかしたら独禁法の優越的濫用についても言えるかもしれないなと思っているんですね。我が党から、これに罰則を設けるべきだという意見が何回も出ていますが、罰則ももちろん大事なんですけれども、優越的な地位の濫用についても、公表が年に一件とか二件ですから、悪質なものについては警告の時点できちっと公表することをもうそろそろお考えになってもいいと思います。単に罰金で締め上げるということじゃなくて、それを社会的な責任として、企業の実態を社会が見ることによって変わるという典型的な事例だと思うんですよ。そういう発想をぜひ経済産業省は持っていただきたい。これは私からのお願いです。
法案の質疑に入ります。
三本法律が出ておりまして、それぞれ私なりに勉強をさせていただきました。産業活力の再生特別措置法の改正案については、いろいろな今までの経済の、事業再編の過程においてかなり大きな役割を果たしてきたんだろうというふうに思うんですね。これはそれなりに私は評価をします。
ただ、残りの二つの法案、産業集積に関するものと地域産業資源に関する法律案は、正直言いまして、つくっていただいた方に若干失礼かもしれないけれども、果たしてこれが国のやるべきことなんだろうかということを率直に疑問に感じました。
例えば、産業集積を日本全体で進めていって、それこそ工業用団地をつくっていかなきゃならない時代にはこういう法律でよかったと思うんですね。ただ、今、例えばここで、都道府県や市町村が基本計画を立てて、それをそれこそ経済産業省に上げて、同意を求めるとこういうあめが来ますよと書いてある。地域資源開発の方はもっと極端だと思うんですが、それぞれの地域資源、いろいろなものがあり得るわけですが、それについて、これも最終的には大臣の認定を受けるんです。
我々は、こういう部分を分権化して地方にやってもらった方がいいのではないかという考え方を持っているんですが、少し大局的な見地に立って、大臣はこの二つの法律について、国の役割とは何なのか、どういうふうにお感じになっているか、お答えしていただきたいと思います。
○甘利国務大臣
この二つの法案について、こういうことをやろうと提案したのは私でございますから、趣旨についてはぜひ御理解をいただきたいと思うのは、私自身も地方の主体性を大事にしたいと思っています。
今まで、企業誘致がどういう形で行われたかというと、かつては再配置法で、集まっているところから散らして、外へ出ていけというのをやりました。これはもう時代に合っていないということでやめにしたわけであります。そうすると何が始まるかというと、地方が主体的にやるにはやるんですけれども、要するにダンピング合戦というか、うちは幾らまけるからの競争になるんですね。それともう一つは、優良企業の本社もうで、トヨタもうで、シャープもうでが始まる。
そうすると、体力のない自治体というのはますます弱って負けていっちゃうんですね。税金五億まけます、補助金五億円出します、そうしたら、大自治体が、いや、うちはその二倍つけるよと言われたらかなわないわけなんです。だから、地方が主体的にやるんだけれども、体力勝負にならないようにどうしたらいいんだろうかということを考えたわけであります。
その際に、一生懸命やっている自治体の長から話を聞きました、知事さん方から。そうしたら、やはり自治体の長がもっとトップセールスしなきゃだめだというのは、単に本社もうでじゃなくて、どういうニーズが必要ですかと、今ある企業に、じゃ、第二工場を出すとしたらあなたはどういうことを自治体に望みますかとか、あるいは、優良企業に行ったときに、まけますから来てくださいじゃなくて、企業立地をする際に何を重点に置きますかということを把握する必要がある、それをきちんとそろえられるかと。
一番企業から要望が多いのは、ワンストップサービスですよ。この許認可はどこへ出す、これを持っていったら、うちじゃありません、たらい回し、結論がちっとも出ない。そうじゃなくて、お金はそんなに必要ないです、行政の姿勢で、うちはきちんと企業ニーズ、できる、できないは別として、ワンストップでやりますという姿勢、トップの姿勢が全部下まで通じている、それが大事なんですね、そういうことをやってください、そういう競争ですよと。ただし、体力勝負になっちゃうところもあるから、それはハンディをつけてあげます、厚労省の予算とかあるいは総務省の関係予算で、体力勝負にならないようなげたを履かせますと。
ただ、うちの方は、均一的に、どういうプランをつくるかということが大事ですよという啓蒙活動だと思ってやっております。その際に、中央省庁もワンストップで、企業が来るということは、我が省だけのことじゃなくて、インフラ整備も必要であれば人材供給も必要です。うちだけでできませんから、私は就任してすぐ、企業立地に必要とする政策にかかわっている役所を全部集めろということで、局長、審議官を我が省に集めました。そこで私が訓示を言ったのは、今までは恐らく、うちの役所にほかの役所の局長を集めることになると、また経済産業省は何を始めるんだとなるでしょう、すぐ自分の所管のところへはみ出してくるのかと警戒感をお持ちでしょう、しかし、みんなが協力しなきゃうまくいかぬのです、だから、一つの役所のつもりでやってくれと。
