○細野委員
おはようございます。
きょうは安倍総理に来ていただいていますので、安倍総理に質問をさせていただきます。必要があれば渡辺大臣にも答弁を求めますが、委員長、安倍総理に聞きますので、そこをぜひ采配を振るっていただきたい、まずそのことを申し上げます。
昨日、社会保険庁の法案が強行採決をされました。それ自体、我々は大変大きな問題だと強く抗議をしたいと思います。ただ、決してこの社会保険庁の議論はここで終わったわけではなくて、きょうここで議論をいたします天下りの問題ともこの問題は非常に深く密接にかかわっている、私はそう思っています。
社会保険庁長官の歴代の天下りを、資料を請求しまして、九〇年以降については出していただきました。そして、九〇年以前の社会保険庁長官についても、一部資料を要求しまして出てまいりましたので、まずそのことから確認をさせていただきたい、質問をさせていただきたいと思います。
一人の社会保険庁元長官の経歴をまず御紹介したいと思います。資料を配っていますので、一枚目をごらんください。この方は、ちょっと迷ったんですが、実名で正木さんという方です。紹介をさせていただきたいと思います。
昭和六十一年に退官をされて、その後、社会保険庁関係、厚生労働省関係の団体をずっとこうして天下っていらっしゃいます。なぜこの方を挙げたかということをまず申し上げると、この方は、昭和六十一年に退官をされておりまして、今消えた年金で問題になっております、年金の手書き台帳の破棄をした昭和六十年九月の当時の社会保険庁長官なんですね。総理も何度か歴代の長官の責任について言及をされていますが、この方は大きな責任を持っている方の一人だというふうに思いますので、実名を挙げて、その後の経歴をこうして御紹介させていただいています。
一つ目に天下っておられるのが、全国社会保険協会連合会。それぞれの都道府県にある社会保険協会の連合体の副理事長に天下っていらっしゃいます。給与については、今の時点での連合会の給与規程から、私の方で、現在の規程に基づくと、この方が幾ら報酬をもらっていて、ボーナスが幾らで、退職金が幾らかということについて計算をいたしました。
ちなみに、過去はこういうさまざまな特殊法人や独立行政法人は給料が高かったですから、今の規程に基づくと実際にもらった金額より低く出ます。ただ、そこは慎重に、最低限これだけはもらっているだろうという金額をここで出しております。
そして二つ目が、社会保険診療報酬支払基金。これも社会保険の支払いをする団体ですから、社会保険庁のもろに関連団体と言うことができます。そこで報酬が一億ちょっと、退職金が八百六十五万円。
次の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、これは理事長、今は独立行政法人化しておりまして、給料はぐっと下がっています。ただ、下がったものでしか計算できませんから、これに基づいて計算をすると、報酬が六千六百三十万円、そして退職金が五百三十五万円。
最後に社会保険健康事業財団の理事長、これは非常勤なんですが、調べますと、週四日来られていたということで、規定に基づいて計算をすると、報酬が八千五十四万円で、退職金が六百四十六万円ということで出てまいります。
これをすべて足すと、この正木さんという方は、五十五歳で退官をされてから現在の七十六歳に至るまで、支給総額二億九千万円、大臣、そして総理、受け取っていらっしゃいます。
まず総理に伺いたいんですが、これを調べる過程で、実は最後まで資料が出てきていないのがあるんです。これは、社会保険庁の長官のときの退職金が出てこない。それぞれの団体がある程度協力をして、給与の規程や退職金のこと、勤務形態についても教えていただけました。社会保険庁だけは、ずっと私は聞いているのに、退職金が出てこない。これは理由は何か。個人情報だからということなんですね。
総理、これは大きな責任を担っていらして、総理自身も責任について言及をされている方ですよね。社会保険庁の退職金というのはまさに税金で出ています。これを個人情報にしていいんですか。まずこのことを総理にお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣
突然の御質問でございますから、今私の持っている認識、知識の中でお答えをさせていただきたい、このように思うわけであります。
しかし、個人情報保護法との関連においては、これは法律との関連でありますから、本来厳密にお答えをしなければならないと思いますので、個人情報保護法との関連において、本人の了解なしに公表できるかどうかということについては、もう一度これは検討させていただきたい、このように思います。
