○細野委員
早速でありますけれども、商工中金の法案についてまず質問させていただきたいと思います。
この商工中金の重要性については、さまざまな質疑を通じてそれぞれ委員の方から指摘をされておりまして、それは私も共通認識を持っております。その一方で、今回民営化されるわけでありますから、今までの政府系金融機関としての商工中金と、これからの民営化された後の商工中金と、おのずと性格が変わってくるわけであります。
まず、大臣にお伺いしたいのは、民営化した後に商工中金が果たす主に中小企業金融の役割と、民間の例えば地銀であるとか信金、信組などが果たす特に中小企業における役割と、このすみ分けをどうするのか、これも一つの議論だと思うんですが、このお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○甘利国務大臣
商工中金が行ってきたことは、中小企業団体を核とした組合金融を担ってきたということですね。もちろん、その構成員の金融も担ってきたわけであります。そういう中小企業のよって立つ基盤をしっかり支えていくという性格は、しっかりこれからも持っていかなければならないというふうに思っております。
ただ、民間金融機関になるわけでありますから、ここまでは商中が行って、ここから先は他の民間金融機関というような明確な業務のすみ分けというのはないし、できないんだと思います。
ただ、商工中金が培ってきたノウハウを最大生かせる仕方で、とにかく中小企業金融の中核としてこれからも中小企業の繁栄を支えてもらいたいということを強く思っておりますし、そういう面での機能を十二分に果たしていってもらえるというふうに思っております。
○細野委員
一番初めに御答弁されたとおり、商工中金の場合は、組合及びその構成員に対するサービスというところが、恐らく民間の、いわゆる中小企業金融をやっているようなそういう金融機関と違うところだろうと私も思うんですね。
そこで、ちょっと一つお伺いしたいんですが、今回の法律が導入されるに当たりまして、預金資格の制限が撤廃されましたね。これは、だれでも預金をできるようになったわけでありますが、組合組織を重視してきたというところからすると、一歩外に出る形になるわけでありますが、これを撤廃した理由をお聞かせいただけますでしょうか。
○甘利国務大臣
融資をする資金調達手段を広げるということであります。一般の銀行でありますから、預金を広くあまねく集めることができるということでないと、腕を縛られたまま他のものと一緒に競争するということになろうかと思います。
そこで、融資する、貸し出すための原資を幅広く集めることができるような仕組みにするということと理解をいたしております。
○細野委員
商工中金は、支店が大体都道府県の主な中心都市にありますから、今は支店数も限られています。ただ、債券なども発行していますから、これは預金の制限を撤廃すると、相当顧客が、できると優良企業でもありますから、集まる可能性があると思うんですね。
その次に必ず出てくるのが、これは私の個人的な予想ですが、貸し出しも、組合であるとか組合の構成員に限らずやりたいという要望は、私は民営化に当たっては必ず出てくると思います。株主が組合構成員、組合ですかに限定をされているのでそれはないだろう、そういう予測は、私は恐らくこの数年で外れてくるだろうというふうに思っていまして、民営化されるときにその辺の規制をどういうふうに考えられているか。必ずどこかで出てくる議論だと思いますので、今の時点での大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○石毛政府参考人
お答えいたします。
貸し出し、融資対象でございますけれども、現時点で、出資組合とその構成員が対象で、それ以外の融資は全体の二割以内で、出資資格団体などに限定をしているという形になっております。
基本的に、この考え方は維持されていくんだろうというふうに考えております。
○細野委員
では伺いますが、今回の法案は移行期間の法案ですが、実際に民営化されるときには当然新たな法律をつくるわけですね。そこでも員外貸し出しはしない、組合以外には貸さないというふうに縛るという現時点でのお考えということでよろしいんでしょうか。
○石毛政府参考人
お答えいたします。
ただいまのは完全民営化の時点での御質問だと思うんですけれども、これは委員も御案内のとおり、附則の第二条で、引き続きこの商工中金が中小企業向けの金融機関としての機能を維持できるようにということで、必要な措置をとりますということになっているものですから、現時点でそういうことについて何か決まっているものがあるというわけではございません。
○細野委員