海外に出ている企業が再投資をすることに若干ちゅうちょして、日本回帰が始まっています。その最大の原因は、行政の不透明性です。だから、それをいかに透明にワンストップでやるかは外国との競争でもありますよということで、啓蒙させたいと思ってこういう仕組みをつくったわけであります。
地域資源についても、見方を変えれば宝物になるよと。斜陽産業、さっき熊野の筆が出ましたけれども、筆という見方をしている限りは斜陽産業なんです。毎年生産が落ちていくんです。だけれども、別の視点で見ればリーディングインダストリーになる、そういう視点を持ってください。だから、足元のよさに気がついていないんじゃないですかということを啓蒙したいということでこういう仕組みをつくりましたけれども、あくまでも主体性は地域にあるという仕組みのつもりであります。
○細野委員
啓蒙という言葉に一つ象徴されているのかなと思うんですね、大臣の考え方は。私もワンストップサービスの必要性は認めます。集積の効果もやはり一定あるんだと思うし、こういう地域資源みたいなものが活性化されることも、これも認めます。自治体に格差があるのも大前提。
その一方で、じゃ、ワンストップが経済産業省に来るべきものかどうか。むしろ、ワンストップであえて言うならば、やはりそこの自治体にしっかり窓口をつくって、そこでやっていく。財源調整は、それは基本的なところでもっと国がやるべきところで、それを、認可を上げてきて、こういうあめをくれますよという時代は、さすがに、私は、これは相当、今過渡期でということであればそれは理解をしますが、これをいつまでも続けるという時代ではないのではないかなというふうに個人的には思っています。
例えば、地域産業資源といったときに、これは温泉なんかも書いているので、どうやって認定するのかなというふうに気になったんですが、静岡にも結構いろいろ温泉がありまして、例えば熱海温泉があります。草津温泉、別府温泉ありますと、いろいろ上がってきますね。恐らく上がってくると思います。
それで、これはいいですよ、悪いですよなんという判断は、経済産業省なり環境省なりどこがするのか。それができるわけはないわけですよね。そこは、判断は地域に任せる。その役割分担を相当しっかりしておかないと、この法律はおかしくなるし、やがてはこういう法律はなくなった方がいいという考え方を私は持ちますが、簡単で結構ですので、御見解を伺いたいと思います。
○甘利国務大臣
ワンストップというのは、私が言っているのは、県なり市なり、ワンストップの窓口をつくってくださいということなんです。中央省庁も、もちろん言うからには、出先の省庁の機関のワンストップ化をやれということを言っています。
それから、地域資源をどれを使うか。これは、県が市町村や商工会、商工会議所と協議をして決めるわけです。それを使ってプランを出していく。うちの方は専門家が、いいかげんなプランにお金をつけるわけにはいきませんから、プランの優秀性を専門的見地からちゃんとチェックをして、見込みがどうしようもないというのは別として、いろいろ知恵を出しているというのは極力認定をして努力を促したいというふうに思っております。
あくまでも、主体は地方であり、主体はその資源を使う企業であります。
○細野委員
行革というのはどうやってやるのかといういろいろな議論があって、今天下りの問題なんかで渡辺大臣が頑張っていらっしゃるんですけれども、我々は、最大の行政改革は地方分権じゃないかと盛んに言っているんですね。
これは、私も数字として一つ説得力があるなと思うのは、いわゆる非現業の官僚と言われる皆さん、国家公務員が約三十万人。初め、これは霞が関にいたら大変だなと思ったら、いわゆる地方支分局にそのうちの二十一・五万人はいる。もうこういうことをやろうとすると、経済産業局が各地にありますから、そういうところから情報を上げるということをやるわけですよね。同じように、農水省も環境省もどこも持っているわけですよ。そこのリストラは、こういう政策を続ける限り、これは決して進まないと思います。
そこを、どこかで役割を離して、地方支分局は、これは地方の役割としてやってもらって、場合によったら地方公務員になっていただくというようなことも含めて、それぐらいの改革をやらないと、国が決めて、そして地方にばらまくという構図は私は変わらないと思っていまして、その一つの、過渡的にはもしかしたら必要なのかもしれないけれども、象徴的な部分かなということで申し上げました。
もう一つ、私がこの法律を見ていて気になったのは、独立行政法人の問題なんですね。ちょっと私、性格が悪いのかもしれないんですが、こういう法律が出てきて、その中に、新たな役割を担う独立行政法人というのが結構幾つか出てきているわけです。典型的なのは中小企業の基盤整備機構、ほかにも、ジェトロも出てきますし、あとは、これは国交省の管轄なんでしょうか、国際観光振興機構なんかも出てきています。