そこで、いわば年金記録の問題と歴代の社会保険庁の責任、また社会保険庁の問題、責任につきましては、これは党首討論のときに申し上げましたように、私どもは、有識者から成る委員会をつくって、どういう責任があったのか、どういう問題があったのか、どういう問題によってこうした結果になってしまったかということについては検証しなければいけない、その検証によって責任の所在も明確にしていく、そのことが私の責任である、こう考えております。
〔委員長退席、西村(康)委員長代理着席〕
○細野委員
総理、確認をします。もう一度聞きますが、ほかの団体はそれぞれ給与規程を出して、こういう考え方に基づいて給料を出しています、退職金を出していますというのをそれぞれの団体が答えているんですよ。社会保険庁はそれに協力しないんですよ。これは総理、通告はしていないとおっしゃるが、極めてわかりやすい話です。社会保険庁長官でこれだけ大きな責任を負っている人の退職金、きちっと出さなくていいんですか。そういう答弁ですか。
○安倍内閣総理大臣
私はそういうことを申し上げているのではないんです。前もってこれは言っていただければ、どういう根拠かどうか。それは例えば私がここに立つ三十分前でも結構ですよ。(発言する者あり)
○西村(康)委員長代理
答弁中です。静粛にしてください。
○安倍内閣総理大臣
ほかの方々は、質問通告していただいている方々もおられるわけですから、その中で、法律との関係において、いわば公務員との関係かもしれないし、私は、今ここで直ちにお答えする知識は残念ながら持ち合わせておりません。
これはまさに、法律的な問題がどうあるのか、法律的な問題がないのであれば当然それは開示をさせなければいけない、こう私は認識をしております。
○細野委員
この委員会は委員長の職権で立てられています。なぜかここの委員長はよく代理を使うんですよね。何で総理がいるこの大事な時期に委員長はいないんですか。
○西村(康)委員長代理
今、トイレに行っています。
○細野委員
我々は、職権で立てられたことに対して強く抗議をしております。
総理、最後にもう一回聞きます。
この天下りの問題は、社保庁の問題と大きくかかわります。そして、社保庁改革の法案をきのう強行採決をされました。今の時点で総理は、この社保庁の長官の退職金は出すという政治判断をされない、そういうことですか。
○安倍内閣総理大臣
ですから、私はしないとは申し上げていないじゃないですか。私は正確に総理としてお答えをしたいんです。
公務員にはどういう権利があるのか、個人情報保護法との関係においてはどういう関係になっているかということについて、これはまさに社会保険庁長官の退職金を公開するということについては国がやるわけでありますから、ほかは民間になるわけでありますが、国にどういう義務がかかっているかということ、やはり法律的にどうかということは、これは調べさせていただきたい。これは今調べさせていただければすぐわかる話であろう、このように思います。(発言する者あり)
○西村(康)委員長代
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○西村(康)委員長代理
速記を起こしてください。
細野豪志君。
〔西村(康)委員長代理退席、委員長着席〕
○細野委員
今の総理の御答弁を聞いていると、役所は出さないと言っているんですからね、個人情報を盾にですよ、現実に。だから、それを乗り越えて社会保険庁の改革をして責任を追及するなんということは、到底今の総理の御答弁ではできないというふうに率直に感じました。
では、総理、もう一つ聞きます。
社会保険庁の長官、歴代の天下り、私の手元に九〇年以降全員あります。この方は代表例で、大分前にやめておられますからいろいろなところへ天下っていらっしゃいますが、大体皆さん同じパターンです。社会保険庁の関連の団体に天下って、そこで給料をもらって、退職金をもらって、この方は約三億ですが、退職金を含めると三億五千万か四億かわかりません、それだけ退職してからお金をもらっているわけですよね。
社会保険庁の歴代の天下りについて総理はどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣
先ほどの点についてお答えをいたします。
私が答えたのは、これは公開できない、そう答えたわけではなくて、ではなぜ国にそういう義務がかかっているかどうかというのは、これは調べてみなければわからないじゃないですか。ですから、そういう中身のある議論をするためには事前に伝えていただきたい。