例えば、必ずしも適切でないかもしれませんが、農協も員外貸し出しをやっていますね。現実的に、私の地元でも、田舎の方に行くと、農協の組合員以外もそれこそお金も借りているし、組合員に準ずる扱いをしている方というのはいっぱいいるわけですよね。実際、地域の名士の方がかなり農協にお金を預けて、年金を受け取ったりしています。
では、再度確認をしますが、今の時点で予想していないということになると、そういう可能性も今の時点で否定できない、そういう逆の解釈でよろしいんでしょうか。
○石毛政府参考人
今の制度をもとにして員外貸し出しのところは考えて、当然、メンバーシップ金融としての基本的な機能を維持するというところがその趣旨として入っていると思いますから、員外の部分については当然限定はあると思います。
ただ、それについて法律で今どういうふうに言っているかということであれば、そこについては政府として必要な措置をとるということで、その段階できちっと判断をして、政府として決めていくということであると考えております。
○細野委員
大臣、なぜここにこだわっているかというと、結局、これから商工中金は、民営化されたときにもうけなきゃならないわけですよね。必ず出てくるのが、いいとこ取りをどうするかという話なわけですよ。地域に組合もあって、そこで頑張っている企業もいらっしゃるでしょうけれども、例えば、その従業員の金融をやりたいというような話が出てくる可能性は大いにありますよね。組合があって、構成員があって、そこに従業員がいるわけですから。従業員以外でも、例えば、優良な顧客がいた場合に、そこからお金を預かっていると、お金を貸してくれという要望も間違いなく出てきますね。
それはミクロの話ですが、マクロに目を転じたときには、当然、経済のいい地域と悪い地域があって、今であれば、東海地域、特に名古屋なんかは非常に景気がいいけれども、北海道であるとか東北の方に行くと非常に厳しい。
そういう中で、どこでどういうふうな貸し出しをするかということも、これもいいとこ取りを将来的にしてくる可能性は大いにあるわけです。企業としては当然考える。それを将来的にどういうふうに縛るんですかということですね。株式で縛れませんから、法律で縛るのか、そのほかの方法を考えられているのか、それぐらいの基本的な考え方は今の時点で示さないと、民営化して、その後、七年後はどうなるかわかりませんという議論ではちょっと通用しないと思いますので、考え方をお伺いしたいと思います。
○甘利国務大臣
まず、現状でも員外貸し付けの枠はあります。二割だったなということで今確認したんですが、二割あります。ただ、運用実績は余りありません。これは、現状で員外貸し付けの枠があるという以上、政府系でなくなったときにこれがなくなるということは理論上ありませんから、これはあると思うんですね。運用上そこを満たしていくということはあろうかと思います。
それから、どう貸出先の制約をかけていくのかということでありますが、先ほど来答弁がありますように、これから完全民営化後も必要な措置をとっていくという中で何がとれるかということだと思いますが、ある制約ができるような有効な措置を考えていくんだと思います。
それから、株主側の組合とそれから組合員でありますから、つまり、株主からの要請には経営者はこたえなきゃならないと思います。株主の意向を無視して、自分はこっちの方がもうかりそうだからこっちに行きますよという経営判断は、これはなかなかしづらいんじゃないかと思いますから、株主の方と、それからどういう貸出先の縛りを必要な措置の中で考えていくか、両方合わせて考えれば、今の形態から全然外れた方向に行くということはないと思います。
○細野委員
そこは私もちょっと考えたんですが、必ずしもそうとも言い切れないと思うんですよ。ですから、株主になって自分たちにも貸してくれということはあり得ても、自分たち以外の非優良顧客に貸すべきではないという議論は当然あるわけですよね、株主の中でも。加えて、株主は配当を当然求めますから、要するに、配当できないような非優良貸出先にどんどん貸す商工中金のあり方はどうなんだという議論は必ず出てくるわけですよ。
ですから、株主が組合員だから、自動的に組合員以外には貸しませんよとか、厳しいところにも貸してくれますよというのはかなり楽観的過ぎると私は思っていまして、その議論は少し慎重にしっかりしていただいて、今すぐに全部答えてくださいとは申し上げませんから、私はきちっと法律で縛るべきだと思います、ある程度そこは何らかの形で。そこをしっかり書くべきだ、セーフティーネットの中に書いていませんから、そのことを申し上げておきたいと思います。
続いて危機対応なんですが、先ほど近藤委員の方から非常に建設的な議論がありましたが、私はちょっと違う観点から一、二点質問したいと思います。
まず、この危機対応の中で一番考えなきゃならないのが激甚災害だと思うんですが、この三年間の激甚災害で実際に融資をしている例を見ますと、国民金融公庫が千三十六件、商工中金が八十二件、中小公庫が五十八件となっていまして、金額からいっても国民金融公庫が六十二億円と一番たくさん貸しているんですね。