最近、この独立行政法人の組織に関する予備的調査というのが出てきていまして、これは三分冊ありまして、今これをみんなで分担して、問題はないかということで調べているんですが、独法が全部で一〇九あるんですか。こういう法律ができることによって、独法にまた新しい役割が加わるということにもなります。
このそれぞれの独法の中身に入る前に、一つ私がはっきり確認をしておきたいのは、この独法の調査の中で、経済産業省の所管をしているジェトロ、そして産業技術総合研究所、そしてNEDO、この三つは予備的調査の中に出てきていないんですね。先ほど聞いたら、もう出しつつありますというような話がありましたが、これはいつ出てくるのか、ほかの省庁は全部出していますから、先にちょっと確認をさせていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○松永政府参考人
お答え申し上げます。
今御指摘の三つの独立行政法人でございますけれども、人員や予算の規模が大変大きな法人でございまして、調査に時間を要して提出がおくれましたことは大変遺憾でございますが、それぞれ申し上げますと、ジェトロにつきましては二月二十二日、産業技術総合研究所につきましては三月二日、それからNEDOにつきましては三月十五日、衆議院調査局の方に提出をさせていただいております。
○細野委員
なぜ調査室のこれに載っていないのか、ちょっと理解できないんですが、これは三月にできていますから。それは調査室にも私確認をしますが、できるだけ早く委員に配っていただきたい、提出をしていただきたいというふうに思います。
その上で、まず、独法への天下りの問題、これを聞きたいんですが、今回、一番大きな役割を担うであろう中小企業基盤整備機構ですが、ここには、この予備的調査によりますと、十三人役員の方がいらして、そのうち八人がそれぞれの省庁から、主には経済産業省からいわゆる天下りという形になっています。
天下りの規制というのは、民間企業に関しては二年という枠がはめられていますが、こういう独法であるとか公益法人などに対してははめられていないのは、これはもう周知の事実でございまして、この天下りについてまずどう考えるかなんです。
まず、これは官房長の方に確認をしたいんですが、それぞれ天下っている方を見ていると、経済産業省から直接この中小企業基盤整備機構に、この独法に天下っている方がほとんどの中で、この理事長さんは、まずは中小企業金融公庫の理事をやられて、その後、日本自動車工業会の副会長兼専務理事をされて、我々はよく、わたりと呼んでいるものですが、そしてここに来られているという経緯なんですね。
先週の内閣委員会、参議院の方でも松井委員が確認をしていますが、この三つ目のあたり、ちょっと事前に申し上げると、同じようなことというのはあちこちに行われていますから、この理事長さんを特にあげつらって悪いと言っているわけではなくて、仕組みとしてお伺いしたいんですが、こういう三つ目の天下りについて、今回のこの独法への天下りについても、これも経済産業省として、何らかの情報提供、あっせんをしたということについては事実関係はいかがでしょうか。
○松永政府参考人
お答え申し上げます。
中小企業基盤機構の理事長でございますけれども、その前職は確かに日本自動車工業会副会長兼専務理事でございますが、御承知のとおり、独立行政法人の理事長につきましては、主務大臣がみずから任命をするということになっておりまして、これにつきまして、いわゆる省庁によるあっせんというものには当たらないというふうに考えております。
○細野委員
済みません。そこはちょっと私も勘違いをしていましたので。
そうしましたら、この二つ目の社団法人日本自動車工業会の副会長兼専務理事についてはどうですか。
○松永政府参考人
この当該理事長が前職の自動車工業会副会長に就任するに当たりまして、いわゆる御指摘のあっせんのようなことがあったかどうかということについては、ただいまちょっと確認はできません。
○細野委員
わかりました。具体的にここを通告していなかったので。
では、官房長、もう一回確認をしますが、いわゆる天下りについて、OBの天下りもあっせんをしているということに関しては、再度事実関係を確認したいんですが、これは、一般論としていかがでしょうか。
○松永政府参考人
お答え申し上げます。
OBでなられた方につきまして、企業、団体等から照会があった場合に、私どもから、いわゆる情報提供としてそういう紹介等の行為をするということはございます。
○細野委員
これはもう御答弁は結構で、これを人事管理の一環としてやっていらっしゃるということなんですよね。人事管理の一環ということでよろしいですね。では、一応御答弁ください。
○松永政府参考人
厳密な意味での人事管理という言葉で定義できるかどうかということはやや不確かでございますけれども、いわゆる企業、団体等からそれぞれの仕事について必要な人事ということで情報提供の要請があった場合に、これについてお答えをするということは特に問題がないんではないかというふうに考えております。