ですから、今私は聞きました。聞いた結果、それは、国に対して個人情報保護についての義務がかかっている。ほかのところは民間でありますから、これは国と民間という立場の違いがある。
しかし、この人のは幾らということは言えませんが、計算方法についてはお答えをできるわけであります。計算方法についてお答えをすれば、事実上、何年いたかということが年数がわかるわけでありますから、推測できるということでございますので、これは、どういう計算方法かということについては、一般的な計算方法についてはお答えをさせていただきたい。それであれば、退職金が幾らであるかということはかなり正確に類推できる、私はこのように思うわけでございます。
そして、今御質問がございました、いわゆるわたりあるいは天下りの問題であります。これは今私も確たる証拠はないわけでありますが、今まではいわば各省庁がいわゆるあっせんを行っていたわけであります。各省庁が次のいわば天下り先、そしてその先のあっせんを直接、事実上行っていたわけでありますが、しかし、この法律、今回私どもが出している公務員制度の改革によって、基本的にもうこうしたあっせんは行わない、行ってはならないということが決まっていくわけでございますので、このようないわば天下りができなくなっていくということを申し上げておきたい、このように思います。
○細野委員
では、渡辺大臣に確認をしますが、二年後に社会保険庁は日本年金機構になりますね。そのときも、トップの方も当然いるでしょう、ほかのスタッフの方もいます、役員もいます。日本年金機構からこうした団体へ、これまでやってきたような天下り、これはこの法律で禁止をされているんですか、禁止をされていないんですか、しっかり答えてください。
○渡辺国務大臣
そうしたわたり、天下りが本省のあっせんが絡んでいるということであれば、これは禁止されております。
○細野委員
大臣、本当に大丈夫ですか。日本年金機構は特殊法人ですよ、役人じゃないですよ、官僚じゃないですよ。特殊法人からの天下りを本当に規制していますか。
○渡辺国務大臣
先ほども申し上げましたように、そういう渡り鳥が各省のあっせんによって行われている場合には、それはもう全面禁止だと言っているわけです。
○細野委員
ごまかしているんですよね。
例えば、社会保険庁に役人以外の人が来ました、そしてプロパーの社員がいます、これは天下りを規制できますか。
○渡辺国務大臣
プロパーの場合はまた別でございます。
○細野委員
要するに、官僚が社会保険庁に天下って、その後再就職することはあっせんの規制はできるけれども、社会保険庁のプロパーの社員、特殊法人のスタッフということになるのかもしれませんが、その人が天下ることは規制できませんね。
それと、もう一つ大臣に聞きますが、では社会保険庁が特殊法人になって、その特殊法人の判断で、厚生労働省やそのほかの省庁のあっせんではなくて、社会保険庁自身の判断で再就職すべし、この関係なんかは、幾つかの団体は社会保険庁と直結的な関係にある団体であります。そういう団体にみずからの判断で天下った場合は規制できますか。
○渡辺国務大臣
ですから、そういうケースで本省が絡んであっせんをやっていれば、それは全面禁止だということですよ。
○細野委員
本省のあっせんがなかった場合は規制できますかということを聞いています。しっかり答えてください。
○渡辺国務大臣
大体、今までのケースですと、確たる証拠はありませんが、本省が絡んでいないとなかなか難しい人事なんですよ。だから、我々はそういうケースについてあっせんを全面禁止する。民主党も同じ案じゃありませんか、これは。違いますか。同じ案でしょう、全面禁止をするという点においては。
ですから、まさに我々は、そういう問題の本質にスポットライトを当ててこの法案をつくったということですよ。
○細野委員
いいですか、大臣、例えば全国社会保険協会連合会、これは社会保険庁そのものの業務にかかわる団体ですよね。厚生労働省との関係は間接的です。あっせんがなくても社会保険庁自身で天下りをする可能性は十分あります。あっせんがないから天下りがなくなりますというのはまさに机上の空論で、こういう例を全く規制していないんですよ。
確認をしますが、今まではあっせんがなければ天下りできなかっただろうということですが、こういう厚生労働省が直接かかわらずに社会保険庁の判断で再就職をした場合、これは規制できませんね。再度確認させてください。
○渡辺国務大臣
社会保険庁が絡んでいれば、それは規制対象になるということですよ。
○細野委員