今回、国民金融公庫と中小企業金融公庫は日本政策金融公庫に吸収されるわけですが、ここで書かれている、継承業務の範囲内でやるんですというんですが、確認ですが、継承業務として、政策金融公庫も、新公庫自体も、引き続き激甚災害の融資をするという理解でよろしいんですか、この記述は。
○石毛政府参考人
お尋ねの激甚災に係る災害復旧貸し付けですけれども、新しい日本政策金融公庫、ここではきちっとそういう業務を行います。それから、商工中金につきましては、危機対応業務のスキームのもとでそれを実施していくという形になろうかと思います。
○細野委員
そこで、私、ちょっと疑問なんですけれども、継承するというんですが、新しい政策金融公庫は一般貸し付けはやらないわけですよね。日ごろの貸し付けを中小企業にせずに、激甚災害とか危機対応のときだけ出てきて、今までと同じように圧倒的多数の激甚災害を国民金融公庫を継承してこの新しい公庫がやるんですか。そんなことできるんですか。日ごろ何をしているかわからない中小企業に対して、圧倒的多数の激甚災害の融資ができるんですか。
○石毛政府参考人
政策金融公庫は、そういう特別の融資制度については、引き続き、旧国民金融公庫それから旧中小企業金融公庫の制度を保持して実行するわけですから、当然ですけれども、新しい政策金融公庫のもとでそういった融資は行うことになります。
○細野委員
今、建前としてはそういうことなんだと思うんですが、繰り返しになりますけれども、日ごろおつき合いのない企業が、激甚災害のときは比較的わかりやすいかもしれないけれども、先ほど近藤委員が指摘をされたようなさまざまな危機に対して適切な融資を引き続きできるとは私は思えません。そこを、恐らくかなり大きな役割を中小企業金融公庫が担うわけでしょう。そういう枠組みじゃないんですか。
○石毛政府参考人
日本政策金融公庫に移っても支店網、そういうものはきちっと維持されるわけですね、もちろん幾つか効率性の追求の観点から統合されるものもあるわけですから。したがって、支店の持っている機能、情報、そういうものは当然維持されるわけです。
恐らく、質問は、そういう既存の持っている以上に何か出てきたら対応できるのかということも入っているのかもしれませんけれども、そういった貸付業務についても、引き続き政策金融公庫の中で、旧国民金融公庫の部分、中小企業金融公庫の部分、行うことになりますから、対応できます。
○細野委員
では、確認ですが、例えば激甚災害については引き続き新しい公庫で圧倒的、九割方対応する、本当にそれでいいんですか。
○石毛政府参考人
九割方かどうかという、それは表現だと思いますけれども、きちっと対応できると考えております。
○細野委員
今の答弁、非常に重いと思うので、それは期待をしますが。
片や、大臣、私が感じているのは、一般貸し付けしていないところが、激甚災害だ、危機対応だというところで出てきて、ちゃんと審査をして、当然条件を緩めるんでしょうけれども、やれるかというと、かなりそこは私は将来的には疑問があるんだろう。今は支店網もあるし、支店は維持するにしても、ある程度ノウハウを維持しているにしても、一般貸し付けをしなくなるというのは、危機対応もやりにくくなるんだろうと常識的には思います。
そこで、私がちょっと不思議なのは、そうなると、どうしても危機対応は現場を持っている商工中金であるとか一般の金融機関に頼ることになるわけですよね。そこでBIS規制のような話も当然出てきます。なぜ、現場で対応するべき商工中金の法案には危機対応について何も書いていないんだろうか。新しい公庫の方の附則に何か書いてあるということで、それは見ましたけれども、きっちり商工中金の業務として危機対応はするんだということを書いておかないと、前段の議論と重なりますが、やはりクリームスキミングみたいな議論は全然避けて通れないと思うんですね。そこはぜひ御検討いただきたいと思うんです。
政府系金融機関として、完全民営化しつつそういう役割を担うということを法律できちっと書くべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。これは大臣に。
○甘利国務大臣
完全民営化後は、ほかの民間の金融機関と全く同じになるわけであります。でありますから、ほかの金融機関に要請するのと同じ要請を政府はするわけであります。でありますから、商中だけ危機管理対応を国の要請に従ってやるということを書きますと、これはもうその時点で完全民営化ではない。ですから、国の要請に従って民間金融機関は手を挙げてもらう、その中で真っ先に手を挙げてもらう対象として商工中金がなっているという理解だというふうに思っております。
○細野委員