○細野委員
再度伺いますが、人事管理かどうかは不明確だというお話ですので、では、職務としてやっていらっしゃいますか、職務外でやっていらっしゃいますか。お答えください。
○松永政府参考
お答え申し上げます。
これは、職務として実施をするということで考えてよろしいんではないかというふうに考えております。
○細野委員
大臣、そこをお伺いしたいんですけれども、これは各省庁やっていることですし、この方も五十二歳ぐらいで退官をされているので、その後人生を考えると、もう少し先まで勤めていただいてという制度上のさまざまな問題があるのは承知の上で、この方がどうこうということでなくて、一般論としてお伺いしますね。
今度、人材バンクが議論されていまして、我が党も我が党なりに考え方を示しますが、再就職というのを考えたときに、初めの就職先について、今までのいろいろなキャリアを考えて、ある程度それを、全体でやるか各省庁でやるかどうかは別にして、あっせんをするというのは、これは人事管理としてあり得ると思うんですよね。二つ目も含めて、そこも職務で、次の天下り先まで官房長を中心に役所として見つけてきますということが国民から理解されるというふうにお考えですか。退職が幾らとか、そういう細かいことは聞きません。ただ、間違いなく一般の民間企業よりはこの面でいえば恵まれていて、次の職場先も見つけてもらってという中で、二つ目まで職務で天下り先を見つけるということが国民から理解されるというふうに大臣はお考えになるかどうか、お伺いしたいと思います。
○甘利国務大臣
今、新しい人材バンクをつくろうと。これは今までもあるんですが、それがほとんど機能していないということで、機能する人材バンクにすると。その機能する人材バンクの発想の中には、公務員が早期にやめる、あるいは年金開始年齢前にやめるという際に、新しい職場を紹介するということを想定しておると思います。それから先については、新人材バンクの一義的な仕事としては想定をしていないんではないかと思います。
○細野委員
私もおっしゃるとおりだと思います。新人材バンクの考え方というのは、退職のときの何らかの職業紹介については人材バンクがやるけれども、その後はまさにそれぞれの実力で、新しい仕事につくなり、民間企業に行くなり、悠々自適に過ごされるなり、それぞれ選択をしてくださいという制度なんですね。
恐らく人材バンクが導入をされるまでに三年から五年、いろいろ党内で議論があるやに聞いています。経済産業省として、人材バンクへ移行するわけですから、できるだけ早い時期に二つ目以降のあっせんはおやめになる、そういうお考えはないでしょうか。
○甘利国務大臣
できるだけ早く新人材バンクが、これはスタートするというよりも機能するようにしなきゃいけないと思います。
私の基本的な考え方は、民間準拠で、民間がやっているような方向を、官でもそういうスキームでできればということをいつも思っているわけであります。
組織は、新入社員がそのまま残って筒形の組織にはなりません。どうしても上に行くほど人数が減っていく、これは組織運営上そうならざるを得ないのであります。幾らスタッフ制度ができても、全員が残って円柱形の組織にはなかなかなりませんし、こっちを定年延長するために新人をうんと絞り込むなんといったら、やはり組織の活性化上よくない。どうしても、勧奨退職というか、どこかへ出てもらえますかというのは民間企業のヘッドクオーターでも必ずやっていることでありますから、その際にどういう仕組みがそこにあるのか、どこまで面倒を見るのか、それに準じて官も組織をつくる、そういう対応組織をつくるのがいいんだというふうに思っております。できるだけ早くそっちに移行できればと思っております。
○細野委員
先ほどはちょっと細かく言いませんでしたけれども、さっきの日本自動車工業会の副会長兼専務理事は、この理事長さんがおやめになった後、何年か後に入省されたであろう局長さんがそこに入っているんですね。要するに、わたりのいろいろなコースというようなものを既に設定されていて、二つ目も三つ目も天下れるように道ができている、わたりの道ができているわけですよね。
大臣、さっき、民間準拠とおっしゃいましたね。経済産業省なんかの場合は、局長さんになると大体七十歳ぐらいまで天下り先があるわけですよね、六十代後半から七十まで。私、民間企業をすべて知っているわけではないですが、大企業で勤めた方の話を聞いても、定年が少し役所よりは遅いんですが、二つ目以降も含めて、実力にかかわらず天下り先がきっちり用意されているなんというところは民間にはないですよ。
経済産業省というのはまさに民間とやりとりをする直接的な省庁なわけですから、前向きにという趣旨の話はおっしゃいましたが、人材バンク導入に向けて早急にそういう体制を整える、定年を延長してきちっとその中で働いていただく、その上で、一つ目についてはいろいろ過渡期はあるかもしれないけれども、二つ目以降についてはあっせんをやめて、わたりの制度自体をもう廃止するとはっきりおっしゃったらどうですか。いかがでしょうか。
○甘利国務大臣