社会保険庁がなくなって日本年金機構になりますね、二年後に。厚生労働省のあっせんなしに日本年金機構の判断で再就職をした場合は規制できないんじゃないですかということを聞いているんです。あっせんがない場合です、厚生労働省の。
○渡辺国務大臣
ですから、今までの社会学的実態として、あっせんなしにやっているというのはなかなか想像しにくいと言っているんですよ。ですから、まさしくその問題の社会学的実態に即して我々は規制をかけているんです。
ですから、御指摘のようなケースで、もしあっせんしている疑いがあれば外部監視機関が出ていくんですよ。いいですか、これはもう何度も議論している話じゃありませんか。疑いがあれば、調査の端緒になるんです、本人の事情聴取を行うこともあるんですよ、立入検査もあるんですよ。ですから、そういう規制をかけているわけですから、そう簡単に今までのようなあっせんが続くなんということはあり得なくなるということですよ。(発言する者あり)
○河本委員長
速記をとめて。
〔速記中止〕
○河本委員長
速記を起こして。
渡辺国務大臣。
○渡辺国務大臣
ですから、社会学的実態としてあっせんがあるのが普通だろうということで私は答弁を申し上げているんですが……(発言する者あり)ちょっと最後まで聞いてください、最後まで、答弁中なんですから。
ですから、機構のプロパーの職員でその人がどこかに再就職するという場合には、規制はかかりません。
○細野委員
整理して申し上げると、大臣、いいですか、社会保険庁が日本年金機構になりますね、日本年金機構のプロパーの社員が日本年金機構の判断であっせんをして天下る場合には、政府の法案だと規制の対象になりません。そしてもう一つ、元官僚でも、厚生労働省があっせんをせずに社会保険庁に一回就職をして、一回天下って、そこは規制がかかりますよ。そこで厚生労働省がかかわりなく日本年金機構自身の判断で再就職をした場合には、規制対象にならないんですよ。
要するに、省庁のあっせんがかぎであって、社会保険庁自身の判断、これが日本年金機構になった後は、そこの判断で再就職をするのは規制の対象にならないんですよ。
○渡辺国務大臣
ですから、そういう純粋理念の話でいけばそれはならないと言えようかと思いますが、しかし、実態としては大抵絡んでいるケースが多いんですよ。ですから、疑いがあれば外部監視機関がちゃんと出ていくと何度も申し上げているじゃありませんか。
○細野委員
大臣、それは甘いと思いますよ。なあなあでやってきたんじゃないですか、社会保険庁とこの団体が。(発言する者あり)違いますよ。社会保険庁自身とこれらの団体がなあなあでやってきたんですよ。そこのあっせんを、社会保険庁が日本年金機構になっても、そこ自体の天下り、あっせんは残るじゃないですか。それは自由なんですよ。
では、民主党の提案者に伺いますが、この特殊法人からの天下りですね、民主党の考え方はどうなんでしょうか。
○武正議員
まず細野委員に申し上げますが、日本年金機構法第八条第七項では、今回の政府の提出法案、国家公務員法の「第百六条の二第一項の規定は、適用しない。」すなわち、日本年金機構の職員には、いわゆる政府の提出法案のあっせんの適用除外である、まずこのことを申し上げておきます。つまり、今回の政府案のあっせんの適用除外なんですよ、日本年金機構は。これがまず第一の問題点。
民主党は、いわゆる特殊法人からの天下りについても二年の規制をかけております。対象にしております。関連の深いそうした営利企業への天下りは、当然対象にしております。
また、もう一つつけ加えておきます。担当大臣は根絶、根絶と言いますが、もう一つまた例外は、例えば独立行政法人が百一ありますが、政府の対象はわずか八つです。九十三の非特定、非国家公務員型の独法は対象外であります。
もう一つ例外があります。出向であります。出向、あるいは係長以下、そしてまたセンターが仲介、そして今第三者機関と言いました非常勤五名、大変弱い組織、これらが承認する四項目については、現職の在職中の就職活動はフリーであります。
このように抜け穴だらけであることも申し添えておきます。
○細野委員
では、総理に聞きます。
社会保険庁が二年後日本年金機構に、法案が通れば、参議院で通ればそうなります。日本年金機構になったら、日本年金機構自体には天下りの規制はかかりません。厚生労働省のあっせんがあれば別ですよ。あっせんがない、日本年金機構自身での判断の天下り、再就職は、これは規制がかかりません。総理、これでいいんですか、本当に。
○安倍内閣総理大臣
今の質問は、日本年金機構からその先へのいわば再就職の件についておっしゃっているんだろうと思います。