この数年の間にもさまざまな危機というのは、激甚災害も含めて、想定はしたくないですが、恐らく出てくるんだろうというふうに思うんですね。そこでそれぞれの金融機関がどういう対応をするのかというのは、やはり見る必要があると思います。
完全民営化でほかと同じだとおっしゃるなら、それこそ中小企業金融公庫に、例えば員外に貸し出しちゃいけませんよとか、そんなことを課すこと自体もおかしいわけですよね。根拠法をつくるわけですね、大臣。根拠法をつくって、ほかの銀行とは違う扱いをするのであれば……。
○甘利国務大臣
根拠法は、ほかの金融機関と同じなんです。会社法で設立をする、そして銀行法によって縛りをかけられるということであって、そこのベースは共通なのであります。その上に、商工中金は、株主の縛りをかけるし、そしてその貸出先は中小企業にということで、根拠法自身を株式会社商工中金法ということで民営化するときにつくるということではないのでありまして、今、移行期間でありますからこういう形にしていますが、民営化後には、それを廃止して、会社法による、他の金融機関と同じ根拠法にするということであります。だから、二階部分が違って、一階の土台は共通の法律によって設立されるものであります。
○細野委員
この議論は、しばらく移行期間を見てぜひ御検討いただきたいと思います。ここで結論は求めません。
最後、この法案に関して一点。法案には書いていない部分ですが、大臣、天下りなんです。再三質疑にもありますが、特定の公務の職歴を有する者が固定的に再任されないように配慮すると。これは、同じポジションから、毎回事務次官が天下ってくるとか、何とか局長さんが必ずここに来るとかいうことを固定しないということを言っているのであって、逆に言うと天下りを容認する書きぶりですよね。大臣、ここは、答弁の中で天下りは望ましくないというふうにおっしゃるべきだと私は思うんです。特に理事長です。
なぜこんなことを申し上げるかというと、まずは、民間になって専門的な能力が求められるという観点から、役所の方は金融機関としてのノウハウを持っていませんよね。これは大臣も恐らくお認めになると思います。
もう一つは、実は、私はかつて銀行の子会社の調査会社にいまして、五年間サラリーマンをやっていたんです。私は研究員でしたから、別に社長になる気はなくて、そのうち政治に出てやろうと思っていましたから別にそういうふうには思いませんでしたが、そこで出世をして、頑張って認められようという人間にとっては、親会社から社長が来るというのは物すごくモラールの低下につながるんです。頑張ろうというやる気が出ない。プロパーでも上り詰めていけば理事長になれるぞ、能力のある人が例えばヘッドハンティングで来るということはあり得るかもしれない。能力を身につければ上に上がれるよという形になっていないと、組織としてのモラールは大きく落ちます。これは多くの子会社が抱えている課題なんですよね。私も、いろいろな関係の子会社を見てきましたから、切実に感じました。
ですから、新しく誕生する、この新しい会社では、民営化するわけですから、天下りではなくて能力主義で公募をして、その中で、どうしてもこの役所のこの人は余人をもってかえがたしということであれば議論の余地はあると思いますよ。基本的には公募によって理事長を選ぶ、それぐらいはこの書きぶりから一歩前に出ていただいて御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○甘利国務大臣
いわゆる天下り問題については、官民人材交流センターに係る法律がこの国会に提出をされます。恐らく成立すると思います。そこにおいて透明性を持ってきちんとやっていただくということであります。
完全民営化した後にだれをトップに持ってくるかはこの会社としての判断でありますし、そこに対して役所から予算と権限を駆使してあっせん云々なんということは禁止されるわけでありますから、そこは向こうの自主的な意思で、だれをトップに据えるのが適切かを判断されるというふうに思っております。
○細野委員
何か大臣の御答弁を聞いていると、移行期間はもう天下りで決まりましたみたいに聞こえますね。移行期間は大臣の権限ですよね。大臣に選定権があるわけですから、その間はやはりきちっと公募をして、いい人がいればその人を見つけてついてもらおうじゃないか、それぐらい、これはきょうで最後ですから、法案質疑の中で大臣に答弁していただきたいと私は思いますよ。それが新しくできる会社の将来のためでもあると私は思いますが、その余地はないんですか。天下りでやるんですか。
○甘利国務大臣
最適任の人が選ばれるというふうに思っております。
○細野委員
では、プロパーもしくは民間の方が選ばれる可能性があるということでよろしいですね。
○甘利国務大臣
可能性という点で発言すれば、それはもちろんゼロではないと思います。