もう人材バンクをつくるということが総理指示で決まりましたし、それを、恐らく近々、いつまでに本格スタートさせる、何年以内というのが出ると思います。それに向けてソフトランディングさせていかなきゃいけないわけでありまして、極力、新制度にスムーズにつながっていくように努めていきたいというふうに思っております。
○細野委員
私、しつこい性格なものですから、では、人材バンクが導入されるまでも、過渡的な状況についてもそちらに向かって努力をする、そういう趣旨の答弁ということでよろしいでしょうか。
○甘利国務大臣
スムーズに移行するために努力をしてまいります。
○細野委員
独法への天下りの問題を、今、私なりに、考え方も含めて申し上げました。
続いて、独法自体の天下りの問題と、そこにおける随契の問題について少し聞きたいんです。
それぞれ独法を今調べていまして、すべてを調べ切ったわけではありませんが、それぞれの独立行政法人の随意契約の割合は極めて高いです。高いところで九〇%台後半、中小企業基盤整備機構で、これは件数ベースですが、大体八六%ぐらいというふうに、私は、事務所で計算したのではそれぐらいという計算になります。
きょう、資料を用意しましたので、ちょっと配っていただきたいんですが、中小企業基盤整備機構に関しては、それぞれの地域開発についてそれぞれの役割を果たしますので、そういうところに出しているのが随意契約であるというのは理解をできます。この予備的調査の中にはそれぞれの発注先のいろいろな資料があるんですが、その中に関連法人というのがありまして、出資をしている会社がずっと書かれているんですね。
その中の一つに中小企業・地域シェアドサービス株式会社というのがありまして、これが実は独法から天下っている方が何人か行っていらっしゃる企業なんですが、いわゆるファミリー企業と言える一番典型的な会社かなというふうに思いまして、きょう、こうして資料を提出させていただきました。
売り上げが十七年度で七億円程度ですから、それほど大きな会社ではありません。ですから、ここがどれぐらいぜいたくなことをしているのかというのは、若干私もどうなのかなと思っています。
ただ、何をやっているかというのを見てみると、実に会社としてはいろいろなことをやっている。営業資格のところ、これはホームページのコピーですが、宅建もやっているし、労働者の派遣もやっているし、有料職業紹介もやっているし、測量も防除も、損保までやっている、そういう会社なんですね。
具体的に、こういう業務の中で、今回私が問題にしている独法からどういう仕事が来ているのかというのを見たのが二枚目ですが、ほとんど随意契約で、事業の補助であるとか自動車の運行であるとか、あと資料の提供なんかが、これはいっぱい書いていますが、来ている。資料作成補助なんかは二十六件中二十六件ですから、ほとんどここに来ている、こういう実態なんですね。ちなみに、全体で、この法人は十七年度に六億八千四百万の売り上げがある中で、八〇%がこの独法からの仕事になっています。
この独立行政法人からの天下りの問題についても、やはり、これは何とか取り組んだ方がいいと私は思っているんですが、まず、何でこんなにこの会社にはこの独法からの仕事が多いのか。これは、まず政府委員の方に、この会社の特殊性をどういうふうに理解されているのか、お伺いしたいと思います。
○福水政府参考人
お答え申し上げます。
御指摘の企業は、この機構から委託を受けまして、機構が所有する工業団地の販売管理でありますとか工業用水の管理、あるいはインキュベーション施設、こういうふうなものの入居募集、そういう業務をやっているところでございます。
ちなみに、私ども経済産業省からは再就職はありませんが、先生御指摘ありましたように、現在、同社には整備機構の出身者が三名勤務しているというふうに承知いたしております。
企業誘致、工業団地等々の仕事というのはなかなか特殊な業務でございますので、そういう経験や能力が評価された結果ではないかというふうに私個人としては推察いたしておりますが、いずれにいたしましても、整備機構の判断によってこういうことになっているというふうに考えてございます。
以上でございます。
○細野委員
余り一つの法人だけあげつらうのはちょっとどうかなという気もするんですが、今の御答弁からすると、例えば、自動車の運行管理業務であるとか、あとは資料の作成補助であるとか人材派遣とか、関係ないですよね。こういうことはどうなんですか。
○福水政府参考人
先ほど申しましたように、インキュべーションの管理でありますとか工業用水の管理、あるいは団地のいろいろな手続等々、こういうことをやった人というのは非常に少ないものですから、私ども、現在、企業誘致の促進法をつくって、各地域の協議会にも専門家を配置していこうというようなことをやっているわけですが、全国で見てみますと、なかなかこういう企業誘致の専門家というのが少ないのも事実でございますので、長年、三十年、四十年おやりになった方の御経験を活用しているというようなこともあるのかなというふうに思っております。