しかし、日本年金機構からその先への再就職と、今ここで委員がお示しの元社会保険庁長官の方のいわばわたりと言われているこの経路とは、これは全く私は別の世界だということをまず申し上げておきたいと思います。
まず、この社会保険庁長官、もともとこれは本省のキャリアであったわけですね。本省のキャリアでなければ、社会保険庁のプロパーの人が、こんなように理事長、理事長、理事長と行けるわけがないんですね。そして、そもそも、例えば医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、これは全く関係ないじゃないですか、社会保険庁と。これは本省の、例えば薬務局のあっせんがなければ行けるわけがないんですよ。ですから、日本年金機構の方がこのような人生は絶対に送ることはできないということははっきりと申し上げておきたい、このように思います。
ですから、これは全く別の世界であって、そして、日本年金機構は、いわば私たちは今までの親方日の丸型の社会保険庁を変えていく、廃止をして解体をしていく、そういう決意をしたんです。だから、いわば今までのような公務員型ではない特殊法人としたわけでございます。公務員型でない特殊法人になりましたから、今後は、ここに行くについては当然あっせんがいわばできないということになるわけでありますが、その先についてはいわば民間と同じくくりになって、それは民間型、非公務員型のほかの特殊法人と同じになるわけであります。
しかし、そこでもう一度申し上げておきたいのは、こういう人生を歩むことができるのは、まさにこれは本省のキャリアであったからこそ天下っていくことができた、こういうことを申し上げておきたい。それと、今後、いわば日本年金機構のプロパーの方々がこういうような人生を歩むということは当然想定し得ない、私はこのように思います。
○細野委員
では、総理、もう一回聞きますが、日本年金機構が新しく誕生しますね、そこからの再就職というのは、そこ自体に何か規制をする、そういう枠組みというのはあるんですか。要するに、では、この社会保険庁の元長官と同じ人生を歩む人はいないにしても、社会保険庁自身が再就職先を渡っていく、これを規制する法案はあるんですか。
○安倍内閣総理大臣
今、委員が具体的な例を挙げておられますから、この具体的な例にのっとってお話をさせていただきますと、いわば日本年金機構はこのどこにも権限を持っていないということははっきりしていますね。どこにも権限を持っていませんよ、それは。次に行く、例えば全国社会保険協会連合会は、保険局の保険課ですよ。厚生省の保険局の保険課ですから、厚生省の保険局の保険課が例えばこれをあっせんしなければ、ここには行けないんですよ。それは事実上はっきりしているんだろう、私はこのように思うわけであります。日本年金機構はいわば非公務員型の、これは皆様の年金をお預かりする、今までの社会保険庁のような労働慣行のない新しい仕組みを私たちはつくっていく、このように決意をしたわけでございますから、それは御安心をいただきたい、このように思います。
○細野委員
今、総理の答弁からもわかるように、日本年金機構から自身の判断による天下りは規制がないんです。そこで新しい世界ができて、日本年金機構のもとにさまざまな利権ができて、そこに天下るのは自由なんですよ。
総理、いいですか、これまでの社会保険庁は規制の対象だったんですよ。社会保険庁は規制の対象だったのが、これだけ問題になって、日本年金機構に移行したら、天下りが自由化されるんじゃないですか。その問題を、今みたいにすりかえて、このケースだけで、この人生はないですよなんという答弁はあり得ません。
質問をかえます。もう時間がありませんから、もう一つだけ聞かなきゃならないので、質問をかえます。
わたりの問題について、社会保険庁だけではフェアではないと思いまして、元建設省の事務次官の天下りについても調べました。
こちらの方は個人名は伏せようかと思います。五十八歳で、平成十年に旧建設省を退官されて、顧問を務めた後、住宅・都市整備公団、今の独立行政法人都市再生機構の副総裁に天下られました。そして、副総裁から総裁になって、独立行政法人になって理事長、この間に総額一億二千四百五十万円の報酬を受け取られています。退職金は二千六百五十万円。総理、いいですか、これは、私が最低限、ボーナスも含めて、今の基準で少な目に見積もってこの金額なんです。
そして、その次に、非営利団体に短期間非常勤で勤めて、その後、今は財団法人民間都市開発推進機構の理事長として天下っていらっしゃいます。