○細野委員
これ以上は水かけ論になりそうですのでやめます。
天下りについては、もう一点。これは、通告が当日でしたのでどこまでお答えいただけるかわかりませんが、もう一方の法律、中小企業信用保険法の改正案ですが、ここで新たに信用保証協会に非常に大きな役割が与えられることになります。
そこでお伺いしますが、この五十二個ある信用保証協会、私の知る限り、地方自治体の、特に県庁の上の方の方が相当天下っているやに承知をしておりますが、どういう状況になっているか、今お答えできる範囲で結構ですから、答弁いただきたいと思います。
○近藤政府参考人
お答えを申し上げます。
各地の信用保証協会の常勤役員でございますけれども、その専門性の観点から、地方公共団体、金融機関、信用保証協会等からの出身者が就任をしているのが多いわけでございます。
全国で五十二の協会がございますけれども、十八年八月現在で二百四十名の常勤役員がおりますけれども、そのうち、地方公共団体出身の常勤役員は約百名ということになっております。国家公務員出身者はゼロでございます。
○細野委員
トップはどうですか。
○近藤政府参考人
常勤役員の内訳を少し申し上げますと、会長ないし理事長が五十二名おるわけでございますけれども、そのうちの四十九名が地方公共団体の出身である、このように理解をしております。
○細野委員
大臣も、御地元で信用保証協会が果たしていらっしゃる役割についてはいかに重いかというのはおわかりになると思うんですが、信用保証協会の判断というのは企業の生き死にを決めるわけですよね。そこに天下りの人が行っている。そこに県会議員なり国会議員なりがたかっているという構図はどこにでも見られるんですが、これも、信用保証協会の役割をこれから拡大するのであれば、県庁の副知事か商工部長あたりが毎回天下っている構図は、四十九という数字は異常ですから、改めるべきだというふうに思いますが、法律を改正するに当たりまして、大臣、お考えをぜひお聞かせいただきたいと思います。
○甘利国務大臣
私、保証協会を見ていまして、保証協会自身に目きき能力がきちんと備わっているかどうか、このところはさらに人材をしっかり充実させる必要があるということを考えてきました。
そういう体制、とにかく保証協会の保証がつくということは、民間金融機関がそれだけその融資にほぼ、従来であれば一〇〇%乗ってくる話であります。そうすると、民間金融機関もある程度モラルハザードが起きるということで、部分融資といいますか、一定のリスクは民間金融機関もとりなさいということになって、民間金融機関も、審査能力、目きき能力、企業の能力を見抜く力をつけなきゃいけない。保証協会も当然そうだと思いますし、何となく官業の延長として仕事を行うのではなくて、きちんと金融機関の一つとしてしっかりとした使命を果たすための人員の体制をとるべきというふうに思っております。
○細野委員
今大臣の御答弁があったとおり、本当は金融機関が目ききをつくってきちっと判断すべきなんですが、日本の場合は信用保証協会がつくかつかないかで融資が決まるわけですよね。ということは、逆説的に言うと、そこに天下っている官僚の人が目ききをやっている、その最高責任者が民間の人ではなくて官僚だ、もしくは県庁のOBだということになるわけですよね。これは私は大変不健全だと思います。
これは委員長にお願いしますが、この五十二の金融機関、信用保証協会のそれぞれの天下り状況を、具体的にどういう方が天下って会長及び理事長をやっているのかということについて委員会に資料の提出を要求したいと思いますが、お願いできますでしょうか。
○上田委員長
理事会で協議します。
○細野委員
理事の方にお任せをしたいと思います。
話が天下りで、さらに法案から離れるんですが、きょうは内閣府の方から剛腕の林副大臣に来ていただきましたので、四月十三日に出ました二回目以降の再就職のあっせんに関する調査報告ですが、これは副大臣も関与されたというふうに聞いております。
これは私、十六件というのを見て大変驚きました。すべてを聞く時間はありませんが、経済産業省が営利団体に二件、要するに、わたりのあっせんはこの二件を除くとありませんよという報告が上がっているんですが、大臣、これは経済産業省に問い合わせて二件しかないということでこういう記録が出ているんでしょうか。それとも、これは途中経過なんでしょうか。
○林副大臣
剛腕の渡辺大臣のもとで働いております林でございます。
今御指摘がありました二回目以降の再就職のあっせんに関する調査は、四月十三日付で行政改革推進本部の事務局で取りまとめさせていただいたものでございますので私の方から御答弁させていただきますが、これは、平成十六年から十八年までの三年間の期間で、各府省等において二回目以降の再就職のあっせんを行ったことが確認されたものについて、どこの法人に行ったですとか、そのうち予算権限関係にあるものという区別を含めて各府省等から回答してもらって、それを取りまとめたということでございます。