○細野委員
今、お答えになっていないと思うんですが。
専門家を派遣するというのは、人材派遣はもしかしたらそういう面があるのかもしれません。ただ、ちょっと正直、この会社、いろいろやり過ぎてはいないか。職業紹介から測量から損保から宅建から派遣から。専門家をという意味では、そこについては認めますが、ここは余りもうけていないので余り言いたくないんですけれども。
もう一つ指摘をしますと、こういう本を出しているんですね、産業立地マニュアルという本。さっきちょっと国会図書館から借りてきまして見たんですが、これは恐らく、当時は地域振興整備公団、今の中小企業基盤整備機構、ここのさまざまなノウハウを蓄積して本を出している。監修は公団になっています。
さらに一歩踏み込むと、例えば、公団が出していた土木工事の積算要領であるとか競争参加資格審査申請書とか、こういうものもここで出しているんですね。しかも、一万円とか有料で。こういうのは独法自身でやったらいいのではないか。わざわざ天下り先をつくってそこに発注をさせて、こんな申請書みたいなものもやらせる方法は、これは私はいかがなものかというふうに思います。
政府としては、そういう問題について、独法とファミリー企業の関係についてどういうふうにお考えになっているか。うなずいていらっしゃいますので、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
○福水政府参考人
お答え申し上げます。
先ほども申し上げましたように、独法自身のこういう問題については、私どもとしては直接的には判断していないというような状況にあるのが現状でございます。
○細野委員
要するに、独法が半分出資している会社なんですよ。千五百万円。まあ、わずかとはちょっと言い切れませんが、半分出資している会社なんですね。八割方そこから仕事をもらっている会社なんですね。やはりそういう言い方はさすがにまずいんじゃないかというふうに私は思います。
甘利大臣、ここだけ余り言ってもあれなので、これから少しいろいろなところを調べて、こういうのがどれぐらいあるのか調べていこうと思っているんですが、独法からの天下りの問題と、それに付随するファミリー企業の問題ですね。大臣、経済産業省は独法だけで十一持っていますから、これはきっちり見ていけば相当あるんだと思うんですね。
繰り返しになりますが、これは最終的に税金で全部やっていますから、そこについても少ししっかり目配りをして、全体を見て改善をしていただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣
私は、党にいるときに独法の改革というのをやりまして、そのときに、予算の無駄がないか、効率的な運営がされているか、あるいは、年度末締めてみて、当初立てた目標にどれくらい達成度が上がっているか等々、いろいろ独法改革の仕組みに関与したことがございます。
かなり改革が進んできたとは思いますが、御指摘の点を含めて、さらにしっかり検証していきたいと思っております。
○細野委員
私はこれを見ていて思ったんですけれども、これはそれぞれいろいろな独法がかかわりますよね。いろいろな資料を出したり許認可にかかわったりするんですが、こういう制度が一つ一つ導入されるたびに新しいマニュアルが必要になり、新しい法律に対応する業務が必要であり、そのたびにこういう天下りのところに、これは仕様書までつくっていますから、新しくそういうファミリー企業の仕事ができるということでは、この法律の意味とは一体何なんだと、その趣旨もやはり損なわれると思うんですね。
そこも含めて、やはりきちっと独法の問題についても取り組むという姿勢を、これは経済産業省だけではありませんけれども、改めて持っていただきたい、そう思います。これは私からの要望ですし、決算委員会なんかでもやりたいと思っていますので、きょうは独法についてはこれぐらいにして、法律にかかわるところということで質問をさせていただきました。
残り十分ほどありますので、ちょっとまた法律と離れてしまって恐縮なんですが、きょうは外務省に来ていただいていまして、宇宙開発の問題について、経済産業省も宇宙産業を所管されていますので、一、二問、質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、外務省に聞きます。
この宇宙開発に関しては、非研究衛星については国際調達を義務づけるという、アクション・プログラム実行推進委員会に基づく非研究開発衛星の調達手続というのがあって、それがある結果といたしまして、日本の場合、いわゆる実用衛星というのは、情報収集衛星を除けば、ほとんどアメリカに依存してきたという経緯があります。
この調達手続の法的位置づけ、これはどういう効果がある文書なのか、極めて不明確だと私は思っていまして、どういうものなのか、外務省にお伺いしたいと思います。
○草賀政府参考人
お答え申し上げます。