今、この方は、平成十七年からですから、二年間やって、まだ理事長にいらっしゃるわけですが、理事長の在任期間が平均七年。あと五年在任をすると、報酬が一億五百万円、退職金が二千八百七十万円、すべて合わせると、この見込みだけで三億五千五百万円です。
この方は今六十七歳、五年と換算しても七十二歳。もう一つ恐らく天下るでしょうね。そうすると、建設省の事務次官は退職してから五億ぐらい受け取るんですよ。とんでもない。
我々が再三再四指摘しているのは、このわたりの実態をきちっと調査してくださいということです。大臣はわかっていらっしゃると思いますが、平成十六年から十七年のわたりの実態について調査をして、十六件と出てきました。この方は、その期間に財団法人民間都市開発推進機構に天下っていらっしゃいます。これは、国土交通省のもとでさまざまな融資をしたりしている、べったりの国土交通省の所管の財団です。これはこの十六件に入っていません。こういうわたりのとんでもない事例がいっぱいあるんですよ。政府はその調査をしていないんです。
総理、いいですか、わたりをしっかり調査してください。社会保険庁だけじゃないです、各省庁やっています。それを調査しなければ、いいですか、総理、これまでもわたりは隠然とやってきたんです。法律が通ったって隠然とやれるんですよ、そんなのは。わたりの実態をきちっと調査してください。
総理に御答弁いただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣
渡辺大臣はこのように答弁したんだろうと思います。今御指摘の十六件、調査をして、役所が認めたのは十六件であります。しかし、十六件ということはないだろう、これはもしかしたら氷山の一角かもしれないというのが渡辺大臣の答弁であったんだろうと思います。私もそのとおりだと思います。それは国民的な、皆さんの感覚。
しかし、今、もう一度調査しろと言っても、恐らく役所には、残念ながら、今までそうした資料を残していないというところに大きな問題があったんですよ。ですから、これは、我々は、これからどうするかということが大切じゃないですか。ですから、これからもう二度とそういうわたりはさせない。だから、二度目以降のあっせんは一切認めていない、それが私たちが今提出をしている法律だということは申し上げておきたいと思います。
○細野委員
いや、全く信用できません。現状のわたりがどうなったかの調査すらまもとにできずになめられている行革事務局のもとで、法律ができたって、わたりのあっせんがやったかやられないか、きちっと本当に調査できるんですか。総理、いいですか、ここに本当にあっせんなしで天下ったと思いますか。そういうことになっていないんですよ。
時間がなくなりましたから、最後に委員長に伺います。
わたりのあっせんについて、理事会できちっと調査をすると委員長おっしゃいましたね。今、資料が出てきていますが、これは委員長の指示です。二回目以降の再就職、事務次官について、一九九〇年以降出していただきました。見たら、これは確認中ばかりじゃないですか。委員長がきちっと調べろとおっしゃって、理事会で調査を、きちっとおっしゃったわけでしょう。これをきちっと、確認中を全部調べて、これだけうまい汁を吸ってきたわたりがあるんです。これをどうするか、これをどう考えるかという判断なしに、この法律を議論する意味はないんです。これまで建前で、実態に即さずに議論をしてきた、これはとんでもないことです。
委員長、再三申し上げていますし、委員長自身もおっしゃいました。事務次官のあっせんの有無については最後まできちっと確認をして、それを採決の前提としてください。御答弁ください。
○河本委員長
さきの理事会でも、資料を求められた結果、精査をする、確認をするという作業がまだ進んでおる、こういう認識であります。さらに進めます。さらに作業を進めてまいります。(発言する者あり)
速記をとめて。
〔速記中止〕
○河本委員長 速記を起こして。
細野豪志君。
○細野委員
馬淵さんに譲りますが、これは再三申し上げますが、わたりというのは国民が一番怒るんですよ。民間の人は、わかりますか、六十歳で定職をしてから三億、五億なんというお金をもらう人は、これは民間ではあり得ないんですよ。それをきちっと調べて実態がどうなのか、これを調べてください。
それで、委員長はそれを約束したんですから、きちっと最後までやってください。それをやっていただかないと、このわたりの実態が明らかにならない限り、当然この質疑は終わらないし、採決すらあり得ない、そのことを委員長に強く申し上げて、また法案担当の皆さんに申し上げて、私の質問を終わります。
|