○細野委員
天下りに対しては予備的調査が出ていまして、経済産業省所管のいわゆる公益法人のたぐい、そういう団体に対する天下りだけで、現在二千三百七十七人。五十五歳から六十歳ぐらいで皆さん天下りますから、そういう方々がほとんど例外なくわたりをしているというのが私が聞いている事実です。
経済産業省の方に御答弁をお願いしますが、この間私が委員会で聞いたときには、OBになられた方々につきまして、企業、団体等から照会があった場合に、いわゆる情報提供をすることがありますという御答弁があるんですが、二件だけなんですか。そういう理解でよろしいんですか。
○松永政府参考人
お答え申し上げます。
先般、細野委員より御質問ございまして、私の方からお答えをさせていただきました。OBに対しましても、企業、団体等から寄せられる要請を踏まえまして、これらの要請に対しまして、OBについての情報を紹介することはございますというふうにお答えいたしました。
また、今般、行革事務局から二回目以降の再就職のあっせんに関する調査の依頼がございまして、ただいま林副大臣から御答弁ございましたけれども、これに対しまして、当省から、職員の二回目以降の再就職につきましてあっせんを行ったことが確認されたものにつきまして、その件数をお答えしたものでございます。二件ということでお答えさせていただきました。
○細野委員
では、この間御答弁をされた、照会があった場合に情報提供することがありますというのは、この二件だけのことを指して御答弁をされたということですか。
○松永政府参考人
お答え申し上げます。
今回の調査に対しまして、再就職についてあっせんを行ったことが確認されたものについては二件ということでございます。
○細野委員
その後こういうふうに答えられているんですね、再就職を職務として実施をしていると。職務として実施をしているのを二件だけで報告されているということは、これ以外ないということですね、職務について報告をされたわけだから。もしくは、まだ途中で、まだあるかもしれないということをおっしゃっているんですか。いずれか、お答えをください。
○松永政府参考人
お答え申し上げます。
OBの再就職につきましての情報の提供につきましては、先般もお答えをいたしましたように、そういうことを業務として行うということで直ちに問題になるものではないというふうに承知をしております。
それから、今後のことでございますけれども、企業、団体等から何らかの要請がございましたら、これに対してお答えをするということはあり得ると思います。
○細野委員
はっきり答えてください。この二件だけなんですかということを聞いているんです。
○松永政府参考人
繰り返しになりますけれども、今回の調査につきましてお答えしたことにつきましては、この二件のみでございます。
○細野委員
ないと言い切れるんですか。再度お答えください。さっき、確認できたのは二件とおっしゃいましたね、現在のところ二件。
林副大臣、もうこれでお帰りいただいて結構なんですが、これは私、調査としてはやらない方がよかったと思うんですよ、正直にちゃんと調査しないなら。わたりは現実にあるのをみんな知っているわけですから。こんなところで本音と建前を使い分けていくようじゃ、今人材バンクをつくって天下りの問題をやっているベースのデータが全く間違っていますからね。
これは、副大臣、これでやめるならやめた方がいいと思います。これはなかったことにした方がいいと思います。やるならちゃんと調べる。このわたりの問題を人材バンクでどうするのかという議論をしなきゃならないんですから、そのベースが間違っている、これは大変なことです。剛腕の大臣がいらして敏腕の副大臣がいらっしゃるので、これはちゃんと調べるとぜひ御答弁いただきたいと思います。
○林副大臣
この調査は、御案内のように、今回、先ほど甘利大臣からもお話がありました、国家公務員法の改正法案を取りまとめる過程において取り急ぎやったということでございます。数字について大臣が既に所感を述べられておるところが新聞等に出ておりますけれども、今委員がおっしゃったような御意見を大臣にしかと伝えて、今後どうしていくのかということはきちっと検討してまいりたいと思っております。
○細野委員
前向きに御答弁いただけたというふうに理解をしたいと思います。
これから行革の議論が始まりますから、この委員会でも当然何度も議論になることに間違いなくなりますし、各委員会、内閣委員会で法案質疑も始まりますので、ベースになる数字ですので、再調査をぜひお願いしておきたいと思います。
副大臣、これで結構です。ありがとうございました。
残り、時間が十分になったんですが、この残りの時間を使って、貿易保険の問題について少し質問をさせていただきたいというふうに思います。