委員言及のございましたアクション・プログラム実行推進委員会におきまして、これは閣議決定によりまして内閣に設置された委員会でございますが、その決定によりまして、各省庁が合意をして形成された政策を示すものと。したがいまして、その非研究開発衛星の調達手続に係る政策を示すものというふうに承知しております。
○細野委員
この調達手続というのは、拘束力はあるんですか。
○草賀政府参考人
お答え申し上げます。
法的拘束力というのは、内閣官房長官のもとに設けられましたアクション・プログラム実行推進委員会におきまして、全省庁の合意によりまして決定したことでございますので、その意味でそういう拘束力はあるんだろう、こういうふうに思っております。
○細野委員
この通告をした後、これは内閣が答えるか外務省が答えるかで、随分きのうの夜からすったもんだ、押しつけ合いがあって、位置づけが非常に不明確だというのはそういうところからもあらわれているんですが、では、外務省にもう一つ聞きます。
WTOの政府調達協定というのがあって、そこで、ある程度、政府調達についてはきちっと国際的に開放するようにという規定が書いてありますが、このWTOの国際協定とこれの関係はどうなるんでしょうか。要するに、日本の場合は、この手続があるから開放を義務づけられているのか、もともとWTOの協定があるので、それはもう、もともと開放が義務づけられているのを、念のためこういうのがあるということなのか、そこをお答えいただきたいと思います。
○草賀政府参考人
お答え申し上げます。
WTOの政府調達協定におきましては、各国が約束をいたしまして、国家等の機関が一定の基準額以上の物品・サービスを調達する際には、安全保障上の重大な利益に係る場合とかいった場合を除きまして、透明、公開、無差別の原則に基づきまして競争的手続に従って行うということにされてございます。これは衛星についても当てはまるというふうに考えておるわけであります。
この問題の手続につきましては、平成二年に、我が国として、政府全体として、このような協定を受けまして、非研究の開発衛星を調達するための透明、公開、無差別を原則とした競争的手続を定めたもの、こういうふうに理解しております。
○細野委
ちょっと答えていただいていないので、もう一回よろしいですか。
要するに、WTO協定があるから調達を義務づけられているのか、それとも、これがあるからやっているのか。逆に、ではこれがなければ日本は同じことをやっているのかどうか、これの効果が国内的にどういうものなのかということについて、しっかり答えていただきたいと思います。
○草賀政府参考人
この手続につきましては、先ほど申し上げましたように、WTO協定も踏まえまして、政府全体として、具体的に非研究開発衛星を調達するための競争的手続を定めるべく合意したものということでございますので、具体的には、これ以降、これの手続に従いまして調達手続がなされている、こういう、いわばWTOの政府調達協定のさらなる具体化のために合意した政策である、こういうふうに理解しております。
○細野委員
この問題について、今、明確に初めて答弁があったというふうに思っています。
大臣、もう釈迦に説法なのでわかっていらっしゃると思いますが、一九九〇年、あの前後に日米摩擦が高まって、衛星の調達を迫られてつくったのがこの手続なんですね。WTO協定に基づいているというのを外務省から、私、何度もお伺いをしたんですが、これはなかなか調べるのは大変なんです。各国の状況を見ていると、こんな文書をつくって、ここをあけますよなんて明確に書いている国は日本だけです。各国は、安全保障にかかわることとして、衛星についてはいかに国内調達を優先するかということを必死に知恵を絞って、守る側の法律をつくっているんです。日本だけ、開放する側の手続があるんですね。
強調しておきたいのは、大体、年間に打ち上げられる衛星というのは年によって違うんですが、少ない年で二、三本。二、三本じゃない、衛星はロケットに載っかっていきますから、二、三個ですね。多い年で十個近く打ち上げられる年もありますが、特に九〇年代半ばというのは、実用衛星は全部海外から調達しまして、結果として日本は衛星の個数が非常に少ないわけです。
それで、ちょっと二つ指摘したいんですが、一つは、安全保障にかかわる情報収集衛星は国内で調達できることになっているんだけれども、安全保障にかかわるものとそうでないものの区別が極めて今あいまいになっているということ。通信衛星も当然安全保障上のいろいろな措置につながってきますし、例えば、それこそGPSみたいなものというのは、あれは安全保障そのものでもあり、民生利用でもあるわけですね。ボーダーレス化しているので、この区別がもう全く意味がないということが一つ。もう一つは、結局、回数が少ないものですから、日本はこの分野で技術力が落ちているんですね。その両面からいって、この協定は、明らかにもう私は過去のものにすべきだと思っています。
もう一つ加えると、これは最近私、ちょっといろいろな人と議論をして気がついたんですが、九〇年代前半から二〇〇〇年のちょっと過ぎぐらいまで、やたら実用衛星が多いんですよね。当時は、研究開発衛星ではなくて実用衛星で上げていたので、それもあるんですが、もう一つは、アメリカがやはりどうしても衛星を打ち上げたいという要望があって強くプッシュしてきた。ところが、アメリカにとっては、衛星技術を海外に出すというのは技術の流出につながるので、最近、結構慎重になってきているんじゃないか。まあ、九・一一以降ですよね。最近、中国の衛星破壊なんかも含めて、相当実はアメリカはこの宇宙政策を国益として考えるようになって、同盟国たる日本といえど、そんな安易には輸出できないという雰囲気になっているんではないか、そういう論文も出ています。具体的に数字でも出ています。足元が少ないんですね。
そろそろ、やはり日本としては国内調達を優先するという方針にする意味では、非常に不明確な位置づけのこの手続を変える時期に来ているのではないかと。加えて言うと、アメリカに対しても、日本はアメリカから衛星を買って守ってもらう国というだけではなくて、今は衛星破壊まで行われる時期ですから、日本が独自の衛星技術なりとか衛星網を持つことはアメリカのシステムを補完する上でもプラスですよと説得すべきじゃないかと思うんですよ。
これは経済産業大臣の所管を超えますが、そろそろそういう研究を経済産業省としていろいろな角度からされるべきではないかと思いますが、大臣、御所見いかがでしょうか。
○甘利国務大臣
先生は、もうすべて御承知の上でずっと質問をされてきたんだと思います。
WTOの政府調達協定では研究開発と安全保障、しかし、恐らくこの安全保障というすそ野をどんどん広げていっているのがEUで、日本はかなり狭く解釈している。では、それは何でといえば、おっしゃるとおり、九〇年の日米の衛星合意、これは政府間の約束ですから、これをほごにできないということで生まじめにやっているというところなんだと思います。では、これの見直しで、アメリカ側にも事情が出てきているんじゃないのという御指摘であります。その辺はよく調査させてみたいと思います。
いずれにしても、約束事で結んでいますから、一方的にこっちから破棄するということは日米関係の重要性からいって難しいんですが、向こう側の事情が、そういうふうなのが出てきているとするならば、いろいろ協議をする余地は出てくるんだと思います。その辺はよく調査をしてみたいと思います。
○細野委員
そろそろ日本の宇宙開発については何らかアクションを起こさなきゃならない時期に来ていると思っていまして、いろいろ与党の中でも法案が出てきているということがあるんですが、やはりベースをある程度変えていかないと動かないと私は思っているんですよ。そういう意味では、国会決議とこの三〇一条の問題ですよね。この二つについて、何らかやはりそろそろ検討すべき時期に来ていると思いますから、せっかく甘利大臣、こういうことに理解がある、しかも経済産業という観点からやっていただけるので、ぜひ御努力いただきたいなというふうに思います。
最後、一問だけ、エネ庁の長官に来ていただいているので。
いよいよあすから日中のガス田の協議が始まるというふうに承知をしています。これは一年ぶりで、非常に期待をされるわけでありますが、日本としては何を求めて、中国側に何を期待して挑むのか。
来週、実は国会の中で海洋に関する法律ができそうだというふうになっていまして、そこでも再度結果は聞きますが、今の時点での、長官としての、会談に向かう日本としての立場をお伺いしたいと思います。
○望月政府参考人
お答えいたします。
昨年十月の安倍総理訪中以来、日中首脳間では、東シナ海を平和、協力、友好の海とすべく、この局長級協議を注視して、共同開発の方向で早期解決を目指すという認識が共有されていると思っております。
今回のこの局長級協議は、このような日中首脳間の共通認識を受けて開催される最初の協議となると思っております。
政府として、日中首脳間の共通認識に基づいて、迅速な解決を目指して、共同開発について突っ込んだ議論を行いたいというふうに考えております。
○細野委員
時間が来ましたので終わりますが、長官に一言だけ。
日中のこの協議の歴史は、日本側がある程度アクションを起こしたときに動いてきたんですね。中川大臣がそれこそ尖閣諸島を視察し、試掘について言及をしたときに、中国側も交渉に乗っかってきた。試掘権を設定したときに、中国側も共同開発についてある程度理解を示してきた。そこからこの一年は全く動いていないのは、日本がアクションを起こしていないからなんですよ。
私は試掘をそろそろ視野に入れてきっちり準備をすべきだという考え方ですし、そういう趣旨の法律が来週通りますが、交渉するときも、日本は国会にもそういう動きがあるんだ、試掘をしっかり選択肢に入れてもう許認可も出しているんだということもしっかりとテーブルにのっけて交渉していただきたい。これが私は歴史に学ぶということだと思いますので、そのことを最後に申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
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