二枚資料を配っておりますので、まず大臣、それをごらんいただけますでしょうか。今、私、独法をそれぞれ調べておりまして、その中で一つ気になったこととして、この貿易保険についてございました。
まず一枚目ですが、この貿易保険につきましては、平成十三年の三月三十一日を最後に、四月一日に独立行政法人ができています。大臣、ごらんいただいていますか。そのことによりまして、それまで経済産業省で働いていた職員が独法に行って、そこで貿易保険についての仕事をしているということです。
当初、経済産業省の中で百七十四人でやっていたのが百八十七人になった。ふえています。さらにそれから六年たちまして、四月一日ですからほぼ現在のデータということで理解をしていただいていいと思いますが、今、経済産業省の中で貿易保険にかかわっている人数が二十七人。独法の中でやっている人の数が役員を入れて百四十六人で、合計百七十三人。この六年間で効率化を本当は独法にしてしなければならないところが、人数が一たんふえて、今、大体同水準、一人減になっているんですね。これは数字です。
大臣、もう一つ指摘したいのはこの独法の中の給与の水準なんですが、経済産業省の本体を一〇〇とした場合に、一三四・四なんですね。一・三倍以上です。顔ぶれを見ても、独法になると、理事長を初め上の方の方は二千万ぐらい給料をもらいますし、課でやっていたときは、トップは課長さんですから、当然給与水準は上がるわけですよ。本当は独法をつくって効率化をして、民間にも開放して、民間に開放できていないというもう一つの問題もあるんですが、この今の貿易保険の現状について、大臣、どのようにお考えになるでしょうか。
○甘利国務大臣
人件費については、公務員の人件費を削減していく、その延長線上に独法の縛りも当然かかっていますから、当然その枠内でやっていくことになろうかというふうに思っております。
貿易保険を独法化していく際に、外部からの専門家を登用するという経緯もこれあったというふうに承知しておりまして、専門家でありますから、当然ある程度の給与を払わなければ来てもらえないということ等もあったのではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、貿易保険、ここで資源・エネルギー新保険も開設をいたしましたし、これが日本のエネルギー戦略にも随分大きな比重を担っていくことになるわけでありますから、その意義はしっかりと受けとめてやっていきたいというふうに思っております。
○細野委員
まず大臣に一つ御認識いただきたいのは、六年たって、人件費を含めて考えると実は肥大化しているということですね。ちなみに、経済産業省所管の独法は全部で十一ありますが、すべて給与水準は役人の方よりも上です。この独法のあり方は少しきっちり見ていく必要があるのではないか。肥大化しているという現実について直視すべきではないかということが一点。
もう一点が、二枚目をごらんいただきたいんです。
貿易保険をめぐりましては、今のところ、独立行政法人がほぼ独占的に大きな役割を果たしているんですが、もう一つ大きな役割を果たしているものとして、財団法人の貿易保険機構というのがあります。同じような名前なので、何をやっているのかなと思って関心を持ってこれを見たんですが、貿易保険機構、この財団法人のさまざまな情報などを見ると、経済産業省と独立行政法人日本貿易保険と三位一体で貿易保険をやっていますというふうに書いてあります。
大臣、ちなみにこれは、経済産業省の方から私がいただいた資料にお金の流れと人の流れをつけたものです。まず人の流れですが、経済産業省から独立行政法人に対して、理事長、理事、監事、常勤の役員四名中三名が天下りです。十名の一般職が天下っています。経済産業省から財団法人に対して、理事長と理事二名、役員全員、常勤役員三人しかいませんから、三人とも天下りです。職員が二名天下っています。
そして、この独立行政法人の日本貿易保険から財団法人貿易保険機構に対しては、五億一千四百万円の随意契約が行っています。ちなみに、独立法人の日本貿易保険が調査委託をしているのはここだけです、丸投げです。どういうことをしているのかというふうに見てみたんですが、右上の四角の中、これは経済産業省からいただいた資料ですが、貿易保険の引き受け支援業務、調査業務が二件あって、保険事故に関する損失発生情報のデータベース登録。四件書いてあるんですね。
私も損害保険会社に勤めている人間をたくさん知っているものですから何人かに聞いてみましたが、一番上と一番下の業務は保険の根幹にかかわるところだ、これを外注しているのは民間の保険会社ではあり得ないという話がございました。真ん中の二件は、私は調査会社に勤めていましたからよくわかりますが、海外のデータベースにアクセスして情報をとるというのは、これはだれでもできます。今、低価格化をしています。
こういう状況の中で、天下りが行ってお金が流れるという、この現実をまさに三位一体でやっているわけですよ。財団法人貿易保険機構の売上高に占める独法の売り上げの割合は八六%、全く一体でやっているわけですよね。もういいかげんにこういうことはやめた方がいいんじゃないか。
大臣、この表を見て、どのようにごらんになるでしょうか。大臣にお願いします。
○甘利国務大臣
貿易保険を運営していくに当たって、より効率的な運営を行うということは当然のことでありますし、独法化も基本的にはそういう趣旨で行っていったんだというふうに思っております。
今、三者の関係に関して、非効率的な部分の御指摘が多々あったわけであります。これは、御指摘はしっかり踏まえて、より効率の上がる方向に向かって努力をしていかなければならないというふうに思っております。
ちなみに、日本貿易保険から貿易保険機構に委託している業務、今御指摘があった部分でありますけれども、委託先選定に当たっては、今後、自動的にここを対象とするのではなくて、一般競争入札を導入することも視野に入れるということになっておりますし、そうしたことを通じて、さらなる効率化を図る予定であるというふうに承知をいたしております。
ただいまの御指摘を受けまして、貿易保険事業の運営体制につきましてもしっかりと検証していきたいというふうに思っております。
○細野委員
経済産業省で言えば、もっと大きな独法としてはNEDOとかジェトロなんかがありまして、それぞれ調べても同じようなものはあるんですね。大体、こういう独法があって、公益法人がかんでいるケースは三点セットだと私は思っていまして、一つは公費が流れるわけですよ。経済産業省から独法に対しても、これは再保ですから、カントリーリスクみたいなのが顕在化した場合はお金を出しますね、税金を。この独立行政法人から財団へは、これは委託ですから、丸投げでお金が流れています。人が流れてお金が流れる、この構図。人とお金ですね。天下りとお金。
もう一つは、民業圧迫。私はこれは強調しておきたいと思うんです。ちなみに、これは財団法人が出しているマニュアルですが、貿易保険についてのマニュアルを全部ここが出しています。経済産業省が監修しています。これは財団法人が出す必要はない。独法はきちっとマニュアルを出して、そのままやっていることが書いてあるわけですから。要するに、ここが独占的に受託しているから、ここしか出せないから、これを出して有料で売っているわけですよね。会員企業も、ほとんど、貿易保険に加入しているところは強制的に入らされる形になっています、この財団の会員に。幾つか聞いてみましたが、例外はほとんどありませんでした。当たり前なんですよ、独占的にやっているんだから。会員に半ば強制的にならされるわけです。天下りのためにこういう組織をつくるのはそろそろやめて、私は、きれいにすべきだと思います。
大臣、この財団のあり方、常勤の役員全員天下りですから、経済産業省お抱えの、所管だけじゃない、お抱えの財団です。こういうところをしっかり見直す。御答弁をいただきたいと思います。
○甘利国務大臣
財団への事業の委託についても、しっかりとした入札制度を導入していくという検討がなされていますし、それから、貿易保険自体の民間参入ということも門戸を開いているはずであります。
ただ、私が資源外交をやっておりまして、民間に任せて相手側が信用する度合いがどれくらい高いかということを考えますと、やはり政府がある程度のコミットをしなくてはいけないということは痛切に感じました。その方法として、政府が関係している貿易保険がついていくということによって、国としての、政府としての相手側に対する発言力を担保するということもこれありますので、独法の貿易保険が貿易保険のある部分についてこれからも担当していくということは、大切なことだというふうに思っております。
○細野委員
貿易保険に国がある程度関与すべきだというのは、私も大臣の意見に賛成です。だからこそ逆に、国がかまなきゃならない部分だからこそ公正にやらなきゃならない、そういう考え方からすると、これは逸脱をしていると思うんですね。
これで終わりますが、最後に一点だけ指摘すると、この三角の構図というのは、今農水省で問題になっている緑資源機構と同じなんですよ。省庁があって、独立行政法人があって、財団がひっついていて、あちらはたまたま入札にしているから談合が起こったのであって、こんなのは随契でやっているんだから談合以上にひどいという解釈もできるわけですよ。経済産業省は随契が多いです。入札をせずに随契にしているから見えないけれども、構図は一緒。人の流れを変えない限り、私は公費の無駄遣いはなくならないと思っていまして、引き続いてこの議論はやっていきたいというふうに思っています。
以上です。ありがとうございました。
|